著者
西村 明 森 謙二 村上 興匡 土居 浩 清水 克行 粟津 賢太 中山 郁 ドーマン ベンジャミン 町 泰樹 ドボルザーク グレッグ 飯高 伸五 ミャッカラヤ M.G シェフタル 北村 毅 キース カマチェ 渡邉 一弘 ポール ハインツ スティーブン ブラード イ ヨンジン 木村 勝彦 田村 恵子 矢口 祐人
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、日本における戦争死者慰霊の第三者関与と世代間継承の問題を、海外の事例も踏まえながら比較検討した。新たな慰霊活動や慰霊巡拝の創出・開拓といった契機や、時間的推移における慰霊活動の維持等において、死者との直接的関係を持たない宗教的・世俗的エージェントの果たす役割の重要性が確認された。同時に世代間継承における意味変容のあり方がその後の展開に大きく作用することも実証的に明らかとなった。
著者
折笠 成宏 村上 正隆
出版者
(公社)日本気象学会
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.75, no.6, pp.1033-1039, 1997-12-25 (Released:2009-09-15)
参考文献数
8
被引用文献数
4 22

低濃度の氷晶からなる巻雲を測定するために新型の雲粒子ゾンデを開発した。このゾンデは倍率の異なる2台の小型ビデオカメラを搭載しており、粒径7μm-5mmの粒子の映像を1.6GHzのマイクロ波を通して地上に伝送する。従来の雲粒子ゾンデでは、サンプリング体積が小さいために、雲粒子の数濃度が低い雲の粒径分布が正確に評価できなかった。この点を克服するために、吸引用の小型ファンを付加することによって十分なサンプリング体積を確保した。また、周囲の気圧変化やゾンデの上昇速度によるサンプリング体積の変化を室内実験によって評価した。捕捉率の理論的計算から、10μm以上の粒子が全て捕捉されると考えられる。強制吸引式雲粒子ゾンデによる巻雲の観測例から、10μm以上の氷晶の粒径分布を250m間隔で精度良く決定できることがわかった。この雲粒子ゾンデの観測結果は、巻雲の生成や維持の機構を理解するのに有益な情報を与える。
著者
米田 千恵 笠松 千夏 村上 知子 香西 みどり 畑江 敬子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.339-345, 2012-10-05
参考文献数
25

北海道厚岸産シングルシード方式による養殖マガキ成分の季節変化について調べた。産卵期後の2004年8月および2005年9月の試料は軟体部重量ならびに軟体指数ともに最低となった。タンパク質は産卵期前後の試料で最高になった。グリコーゲンは産卵期前後の試料で10%以下(乾重量換算)であったが,秋から春にかけては20%以上となった。ATPおよび関連化合物の総量は,11月に最高となり9月に最低となった。遊離アミノ酸総量は,6月に最高となり,9月に最低となった。主要なアミノ酸はタウリンが最も多く,次いでアラニン,プロリン,グリシン,グルタミン酸の含量が高かった。9月および11月のマガキから調製したエキスの官能検査の結果,11月のエキスは,まろやかさが強く,苦味が弱いことが示された。
著者
小林 孝一郎 村上 真由美 富山 徹 加藤 真理子 中屋 泉美 武田 美和子 横山 雄子 平井 紀子 河上 浩康
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.371-375, 2013 (Released:2013-08-29)
参考文献数
5
被引用文献数
2

【目的・方法】在宅緩和ケアにおける多職種間の速やかな情報共有と緩和ケアチームによる苦痛緩和支援を目指して, ITクラウドを活用した地域医療支援システムEIRを導入した. 試用期間半年間に, 緩和ケアチームが関わって在宅緩和ケアに移行した5事例を対象として, 関わった医療者11名にアンケート調査を実施して, 有用性について検討した. 【結果】入力装置として全員がパソコンを使用, iPhone併用は4名, 現場で入力した経験があるのは2名であった. 入力時間は9名が5分以下で, 閲覧はさまざまな装置と場所で行われていた. 有用性は, 至急・重要メールは役立ちましたか: 3点6名, 2点3名, 1点1名, 0点1名, 情報量は適切でしたか: 3点9名, 2点2名, 連携はスムーズにできましたか: 3点9名, 2点2名, そして総合評価として在宅緩和ケアに活用できましたか: 3点9名, 2点2名であった. 【結論】在宅緩和ケアにおいて有用である可能性が示唆された.
著者
平野 恒夫 生田 茂 山下 晃一 長村 吉洋 田中 皓 長嶋 雲兵 岩田 末廣 村上 明徳
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1994

平成5年度に引き続き、星間分子の構造と化学反応に関して以下の研究を行った。1.我々が見い出したMgを含む星間分子としては最初の例であるMgNCに対して、さらに精度をあげたACPF/TZ2P+f法による電子状態の計算を行い、回転定数B_0の実測値5966.90MHzに対して、計算値5969.3MHzを得た。異性体のMgNCに対しても同様な計算を行い、実験値5094.80MHzに対して5089.3MHzの値を得た。また、星間分子候補として有力なFeCOの基底状態の分子構造をMRSDCI法で計算し、分光学定数を予測した。(平野)2.新たに見い出されたCOの赤外領域での発光スペクトルをリドベルグ状態間の遷移として同定した。(平野、長嶋)3.FeH,FeCOに関してf関数をも含む基底関数を用い、大規模なMRCIの計算を行った。また、MgC_2の構造と分光学定数をSDCIレベルで計算した。(田中)4.解離性再結合反応HCNH^++e^-→の反応機構を検討し、炭素星周辺でHNC/HCN比が1に近いことを量子化学的に説明した。(平野、長嶋)5.アセチレンシアニドHC_3Nの生成機構に関して、種々の中間体のエネルギーを計算して、C_2H_2またはC_2HとCNからの生成が可能であることを示した。(長村)6.星間反応C(^3P)+C_2H_2→C_3H_2のポテンシャル面をCASSCF/DZPとMP4/6-31G^<**>法で求めた。また、cyclic-C_3H_2からlinear-C_3H_2への異性化反応過程と、cyclic-C_3H+Hへの解離過程がほぼ障壁なしに起こることを明らかにした。(山下)
著者
村上陽一郎責任編集
出版者
平凡社
巻号頁・発行日
1980
著者
立山 晋 SRI Lespari DARNAS Dana SRI Utami Pr HERNOMOADI H EMIR A.Sireg GATUT Ashadi SINGGIH H.Si 内田 和幸 三澤 尚明 飯田 貴二 山口 良二 延東 真 後藤 義孝 掘井 洋一郎 HERMONOADI Humit A.GANI Asike EMIR A Sineg SRI Utami Rr SINGGIH H Si 村上 昇 AGKA Sri Les 玉井 理 HUMINTO Hern DANA Darnas PRAMONO Sri RUMAWAS Will ASHADI Gatut SIGIT Singgi 吉田 照豊 青木 宙
出版者
宮崎大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1993

本研究は、インドネシアにおける家畜及び魚類疾病の発生状況の実態調査と各々の疾病の解析を目的に、宮崎大学とインドネシア・ボゴール農業大学の大学間協力研究として行なわれた。平成5年〜7根の3年間で得られた研究成果の概要について大別して下記に述べる。1.インドネシアと宮崎における家畜疾病の発生状況の比較・検討。インドネシアの家畜がおかれている環境を知る目的で、宮崎大学とボゴール農業大学で1990年から1994年の過去5年間に剖検されたイヌの主要疾病について比較・検討した。その結果、ボゴール農業大学で剖検されたイヌ、548例中、もっとも頻繁にみられた疾病は、腸炎(63.5%)、滲出性肺炎(50.6%)、胃炎(48.7%)、間質性腎炎(36.3%)であり、宮崎大学で剖検されたイヌと比較して、これらの疾患の発生率は極めて高かった。この原因として、通常これらの炎症性疾患は、ウイルスや細菌を中心とする伝染病していることを反映しているものと考えられる。日本ではこの様な感染症、特にパルボウイルス、ジステンパーウイルス、伝染性肺炎ウイルス、レプトスピラ等のワクテン接種により、これらの疾患が有効に低減しているため、インドネシアにおいても、同様な防疫対策を図ることにより、これらの伝染病の低減が期待できるものと考えられた。2.インドネシアの家きん疾病の解析。ニワトリ、ハトなどの家きんは、インドネシアの主要な産業動物である。本研究では、ニワトリの伝染性ファブリキウスのう炎(ガンボロ病)とマイコプラズマ感染症について、各々病理学的、微生物学的に調査した。ガンボロ病は鳥類特有の免疫系繊維であるファブリキウスのうを選択的に侵態するウイルス性疾患であり、本症に罹患したニワトリは免疫不全に陥いり、種々の細菌・ウイルスなどに感染しやすくなる。インドネシアにおける本病の漫延状況を知る目的で、インドネシアのニワトリを業収・剖検し、肉眼的にガンボロ病が疑われた36例について病理組織学的に検討した。この結果、36例中24例のファブリキウスのうに著明なリンパ球の減少、細網内及系細胞の増生、線維化などがみとめられ、伝染性ファブリキウスのう炎ウイルスの抗原が12例で検出されたこのことからインドネシアのニワトリには広く強毒のウイルスが漫延しているものと推察された。一方、マイコプラズマ症はニワトリの上部気道感染症であり、本病自身は重大な病変を引き起こすことは稀れであるが、種々の細菌・ウイルス感染症が併発しやすい。本研究では、インドネシアの5つの農場より、ニワトリの血液を採取し、合計49例についてELISA法により、マイコプラズマ・ガリセプティカムの抗体価を測定した。その結果、1農業では抗体陽性率が15.4%と低くかったが、その他の農場では70%〜100%と極めて高い陽性率を示し、マイコプラズマ症が広く漫延している現情が把握された。3.インドネシアの魚類疾患に関する検討。インドネシアのグラミ-養魚場における疾患の発生情況を知る目的で、瀕死のグラミ-50例を剖検し、病理学的に検討した。その結果もっとも高率に認められたのは抗酸菌感染による肉芽腫性皮フ炎であったが、その他、肝や脊づいの変性・壊死など何らかのビタミン欠乏症に起因すると思われる病変が多発していた。これはインドネシアの養魚場では鶏フンをエサとして使用していることから幼魚が種々とのビタミン欠乏症に陥りやすいものと予想された。従って、インドネシアの養魚場における疾患防止のためには、伝染病に対する防疫と同時に飼養形態の改善を図る必要があると思われる。以上今回の大学間協力研究で得られた実績の概要を示した。本研究では、インドネシアの寄生虫病についても若干の知見を得たがここでは省略した。得られた知見については、インドンシアの関係者と協議し、問題点などを指摘した。今回の研究の成果は、今後、インドネシアの家畜・魚類の疾患を低減するうえで貴重な基礎データとなりうるものと期待している。
著者
村上 茂教
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.42, no.8, pp.601-603, 1995-08-31
被引用文献数
2
著者
村上 正隆
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.715-720, 2003-09-30
参考文献数
1
被引用文献数
2
著者
村上 征勝 古瀬 順一
出版者
統計数理研究所
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1999

川端康成のノーベル賞受賞作品「雪国」の代筆疑惑を解明するため、同作品と他の複数の川端作品との比較及び三島由紀夫の作品との比較を試みた。そのため川端と三島の作品の文章を単語分割し、品詞コードをつけたデータベースの構築を行い、品詞や読点などの情報を手がかりに同作品の文体特徴を明らかにする作業を行った。川端作品としては「雪国」、「みづうみ」、「山の音」、「伊豆の踊り子」、「虹」、「母の初恋」、「女の夢」、「ほくろの手紙」、「夜のさいころ」、「燕の童女」、「夫唱婦和」、「子供一人」、「ゆく人」、「年の暮」の14作品を,三島の作品としては「潮騒」、「金閣寺」、「眞夏の死」、「愛の渇き」の4作品の全文をまず入力した。この内,川端の「雪国」、「みづうみ」、「山の音」、「伊豆の踊り子」、「虹」の5作品と,三島作品の「潮騒」、「金閣寺」の2作品に関しては,文章を単語に分割し,品詞情報を付加したデータベースを構築した。このデータベースを用いて計量分析を試み以下のような結果を得た。これまでの研究から現代作家の文章において、読点のつけ方に作家の特徴が出やすいことを明らかにしていたので,読点のつけ方を中心に行った。川端の作品は,戦後の作品「みづうみ」から作風が変わったというのが従来の通説であるが,読点のつけ方の数量的分析からは,戦後の作品であっても著述年代がもっと遡る「山の音」から変わったと考えた方が妥当であるという結論を得た。また三島と川端との関係をみるため「潮騒」と川端作品を一緒に分析した結果、川端作品と「潮騒」では読点のつけ方に違いがあることも明らかとなった。現状では、一部の情報にとどまっており、明確な結論を出すまでには至っていないが、川端の文体の数量的研究に基盤はできたように思われる。