著者
石井 明子 橋井 則貴 松本 真理子 香取 典子 新井 進 粟津 洋寿 磯野 哲也 井上 友美 永座 明 大山 幸仁 奥村 剛宏 梶原 大介 田熊 晋也 丹下 浩一 塚原 正義 筒井 麻衣子 寺島 伊予 中川 泰志郎 服部 秀志 林 慎介 原 芳明 松田 博行 村上 聖 矢野 高広 巌倉 正寛 大政 健史 川崎 ナナ 広瀬 明彦
出版者
一般社団法人日本PDA製薬学会
雑誌
日本PDA学術誌 GMPとバリデーション (ISSN:13444891)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.15-29, 2017 (Released:2017-12-21)
参考文献数
17

The use of single-use systems has been getting more popular in biologics manufacturing. Utilization of this novel technology enables the efficient manufacturing, including prevention of cross contamination, flexibility to manufacture multiple products, and elimination of the need for cleaning and steam sterilization including those validations. In order to ensure the quality and stable supply of biologics, appropriate risk management considering the characteristics of the system is necessary. However, there is no regulatory document describing the examples or recommendations on it. In 2015, we published the White paper of “Approaches to Quality Risk Management When Using Single-Use Systems in the Manufacture of Biologics” in AAPS PharmSciTech, which was a fruit of discussion in the research group consisting of Japanese pharmaceutical manufacturers, single-use suppliers, academia and regulatory agencies. This review introduces the contents of the White paper with some revision reflecting the comments on it as well as the discussion in our research group after publishing the paper. The basic concept is consistent with ICH guideline on quality risk management. Here we describe the points to consider in risk assessment as well as in risk control when single-use systems are used in biologics manufacturing.
著者
河上 智也 小林 高嶺 保原 達 春日 純子 松本 真悟 阿江 教治
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.127, 2016

近年の研究では、土壌有機物はリグニン単体と比べて滞留時間が長い事が示されており、鉱物とのキレート結合による化学的吸着が土壌有機物を強く隔離していると考えられている。加えて、土壌有機物の分解過程において、微生物由来のアミノ酸などが増加する事から、新たに物質が生成されている事が示唆されている。 そこで我々は、分解過程で微生物により生成された物質が、鉱物の吸着により安定化し、さらに吸着の度合いによってその蓄積量が左右されると考えた。これを検証するため、吸着度合いが異なる土壌について、本来微生物に速やかに消費されると考えられるグルコースを与えた培養実験を120日間行い、土壌の吸着度合いと炭素蓄積量の関係について調べた。 その結果、グルコース濃度は短期間で急激に減少し、最終的には検出されなくなった。しかし、全炭素量をみると、添加したグルコースに対して多いものでは1/3以上の炭素が残っていた。更に、残った炭素量は吸着度合いの大きい土壌ほど高い値を示した。これらの結果から、微生物によりグルコースは別の物質に変化し、鉱物の吸着により安定化、さらに吸着の度合いによって炭素蓄積量は左右されたと考えられる。
著者
小林 高嶺 河上 智也 保原 達 春日 純子 松本 真悟 阿江 教治
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第127回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.399, 2016-07-08 (Released:2016-07-19)

土壌有機物は非常に多様な構成を示すと考えられていたが、近年の研究から一部の土壌有機物は微生物由来のものに徐々に置き換わりながら、一部のアミノ酸組成や構成成分が似た物質へと収斂していく可能性が示唆されている。本研究では、土壌分解物に収斂性があるのかを検証することを目的とし、まず新鮮な桜島火山灰にグルコース、ミズナラ、トドマツの異なる3種類の有機物を添加し120日間の培養を行った。さらに0,30,60,120日目において各土壌を20g採取しKCl、超純水、リン酸緩衝液による逐次抽出を行い、抽出液において有機物の分解生成物や土壌中のアミノ酸組成の変化について検証を行った。その結果、全炭素においてはグルコース区では30日目までに減少がみられたが、ミズナラ区、トドマツ区に大きな変化は見られなかった。一方、全窒素では、グルコース区、ミズナラ区では大きな変化は見られなかったが、ミズナラ区で大きな増加がみられ、微生物の活動により窒素固定が行われたと推測された。これから土壌有機物の分解生成物にC/N比的な収斂は見られなかった。発表では、アミノ酸分析の結果も交えて考察を加えていく。
著者
吉野 博 持田 灯 松本 真一 長谷川 兼一
出版者
東北大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

本研究は,平成15年度〜平成16年度までの継続研究である。研究目的は,建材や紙類など,これまで個々の部材レベルでしか検討されてこなかった住宅居室内に存在する様々な吸放湿物体の特性を室全体の総合的な吸放湿特性として把握する方法を開発するものである。最終年度である本年度の研究実績は,以下の通りである。1.単室模型を用いた実験昨年度に引き続き,居室の2分の1スケールの実験箱を使用し,居室における吸放湿特性の現場測定の方法に関する検討を行った。本年度は,室内容物として,コピー用紙,T-シャツ,羽毛布団,以上を組み合わせた場合について加湿実験を行い,室内容物が存在する場合における室の吸放湿特性について検討した。2.数値指標の提案と同定方法の検討1.の単室模型を用いた実験結果より,理論的に室内湿度の変動と湿度励振から室の吸放湿性能を評価するための数値指標とその同定方法について検討した。今回は,居室の吸放湿特性を表す数値指標として,1)積算加湿量と加湿開始時の湿度変化から算出する湿度変化速度,2)吸放湿の無い場合の室内湿度をバランス式から算出し,実際の室内湿度と比較してその差を評価する面積評価法,3)室内湿度のバランス式における吸放湿に関わる2つの係数KS,CWを実験結果から同定する係数同定法の3つについて提案し,それぞれの比較検討を行った。3.実大実験家屋を対象とした現場測定単室模型を用いた実験により得られた成果を基に,実際の居室における現場測定を想定し,屋外に設置された実大スケールの実験家屋の一室を用いた実験を行った。検討した室内容物等は,単室模型とほぼ同様であるが,特に本実験では,屋外条件の影響などについて検討し,(2)で提案した評価指標を同定した他,更に精度良く同定できる手法として,3つの係数KS,AW,BAを提案し,その精度について検討した。
著者
水越 文和 出島 健司 竹中 洋 齊藤 憲治 河田 了 高木 伸夫 安田 範夫 村上 泰 松岡 秀樹 日向 美知 立本 圭吾 任 書熹 大島 渉 寺薗 富朗 日向 誠 松本 真吏子 竹上 永佑 土井 玲子 三牧 三郎 西嶋 信雄 牛島 千久 伊達 敬一 園田 隆朗 大槻 晃直 木村 隆保 八木 正人 中井 茂 昌子 均 豊田 健司
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床. 補冊 = Practica otologica. Suppl. (ISSN:09121870)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.56-66, 1995-03-20
被引用文献数
6 2

The effect of Oxatomide in the initial treatment of Japanese cedar pollinosis was examined in 11facilities in Kyoto prefecture. This study examined the most appropriate starting time and period of administration for the highest effect of the initial treatment. The following results were confirmed by administre ring Oxatomide during the initial treatment for Japanese cedar pollinosis on 1991.<BR>The effect of Oxatomide was obtained after administering for one week or more, including the highest effect after two weeks for sneezing and three weeks for nasal discharge. However, no effect on sniffling. These results suggest that two to three weeks is the best administration period for Oxatomide in the treatment of Japanese cedar pollinosis.<BR>In addition, a close relation between pollen information facilities and practical medicine in the region, is necessary for the initial treatment of pollinosis.
著者
松本 真治
出版者
佛教大学
雑誌
文学部論集 (ISSN:09189416)
巻号頁・発行日
vol.86, pp.103-116, 2002-03-01

T. S.エリオットは自らの編纂によるA Choice of Kipling's Verseにつけた長い序文、後の評論集On Poetry and Poets所収の"Rudyard Kipling"において、キプリングが「表面の下に隠されているもの、境界線の向こうにあるものを何がしか知っていた」と言う。実はこの「境界線」という言葉はエリオット自身において重要な意味を持つ言葉でもある。本論ではエリオットの言及するキプリングの作品とエリオットの作品を検証し、エリオットの発言の意味とキプリングを評価するエリオットの視点を明らかにする。
著者
松本 真
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.35-41, 1996

正中動脈を例にあげて, 形態にたいする見かた, 方法論について述べる.現象論ないし変異論的には, 正中動脈は成体の8%ほどに出現する枝である.その形成を要因論または機械論的に実証することは, 他の肉眼解剖学的形態についてと同様, きわめて困難である.過程論的には, 個体発生において, 正中動脈は前腕部で骨間動脈にひきつづいて形成される主要枝である.さらに, ツパイにおける個体発生や比較解剖学的考察から, 正中動脈は系統発生的に霊長類の祖先段階で, 成体においても残存し, 機能する枝であったことが推測される.真猿類, 狭鼻類としての段階における変化について, 機能的意義を推論した.これらのさまざまな見かたは, 形態の持つ要素を互いに相補的に分析するものだが, 系統発生がその中心に認識されることが肝要である.また, そのような分析を可能にするうえで, 霊長類の比較研究の重要性が認識される.
著者
金井 篤子 松本 真理子
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、より有効な介入システムを構築するため、実際に中学校で起こってしまった事件後に行った緊急介入の際に、心理的支援を目的に実施したIES-Rデータおよび介入経過を分析した。IES-RはPTSDのハイリスク者をスクリーニングする目的で広く使用されている。その結果、事件直後は事件に暴露した生徒の60%、暴露していない生徒の9%にハイリスク群がみいだされたが、1ヶ月後にはそれぞれ4%、3%となった。暴露生徒の支援は当然ながら、暴露していない生徒の支援も重要であることなどが明らかとなった。
著者
河原 達也 松本 真治 堂下 修司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.1-8, 1994-01-25
被引用文献数
25

会話音声認識のための文脈自由(LR)パージングにおいて,単語対制約によるヒューリスティックを用いたA^*探索アルゴリズムを実現し,その評価を行った.本アルゴリズムは,全仮説に共通な単語対制約により求められる未探索部分の推定スコア(ヒューリスティック)を各仮説の評価値に加えながら,best-firstに探索を進めるものである.単語対制約は,計算量もそれほど大きくなく,A^*実行可能性条件を満たし,言語的にも強い制約であるので,優れたヒューリスティックとなる.種々の条件のビームサーチと比較した結果,本アルゴリズムは,最適解が得られることが保証され,認識精度が高く,またむだな仮説の展開が少なく,処理効率の点からも優れていることが示された.また,ビームサーチにおいても,このヒューリスティックを導入することが有効であると明らかになった.更に,A^*アルゴリズムの確率的文法への拡張も行い,その効果を確認した.
著者
山口 拓 富樫 広子 松本 真知子 吉岡 充弘
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.126, no.2, pp.99-105, 2005 (Released:2005-10-01)
参考文献数
43
被引用文献数
2 11

高架式十字迷路試験は,抗不安薬をスクリーニングするための不安関連行動評価法として開発され,広く用いられている.また,薬効評価のみならず,遺伝子改変動物や疾患モデル動物の情動機能,特に不安関連行動の行動学的表現型を検索するためのテストバッテリーの一つとしても応用されている.本試験は特別な装置や操作を必要とせず簡便であるが,実験環境の設定条件が結果に大きく影響することから,その結果の解釈には注意する必要がある.重要な実験条件として,(1)実験動物の飼育環境および実験前の処置,(2)照明強度,(3)実験装置の形状が指摘されている.特に照明強度は,定量的に条件を変化させることが可能な設定条件の一つであり,目的に応じた条件設定を行うことによって感度よく不安水準を評価することが可能である.高架式十字迷路を不安誘発のためのストレス負荷方法として利用し,不安惹起中の神経生理・生化学的な生体内変化を自由行動下にて測定する試みがなされている.その一例として,皮質前頭前野におけるセロトニンおよびドパミン遊離の増加が,高架式十字迷路試験試行中の不安誘発に関連した脳内神経伝達物質の変化として部位特異的な役割を演じている可能性が考えられる.このように高架式十字迷路試験は,不安水準の評価法として薬効評価やモデル動物の情動応答を適切に,かつ,簡便に測定できる方法として有用である.また,不安関連行動中の行動変容と生体内変化を同時に解析することは,不安・恐怖・ストレスの神経科学的基盤の解明のみならず,不安障害に対する治療薬の開発に向けての新たな情報が提供されるものと期待される.
著者
井川 憲男 赤坂 裕 石野 久彌 郡 公子 曽我 和弘 松本 真一
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

気象庁の20年間(1981〜2000年)の全国842地点のアメダスデータを利用して、欠測や非観測要素を補充して作成され、2005年に拡張アメダス気象データが公開された。拡張アメダス気象データを多目的に有効活用するには、人体や建材等への影響を予測するための紫外放射量(UV-A,UV-B)や、緑化に関連する光合成有効放射量(PAR)など、現状の拡張アメダスに収録されていない基礎データを増強する必要がある。気象要素推定モデルを開発するため、基礎データを収集することを目的として、これまでに日射量、気温、湿度、風向・風速などの気象観測を実施している秋田県立大学(由利本荘市)、首都大学東京(八王子市)、大阪市立大学(大阪市)、鹿児島大学(鹿児島市)、に、本補助金によって照度、UV-A、UV-B、PAR、赤外放射量などのセンサーを追加導入し、計測システムを再構築した。測定開始日を平成18年1月1日とし、1分間隔での測定を開始した。現在、1年間以上の測定データが蓄積され、さらに、測定を継続している。測定データを基に、紫外放射量と日射量の関係を詳細に比較検討し、晴天指標と澄清指標で天空状態を分類する方法が、日射量からUV-A、UV-Bを推定する数式モデルの開発に有力な手法であることが確認できた。また、日射量から照度を推定する既開発モデルを測定データにより比較検証し、その高い推定精度が再確認できた。日射の直散分離法についても基本モデルを提案した。また、風向・風速・降水量については長時間間隔のデータから、1分間隔のデータを推定するための手法を検討し、基本的方向性が見えてきた。今後、さらに測定を重ね、長期連続測定により取得した各種気象要素データを基に、拡張アメダス気象データをさらに増強、高精度化するための気象要素の推定法を開発する予定である。今後得られる成果より、さらに多目的利用が可能な、次世代の「拡張アメダス気象データ」を多数のユーザーに提供できると信じる。
著者
松本 真理子 森田 美弥子 栗本 英和 青木 紀久代 松本 英夫 灰田 宗孝 坪井 裕子 鈴木 伸子
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

子どものロールシャッハ法に関する多角的視点からの研究を包括することによって、現代に生きる日本人一般児童のパーソナリティの特徴が解明され、また日本における被虐待児の心理的特徴も明らかにされた。さらに脳画像と眼球運動という生理学的視点からも子どものロールシャッハ反応の意味するものについてアプローチした結果、国内外において初の知見が得られ、さらに発達障害児との比較などについて、現在、研究を継続中である(平成21年度~25年度科学研究費基盤研究(B)(課題番号21330159)にて継続)。これまでに得た知見は国内外の学会および論文として既に発表している。平成21年度中には図書として成果の一部を刊行する予定である(2009年9月刊行予定)。