著者
村上 道夫
出版者
一般社団法人日本リスク研究学会
雑誌
日本リスク研究学会誌 (ISSN:09155465)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.141-149, 2016-12-25 (Released:2017-02-10)
参考文献数
73

At processes of risk communication, it is important to capture the meanings of “safety”, which citizens use in everyday speech. In this study, I focused on the interpretations of safety and reassurance in dictionaries as everyday words, and comprehensively surveyed 18 representative dictionaries (60 when revisions are included) since the Meiji Period to summarize historical changes and current status of them. While reassurance was interpreted from psychological aspects in all the dictionaries, safety had two types of interpretations of the word. The first type of the interpretation contained psychological aspects. It could not be judged whether the second type of the interpretation included psychological aspects or not. There were no significant differences in uses of these types of interpretations in dictionaries between before the World War II and the present. This study highlights that the interpretations of safety are complex and differ among dictionaries.
著者
村上 佳菜子 本藤 祐樹
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.127-127, 2006

行列法と産業連関法を統合させたLCAにより、発電技術システムについてCO2、固体廃棄物、エネルギー消費量の評価軸でそれぞれ推計し、環境影響評価を行った。積み上げ法と産業連関法の組み合わせによる既存のCO2推計値との比較から、行列法をLCAに取り入れる事の有用性を示した。また、各評価軸の推計結果および統合結果から、発電システムにおける環境負荷と各プロセスとのそれぞれの関係などが明らかとなった。
著者
堀 新 佐島 顕子 村上 隆 山田 邦明 山本 博文 矢部 健太郎 鴨川 達夫 白根 孝胤 曽根 勇二 堀 智博 堀越 祐一 光成 準治 山崎 布美
出版者
共立女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

2009~2011年度を通じて、史料調査の実施、研究会の開催、データ入力、の3点を共同研究の中心に据えて活動した。3年間に史料調査先は50ヶ所以上、研究会は15回、事務的会合は約30回、メールでの打ち合わせは無数であった。史料調査の際には周辺のフィールドワークを行った。データ入力は、豊臣秀吉発給文書・豊臣奉行人発給文書を中心に、古記録もあわせて約4000点に及んだ。研究会の成果の一部は、山本博文・堀新・曽根勇二編『消された秀吉の真実』(柏書房、2011年)として公表した。
著者
村上 明
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.305-312, 2015

ポリフェノールなどのファイトケミカル(phytochemical)は植物の二次代謝産物で多彩な生理機能性を示す化合物群である.近年,ケミカルバイオロジーを基盤とした研究手法の開発によって,これらの標的分子が多数,明らかにされ,作用機構に関する分子レベルの知見が集積されつつある.その一方で近年,私たちは,生体タンパク質に対して非特異的に結合するファイトケミカルの例を見いだし,さらにそれが機能性の発現に寄与するという,ユニークな現象を明らかにしつつある.特異的および非特異的な特性の両面から作用機序を解析することは,「そもそもファイトケミカルがなぜ機能性を示すのか?」という本質的な命題を解く鍵でもあり,また安全性を議論するうえでも重要であると考えている.
著者
村上 仁 石川 尚子 宮本 英樹 野中 大輔
出版者
日本国際保健医療学会
雑誌
国際保健医療
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.299-308, 2009

<b>目的</b><br>&nbsp;本稿は、2009年3月、日本国際保健医療学会東日本地方会にて実施した、「感染症対策と保健システム」ワークショップと、それに続くオープンフォーラムの討議内容を報告する。<br><b>方法</b><br>&nbsp;ワークショップではまず、1)ラオスの村落ベースのマラリア対策の現状と今後、2)ラオスの母児ユニットへの妊娠期から乳児期までの継続ケアアセスメント、3)タイとザンビアの地域ベースでのHIVに対する抗レトロウイルス治療展開と保健システム強化、4)カンボジアのワクチンと予防接種のための世界連合(GAVI)による保健システム強化支援の4つの話題提供が行われた。その後、1)疾病対策プログラム(主に感染症)を進める際に認識される保健システムの問題点、2)保健システム強化の視点から見た疾病対策プログラムの問題点、3)疾病対策プログラムは保健システム強化にどのように貢献しうるかの3点を討論した。合計30の論点や経験が表出された。しかし、限られた時間内では、実効的な論理構築が困難であるため、2009年5月末日までの枠組みで、著者4名とワークショップ参加者のうち希望者を主体とする謝辞に記された22名が、インターネットを通じたオープンフォーラムにてさらなる論点を収集し、それを取りまとめた。その結果、23の追加的論点や経験が表出された。<br><b>結果</b><br>&nbsp;第一に、感染症対策などの疾病対策プログラムを進める際に認識される保健システムの問題点として、1)保健医療人材の量と質の圧倒的な不足、2)保健インフラや物資の不足、3)地域レベルで実施可能な技術内容の制限(感染症の場合、特に検査技術)の3点が認識された。第二に、保健システム強化の視点から見た疾病対策プログラムの問題点として、1)複数の疾病対策プログラム間ならびにそれを支援するドナー間の協調の欠如、2)地域レベルの保健ワーカーの多重・過重業務(特に保健情報の記録、報告業務)、3)疾病対策プログラムの対象と地域保健ニーズの乖離、4)疾病対策プログラムが行政能力強化に十分貢献していないこと、5)疾病対策プログラムの推進に伴う保健資源やサービス便益の偏在化、6)プログラム間の物的資源の共用が阻害されていることの6点が挙げられた。第三に、疾病対策プログラムを通じた保健システム強化の具体策として、1)保健システム強化のための資源創出、2)セクターワイドな事業管理モデルの提示や、基本的な骨組みの提供、3)プログラムの実施、特にトレーニング機会を利用した行政能力強化、4)末端保健スタッフの給与補てん、5)資機材(ハードウェア)ならびにソフトコンポーネント成果物の提供の5点が挙げられた。<br><b>結論</b><br>&nbsp;上記に述べられたような、現実的な保健システム強化策を模索しつつ、保健システムの全体像とその政策的妥当性を、途上国側のステークホルダーとともに模索する巨視的な視点を合わせ持ち、議論と実践を進める必要がある。
著者
児玉 雄二 青木 啓成 坂本 義峰 村上 成道
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.CaOI2035-CaOI2035, 2011

【目的】<BR>我々は某長野県立高校野球部(野球部)の一学年に対してメディカルチェック(MC)を定期的に行い、経過と結果について、第44・45回日本理学療法学術大会、第7回肩の運動機能研究会において報告した。MCの特徴は当センターで実施している体幹機能と運動軸の評価の中で8種目をパフォーマンステスト(PF)として行い、体幹を中心とした全身機能評価の一つの指標としている。今回の目的は、1.PFの評価と対応が腰痛の改善と予防に関係があるか検証すること、2.腰痛とその他の障害の関連性を探ることである。<BR>【方法】<BR>対象は野球部の一学年25名について、MCを入学時から3年生4月までの2年間に4月、8月、12月の年3回、計7回実施した延べ175名のうち、外傷の2名を除く173名である。MCの評価内容は障害部位の確認、練習休養の有無、PF、関節可動域(ROM)から成り、PFは8種目のテストで合計12点を満点とした。ROMは股関節、肩関節、肘関節の3関節について計11項目を測定し、肘関節と股関節は左右差なしを1点、肩関節は左右差10度以内を1点とし合計11点を満点とした。MCを実施したのべ173名について、腰痛を訴えた選手を腰痛群、他の障害はあっても腰痛が無い選手を腰痛なし群、全く障害が無い選手を障害無し群と3群に分けて全MCやMC毎のPF、ROMについて比較検討した。検定にはMann-WhitneyのU検定、Wilcoxonの符号付き順位検定を用いた。有意確率は5%未満とした。なお今回の腰痛は、野球動作において全力でプレーが行えたとしても、腰部周囲の痛みを訴えるすべてを腰痛とした。部位は腰部を中心に上部は肩甲骨下角付近で、下部は仙腸関節付近までとした。<BR>【説明と同意】<BR>MCは野球部の依頼で実施し、事前に指導者と選手にはMCについての説明を行ない同意を得た。<BR>【結果】<BR>のべ173名のうち腰痛群は36名、腰痛無し群は47名、障害無し群は90名であった。入学後の4月と8月のMCにおいて腰痛を訴えた3名は全員中学校期にも腰痛の既往があり、うち2名は腰椎分離症と診断されていた。1年生で行なった3回のMCでは腰痛群は3名であったが、2年生4月では6名、8月では9名になった。その後腰痛群の人数は減少し、2年生12月は4名、3年生4月は5名と推移したが、全7回のMCのすべてに腰痛を訴える選手はいなかった。腰痛群が最も増加した2年生8月とその前の2年生4月での3群間比較において、ROMは腰痛群と障害なし群が有意に低下していたが、PFでは障害なし群のみ有意に向上していた(P<0.05)。全7回のMCにおける3群間比較では、腰痛群のPFが低下する傾向を認めた(P=0.097)。腰痛群で同時期にその他の身体部位に障害を有していたのは18名であり、その50%は肩関節痛で、肘関節痛は27%であった。高校入学以降で腰椎部の変性疾患や、分離症等の診断を受けた選手は無く、腰痛による1週間以上の長期休養した選手はゼロであった。<BR>【考察】<BR>腰痛群の約80%は肩関節と肘関節に疼痛を訴えていた。我々はMCにおける肩関節痛の先行研究において、肩関節痛とPFにおいて有意差が有ることを確認している。今回も全MCにおける腰痛群は障害無し群に比しPFが低下している傾向が認められており、PFの低下が障害発生に関係している事がうかがえた。一般的に腰痛をきたす要素は腰椎周辺組織の変性の他、股関節や上部体幹の可動域制限、自律神経系、メンタル等、要因が多岐に及ぶためROMやPFに相関はみられないと仮定していたが。しかし、今回の結果より腰痛群と障害無し群においてPFが関係している事がうかがえたので、早期より体幹機能と運動軸の問題を評価し対応することによって、腰痛やその他の障害の予防に繋がる可能性が示唆された。今後もよりシンプルで効果的なMCを実施することによって、障害予防をしつつ効率的なトレーニングが継続できるように参画したいと考えている。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR>我々の臨床や現場における経験において、以前は腰痛を訴える高校野球選手の評価と治療を行なっても、疼痛の持続により練習休養を余儀なくされるケースが散見されていたが、体幹機能と運動軸の評価結果に基づいたセルフケアとトレーニングを指導する事によって、腰痛で練習を長期休養するケースはみられなくなった。今後も臨床やMC等の野球現場において、効率的で効果的な評価と治療が実施できるよう検証してゆきたい。
著者
今村 晴彦 村上 義孝 岡村 智教 西脇 祐司
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.25-35, 2017 (Released:2017-02-21)
参考文献数
27

目的 地域住民を対象とした,健康づくりに関わる地区組織活動の経験の有無が,その後の医療費に影響を及ぼすかを明らかにするため,長野県須坂市(2016年3月の人口は51,637人)の保健補導員活動(1958年に発足し,2年任期で毎期300人近い女性が担当する地区組織活動)を対象に,その経験の有無と国民健康保険医療費(以下,医療費)との関連を検討した。方法 須坂市において,2014年2月に,要介護度3以下の65歳以上の全住民を対象とした質問票調査を実施し,匿名化IDを用いて回答データと各種行政データを突合した。質問票には,保健補導員経験の有無に加え,経験年代,役職経験の有無,活動満足度に関する質問を含めた。本研究の解析対象者は,上記の女性回答者5,958人のなかの国民健康保険被保険者(74歳以下)2,304人とし,2013年度の1年間の入院および外来医療費を使用,検討した。分析として医療費発生の有無をアウトカムとした修正ポアソン回帰分析を実施した。また医療費発生者を対象とし,対数変換した医療費をアウトカムとした重回帰分析もあわせて実施した。分析の調整変数は年齢,婚姻状況,教育歴,同居人数,等価所得,飲酒習慣,喫煙習慣,健康的な食生活の心がけ,歩行習慣とした。結果 解析対象者2,304人のうち,保健補導員を経験した者は1,274人(55.3%)であった。解析の結果,外来医療費ありの割合は,保健補導員経験者が未経験者と比較して1.04倍(多変量調整済みリスク比(95%信頼区間;1.02-1.07))と高い一方で,入院医療費ありの割合は,0.74倍(同;0.56-0.98)と低かった。また医療費ありを対象者とした重回帰分析の結果,外来と入院それぞれについて,保健補導員経験と医療費に負の関連がみられた。調整済み幾何平均医療費は,外来では経験ありで14.1万円,なしで15.1万円と経験者の方が7%低く,入院においても経験ありで41.8万円,なしでは54.0万円と経験者の方が23%低かった。以上の関連は経験年代が60歳以上,役職経験者,活動の満足度が高い者で,概して強くなる傾向がみられた。結論 保健補導員経験者は未経験者と比較して,外来医療費の発生者割合が高い一方で,入院医療費は発生者割合および発生した医療費ともに低い結果が示された。このことは,保健補導員としての経験が,特に入院医療費と関連している可能性を示唆しており,地区組織活動の健康への波及効果がうかがえた。
著者
川久保 俊 伊香賀 俊治 村上 周三 新谷 圭右
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.118-118, 2007

近年中山間地域において環境負荷の増大、少子高齢化に伴う財政状況の悪化、コミュニティの脆弱化といった諸問題が急速に進展しており、多くの集落が存続危機の状態にあると指摘されている。そこで本研究では、地域の持続可能性を環境/経済/社会の側面から評価・予測することを目的とし、環境工学、計量経済学、社会科学に基づいた持続可能性評価モデルを構築した。そして、モデル地域において実際に持続可能性の評価を行った。
著者
周 世栄 村上 敬宜 福島 良博 ベレッタ ステファノ
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.87, no.12, pp.748-755, 2001-12
被引用文献数
2

It is well known that the scatter of fatigue strength of high strength steels is caused by nonmetallic inclusions. The lower bound of the scatter of fatigue strength can be predicted by considering the maximum size of nonmetallic inclusions. Thus, it is of practical importance to estimate the maximum size of nonmetallic inclusions by appropriate inclusion rating methods. Most rational and convenient method to predict the maximum size of inclusions is the one based on the statistics of extremes. Therefore, recently the inclusion rating based on the statistics of extremes has been used by many industries, though the rating methods are mostly two-dimensional (2D) optical methods. It is known that the accuracy of the 2D method is lower than the exact 3D method. In addition, when multiple type inclusions having different chemical composition are contained in a material, the statistics of extremes distribution does not necessarily become a single straight line but become a bilinear line. The objectives of the present study are (1) to clarify the validity of the 2D method and (2) to establish the method to predict the maximum inclusion size when the statistics extremes distribution becomes bilinear. The results obtained show that the 2D method is basically correct as predicted by the computer simulation. When a bilinear distribution is obtained, it is necessary to determine the minimum inspection area S_<crit> for predicting the maximum size of the larger type inclusions, which become the fatigue fracture origins of components.
著者
五十嵐 康人 大河内 博 北 和之 石塚 正秀 吉田 尚弘 三上 正男 里村 雄彦 川島 洋人 田中 泰宙 関山 剛 眞木 貴史 山田 桂太 財前 祐二 足立 光司 中井 泉 山田 豊 宇谷 啓介 西口 講平 阿部 善也 三上 正男 羽田野 祐子 緒方 裕子 吉川 知里 青山 智夫 豊田 栄 服部 祥平 村上 茂樹 梶野 瑞王 新村 信雄 渡邊 明 長田 直之 谷田貝 亜紀代 牧 輝弥 佐藤 志彦
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2012-06-28

初期の放射性Cs放出には従来想定されていた水溶性サブミクロン粒子に加え,直径数μmの不溶性粗大球状粒子が存在することを初めて明らかにした。典型的な里山では再飛散由来のCs濃度は,都市部での結果と異なり,夏季に上昇し,冬季には低かった。夏季のCs担体は大部分が生物由来であることを初めて見出した。放射性Csの再飛散簡略スキームを開発し,領域エアロゾル輸送モデルを用いて森林生態系からの生物学的粒子による再飛散,ならびに事故サイトから継続する一次漏えいも含め,フラックス定量化-収支解析を行った。その結果、他のプロセス同様、再飛散は、地表に沈着したCsの減少や移動にほとんど寄与しないことがわかった。
著者
辰己 丈夫 村上 祐子 大谷 卓史
雑誌
情報教育シンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.45-52, 2015-08-10

コンピュータが登場してから約 70 年、その間、コンピュータは様々な場面で用いられてきた。用途 の適切性に関しては、情報倫理学の観点での研究が進んでいる。一方で、2045 年には、強い人工知能が広 く普及し、人間の知能を越える「技術的特異点(シンギュラリティ)」を迎えるという予想がされている。 その時代に通用する情報倫理とは何か、私達はそれをどう学ぶことができるのかについて、議論を行う。
著者
村上 理昭 山口 敬太 川崎 雅史
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D2(土木史) (ISSN:21856532)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.11-24, 2015

堺大濱では,明治期半ば以降,堺市や阪堺電気軌道株式会社によって公園地経営が進められた.本研究では堺市会決議録・会議録や行政資料,大阪毎日新聞堺周報等の資料をもとに,堺市大濱公園における管理と経営の変遷と,作り出された海浜リゾート空間の形成過程を明らかにした.具体的には,堺市による官有地を借り受けての料理屋・茶店営業を主とした遊園地経営,内国勧業博覧会を契機とする水族館と西洋式広場の整備,堺市の財源不足や鉄道会社間の競合関係を背景とした阪堺電気軌道の公園経営への参画と公会堂や潮湯などの文化・娯楽施設の整備,市と阪堺電気軌道の考えの相違による契約解消,といった公園地経営の経緯を明らかにし,海浜リゾートとしての空間形成の実態を明らかにした.
著者
村上 正行 山田 政寛
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.181-192, 2012

本論文では,FDに関する歴史や政策の動向,定義,推進主体などについて説明した上で,大学教育・FDに関する研究について調査,分析を行った.授業,カリキュラム,組織的なFDの3つのレベルに分類し,紹介した.そして,教育工学研究者が大学教育やFDに対してどのような役割を担うべきか,今後どのような研究を行なっていくべきか,について検討した.教育工学研究者は,大学教育やFDにおける現代の問題について,教育政策も踏まえながら,実践を通した研究を行うことが求められていると言え,今後,大学教育の改善やFDに関する研究を発展させていくことが必要であると考えられる.