著者
福山 朋季 田島 由香里 林 宏一 上田 英夫 小坂 忠司
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第38回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.20126, 2011 (Released:2011-08-11)

一部の有機リンおよび有機塩素系化合物による免疫抑制作用の報告は数多くなされており,我々の研究室でもin vivoおよびin vitro下で検証を実施した。近年,免疫抑制反応の回復段階で増殖した異常リンパ球細胞により,アレルギーや自己免疫性疾患といった免疫異常の発症リスクの上昇が危惧されている。本研究では,有機リンおよび有機塩素系化合物といった環境中化学物質により引き起こされる免疫抑制作用と,化学物質アレルギー発症の関連性について調査を行った。実験には4週齢の雌性Balb/cマウスを用い,免疫抑制化学物質として有機リン化合物のパラチオン(0, 0.15, 1.5 mg/kg)と有機塩素系化合物のメトキシクロル(0, 30, 300 mg/kg)を4週齢時に5日間経口投与した。8週齢時にTh1タイプアレルゲンのDNCB(0%, 0.03%, 0.1%, 0.3%)とTh2タイプアレルゲンのTMA(0%, 0.1%, 0.3%, 1%)を用いたLocal Lymph Node Assay(LLNA法)を実施した。また,DNCB 0.1%とTMA 0.3%についてリンパ節中のT細胞分類,サイトカイン産生量およびアレルギー関連遺伝子発現解析を行った。LLNA法の結果,DNCBおよびTMAのEC3値 (感作陽性の指標)が,パラチオンおよびメトキシクロルの用量依存的に減少し,パラチオンおよびメトキシクロルの投与がアレルギー反応の増大に寄与していることを示していた。また,採取したリンパ節を詳細に解析した結果,パラチオンおよびメトキシクロル投与により,Helper-およびCytotoxic-T細胞,サイトカイン産生量およびアレルギー関連遺伝子発現が有意に増加しており,LLNA法の結果を補佐していた。上記結果は,パラチオンやメトキシクロルといった免疫抑制化学物質による免疫機能の破綻が,化学物質アレルゲンに対する反応性を増大させることを示唆していた。
著者
滝沢 正臣 小林 敏雄 中西 文子 鈴木 茂雄 宮林 宏保 矢野 今朝人
出版者
Japan Radioisotope Association
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.161-166, 1975

TV信号の蓄積と, 走査線変換のために用いられている高精度蓄積管 (メモリ管) を使って, RI像の収録と表示を行なう方法につき検討した。メモリ管のXYZ入力に, シンチスキャナ, またはシンチカメラからのパルスおよび座標信号を入力し, パルス密度に比例する電荷をターゲットに蓄積させる。収録終了後ただちにTV方式による表示に移る。必要により, 像のカラー化を行ない, また, バードコピーを得ることができた。実験の結果メモリの解像度700本, 階調10段階以上, 平たん度20%であった。またdead timeは5μsecフルスケールであった。臨床計測の結果は, フィルム像に近い各種臓器のシンチグラムが得られた。またX線写真とシンチグラムの重ね合わせができ, 読影上解剖学的位置の確認が容易であることがわかった。この方法により, スキャン像の多種にわたる表示が迅速に実行できることがわかった。
著者
佐伯 和人 坪井 直 林 宏昭
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.126-135, 2001-09-25
参考文献数
7
被引用文献数
3
著者
小林 宏至
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

中国では改革開放政策が打ち出され、それが広く人々に浸透していく1990年代まで、「聖地」の多くは「革命聖地」を意味していた。つまり共産党の愛国教育基地でもあった。だが近年、中国社会のなかで「聖地」の「再開発」が進んでいる。本発表で対象とするのは客家というエスニックグループの聖地である。行政主導により、少数民族でも宗教団体でもない客家というエスニックグループの「聖地」がつくられる意義を議論する。
著者
小林 宏
出版者
北大史学会
雑誌
北大史学 (ISSN:04410874)
巻号頁・発行日
no.11, pp.39-65, 1966-09
著者
八十川 利樹 石丸 伊知郎 兵頭 亮治 小林 宏明 石崎 勝己 吉田 真
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2005年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.285, 2005-03-10 (Released:2005-10-06)

本報告では、単一細胞(直径10μm)の断層像解析アルゴリズムについて述べる。また、高空間解像度2次元分光計測技術として可変位相差顕微方式について報告する。本手法は新たに開発した局所可動ミラーデバイスにより、0次光と回折光の間で位相シフト干渉を行うことでインターフェログラムを得る。これらの技術と細胞回転技術により、生きたままの単一細胞の3次元分光特性を高空間解像度で取得することが可能となる。
著者
内田 毅彦 小林 宏彰 石倉 大樹 虞都 韻 村上 哲朗 中野 壮陛
出版者
Society for Regulatory Science of Medical Products
雑誌
レギュラトリーサイエンス学会誌 (ISSN:21857113)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.211-217, 2015

世界の医療機器マーケットは拡大し続けているが,日本の医療機器産業はあまり活発ではなく,毎年7000億円もの貿易赤字を作り出している.しかしながら,技術力があり,モノづくりが匠で,医療水準が高い日本は本来であれば世界の医療機器産業を牽引していても不思議ではない.日本の医療機器産業が世界をリードするようになるために,幾つかのポイントが考えられる.米国のオバマケア,費用対効果,リバースイノベーション,国際共同治験,デジタルヘルスといったキーワードを踏まえた上で,日本のベンチャー企業が医療イノベーションを作り出そうとする際に,これからはよりグローバルな視点で事業化を行っていく必要があると考える.
著者
林 宏作
出版者
桃山学院大学
雑誌
国際文化論集 (ISSN:09170219)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.238-213, 2000-12-20

Some Unpublished Pieces by Chen Yi 陳沂(一四六九-一五三八)には『拘虚集』五巻・『拘虚後集』三巻・『拘虚詩談』一巻・『游名山録』四巻・『陳石亭先生文集』十二巻などの著作がある。『拘虚集』は、陳沂が出仕する前から翰林院学士や山東左参議となる前後に至るまでの詩作を自ら選定し、門人の陳儒によつて一五三二年に刊刻されたものである。この原刻本は見ることができないが、幸い任卿が原刻本を復刻した重刊本(一五三三年十月から一五三五年二月までの間と推測される)は、いま台北中央図書館に現存されている。しかしこの任卿の重刊本は巻二と巻三に各々一頁、計五律五首・七律四首が欠けている。『拘虚後集』は陳沂が政界を引退した後の詩作を収め、一五六二年七月その子の陳叔行によつて刊行されたものである。これは陳沂没後二十五年目のことである。また『石亭文集』は陳沂の長子時萬と従子時伸が家蔵の遺稿を収集して一五六五年に刊刻したもので、いま日本尊經閣に収蔵されており、任卿の重刊した『拘虚集』とともに天下の孤本である。なお『拘虚詩談』と『游名山録』の編者や刊行年月については不明であるが、この二書は張寿〓の収集によつて一九三四年三月前述の『拘虚集』と『後集』の後に附刻され、『四明叢書』第四集巻十に収められている。しかしそのうちの『拘虚集』は任卿の重刊した欠頁本を再刻したものであるために、欠頁の状況が依然そのままになつている。かねてから『拘虚集』巻三に欠けていた陳沂の『憶昔』詩其の四を探すために筆者は、一九九七年度の海外研習を利用して、明清の書画資料を収集する傍ら、台北故宮博物院や中央図書館等にある陳沂に関する資料をできる限り精査した。その結果、ここに掲載した十二篇の佚詩佚文を発見し、陳沂の詩文集を補遺すべくこの一文にまとめた。録出した佚詩佚文の後に出典を明示し、それぞれの内容や関係人物および年代などについて考証を行い、陳沂研究における一層の進展を願うものにしたい。なお文末に掲載されている図版は、二玄社の高島義彦・西島慎一両氏のご協力によるものである。ここに誌して謝意を表したい。
著者
小林 宏子
出版者
上智短期大学
雑誌
上智短期大学紀要 (ISSN:02877171)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.73-84, 2008

本論は、聖マリア修道女会創立400周年に当たり、修道会創立に到る聖ジャンヌ・ドゥ・レストナックの体験を、挫折の中で見出されたアイデンティティという観点から論述し、アイデンティティ確立の課題に直面する学生達に、模範と励ましを提示する試みである。ジャンヌは、世間からは理想の道の挫折と評価される、観想修道会からの退会という体験の中で、神から新しい修道会創立への招きを受け取り、その実現へと踏み出して行く。この新しいアイデンティティの受諾と実現のためには、以前の理想像としての自己を放棄する必要があった。彼女に、この自己放棄を果たさせ、新しい可能性へと開く勇気を与えたのは、イエスの生き方を理想とし、そのイエスを自己のアイデンティティの原型として受け取る信仰であり、イエスに一致して神が示す招きを果たそうとする愛である。このジャンヌの経験は、挫折の中から、新たな道を見出すキリスト教信仰の力強い模範である。
著者
室屋 友和 橋本 匡史 高林 宏忠 黒木 修隆 沼 昌宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムLSI設計技術(SLDM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.37, pp.41-47, 2000-05-11

内部の論理を電気的に書替え可能なLSIであるFPGAとメモリから構成された汎用エンジンRM-V (Reconfigurable Machine-V)を対象とする,高位合成システムRMAC-V (Reconfigurable Machine Application Compiler for RM-V)を開発した。本システムでは,C言語による動作記述を入力し,RTレベルのVHDL記述を合成する。アプリケーションのメモリ・アクセスに要するクロック数を削減するために,マルチクロック・スケジューリングと行アドレスの先行入力を提案している。WTE(Wavelet Transform Engine)を用いた実験の結果,従来手法と比較して総クロック数が33%削減される効果が確認された。This paper presents a high-level synthesis system, called RMAC-V (Reconfigurable Machine Application Compiler for RM-V), for applications using SDRAMs implemented on the flexible architecture of RM-V (Reconfigurable Machine-V) combining FPGAs and memories. Given an application program written in the C language, RMAC-V produces an RT-level hardware description in VHDL. To reduce the cock counts needed to access memories, RMAC-V introduces two techniques: multi-clock scheduling and preloading row address. Experimental results on Wavelet Transform Engine (WTE) have shown 33% fewer total clock counts than those with conventional method.
著者
室谷 友和 橋本 匡史 高林 宏忠 黒木 修隆 沼 昌宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.36, pp.17-23, 2000-05-05

内部の論理を電気的に書替え可能なLSIであるFPGAとメモリから構成された汎用エンジンRM-V(Reconfigurable Machine-V)を対象とする, 高位合成システムRMAC-V(Reconfigurable Machine Application Compiler for RM-V)を開発した。本システムでは, C言語による動作記述を入力し, RTレベルのVHDL記述を合成する。アプリケーションのメモリ・アクセスに要するクロック数を削減するために, マルチクロック・スケジューリングと行アドレスの先行入力を提案している。WTE(Wavelet Transform Engine)を用いた実験の結果, 従来手法と比較して総クロック数が33%削減される効果が確認された。
著者
水内 郁夫 林 宏太郎
出版者
東京農工大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

芸術やスポーツの動きを美しいと感じる、ホスピタリティを感じる、未知のものに興味をひかれる、などの人の主観的プロセスを、ロボットの動作生成・行動選択・創造活動などに活用することができないかという観点で、様々な対象(場)において、人間の主観的評価データに基づき機械学習を用いた主観的評価器を生成した。人の主観評価は本質的に揺らぎがあるが、推定結果を用いて、人が受ける印象を良くするようなロボット等の行動・振る舞いの選択や生成や、新規な絵画の生成、等に成功した。これらの成果は、国内外の学会及び展示会等で発表した。非人型ロボットへの印象操作や、高スキル動作の自動生成等への取り組みも開始した。
著者
筒井 達大 浦林 宏行 山本 幹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.448, pp.545-550, 2011-02-24
被引用文献数
3

ネットワーク内に配置されたキャッシュを自律的に協調させる方法として,コンテンツの存在方向を示す足跡情報(インネットワーク誘導)をルータに残すBreadcrumbs方式が提案されている.コンテンツ要求は当初ロケーションIDにより転送されるが,所望コンテンツの足跡にヒットすると,その足跡方向に誘導される.この誘導により,サーバへの経路上にキャッシュがなくても適切な方向のキャッシュからコンテンツを取得することが可能である.本稿では,このBreadcrumbs方式が部分普及した状況での,サーバダウンロード低減効果を評価した.その結果,単なる部分普及時には非対応ルータにおける誘導経路の分断により,足跡情報の無効化が多く発生し,サーバダウンロードがそれほど低減されないことを明らかにする.また,その解決手法の一つであるオーバレイによる手法の評価も行い,その有効性を明らかにする.
著者
林 宏一
出版者
東京家政大学
雑誌
東京家政大学博物館紀要 (ISSN:13433709)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.185-198, 2011-02-25