著者
古橋 健斗 松本 拓也 福田 浩章
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2017-OS-140, no.1, pp.1-6, 2017-05-09

クラウドサービスでは,アプリケーションを提供するサービス提供者が物理マシンやネットワークを保有するインフラ提供者から必要に応じてリソース (e.g., 仮想マシン) を確保し,サービスを提供している.サービス提供者は,最大負荷 (必要になる仮想マシンの最大数) を見積もることでサービスの円滑な運用を目指しているが,予め見積もることは難しい.一方,インフラ提供者は,物理マシン,仮想マシンの負荷状況 (e.g, CPU やメモリ使用量) をもとに仮想マシンを再配置し,データセンタ全体の運用効率向上を目指している [1] [2].この検証には実運用に適用することが望ましいが,サービス提供者の SLA を保証する必要があり,実現は難しい.また,大規模なデータセンタを準備することも難しいため,シミュレーションでの検証を行わざるをえない [3].そこで本研究では,RaspberryPI を利用し,サービス提供者,インフラ提供者それぞれの要求を容易にテストできる環境を提供する.具体的には,複数の RaspberryPI を使用した仮想データセンタの構築と負荷状況の監視,仮想マシンの操作を実現する.また,必要に応じて仮想マシンを増減し,スケールアウトする機能を実現する.そして,仮想マシンの移動,スケールアウトを本環境で実行し,その機能性能を示す.
著者
野中 源一郎 松本 陽子 西岡 五夫
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.1184-1187, 1981-04-25

A novel hydrolyzable tannin named trapain has been isolated from Trapa japonica FLEROV. (Oenotheraceae), and the structure has been established as II on the basis of the spectroscopic and chemical evidences.
著者
松本 治朗
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.19, pp.141-147, 2012-07-21

神戸市にて実施されている9ヶ月の乳児検診の方式に従い、同検診を筆者の診療所で受けた母児83例を対象とした。検診時に母親の笑いの感情についてフェイス・スケールを利用して評価した。これにより笑いの感情を持つ母親52人(笑い群)および笑いの感情を持たない母親31人(非笑い群)の二群に分けた。この両群において子育て上どのような違いがあるのかについて分析を試みた。すなわち早期産の発症、母親の心配事の有無、分娩様式、出生時および9ヶ月における児の体重、喫煙の有無、あやすと初めて笑った時期、授乳方式に違いはないかについて検討した。その結果、母親がよく笑う感情を持っていることと子育ての心配が少ないこと、および育ちも健やかなこととの関連性が示唆された。
著者
中村 哲 須藤 克仁 松本 裕治 田中 宏季 サクリアニ サクティ 吉野 幸一郎 高道 慎之介
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

①-A)常時音声認識:音声、非音声音響モデルに基づく常時音声認識の検討を始めた。B)自動音声同時通訳:シフトリデュースパーザを音声認識に組み込み、逐次的に音声認識デコーダで構文解析しながら次の文構成要素を予測し、訳出、待機を行う方法の高度化について文献調査を行った。C)機械翻訳の高度化:再帰的ニューラルネットワークの一種であるLSTMによる注意形ニューラル機械翻訳(NMT)の高度化に向けて研究を進めた。D)対話制御:LSTMを用いた対話状態推定法の利用、POMDPを利用した音声翻訳の高度化に向けて検討を始めた。②パラ言語:元言語の発話から強調抽出し、アライメントを求めた後、CRFおよびLSTMニューラルネットで対象言語に強調を付与する技術の改良を進めた。③リアルタイムコミュニケーション:視線検出装置Tobi、モバイル心拍計などを用いてプロの同時通訳者の作業時、および同時通訳ユーザの聴取時の聴取負荷の観察を行うため、実験計画の検討を行った。④コーパス構築:2012年から介した基盤研究Aで収集したコーパスの整理を行い、H29年度に実施すべきコーパス収集の計画を検討した。
著者
松本 昌親
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1509, pp.180-183, 2009-09-28

隣の大阪府河内長野市に合併を申し入れたのは今から2年前の2007年のことです。もはや自治体として単独で存続するのは難しいと判断しました。 村は過疎化が止まらず、人口は約6500人まで落ち込んでいます。国や大阪府からの交付金や支出金に頼らない、村の税収からなる自主財源は総収入の約25%しかありません。
著者
松本 精一
出版者
農林統計研究会
巻号頁・発行日
no.94, pp.1-12, 1999 (Released:2011-03-05)
著者
松本 耿郎
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.347-371, 2004-09-30

イスラームの信仰宣言「アッラーのほかに神はなく。ムハンマドはアッラーの使徒である」はムスリムを宗教的瞑想に誘う。その理由は、二つの命題の論理的関係が文言だけでは不明で、なぜ二つの命題を宣言するのかも明らかでないからである。多くのムスリムの思想家たちがこの問題に取り組み、その知的営為の中から存在一性論という哲学が形成され、この哲学を継承発展させる運動がイスラーム世界全域で展開した。存在一性論はアッラーを唯一の真実在者とし、それ以外の諸存在は仮の、あるいは幻の存在であるとする。そして、唯一の真実在者と幻の存在との関係を考察し、さらにこの真実在者から預言者ムハンマドが派遣される理由を可能な限り理論的に説明しようとする。これは相当なエネルギーを必要とする知的営為である。しかし、存在一性論はその中で使用する基本概念をいずれも重層的意味を持つものに設定して、この学派の枠組みの中での思索がほぼ自己増殖的に発展する装置を創り上げている。それは思想的生命力の自動的維持装置ともみなしうる。存在一性論が中国の思想的土壌のなかでも見事に開花していることもこのことを証明している。
著者
松本 大毅 広城 吉成 堤 敦 神野 健二 新井田 浩
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
水工学論文集 (ISSN:09167374)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.127-132, 2005-02-01 (Released:2011-06-27)
参考文献数
11

Sayanokami spring water exists in the new campus of Kyushu University, which is located on the western part of Fukuoka City. This spring water is one of the important water resources for agriculture around the new campus area. The construction of the new campus started last June, 2000. In this study, to understand the hydrological properties of the Sayanokami circumference, 222Rn and tritium were used as tracers, respectively. Consequently, it was found out that the residence time of Sayanokami spring water is 10-20 years. Moreover, the residence time and the catchment area of Sayanokami spring water were estimated using groundwater flow model. As a result, the residence time of Sayanokami spring water was evaluated to be about 25 years at most and the catchment area was specified. It is concluded that the accuracy of estimation of residence time and catchment area of the spring water can be improved by analysis of radioactive isotopes and groundwater flow model.
著者
松本 良央 加藤 守 中村 隆顕 郡 光則
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第71回, no.データベースとメディア, pp.487-488, 2009-03-10
著者
宮入 照子 松本 仲子 小林 トミ
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.136-142, 1991-05-20

シャーベットに洋酒,スパイスを使用したときの嗜好について官能検査を行い検討した。1.洋酒を加えたシャーベットで嗜好が高かった洋酒は,オレンジキュラソー,赤ワイン,チェリーブランデー,キルシュワッサー,コアントロー,ラム,グランマニエであり,嗜好が低かったものは,ペパーミント,マラスキノ,モカリキュールであった。2.洋酒入りシャーベットにスパイスを添加した場合には,メースが好まれ,シナモンが好まれない傾向がみられた。洋酒とスパイスの関係をみると,クローブは洋酒の種類によって嗜好が分かれ,洋酒がコアントローシャーベット,マラスキノシャーベットの場合は嗜好を高め,白ワインシャーベット,ラムシャーベットにおいては逆に嗜好を低める傾向がみられた。3.スパイスの添加効果については,洋酒入りシャーベットで嗜好の低かったマラスキノ,モカの各シャーベットではその評価を向上させたが,逆に洋酒のみを加えたシャーベットで嗜好が高かったオレンジキュラソー,チェリーブランデー,赤ワイン,キルシュワッサー,ラム,コアントロー,グランマニエの各シャーベットでは,この評価を低下させる傾向が認められた。
著者
原田 佳澄 木村 圭佑 岩田 研二 河村 樹里 古田 大貴 坂本 己津恵(MD) 松本 隆史(MD) 櫻井 宏明 金田 嘉清
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第28回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.85, 2012 (Released:2013-01-10)

【目的】 回復期リハ病棟で歩行を含む日常生活活動が改善し退院に至るも、退院後の不活動により再入院という例が存在する。しかし、回復期リハ病棟退院後の活動量を定量的に測定した研究報告は少なく、具体的な予防策がない。そこで、活動量の計測方法として使用される歩数計に注目した。本研究の目的は回復期リハ病棟退院前後における歩数の変化を明らかにし、入院時、退院後の運動指導に役立てるものである。今回は活動量計を用いて入院時から退院後3か月間の活動量の変化について経過を追った一症例を報告する。【方法】 症例は70歳代女性で当院回復期リハ病棟の入院患者である。左被殻出血を発症、右片麻痺を呈し、発症30日後当院回復期リハ病棟に転院し、発症115日後自宅退院となり、週2回の頻度で当院通所リハ短時間利用を開始した。評価より、当院入院時SIAS-m3-4-4-4-3、退院時SIAS-m5-4-5-5-4であった。移動手段は、入院時病棟内歩行器歩行自立、入院2週間後院内歩行器歩行、病棟内T字杖歩行自立、入院1か月後院内T字杖歩行自立、退院後屋内は独歩自立、屋外はT字杖歩行自立となった。また、退院後の目標歩数を退院直前の平均歩数5,000歩とした。計測は、パナソニック社製アクティマーカーを非麻痺側腰部に装着して行った。計測期間は、入院時、入院1か月後、入院2か月後(退院直前)、退院1か月後、退院2か月後、退院3か月後に各4日間、入院時は9時~17時、退院後は9時~就寝まで計測を行った。今回は各期間4日間の平均歩数のみとし、データ解析は、アクティマーカー解析ソフトを用いて行った。 本研究は当院倫理委員会の承認を得て行い、対象者には口頭にて十分な説明を実施し、書面にて同意を得た。【結果】 9時~17時までの平均歩数は、入院時2,609±521歩、入院1か月後5,168±317歩、入院2か月月後(退院直前)4,636±1,034歩、退院1か月後3,135±435歩、退院2か月後2,684±853歩、退院3か月後3,360±1,076歩であった。退院後の17時~就寝までの平均歩数は、退院1か月後595.5±8歩、退院2か月後1,475±16歩、退院3か月後2,392±27歩であった。【考察】 先行研究では、回復期リハ病棟入院中の平均歩数は、2,483歩(9時~17時)と報告している。今回、入院中の平均歩数は先行研究を上回っていた。また、退院1か月後の歩数が減少した理由は、冬季であったため屋外での活動が減少し、屋内中心の活動になったと推察された。そのため、気候や天候に合わせて対応可能な指導が必要になる。また入院時より定期的に歩数計測を行うことで、運動に対する動機付けができモチベーション維持につながったと推察された。退院後、17時以降に歩数の増加がみられた理由は、入院生活は非日常的な生活であり、退院後の活動時間と相違があったと推察された。そのため、退院後の1日の生活リズムに合わせて、運動指導を行っていくことが必要である。【まとめ】 活動量を意識させる上で、入院中より歩数計を使用し、目標歩数の設定、及び病棟と共通の活動量指標としての活用が重要である。今後は、対象者を増やし、退院後の活動量を維持するために必要な退院時の活動量、また退院後の介護保険サービスの種類、頻度を明らかにし、リハビリ介入の頻度調整に繋げていく。
著者
加藤 慎二郎 熊谷 信克 松本 敬子
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.113, no.2, pp.84-109, 2015-06-29

観察研究における対象の選択バイアスは,結論に影響しうる。本研究では,新契約無条件体の申込形態別死亡率,死因を調査し,生命保険加入者に特有な選択バイアスについて検討した。払方,保障額,新規転換,白地区分の申込形態は,いずれも有意に死亡率に影響していた。特に払方と保障額の効果は,大きくかつ長期的で,選択が難しいと考えられる悪性腫瘍,自殺,事故死,肝硬変,その他病死など多岐にわたる死因で差異が観察された。これらの効果は,おおむね射幸心やモラルリスクに基づくものと推測されるが,一時払契約では喫煙率が低く,一部で健康志向の関与が示唆された。観察研究の結論は,コントロールの選定や解析方法にも左右される。特にImpairment Studyを用いて疾病や検査所見の医学的リスクを正しく評価するためには,保険年度・観察年度構成とともに,これら申込形態や環境要因の選択バイアスの適切な調整・管理を必要とする。
著者
加藤 珠理 松本 麻子 勝木 俊雄 岩本 宏二郎 中村 健太郎 石尾 将吾 向井 譲 吉丸 博志
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第125回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.303, 2014 (Released:2014-07-16)

‘枝垂桜’は野生のサクラであるエドヒガンから生じた突然変異体であると考えられ、筆者らが行ったこれまでの研究成果においても、その可能性は支持されている。現在、‘枝垂桜’には複数の系統が存在するが、それらの起源は原種であるエドヒガンから、一回だけ生じた変異個体に由来するものか、それとも、独立に生じたいくつかの変異個体に由来するものかはわかっていない。また、原種である野生のエドヒガンについても、どの地域のエドヒガンがもとになって、‘枝垂桜’が生じたのかについてはわかっていない。この研究では、‘枝垂桜’の起源に関する様々な疑問を解決するために、‘枝垂桜’とその原種であるエドヒガンの関係を集団遺伝学的手法に基づいて評価し、考えられうる可能性を示したいと思う。研究材料としては、全国各地から収集され、多摩森林科学園で保存・管理されている‘枝垂桜’を用いた。比較のために用いるエドヒガンは複数の地域からサンプリングした集団を用いた。SSRマーカーを用いたDNA分析により、‘枝垂桜’とエドヒガン集団の遺伝構造について比較解析を行っており、本発表ではその結果について報告する。