著者
清水 邦義 吉村 友里 中川 敏法 松本 清 鷲岡 ゆき 羽賀 栄理子 本傳 晃義 中島 大輔 西條 裕美 藤田 弘毅 渡邉 雄一郎 岡本 元一 井上 伸史 安成 信次 永野 純 山田 祐樹 岡本 剛 大貫 宏一郎 石川 洋哉 藤本 登留
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.126-130, 2017-05-25 (Released:2017-06-01)
参考文献数
4
被引用文献数
3 2

木材を用いた家の価値が見直されている中で,木材から放散される揮発性成分の機能性が注目されている。季節ごとの温度や湿度の変化の大きい我が国においては,木材から放出される揮発性成分も大きく変化していると考えられる。本研究では,スギ(Cryptomeria japonica)の無垢材を内装に用いた建物(A棟)と,表面に塗装を施された内装材またはビニールクロスで覆われた内装材を用いた建物(B棟)の室内において,年間を通して揮発性成分を定期的に捕集し,ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)分析による比較を行った。その結果,木材の揮発性成分の大半を占めるセスキテルペン類の量は,どちらの棟においても冬季より夏季で高く,年間を通してB棟よりもA棟の方が常に高いことが明らかになった。
著者
松本 卓夫 久保寺 静 志田 敬介 松川 弘明
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.65-74, 2021-04-15 (Released:2021-05-15)
参考文献数
22

近年スマート工場に関する研究が注目を浴びている.Industry 4.0に代表される第4次産業革命ではスマート工場が主役となっており,多くの研究論文が発表されている.しかしながら,その多くは自動化,知能化,IoT(Internet of Things), AI (Artificial Intelligence) に関するものであり,運営における同期化や柔軟性を考慮した設計に関する研究は見られない.本研究では,プロセスチーズ工場における乳化工程と充填工程を対象とし,設備償却費用,稼働費用,同期化費用,および柔軟性費用を考慮した設計問題を考える.スマート工場は必要なものを,必要な時に,必要な量だけ,効率よく製造することが必要条件であり,需要の変動など外部環境の変化や内部環境の変化に柔軟に対処できるように設計する必要がある.工場を設計するときに運用,同期化,柔軟性を考慮することが工場のスマート化に貢献できると考え,投資決定変数と運用決定変数を用いてモデル化を行う.乳化工程と充填工程には複数の設備を設置することができるとし,設備能力と台数の組み合わせを最適化することを目的とする.投資と運用を同時に考える場合,目的関数が非線形になる.そして,組み合わせ数が膨大になり組み合わせ爆発を起こすため,問題の特徴を用いて階層化し,効率的に最適解を求めるアルゴリズムを提案した.また,提案モデルは数値実験を通じてその妥当性を評価し,さらに事例研究を通じて既存工場の運営を評価すると同時に,非合理的な投資を合理的にするための分析を行った.
著者
佐藤 千代子 加藤 元嗣 西川 有佳 今村 佳奈 松本 健太郎 松本 和加子 福原 直美 阿部 千里 井川 敬子 間部 克裕
出版者
道南医学会
雑誌
道南医学会ジャーナル
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.35-37, 2018

上部消化管内視鏡検査では、苦痛なく検査が施行できるよう咽頭麻酔が行われる。咽頭麻酔の方法はキシロカインビスカス法、アイスドロップ法、スプレー法等があるが、今回効率的かつ患者満足度の高い咽頭麻酔導入を目的として、当院の従来法(アイスドロップ法)とスプレー法を比較検討したため、報告する。
著者
松本 祐司
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学学術講演会要旨集
巻号頁・発行日
vol.36, 2016

当研究室オリジナルのPLD-電気化学システムを用いて,NbドープSrTiO3(001)基板上に膜厚の異なるアナターゼTiO2(001)薄膜を作製し,その電気化学特性について,大気暴露せず,Ar雰囲気下,1MのHClO4電解質中で評価を行なった。その結果,成長膜厚の増大とともに,(001)面特有の(1x4)の表面再構成が発達し,フラットバンド電位が,およそ+0.5Vシフトすることを見いだした。
著者
松本 逸郎 土屋 勝彦
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

1.抗卵白アルブミン抗体で受動感作した後に、アルブミン抗原でイヌの脳内肥満細胞を刺激した。脳内肥満細胞の刺激でACTHを介して副腎皮質ホルモンが、交感神経を介して髄質ホルモン分泌が亢進した。Compound 48/80で脳内肥満細胞を刺激しても副腎髄・皮質ホルモンが上昇し、抗利尿ホルモンやレニン分泌も亢進した。これらの反応は正中隆起部の肥満細胞が脱顆粒しヒスタミンを放出し、CRF分泌をへて下垂体-副腎皮質系と交感神経-副腎髄質および腎傍糸球体細胞系を活性化するとともに、下垂体後葉をも賦活した結果であり、脳内肥満細胞が抗原センサーとなり得ることを示唆している。2.副腎の肥満細胞は内包するヒスタミンやPAFを放出し、副腎皮質ホルモン分泌を高めるので副腎の肥満細胞はI型アレルギー発症時に亢進した皮質ホルモン分泌により炎症を抑制し、生体防衛に働く可能性がある。腹腔内の炎症ではエンテロクロマフィン細胞と肥満細胞に含まれるセロトニンやヒスタミンが内臓求心性神経を介して炎症情報を脳へ伝え発熱し、摂食や行動を抑制し体力の温存と炎症からの回復を計り生体防衛に寄与していることが分かった。3.GlucocorticoidはLPS誘発の発熱、摂食抑制などの炎症を抑制する。脳内でも末梢にでも居住する肥満細胞はアレルゲンに反応して脱顆粒し、Chemical mediatorを放出しストレスホルモンを分泌亢進する。このことは肥満細胞誘発のアレルギー症には皮質ホルモン分泌亢進で、アナフィラキシーショクに対してはカテコールアミン、レニン、ADH分泌亢進で、呼吸不全に対してはEpinephrineと皮質ホルモン分泌亢進で対抗し,ネガティーブフィードバック的に炎症の進行を抑制する可能性が明らかになった。
著者
松本 晴年 安藤 さえこ 深町 勝巳 二口 充 酒々井 眞澄
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.44, pp.P-75, 2017

【背景】これまでに我々は沖縄県産植物のがん細胞への細胞毒性を明らかにした(Asian Pac J Cancer Prev 6: 353-358, 2005, Eur J Cancer Prev 14: 101-105, 2005, Cancer Lett 205: 133-141, 2004)。芭蕉の葉身からの抽出物 (アセトン(A)あるいはメタノール(M)抽出)を用いてヒト大腸がん細胞株に対する細胞毒性とその機序を調べた。【方法】各抽出物をヒト大腸がん細胞株HT29およびHCT116にばく露し、コロニーあるいはMTTアッセイにて細胞毒性を検討した。細胞毒性の程度をIC<sub>50</sub>値(50%増殖抑制率)にて判定した。アポトーシスの有無と細胞周期への影響をフローサイトメトリーおよびウェスタンブロット法で検討した。【結果と考察】コロニーアッセイでのIC<sub>50</sub>値は、HT29株では118 μg/mL(A)、>200 μg/mL(M)、HCT116株では75 μg/mL(A)、141 μg/mL(M)であった。MTTアッセイでのIC<sub>50</sub>値は、HT29株では115 μg/mL(A)、280 μg/mL(M)、HCT116株では73 μg/mL(A)、248 μg/mL(M)であった。アセトン抽出物にはより強い作用を持つ有効成分が含まれると考えられた。HT29株では、アセトン抽出物(100 μg/mL)のばく露によりcontrolと比較してG1期が5.4%有意に上昇し、これに伴ってG2/M期が減少した。つまり、G1 arrestが誘導された。アポトーシスに陥った細胞集団が示すsubG1 populationは見られなかった。HT29およびHCT116株では、アセトン抽出物のばく露によりcyclinD1およびcdk4タンパク発現レベルが濃度依存的に低下した。一方、HCT116株では、p21<sup>CIP1</sup>タンパク発現レベルが濃度依存的に増加した。これらの結果より、芭蕉葉の抽出物には細胞毒性をもつ物質が含まれ、アセトン抽出物はcyclinD1およびcdk4タンパク発現を減少させ、p21<sup>CIP1</sup>タンパク発現を増加させることで細胞周期を負に制御すると考えられる。
著者
松本 伸示 廣瀬 正見 秋吉 博之
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.55-61, 1990

本研究は,理科学習に於ける生徒の「やる気」の要因を同定しようとする基礎的研究である。そこで,まず「やる気」に影響を及ぼすであろう項目を抽出し,理科における「やる気」に関する調査票:QMSCを開発した。調査は,昭和63年11月,兵庫教育大学附属中学校3年生126名(男子74名,女子52名)を対象として行われた。調査票の信頼度係数は0.85であった。分析の結果,本調査票の43項目中の31のものが,「やる気」に彫響を及ぼしていることが認められた。そこで,この項目をさらに因子分析にかけたところ5つの因子が抽出された。第I因子は「科学的興味」,第II因子は「科学的活動」,第II因子は「数学的作業」,第IV因子は「測定的作業」,第V因子は「内容不消化」の因子と解釈することができた。この内,第I,II因子はプラス側に,第III,IV因子はマイナス側に働くことが明らかになった。
著者
松本 賢治
出版者
横浜国立大学
雑誌
横浜国立大学教育紀要 (ISSN:05135656)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-23, 1968-12-20

By reading in the original we mean a lesson that uses texts written in any of European languages, the most current being the English. An essential reason of this practice is naturally in the universal character of learning, but we wish to add one more. That is the isolative one of our mother tongue. The latter means a formidable barrier to communication and a handicap for our culture and learning. This is why a reading in the original becomes an indispensable course to our colleges. Here is an example of such a lesson. The author gives it to sophomores majoring education, using a text (Moore's Modern Education in America), once a week through the year. At the outset of the new year, he explains his plan as follows-we will read 4 pages in substantial at a time; all participants will quite at random be asked to read and interprete several lines one by one; each and all should prepare the lesson, otherwise he will be wise (?) not to attend; a report of summary is requested for all to hand in two days after the lesson; and so on. So the lesson goes on. Immediately before the summer vacation, just at tenth lesson, the author asks all to write freely how they think and feel about this lesson. Answers are naturally miscellaneous but he discovers that students are all honest and have will to study. They say, this is severe, painful, burdensom and is their first experience, etc., but at the same time, they have a good luck to reflect on themselves about insufficiency of basic knowledge and of skill of foreign languages. They say, all depends upon how they do their best for the lesson, We firmly believe that the central job of college education is to cultivate thinking ability of students. All lectures should do so, and reading in the original can never be exceptional. According to Dewey, thinking develops step by step: thrown into difficulties or perplexities; collecting data; making assumptions; testing them; and conclusion. This is of course a pragmatic explanation and very instructing. Can this rule be applied to our lesson? We tried and found it valid. Anyhow, in the case of reading in the original, students' preparation is the secret of success, and reporting summary after lesson will make it secure. Why such a truism? An old saying tells us: easy to speak, not easy to do. Concerning texts, classics or standard works should be selected. The educational value of classics is beyond doubt. Standard works are of authoritative content and good style, written by reliable authors. We think also that a desirable text should be one which teacher have read and have a passion to read it again with students. Some professors change texts year by year, but we doubt whether it be wise or not.