著者
片山 寛之 植木 邦和 曾我 実 松本 啓志
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.55-59, 1974-03-25
被引用文献数
2

水田雑草の生物学的制御におけるアシアカブトエビの除草効果について野外実験を行ない,つぎの結果をえた。1)雑草は10種類発生したが,その種類数は対照区ではカブトエビ処理区の2倍に近かった。また,各実験区に共通して発生した雑草を,生育本数をもとに,カブトエビの除草効果の高い順にあげると,アブノメ,ホソバヒメミソハギ,ミズキガシグサ,コナギ,ミズハコベの順であって,これらの雑草に対するアシアカブトエビの除草効果は非常に顕著なものがあった。2)カブトエビは1m^2当り25個体を放飼したが,20日後には約4分の1に減少し,40日後には,全処理区に僅か1個体が残存していた。3)カブトエビの有効活動期間は,一般に自然状態のもとで発生するものより短期間と考えられ,個体群密度も1m^2当り25個体と低かったにもかかわらず,きわめて除草効果が高かったことは,カブトエビの除草機構が発芽初期における機械的なものであって,田植後早期にやや大形の個体を放飼したことが関与しているものと考えられる。4)雑草害は対照区に顕著に発現したが,カブトエビ処理区には被害らしきものは認められず,両区の水稲生育の間に有意な差があった。本実験を行なうにあたり,有益なご助言をいただいた農林省農業技術研究所の松中昭一博士に対し謝意を表する。
著者
松本 啓吾 武野 計二 大島 義人 小林 真
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.48-54, 2015-01-20 (Released:2015-01-20)
参考文献数
16
被引用文献数
1 2

福島第一原子力発電所事故による放射性物質汚染地域の有効活用のため,草本系エネルギー作物であるエリアンサスを栽培し,ガス化発電するシステムを想定した基礎検討として,ガス化炉を模擬した管型試験炉を用いた基礎試験および平衡計算結果をもとに,放射性物質で最も危険性が憂慮されるCsの各機器への移行について評価した.エリアンサスを用いた管型試験炉による基礎試験の結果,電気炉後流の冷却過程におけるCs回収率は,ガス化時に近い熱分解条件では0.4%以下となり,燃焼条件(10%以上)に比べて非常に低いことが示された.この理由を平衡計算により考察した結果,燃焼条件では低温でも高分圧で存在するCsNO3が熱分解条件では生成しないためであることが示された.また,マスヒートバランス検討をもとに放射性物質の気相中への飛散や排水中への混合を極力低減したガス化システムを提案し,平坦農地を確保可能な福島県浪江町の居住制限区域を例としてケーススタディを実施した結果,ガス化プロセスが放射性物質汚染地域活用の有効な手段のひとつであることが示された.
著者
鎌田 智有 春間 賢 井上 和彦 石井 学 村尾 高久 山中 義之 藤田 穣 松本 啓志 眞部 紀明 楠 裕明 畠 二郎 塩谷 昭子 高尾 俊弘
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.750-758, 2016-05-25

要旨●H. pylori感染胃炎に対する除菌治療が2013年2月に保険認可された.現在,除菌による胃癌の予防が期待されているが,その一方で除菌後に胃癌が発見される症例も臨床上少なくない.除菌後10年未満と除菌後10年以上で発見された症例での臨床的特徴を比較検討した結果,10年以上で発見された胃癌は腫瘍径20mm大以下の比較的小さな病変であり,2次癌の比率が有意に高率であった.共通する特徴として,両群共に非噴門部領域に発生する0-IIc型病変を中心とした分化型早期癌であり,胃体部には高度な萎縮性変化を伴っていた.このような症例では,除菌から長期が経過しても胃癌発生のリスクが残存することを理解しておくことが重要である.
著者
松本 啓太 善方 日出夫
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.46-50, 2017-04-20 (Released:2018-05-10)
参考文献数
12
被引用文献数
1

ユーザー体験(UX)に基づいてインタラクティブシステムを評価するための質問紙を開発することを目的に行った本研究は,利用体験それ自体ではなく,ユーザビリティや実用性を含むシステム全体を評価する点を特徴としている.質問項目は,既存の関連規格,文献,先行研究,独自のエピソード分析から得られたUXに関する構成概念や個別要素をベースとし,人間工学・心理学の専門家,UXデザインや品質評価に関わる実務担当者らによって検討,試行,修正を行い策定した.最終的に,「利用可能度」5項目,「役立ち度」7項目,「共感度」7項目の19項目,および補足項目からなるβ版を開発し,運用を行っている.今後は,継続的にフィードバックを得ながら,実効性の高い質問紙に改善していく予定である.
著者
水谷 純也 松本 啓吾 鳴海 拓志 廣瀬 通孝
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.76-86, 2022-03-31 (Released:2022-05-25)
参考文献数
21

A method called redirected walking has been proposed to enable users to walk in a real space of limited size in a vast virtual space by manipulating the user’s direction and amount of movement. Three viewpoint manipulation methods, namely translation gain, rotation gain, and curvature gain, are mainly used in redirected walking. The rotation gain manipulates the user’s direction of travel by manipulating the rotation around the user’s head. However, when the rotation gain is applied to a user walking around a turn, the user’s walking path may deviate from the target. This deviation of the user’s walking path would be a serious problem, especially when interacting with real objects. To solve this problem, we propose a novel turning gain and correction method, which can control the user’s walking path even when the user turns without stopping.
著者
藤野 紗耶 畑中 太一 森 直樹 松本 啓之亮
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

アニメにおける絵コンテは,最終生成物であるアニメとコミックの中間的生成物であり,その理解はコミック工学において重要な課題でありながらこれまでほとんど研究がなされてこなかった.そこで本研究では実際のアニメで用いられた絵コンテを対象として,絵コンテ識別のための深層畳み込みニューラルネットワークを進化型計算に基づき構築する.また,数値実験としてタイトルと絵コンテ担当者に基づく識別結果も示す.
著者
中居 友弘 黄瀬 浩一 岩村 雅一 松本 啓之亮
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.742, pp.103-108, 2005-03-11
被引用文献数
1

本稿では, デジタルカメラを用いた新しい文書画像検索手法を提案する.提案手法は, デジタルカメラで撮影した文書画像の一部あるいは全部を検索質問として, それを含む文書画像をデータベースから検索するものである.これを実現するためには, 撮影時に生じる射影変換歪みに対処しつつ, 部分的な手がかりでも柔軟に照合する必要がある.この問題に対して, 提案手法では, (1)射影変換の不変量である複比を用いたインデックス付け, (2)ハッシュを用いた投票処理の2特徴により対処する.高解像度デジタルカメラと携帯電話付属のデジタルカメラで撮影した画像を用いた実験により, 提案手法の有効性を検証する.
著者
大保 義彦 上山 健一 村岡 新一郎 亀井 健二 松本 啓
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.59-63, 1991-01-15

【抄録】 口内清涼剤“仁丹”の長期間の過剰摂取により,顔面,爪床を中心に,青灰色の銀沈着を来たし,銀皮症を呈した精神分裂病の1例を経験したので報告する。入院時検査で,血中に高濃度に銀が存在しており,鼻唇溝部および左上腕内側部の病理組織検査で,真皮上層にびまん性に異色小顆粒の銀沈着が認められ,毛包周囲および汗腺基底膜部に特に著明であった。また,本症例は経過中に全身けいれん発作があり,脳波検査で,2〜4Hzの不規則な棘徐波複合が,広汎性に持続的に認められた。発作の原因としては,長年にわたる多量の銀摂取による中枢神経系への銀沈着による脳の器質的変化が考えられた。
著者
松本 啓作 平島 崇男
出版者
一般社団法人 日本鉱物科学会
雑誌
岩石鉱物科学 (ISSN:1345630X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.97-108, 2006 (Released:2006-04-10)
参考文献数
6
被引用文献数
4 4

We propose a new modal analysis method using a scanning electron probe microanalyzer with an energy dispersive X-ray analytical system. The procedure is based on the multipoint analysis software of EDAX® Inc. The analysis points are selected as equal interval grids in the secondary electron image (SEI), which covers 3.2 × 2.45 mm2 area as the maximum. The mineral identification of each X-ray spectrum can be done by the combination of the assemblage and content of mineral forming elements. This method can identify most of rock-forming minerals easily, what is an advantage comparing with the conventional modal analysis method under the optical microscope. To obtain the reliable modal data, we can adjust grid intervals depending on the grain size of rock forming minerals and the numbers of the beam acquisition areas depending on the degree of heterogeneity of samples. This technique is available for the rock sample with average grain size between 0.2 and 2.0 mm by the restriction of the minimum enlargement size of the SEI. The new method gives the concordant modal data to those obtained by the conventional point-counting method by several beam acquisition areas for homogeneous samples and by a few tens beam acquisition areas for heterogeneous samples.
著者
半田 修 塩谷 昭子 福嶋 真弥 半田 有紀子 大澤 元保 村尾 高久 松本 啓志 梅垣 英次 井上 亮 内藤 裕二
出版者
日本小腸学会
雑誌
日本小腸学会学術集会プログラム・抄録集 第58回日本小腸学会学術集会 (ISSN:24342912)
巻号頁・発行日
pp.32, 2020 (Released:2020-11-19)

【背景】これまでにクローン病(CD)と腸内細菌叢との関連が報告されているが、腸内細菌叢の変化に及ぼす因子の検討は少ない。今回我々は、CD患者の腸管粘液内細菌叢と患者背景因子(罹患範囲、手術歴、腸管狭窄、生物学的製剤使用歴、アレルギーなど)について横断的に検討した。【目的】CD患者の腸内細菌叢を変化させる因子について検討する。【患者・方法】対象は、2018年5月から2020年4月までに当院を受診しブラシによる腸管粘液採取および腸内細菌叢解析に同意したCD患者および便潜血陽性で大腸内視鏡検査を施行した健常対照者。内視鏡下にブラシで採取した腸管粘液はDNAを抽出後、16srRNA遺伝子のV3-4領域を増幅してIlumina社製Miseqによりシークエンス解析を実施した。QIIMEを用いて微生物の属レベルまでの同定を行い、細菌構成比、多様性について検討した。本検討は当院倫理委員会の承認を得て行った(IRB: 3087, 3087-1, 3087-2)【結果】対象は、細菌叢解析が可能であったCD患者20例(男性14名;平均年齢45歳)健常対照者13例(男性5名;平均年齢56歳)。CD患者の臨床背景は、小腸型6例、小腸大腸型9例、大腸型4例、手術歴有5例、腸管狭窄有9例、生物学的製剤による治療歴有10例であった。CDAIは平均106.6+76.1。CD群は対照群と比較してα多様性は有意に低値であった。CDAIはα多様性と負の相関を認め、CDAI150以上の群では未満の群と比較してRuminococcus属(p<0.001)が有意に少なかった。狭窄あり群では、狭窄なし群と比較してEubacterium属が多かった(0.003)。生物学的製剤治療群ではOscillospira属(0.004)、Dialister属(0.004)、Neisseria属(<0.001)が多く、Bacteroides属(0.005)、Phascolarctobacterium属(<0.001)、Eubacterium属(<0.001)が少なかった。【結語】生物学的製剤がCD患者の腸内細菌叢に影響を及ぼすことが示唆された。
著者
近藤 まなみ 長谷川 拓 森 直樹 松本 啓之亮
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1N103, 2018 (Released:2018-07-30)

近年,AIの分野で人狼ゲームが注目を集めている.人狼ゲームはコミュニケーションゲームの一種であり,不完全情報ゲームに分類される.人狼ゲームには未知の情報があるため,このゲームを攻略する戦略の一つとして,未知の情報を予測に基づいて判断することが挙げられる.人狼ゲームにおいてプレイヤが知ることができる情報は限られており、その中には虚偽が存在する可能性がある.本論文では限られた情報を学習することで不確実な情報下での予測を試みるため,人狼ゲームの持つ時系列性を考慮し,LSTMを用いた.また,得られた予測モデルを用いてゲーム分析をした.
著者
松本 啓吾 鳴海 拓志 伴 祐樹 谷川 智洋 廣瀬 通孝
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.129-138, 2018 (Released:2018-09-30)
参考文献数
20

This paper describes a novel method to effectively manipulate spatial perception by utilizing the effect of visuo-haptic interaction by presenting haptic cues according to the image presented to the vision via a head-mounted display. We evaluated the method of combining haptic cues with curvature manipulation that makes us feel straight ahead in a virtual environment despite actually walking on a circular arc path. Our results show that the users walked along the target walking path more under and felt they were walking straight under the condition with the haptic cues compared with the condition without the haptic cues.
著者
桐野 匡史 出井 涼介 松本 啓子
出版者
岡山県立大学保健福祉学部
雑誌
岡山県立大学保健福祉学部紀要 (ISSN:13412531)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.65-73, 2015

本研究は、家族介護者支援に向けた基礎資料を得ることをねらいに、在宅で高齢者を介護する家族のソーシャル・ネットワークを類型化し、その特徴について明らかにすることを目的とした。A 県内の居宅介護支援事業所(53 事業所)を利用する家族介護者287 名に対し、無記名自記式の調査を実施した。調査内容は、家族介護者および要介護者等の基本属性等およびソーシャル・ネットワークで構成した。クラスター分析の結果、家族介護者のソーシャル・ネットワークのタイプは「平均型」、「孤立型」、「充足型」の3 つに類型化された。とりわけ、「孤立型」は「充足型」と比較して、男性介護者の占める比率が高く、社会参加活動が低く、現在の暮らし向きが不良であった。今後は、社会的に孤立しやすい家族介護者への支援の拡充が求められる。
著者
松本 啓子
出版者
日本老年看護学会
雑誌
老年看護学 : 日本老年看護学会誌 : journal of Japan Academy of Gerontological Nursing (ISSN:13469665)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.63-71, 2007-11-01

本研究では,在宅における認知症高齢者の家族介護者の医療に関するニーズを明らかにするために,在宅認知症高齢者の家族介護者の医療ニーズに着目し,その因子構造を構築し医療ニーズ測定尺度を開発すると同時に,その尺度の信頼性と妥当怪の検討を行った.解析の結果,「日常生活関連ニーズ」「医学的知識のもとの観察ニーズ」「介護者の安心感ニーズ」を一次因子, 「医療ニーズ」を二次因子とする二次因子モデルのデータ-の適合度はx^2 (df)=1.796,GFIが0.959,AGFIが0.937,CFIが0.975,RMSEAが0.048であった.パス係数はいずれも統計学的に有意な水準であった.また,内部一貫性を示すクロンバックのα信頼係数は,0.894であった.3因子12項目からなる在宅認知症高齢者の家族介護者の医療ニーズ尺度を構築でき,構成概念妥当性ならびに信頼性を備えていることを確認した.
著者
松本 啓子 森戸 雅子 名越 恵美 中嶋 和夫 桐野 匡史 高井 研一
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

在宅認知症高齢者に絞り、突発事故や症状及び容態の急変しやすい疾病等について、実態調査をしたうえで、急変から緊急介入を含めた一連のリスク管理モデルの開発を目的とした。その結果、実質調査を行うことで、現場ならではの疾患と症状の関連等が明らかとなった。また、家族側に起こっている現象を明らかにするためにインタビューを重ね、質的因子探索的分析を進めることで、家族の思いが明らかとなってきた。
著者
谷崎 充 松本 啓吾 鳴海 拓志 葛岡 英明 雨宮 智浩
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.208-218, 2021-09-30 (Released:2021-09-30)
参考文献数
38

Previous research has shown that human walking speed is influenced by visual stimuli in the environment. For example, the speed of optical flow in one’s peripheral vision negatively correlates with his/her walking speed. However, the effect of seeing the other walkers in the peripheral on his/her walking speed is unclear. In this study, we investigate how seeing avatars walking alongside a person affects his/her walking speed. In our experiments, participants wore a head-mounted display and saw three types of virtual avatars walking alongside him/her: whole-body silhouettes of walking persons, point-light biological motions, and spatially scrambled point-light motions. Results show that the walking whole-body silhouettes and the point-light biological motion significantly increased the participants’ walking speed, and a significant interaction between their global translational speed and local motion speed was found to change the participants’ walking speed. These results indicate that we can apply a similar technique to control multiple persons’ walking speed in the real environment.
著者
福田 清人 森 直樹 松本 啓之亮
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.3O16in, 2015 (Released:2018-07-30)

近年, 絵画や音楽, 小説のような人間の感性に基づく創作物を計算機に自動生成させる試みが, 人工知能研究における重要な課題となっている. その中で小説の自動生成については, 既存の小説のストーリーを利用した研究がほとんどであり, 生成される小説が既存の小説に大きく依存してしまうことが問題点として挙げられる. 本研究では既存の小説に依存しないストーリーを自動生成する手法を提案し、その有効性を示す.
著者
栗山 哲 松本 啓 平尾 磨樹 三穂 乙哉
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.157-164, 2021-11-30 (Released:2021-12-15)
参考文献数
46

Evidence has emerged as to the cardio-renal protective effect of sodium glucose co-transporter 2 (SGLT2) inhibitors. Recent studies, DAPA‒CKD, DAPA‒HF and EMPEROR-Reduced and EMPEROR-Preserved will extend its clinical indications to heart failure and CKD even in patients without diabetes mellitus. This review anew discusses the presumable pharmacological mode of action with SGLT2 inhibitors in non-diabetics. The putative mechanisms by which SGLT2 inhibitors exert the beneficial effects may be accounted for by salt/water diuresis via SGLT2 and Na/H exchanger 3 inhibition, glucosuria-induced osmotic diuresis, and the subsequent optimization of tubule-glomerular feedback system in the kidney.
著者
秋元 圭人 森 直樹 松本 啓之亮
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会 研究発表講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.8, pp.60, 2008

近年,U-Mart と呼ばれる人工市場研究のプロジェクトが注目されている.U-Mart プロジェクトでは 計算機上での実験環境として U-Mart システムを提供しており,多くの公開実験や教育イベントを実施してきた.本研究では,現実のデイトレードに着目し,ヒューマンエージェントを対象とした GUI の拡充及び現実的な挙動を示す市場を再現する板再現エージェントの構築方法について提案する.実市場データを用いた数値実験により提案手法の有効性を示す.
著者
松本 啓子 若崎 淳子
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.67-72, 2006
被引用文献数
1

Successful Agingの研究は主に米国において進んでいるが,用語そのものの意味も研究者によって見解が異なる.我が国では未だ独自の社会的文化的民族的背景からの示唆は得られていない段階である.そこで今回,著者らの先行の報告を基に,65歳以上の高齢者36名へのアンケート調査から,Successful Agingの現状について質的因子探索型研究を行った. 高齢者におけるSuccessful Agingの現状としては,【満足】【健康】【自己保存】【参加】【チャレンジ】【自負心】の6カテゴリーが抽出された.`健康・元気にむけて努力する'から【健康】,`過去も現在も満足している'から【満足】,`満足している今の自分を,努力して維持させたい'から【自己保存】,`社会や人との関わりに意味を見出している'から【参加】,`好奇心旺盛で前向き'から【チャレンジ】,`高い自己評価とともにある自信'から【自負心】,の6カテゴリーであった.高齢者におけるSuccessful Agingの現状を明らかにすることは,新たな高齢者像の構築,医療・看護教育における高齢者理解の一端に寄与することができる.