著者
宮地 秀樹 小谷 英太郎 岡崎 怜子 吉川 雅智 松本 真 遠藤 康実 中込 明裕 草間 芳樹 磯部 光章 新 博次
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.5, pp.1388-1390, 2011-05-10
参考文献数
7
被引用文献数
1 2

症例は21歳,女性.不明熱のため各種精査を行うも原因を同定できず.骨病変精査目的で施行したFDG-PET/CTにて大動脈弓部に異常集積を認め,早期の高安動脈炎と診断した.狭窄閉塞,拡張病変が明らかでない早期高安動脈炎の早期診断は現在のガイドラインでは困難である.しかし高安動脈炎は若年女性に好発し,重篤な心血管合併症が生じることからFDG-PET/CTによる早期診断が重要と考え報告する.<br>
著者
山﨑 誠子 星住 英夫 松本 哲一
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.519-531, 2016-09-30 (Released:2016-11-08)
参考文献数
33

Unspiked K-Ar dating procedure enables the correction for mass fractionated initial 40Ar/36Ar ratios, and has been successfully applied to young volcanic samples, especially younger than 0.5 Ma. We reconstructed the growth history of western to central part of Kuju Volcanic Group based on the unspiked K-Ar age data. The unspiked K-Ar ages for the small andesitic-dacitic volcanoes of Stage 1 (Kutsukakesan Volcano, Iozan Lava, Kuroiwasan Volcano, Narukoyama Volcano) provided with two age group of ca. 160-150 and ca. 90-80 ka, suggesting that Stage 1 may be divided into at least two sub-stages. During Stage 3 after the largest eruption associated with Handa pyroclastic flow deposit, some lava domes and stratovolcanoes in the central part (Ogigahana Volcano, Nakadake Volcano and Mimatayama Volcano) were built up from ca. 54 to 34 ka, which is older than the previous interpretation.Based on these K-Ar ages and estimated volume for each volcanic unit, we calculated the magma discharge rate during each volcanic stage and the whole period of the volcano history. The calculated magma discharge rate for Stage 1, 3 and 4 are 0.09, 0.12, 0.18 km3/ky, respectively, showing that the activity has slightly increased. The rate of 0.12 km3/ky for the whole period is similar to that for Aso and Unzen volcanoes lie to the west of this volcano.
著者
松本 亜希子 中川 光弘 井口 正人
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.545-558, 2016-09-30 (Released:2016-11-08)
参考文献数
38

On the 24th July, 2012, a large scale explosion occurred at Minamidake Summit crater of Sakurajima volcano, for the first time in last 1.5 years. This eruption is characterized by a clear, large preceding inflation ca.22 hours before the eruption. The juvenile glass particles in the volcanic ash of this eruption have less amount of microlite than those of Showa crater. The crystal size of microlite is also smaller. In contrast, their microlite number densities (MND) of plagioclase and pyroxenes are similar to those of Showa crater. According to the results of the decompression experiments by previous studies, the variations of crystallinity of microlite with the constant MND can be explained by the difference in the length of the duration for decompression, and/or the duration until the quench after the decompression. Considering these results, the juveniles of the summit eruption are derived from the eruption induced by relatively rapid decompression with rapid quench, and the juveniles from Showa crater are the products of the eruptions accompanied with the relatively slower decompression and/or the longer annealing after decompression. Therefore, it is interpreted that the 24th July, 2012 eruption was caused by rapid magma ascent with much shorter stagnation in the conduit. In contrast, the eruptions at Showa crater might have been induced by slower magma ascent and/or longer stagnation at a shallower depth of the conduit. This interpretation agrees with the data of geophysical observations. On matrix glass chemistry, juveniles of this summit eruption show the distinct trend from those of Showa crater. This feature can be produced by the difference in mode of microlite, which are crystallized during magma ascent. Accordingly, it is possible to evaluate the difference in magma ascent process, using the matrix glass chemistry.
著者
大室 健治 佐藤 正衛 松本 浩一
出版者
日本経営診断学会
雑誌
日本経営診断学会論集 (ISSN:18824544)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.112-118, 2015 (Released:2016-09-15)
参考文献数
15

本稿では,農研機構が開発した「Web版農業経営診断サービス」(以下,Webサービス)の特徴を詳述したうえで,Webサービスの試行版に対する利用者のユーザ評価結果を整理し,ユーザ要求に沿ったWebサービスの今後の改良方向を提示する。これまで,各種団体が農業経営診断ツールを開発してきているが,それらに共通する課題は,営農類型・規模などを考慮した標準値データベースを持たないため,診断対象の値と標準値との比較考量ができない点にあった。Webサービスは,農林水産省が保有する個票データの解析結果に基づく標準値データベースを内蔵しており,各診断指標についての標準値との比較,ならびに良好・不良などのランク判定が可能である。Webサービスの今後の改良方向は,外部診断者の業務内容に沿った対応,営農類型の特殊性を踏まえた診断手法の組込み,6次産業化などの多角的な農業経営への対応である。
著者
中森 泰三 藤原 直哉 松本 直幸 岡田 浩明
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
no.84, pp.5-9, 2009-03-31

持続可能な農業に向けて農業生態系の生物多様性に関心が高まっている.日本では農業生態系におけるトビムシの多様性に関する知見は限られている.そこで,我々は慣行および保全型畑地に加えて森林土壌およびリター堆肥におけるトビムシの種組成を明らかにした.総個体数および種数ともに慣行畑地より保全型畑地において多かった.また,畑地土壌からMesaphorura silvicola(Folsom)が日本から初めて得られたので合わせて報告する.
著者
吉田 有輝 三岡 相至 松本 直人 大野 英樹 吉田 生馬
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1261, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】1998年の厚生労働省の調査によると,ギラン・バレー症候群(Guillain-Barré syndrome:以下,GBS)は人口10万人あたりに対し1.15人の年間発生率であり,平均発症年齢は39歳で男女比は3:2である。また,GBSは一般的に予後良好であるとされており,1998年の英国の調査において,走行可能な状態まで回復した症例は約62%と報告されている。このように,GBSは若年性の神経難病であり,やや男性に多いことから,働き盛りの労働者に発生しやすいという特徴を持っている。それにも関わらず,GBSを発症した症例がその後どのような過程を経て社会復帰を実現したのかを示す報告は少ない。そこで,今回,当院において急性発症から自宅退院,その後の訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)により社会復帰を達成した症例を経験したので報告する。【方法】平成25年3月5日~4月16日までに神経内科に入院したGBSの1例を対象とした。年齢は40代後半,性別は男性,職業は建設施工会社の現場監督であり,妻と3人の息子と同居していた。退院時のBarthel Indexは85点,100mの連続歩行や1時間の座位保持は疲労感が強く継続は困難な状況で,外出には車椅子が必要であった。筋力は,徒手筋力検査にて,上肢では前腕筋が概ね3+,股関節伸展筋および外転筋が3+,足関節底屈筋が2+,握力は右14.5kg,左14.0kgであった。退院時の主訴は「新たな身体を作りたい」であり,HOPEは「最終的に復職したい」であった。入院中は1日3回のリハビリテーションを毎日実施し,自宅復帰後は週に3日,1回40分の訪問リハを医療保険下で平成25年4月18日~9月27日まで実施した。訪問リハでは,屋内生活の安定を目標とするとともに,過用性筋力低下(overwork weakness)のリスクを考慮したADL指導や自主練習の提示を行っていった。その後,徐々に活動範囲を拡大させながら,日常的な活動性とADLおよびIADLの状況を毎回確認し,最終的には,復職した際の具体的な通勤方法や仕事内容を評価し,指導を行った。【倫理的配慮,説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言に則り,利用者に十分な説明と同意を得た後に実施した。【結果】自宅復帰後,社会参加に対するHOPEに早期復職や完全復帰と変化が認められるようになった。しかし,介入時の主訴からも推測される通り,疾患や身体機能,それに伴うADLへの理解が不十分であり,復職に関して焦燥感があることが考えられた。本人が同年6月末を復職時期として希望していたため,まず,通勤手段である自転車走行や電車移動を家族とともに行ってもらったが,電車移動中や外出先では疲労が強く頻回な休息が必要という結果であった。そこで,本人と相談しながら復職時の課題を明確化し,問題解決方法をその都度確認していった。その結果,8月初旬には1日の外出を実施することが可能となった。その際,移動時の疲労やそれらの翌日への持ち越しが確認されたが,デスクワークは可能であることも確認できた。そして,9月には訪問リハを週2回に変更し,復職後の業務内容は会社と相談した結果,内勤へと変更することが決まり9月27日に訪問リハは終了,10月初旬に復職を達成した。【考察】若年の男性にとって,労働者や夫,父親としての社会的地位や尊厳,名誉が失われることは大きな問題である。また,あらゆる神経難病の中で,GBSが予後良好と言われていても,罹患した方々は常に不安と隣り合わせの状態で自宅退院を迎えていることが容易に予測できる。今回の症例では,入院中から復職という社会復帰の目標が明確に設定されていた。しかしながら,退院直後は自宅内生活を送ることが精一杯であり,外出時には車椅子を使用しなければならない状況であった。そのため,まずは居宅生活の安定を目標としリハビリテーションを実施していった。その中で,徐々に生活が安定すると,可及的早期に復職をしたいというHOPEの変化が認められた。本人は復帰時には仕事への完全参加を希望していたが,病態やより具体的な復職のプロセスを考慮すると,本人との間で課題の明確化と問題解決方法をその都度確認していく必要があった。そのような介入をした結果,利用者の焦燥感は徐々に緩和していったと考えられる。そして,社会的側面や経済的側面も考慮し,可能な限り利用者の地位や名誉,尊厳に配慮した形で目標を共有していけたため,安全な方法や形式での社会復帰が可能であったと考えられる。【理学療法学研究としての意義】理学療法の目的および理学療法士の役割が,身体の機能回復ではなく,個々人の権利・名誉・尊厳の回復であるならば,本症例のような神経難病を有する患者に対し,退院後も居宅サービスとしての支援を行い,社会復帰を実現していくことは大変重要なことであると考えられた。
著者
片山 一道 豊 増翼 松本 秀雄
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.83-94, 1978-04-15 (Released:2008-02-26)
参考文献数
19

三重県鳥羽市の離島地域の隔離集団の1つのモデルとして,神島集団の人口構造と婚姻構造,すなわち集団構造を明らかにするとともに,その集団遺伝学的な解析を試みた。その結果,神島集団の遺伝的構成はrandom genetic driftの強い影響を受けていることが推測された。そして,このことは,第一報で報告された血清学的多型性形質から得られ た,神島集団の遺伝的特性によく反映していることがわかった。
著者
松本 芳之
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.45-53, 1980-10-01 (Released:2010-11-26)
参考文献数
9

本研究はDeutschとKraussのトラッキングゲームを用い, 利害対立を含む相互作用場面におけるコミュニケーションの効果を検討したものである.実験Iでは, ゲームの基本的要件を確認するという目的から, ゲートの有無とコミュニケーションの有無の条件を取りあげた. コミュニケーションは, 各試行終了後メッセージを交換するという方法を取った. ゲートの存在は関係調整の妨げとなることが確認されたと共に, 直接のコミュニケーションは調整を促進させる働きを持つこと, この傾向はゲートの存在する条件で強いという結果を得た. こうしたコミュニケーションの効果は, 相互作用を持続させることで, 被験者の事態の了解に影響する, という点に起因することが示唆された.そこで実験IIでは, コミュニケーションが有効となり得ないという結果は, 何らかの理由で被験者が実験開始時の場面の理解に固執したことに帰因する, という仮説を検証した. 被験者の場面の理解を規定する方法として課題提示, 具体的には実験に先立つ練習試行の内容を変えることで操作した. 調整条件では, 互いに納得できる合意形態を練習することで, 交渉場面に含まれる協力的要素を強調した. 一方, 対立条件では, 互いに対立する結果相手を妨げるためにそれぞれの勢力に訴えるという交渉場面の競争的要素を強調した. この条件それぞれに対してコミュニケーションの有無の条件 (方法は実験Iと同様) を設け, 交渉過程との関係を検討した.結果は, 被験者が交渉場面をどう理解するかが交渉過程に大きく影響し, 調整条件で得点が高いことが示された. 一方, コミュニケーションの有無による差は見られなかった.しかしながら, 他の行動側面を詳しく検討した中で, 従来コミュニケーションが有効性を持ち得ない点で注目されていた条件にあたる, 対立条件では, コミュニケーションの存在が相互作用の展開を両極化させること, すなわち, 容易に調整に至る場合と, 逆にかえって対立が強まる場合とに分かれる傾向があり, その差が増大することが明らかになった. 更に, 相手に依存しない選択手段は, 対立の進行にとって一種の宥和作用を持つことが示唆された.
著者
松本 昭彦
出版者
中央図書出版社
雑誌
国語国文 (ISSN:09107509)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.p21-34, 1992-10
著者
田頭 章徳 久慈 達也 見明 暢 佐久間 華 馬場田 研吾 松本 雄樹 金子 晋也 Akinori TAGASHIRA Tatsuya KUJI Nobu MIAKE Hana SAKUMA Kengo BABATA Yuki MATSUMOTO Shinya KANEKO
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2012
巻号頁・発行日
2012-11-30

優秀な学生、より上を目指す学生をさらに高いレベルに引き上げる目的で立ち上げたデザインチーム DESIGN SOIL は、教員と学生がともにデザイナーとして参加し、質の高い展示会への出展を軸に活動している。DESIGN SOIL では、参加学生に学生としてではなくプロのデザイナーとして作品を発表し、展示会に臨むことを要求している。2011年度は、家具産業が抱える輸送コストの問題に取り組むべく、「SOUVENIR.機内持ち込みができるパッケージサイズの家具、インテリアエレメント.」をテーマとして作品制作を行い、Salone Satellite 2011 やTIDE EXHIBITION 2011 などの最高峰の選抜展に出展を果たした。展示会では、多くの批評、賞賛を得ることができた。多数の先鋭的な雑誌媒体などに掲載されたのも、純粋に作品が評価されたということであり、大きな成果である。最高峰の展示会への出展を目標としているため、参加学生たちの作品の質は概ね向上した。展示会への参加を通して、大学のカリキュラムだけでは経験を積むことが難しい、展示会でのプレゼンテーションの仕方、取り組む姿勢を目の当たりにし、意識改革ができたことは非常に重要な成果である。次年度以降も活動を継続し、教育の方法論の確立を目指したい。"DESIGN SOIL" is a design team which has launched with the aim of raising talented or ambitious students to higher level. The selected students and young teachers participate as a designer to it and the activities is based on exhibiting in high-quality exhibitions. We require the students to make a design and participate in exhibitions as not just a student, but a professional designer.We developed theme of "SOUVENIR . furniture or interior elements which could be dismantled and stored in a package within the hand-luggage size limit allowed by airlines .", and we have participated in top-level exhibitions 'Salone Satellite 2011' and 'TIDE EXHIBITION 2011'.

2 0 0 0 OA 新しき社員道

著者
松本伊勢之丞 著
出版者
ダイヤモンド社
巻号頁・発行日
1939
著者
藤本 貴也 遠藤伶 松本 敬 重野 寛
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.24, pp.1-8, 2010-05-13
参考文献数
9

P2P VoD サービスでは,視聴した動画データをピアがキャッシュに保持し,サーバの代わりに配信することで,サーバの配信負荷を低減している.ピアのキャッシュ方法は一般的に FIFO が用いられる.しかし,FIFO では,不人気動画のデータもキャッシュに保持してしまうため,ピアの送信帯域を有効に活用できない.本稿では,動画の人気度を考慮することで,ピアの送信帯域を効率的に利用し,サーバの配信負荷を低減する手法 PEC を提案する.PEC では,人気動画のデータを優先してピアがキャッシュに保持し,サーバの代わりに配信するピア数を増やす.また,シミュレーション評価により,各ピアの過去視聴動画数が 2 個以上の状態における有用性を示す.In P2P VoD services, peer saves the load of delivery server by caching data of the video that the peer has watched, and delivering the video to other peers instead of the delivery server. Although FIFO is typically used as this caching algorithm, FIFO is not efficient for using upload band of peers, because peer may caches data of non-popular video. This paper propose PEC that reduces the load of delivery server by considering popularity of videos. PEC increases the number of peers that deliver the video to other peers because peer gives data of the popular videos priority over non-popular videos for caching. In addition, we evaluate the PEC by the simulation and show effectivity for situation in that each peer has wached 2 or more videos.