著者
西村 秀一 林 宏行 浦 繁 阪田 総一郎
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.243-249, 2017-09-25 (Released:2018-03-25)
参考文献数
18

低濃度二酸化塩素(ClO2)のウイルス不活化能を種々の湿度条件で検証した.ClO2は高湿度で不安定で,市販のゲルタイプ製剤では閉鎖空間で一定低濃度維持できない.そこで高湿度で低濃度ClO2環境を一定時間維持できる乾式法製剤を用いて実験した.一定室温下で低,中,高の三つの湿度条件下,生活空間でヒトが耐えうる濃度限界とされる20-30 ppbのClO2の,空中浮遊インフルエンザウイルス不活化能を調べた.各湿度,ガス濃度の閉鎖空間でウイルスを空中に放出し,一定時間ガス曝露後,一定量の空気を回収し含まれる活性ウイルス量を調べた.その結果,相対湿度30%環境では,曝露20分後の回収ウイルス量は,対照のガス非存在下と統計学的な有意差はなかった.湿度50,70%では,対照でも回収ウイルス量が放出量の約10%と2%程度まで低下した一方,ガス存在下ではそれぞれ0.3%と0.03%まで低下し,低下は統計学的に有意であった.以上,湿度50-70%環境下であれば,20-30 ppb程度の低濃度ClO2にも抗ウイルス効果はあった.だがそれは,感染管理の視点からは,患者から空間に放出され一定時間経過後残存する活性ウイルスの絶対数から見れば,湿度自体による大幅な感染リスクの減弱にやや上乗せされる程度の効果でしかない.一方湿度30%では,この程度の濃度では感染リスクの低下はほとんど望めないことが,明らかになった.
著者
河本 薫 細川 嘉則 河村 真一 野波 成 岡村 智仁 大西 道隆 津崎 賢治 小林 宏樹 三上 彩
出版者
日本情報経営学会
雑誌
日本情報経営学会誌 (ISSN:18822614)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.32-40, 2011
参考文献数
3

In this paper, we focused on the process of creating information through data in a company. In most companies, such processes are conducted under business units. However, business units are lack in the motivation and the ability of innovating this process. For solving these problems, we proposed an in-company mission for empowering the function of creating information through data. Furthermore, we presented a guideline for establishing this mission in a company, including the positioning in an organization, the relationship with business units, and human resources suited for conducting above mission.
著者
三木 文雄 小林 宏行 杉原 徳彦 武田 博明 中里 義則 杉浦 宏詩 酒寄 享 坂川 英一郎 大崎 能伸 長内 忍 井手 宏 西垣 豊 辻 忠克 松本 博之 山崎 泰宏 藤田 結花 中尾 祥子 高橋 政明 豊嶋 恵理 山口 修二 志田 晃 小田島 奈央 吉川 隆志 青木 健志 小笹 真理子 遅野井 健 朴 明俊 井上 洋西 櫻井 滋 伊藤 晴方 毛利 孝 高橋 進 井上 千恵子 樋口 清一 渡辺 彰 菊地 暢 池田 英樹 中井 祐之 本田 芳宏 庄司 総 新妻 一直 鈴木 康稔 青木 信樹 和田 光一 桑原 克弘 狩野 哲次 柴田 和彦 中田 紘一郎 成井 浩司 佐野 靖之 大友 守 鈴木 直仁 小山 優 柴 孝也 岡田 和久 佐治 正勝 阿久津 寿江 中森 祥隆 蝶名林 直彦 松岡 緑郎 永井 英明 鈴木 幸男 竹下 啓 嶋田 甚五郎 石田 一雄 中川 武正 柴本 昌昭 中村 俊夫 駒瀬 裕子 新井 基央 島田 敏樹 中澤 靖 小田切 繁樹 綿貫 祐司 西平 隆一 平居 義裕 工藤 誠 鈴木 周雄 吉池 保博 池田 大忠 鈴木 基好 西川 正憲 高橋 健一 池原 邦彦 中村 雅夫 冬木 俊春 高木 重人 柳瀬 賢次 土手 邦夫 山本 和英 山腰 雅宏 山本 雅史 伊藤 源士 鳥 浩一郎 渡邊 篤 高橋 孝輔 澤 祥幸 吉田 勉 浅本 仁 上田 良弘 伊達 佳子 東田 有智 原口 龍太 長坂 行雄 家田 泰浩 保田 昇平 加藤 元一 小牟田 清 谷尾 吉郎 岡野 一弘 竹中 雅彦 桝野 富弥 西井 一雅 成田 亘啓 三笠 桂一 古西 満 前田 光一 竹澤 祐一 森 啓 甲斐 吉郎 杉村 裕子 種田 和清 井上 哲郎 加藤 晃史 松島 敏春 二木 芳人 吉井 耕一郎 沖本 二郎 中村 淳一 米山 浩英 小橋 吉博 城戸 優光 吉井 千春 澤江 義郎 二宮 清 田尾 義昭 宮崎 正之 高木 宏治 吉田 稔 渡辺 憲太朗 大泉 耕太郎 渡邊 尚 光武 良幸 竹田 圭介 川口 信三 光井 敬 西本 光伸 川原 正士 古賀 英之 中原 伸 高本 正祇 原田 泰子 北原 義也 加治木 章 永田 忍彦 河野 茂 朝野 和典 前崎 繁文 柳原 克紀 宮崎 義継 泉川 欣一 道津 安正 順山 尚史 石野 徹 川村 純生 田中 光 飯田 桂子 荒木 潤 渡辺 正実 永武 毅 秋山 盛登司 高橋 淳 隆杉 正和 真崎 宏則 田中 宏史 川上 健司 宇都宮 嘉明 土橋 佳子 星野 和彦 麻生 憲史 池田 秀樹 鬼塚 正三郎 小林 忍 渡辺 浩 那須 勝 時松 一成 山崎 透 河野 宏 安藤 俊二 玄同 淑子 三重野 龍彦 甲原 芳範 斎藤 厚 健山 正男 大山 泰一 副島 林造 中島 光好
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.526-556, 2005-09-25

注射用セフェム系抗菌薬cefozopran (CZOP) の下気道感染症に対する早期治療効果を評価するため, ceftazidime (CAZ) を対照薬とした比較試験を市販後臨床試験として実施した。CZOPとCAZはともに1回1g (力価), 1日2回点滴静注により7日間投与し, 以下の結果を得た。<BR>1. 総登録症例412例中最大の解析対象集団376例の臨床効果は, 判定不能3例を除くとCZOP群92.0%(173/188), CAZ群91.4%(169/185) の有効率で, 両側90%, 95%信頼区間ともに非劣性であることが検証された。細菌性肺炎と慢性気道感染症に層別した有効率は, それぞれCZOP群90.9%(120/132), 94.6%(53/56), CAZ群93.3%(126/135), 86.0%(43/50) で, 両側90%, 95%信頼区間ともに非劣性であることが検証された。<BR>2. 原因菌が判明し, その消長を追跡し得た210例での細菌学的効果は, CZOP群89.5%(94/105), CAZ群90.5%(95/105) の菌消失率 (菌消失+菌交代) で, 両群間に有意な差はみられなかった。個々の菌別の菌消失率は, CZOP群91.1%(113/124), CAZ群90.8%(108/119) で両群問に有意な差はみられなかったが, 最も高頻度に分離された<I>Streptococcus pneumoniae</I>の消失率はCZOP群100%(42/42), CAZ群89.5%(34/38) で, CZOP群がCAZ群に比し有意に優れ (P=0.047), 投与5日後においてもCZOP群がCAZ群に比し有意に高い菌消失寧を示した (P=0.049)。<BR>3. 投薬終了時に, CZOP群では52,4%(99/189), CAZ群では50.3% (94/187) の症例において治療日的が達成され, 抗菌薬の追加投与は不必要であった。治療Il的遠成度に関して両薬剤間に有意な差は認められなかった。<BR>4. 随伴症状の発現率はCZOP群3.9%(8/206), CAZ群5.0%(10/202) で両棊剤間に有意な差はなかった。臨床検査値異常変動として, CAZ群に好酸球増多がCZOP絆より多数認められたが, 臨床検査値異常出現率としては, CZOP群31.6% (65/206), CAZ群32.2% (65/202) で, 両群間に有意な差は認められなかった。<BR>以上の成績から, CZOPは臨床効果においてCAZと比較して非劣性であることが検祉された。また<I>S. pneumoniae</I>による下気道感染症に対するCZOPの早期治療効果が確認された。
著者
小林 宏行 武田 博明 渡辺 秀裕 太田見 宏 酒寄 享 齋藤 玲 中山 一朗 富沢 麿須美 佐藤 清 平賀 洋明 大道 光秀 武部 和夫 村上 誠一 増田 光男 今村 憲市 中畑 久 斉藤 三代子 遅野井 健 田村 昌士 小西 一樹 小原 一雄 千葉 太郎 青山 洋二 斯波 明子 渡辺 彰 新妻 一直 滝沢 茂夫 中井 祐之 本田 芳宏 勝 正孝 大石 明 中村 守男 金子 光太郎 坂内 通宏 青崎 登 島田 馨 後藤 元 後藤 美江子 佐野 靖之 宮本 康文 荒井 康男 菊池 典雄 酒井 紀 柴 孝也 吉田 正樹 堀 誠治 嶋田 甚五郎 斎藤 篤 中田 紘一郎 中谷 龍王 坪井 永保 成井 浩司 中森 祥隆 稲川 裕子 清水 喜八郎 戸塚 恭一 柴田 雄介 菊池 賢 長谷川 裕美 森 健 磯沼 弘 高橋 まゆみ 江部 司 稲垣 正義 国井 乙彦 宮司 厚子 大谷津 功 斧 康雄 宮下 琢 西谷 肇 徳村 保昌 杉山 肇 山口 守道 青木 ますみ 芳賀 敏昭 宮下 英夫 池田 康夫 木崎 昌弘 内田 博 森 茂久 小林 芳夫 工藤 宏一郎 堀内 正 庄司 俊輔 可部 順三郎 宍戸 春美 永井 英明 佐藤 紘二 倉島 篤行 三宅 修司 川上 健司 林 孝二 松本 文夫 今井 健郎 桜井 磐 吉川 晃司 高橋 孝行 森田 雅之 小田切 繁樹 鈴木 周雄 高橋 宏 高橋 健一 大久保 隆男 池田 大忠 金子 保 荒川 正昭 和田 光一 瀬賀 弘行 吉川 博子 塚田 弘樹 川島 崇 岩田 文英 青木 信樹 関根 理 鈴木 康稔 宇野 勝次 八木 元広 武田 元 泉 三郎 佐藤 篤彦 千田 金吾 須田 隆文 田村 亨治 吉富 淳 八木 健 武内 俊彦 山田 保夫 中村 敦 山本 俊信 山本 和英 花木 英和 山本 俊幸 松浦 徹 山腰 雅弘 鈴木 幹三 下方 薫 一山 智 斎藤 英彦 酒井 秀造 野村 史郎 千田 一嘉 岩原 毅 南 博信 山本 雅史 斉藤 博 矢守 貞昭 柴垣 友久 西脇 敬祐 中西 和夫 成田 亘啓 三笠 桂一 澤木 政好 古西 満 前田 光一 浜田 薫 武内 章治 坂本 正洋 辻本 正之 国松 幹和 久世 文幸 川合 満 三木 文雄 生野 善康 村田 哲人 坂元 一夫 蛭間 正人 大谷 眞一郎 原 泰志 中山 浩二 田中 聡彦 花谷 彰久 矢野 三郎 中川 勝 副島 林造 沖本 二郎 守屋 修 二木 芳人 松島 敏春 木村 丹 小橋 吉博 安達 倫文 田辺 潤 田野 吉彦 原 宏起 山木戸 道郎 長谷川 健司 小倉 剛 朝田 完二 並川 修 西岡 真輔 吾妻 雅彦 前田 美規重 白神 実 仁保 喜之 澤江 義郎 岡田 薫 高木 宏治 下野 信行 三角 博康 江口 克彦 大泉 耕太郎 徳永 尚登 市川 洋一郎 矢野 敬文 原 耕平 河野 茂 古賀 宏延 賀来 満夫 朝野 和典 伊藤 直美 渡辺 講一 松本 慶蔵 隆杉 正和 田口 幹雄 大石 和徳 高橋 淳 渡辺 浩 大森 明美 渡辺 貴和雄 永武 毅 田中 宏史 山内 壮一郎 那須 勝 後藤 陽一郎 山崎 透 永井 寛之 生田 真澄 時松 一成 一宮 朋来 平井 一弘 河野 宏 田代 隆良 志摩 清 岳中 耐夫 斎藤 厚 普久原 造 伊良部 勇栄 稲留 潤 草野 展周 古堅 興子 仲宗根 勇 平良 真幸
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.333-351, 1995-07-31
被引用文献数
2

新規キノロン系経口合成抗菌薬grepafloxacin (GPFX) の内科領域感染症に対する臨床的有用性を全国62施設の共同研究により検討した。対象疾患は呼吸器感染症を中心とし, 投与方法は原則として1回100~300mgを1日1~2回投与することとした。<BR>総投与症例525例のうち509例を臨床効果判定の解析対象とした。全症例に対する有効率は443/509 (87.0%) であり, そのうち呼吸器感染症432/496 (87.1%), 尿路感染症11/13 (84.6%) であった。呼吸器感染症における有効率を疾患別にみると, 咽喉頭炎・咽頭炎19/22 (86.4%), 扁桃炎17/18 (94.4%), 急性気管支炎53/58 (91.4%), 肺炎104/119 (87.4%), マイコプラズマ肺炎17/19 (89.5%), 異型肺炎5/5, 慢性気管支炎117/133 (88.0%), 気管支拡張症48/63 (76.2%), びまん性汎細気管支炎17/19 (89.5%) および慢性呼吸器疾患の二次感染35/40 (87.5%) であった。<BR>呼吸器感染症における細菌学的効果は233例で判定され, その消失率は単独菌感染では154/197 (78.2%), 複数菌感染では22/36 (61.1%) であった。また, 単独菌感染における消失率はグラム陽性菌48/53 (90.6%), グラム陰性菌105/142 (73.9%) であり, グラム陽性菌に対する細菌学的効果の方が優れていた。呼吸器感染症の起炎菌のうちMICが測定された115株におけるGPFXのMIC<SUB>80</SUB>は0.39μg/mlで, 一方対照薬 (97株) としたnornoxacin (NFLX), onoxacin (OFLX), enoxacin (ENX) およびcipronoxacin (CPFX) はそれぞれ6.25, 1.56, 6.25および0.78μg/mlであった。<BR>副作用は519例中26例 (5.0%, 発現件数38件) にみられ, その症状の内訳は, 消化器系18件, 精神神経系13件, 過敏症3件, その他4件であった。<BR>臨床検査値異常は, 490例中49例 (10.0%, 発現件数61件) にみられ, その主たる項目は, 好酸球の増多とトランスアミナーゼの上昇であった。いずれの症状, 変動とも重篤なものはなかった。<BR>臨床効果と副作用, 臨床検査値異常の安全性を総合的に勘案した有用性については, 呼吸器感染症での有用率422/497 (84.9%), 尿路感染症で10/13 (76.9%) であり, 全体では432/510 (84.7%) であった。<BR>以上の成績より, GPFXは呼吸器感染症を中心とする内科領域感染症に対して有用な薬剤であると考えられた。
著者
渡部 昇一 永盛 一 松尾 弌之 小林 宏晨 大井 孝 斉藤 美津子
出版者
上智大学
巻号頁・発行日
1988

この研究では、3年間にわたって文献の調査、研究者による討議、専門家へのインタビュ-、各種の実験、シュミレ-ションなどが繰り返された。その結果として(1)通訳教育と外国語教育に関する論議が深まり、(2)通訳技術に関する基礎研究が従来なかったレべルにまで進展し、(3)通訳技術をめぐる理論構築の可能性が生まれてきた。外国語教育に関しては、文法や訳読中心の教育ではなく、コミュニケ-ションの全体的内容に着目する(意味を中心とする)カリキュラムが必要であろうといった指摘がなされるに至った。その具体的方法については、報告書「外国語教育の一環としての通訳養成のための教育内容方法の開発に関する総合的研究」に詳しい。通訳技術に関する基礎研究では、さまざまな側面が明らかになったが特に語学の上達には一般的な教養や知識が欠かせないということが計量的に明らかになった。すなわち、ある程度以上の語学能力の発達のためには教養の果たす役割が大きいといえる。理論構築に関しては、過去の業績を踏まえつついくつかの具体的手法が提案されるに至った。
著者
高林 宏輔
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.111-115, 2022 (Released:2022-10-31)
参考文献数
19

眼窩吹き抜け骨折の治療は,初療医から治療医への紹介,受傷から手術までの期間,手術アプローチ法と複数の最適化すべき段階が存在する。初療医は実際に手術を行わないが,治療医への紹介の段階,さらには受傷から手術までの期間に関わることとなり,治療医は手術の時期や手術アプローチ法を決定する。特に緊急手術を要する病態では時間的要素が重要であり,初療医から治療医への速やかな紹介が後遺障害の残存のリスクを減じる。各段階いずれが最適化されても,眼窩吹き抜け骨折の治療成績は向上しうる。本総説では最適な診療連携,最適な手術時期,手術アプローチ法について共有し,眼窩吹き抜け骨折診療を最適化したい。
著者
菅沼 大行 林 宏紀 松本 舞
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.75, no.3, pp.97-102, 2022 (Released:2022-06-17)
参考文献数
23

カロテノイドは天然界に広く存在する色素であるが, 食事として摂取するものの起源は野菜や果実が多い。また, ヒトはカロテノイドを生合成することができず, 吸収された後, 種々の組織に分布する。我々は, カロテノイドの皮膚への蓄積を光学的に非侵襲で測定できるデバイスを用い, 野菜摂取量を簡便に見積もることができる装置を開発した。住民を対象とした国内の横断研究 (n=811;女性58%;平均年齢49.5±15.1歳) において, その測定値は, 野菜や果実の摂取量と相関することが知られている血清カロテノイド濃度および簡易型自記式食事歴法質問票 (BDHQ) から算出された野菜摂取量と有意な正の相関を示した (それぞれr=0.678, r=0.210)。また, 数値が高いほどメタボリックシンドロームと関連する複数の指標の測定値が健康的であることが示唆された。容易に測定できることから, 現在, 健診の現場等での活用が始まっている。
著者
林 宏子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.12-26, 1993-02-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
22
被引用文献数
1 6

The conditions of quantitative analysis of vitamin C in foods by Fujita's method of thin layer chromatography were investigated and the following improvements were made.1) The drying step of ethylacetate dissolving osazon can be omitted.2) The thin layer after development is able to be left alone for 2 days before starting the next step.3) The fraction of vitamin C can be dissolved with 50% sulfuric acid without any trouble.4) Silica gel should be removed by the use of a glass filter.The amount of vitamin C in foods was determined by subtracting the amount of diketoglonic acid which was estimated from the remaining amount following reduction of an aliquot portion of the test sample according to Tamura's method from the amount of vitamin C determined by this modified method.The remaining amounts of vitamin C in some fruits and vegetables such as broccoli, were determined under various cooking conditions; without heating, heating at 100°C pH-changing etc. From the present results, it was demonstrated that the amount of vitamin C in foods including ascorbinase varies considerably and vitamin C tends to be short of stability at cooking.

5 0 0 0 IR 阮籍仕宦考

著者
林 宏作 Hong-Zuo Lin 桃山学院大学文学部
雑誌
国際文化論集 = INTERCULTURAL STUDIES (ISSN:09170219)
巻号頁・発行日
no.11, pp.(7)-(17), 1995-01-30

本論文は、『三国志』・『晉書』の正史をはじめ、阮籍自らの著作や『世説新語』及びその注に引用された諸々の資料に基づき、いままで史書に明示されていない阮籍の歴任した官職の年月を考証するものである。この考証によって、阮籍の生涯が一層はっきりするとともに、唐代に編集された『晉書』の誤った記載も明らかにした。しかし一七〇〇余年も昔のこと故、すべてを解明できたとは言い難いが、現時点では最も精確な結論に達したと思う。いまここで本論文の考証によって得られた結論だけを次に記しておこう。阮籍が「吏」として蒋済に招かれたのは二四二年、三三歳のときである。これは阮籍の最初の仕官である。その後、三九歳(二四八年)のときに「尚書郎」となり、そして同じ年に曹爽の「参軍」として招かれたのである。曹爽が失脚した後、阮籍は司馬懿によって「従事中郎」を命じられている。この任期は恐らく正始十年(二四九)三月から司馬懿の死した嘉平三年(二五一)八月までであろう。司馬懿の死後、阮籍は続いて司馬師の「従事中郎」に任じられ、正元元年(二五四)十月「散騎常侍」に移るまで、その任にあったと考えられる。そして自ら「東平の相」を求め、三たび「従事中郎」となり、「歩兵校尉」となったのはすべて司馬昭の執政の時代であり、二五五年二月から二五八年五月まで、つまり阮籍の四六歳から四九歳の間のことである、と史料によって推測するものである。In this paper I investigate into the historical evidences of Ruan Ji's successive posts in the government which hitherto have remained unspecified in the history books. The materials on which my research based were Sanguozhi, Jinshu, Ruan Ji's own writings, Shishuoxinyu and various notes quoted in the book. Notwithstanding the fact that I could not solve all the problems concerning the career of Ruan Ji, yet I believe at the present I have attained the most exact conclusion about the matter. The career of Ruan Ji was made clearer than before and incorrect records in Jinshu compiled during Tang period were disclosed. Here, I would like to epitomize only the conclusions attained by the investigation. It was when he was 33 years old in 242 A. D., that Ruan Ji was engaged by Jiang Ji as a government official. This was his first entrance into the government service. Later, when he was at the age of 39 in 248 A. D., he became Shangshulang and in the same year he was engaged by Cao Shuang as Canjun. After Cao Shuang lost his position, Ruan Ji was appointed to Congshizhonglang by Sima Yi. The term of this office was, perhaps, from March, 249 A. D., the tenth year of the Zhengshi era, to August, 251 A. D., the third year of the Jiapeng era, when Si-ma Yi died. After the death of Si-ma Yi, Ruan Ji was successively appointed to Congshizhonglang by Si-ma Shi, and he seemed to have remained in the office untill he was transferred to Sanjichangshi in October, 254 A. D., the first year of the Zhengyuan era. Then, he requested himself and took the office of "Minister of Dongpeng district", and thereafter for the third time he was appointed to Congshizhonglang and further to Bubingjiaowei. All these, I surmise, were during the period of Si-ma Zhao's administration, i. e., from February, 255 A. D. to May, 258 A. D., when Ruan Ji was at the age between 46 and 49.
著者
菅原 通雅 今林 宏典 野々村 憲
出版者
広島文化学園大学
雑誌
社会情報学研究 : 呉大学社会情報学部紀要 (ISSN:13418459)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.63-80, 2000-12-26

In this paper,we consider and discuss to technical terms,"force" as resource of the enterprise and "intimation" in individuality and organization. An ''individual" viewpoint becomes more and more important,and in relation to individual ''force" is more requested. On the other hand,the ideal way of organization which accepts individuals is also needed. Therefore,we think that we should create ''holon" between organization and individuali ty. For the purpose,we should structure the process by which individual ''force" is converted into organizational knowledge. As a result, we present an organization man,who creates and organizes a knowledge creation was shown in this paper.
著者
若林 宏保 中村 祐貴 徳山 美津恵 長尾 雅信
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングレビュー (ISSN:24350443)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.13-21, 2021-02-26 (Released:2021-02-26)
参考文献数
10
被引用文献数
1

人口減少に喘ぐ地方都市は,人々との関係性を育むためにブランド戦略の再構築が求められている。その基となるブランド力指標の多くは,都市の相対的な位置付けを把握するには適するものの,人々を引きつけるブランド・ストーリーを導くような意味構造の把握は難しい。本研究ではその課題解決のために,都市に対する行動意向と意味構造の調査を実施し次の分析を行った。まず,従来の地域ブランド指標に関係人口の概念を包含し,都市への行動意向の指標化を試みた。因子分析によって3つの行動意向(生活因子,体験因子,貢献因子)を導出した。次に3つの因子の平均因子得点から階層的クラスター分析を行い,都市のイメージ連想を4つに類型化した。それぞれリッチ・ストーリー型,ユニーク・ストーリー型,コモディティ・ストーリー型,ノン・ストーリー型と命名した。最後に各クラスターにおける意味構造の特徴を「ワードの数」「ワードの意味」「意味や文脈の構造」の3つの観点から捉え,戦略的示唆を提示した。研究の展望では,外的妥当性とブランディングの有効性を高める方途について言及した。
著者
長谷川 雄太 青木 尊之 小林 宏充 白﨑 啓太
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.85, no.870, pp.18-00441, 2019 (Released:2019-02-25)
参考文献数
18

We implement and perform large-scale LES analysis for running groups of cyclists. The mesh-refined lattice Boltzmann method (LBM) and coherent-structure Smagorinsky model (CSM) are adopted for the simulations to achieve a high performance computing on the recent GPU supercomputer. In the simulation with 16 cyclists, the mesh spacing around cyclists is 4 mm, and the total number of the mesh is up to 8.1×108 and the number of GPUs utilized is up to 64. Each calculation took 4 or 5 days for the 8~11 seconds of physical duration. The flow around 16 cyclists in various arrangement is calculated, and the results show that the in-line arrangement is more effective than the rhomboid arrangement in the viewpoint of the total aerodynamic drag of the group; however, a specific person in rhomboid arrangement can obtain larger drag reduction and save the endurance. Results on two groups also suggest that the frontal group in rhomboid arrangement will be exploited as the wind protection of the backward groups.
著者
河本 薫 細川 嘉則 河村 真一 野波 成 岡村 智仁 大西 道隆 津崎 賢治 小林 宏樹 三上 彩
出版者
日本情報経営学会
雑誌
日本情報経営学会誌 (ISSN:18822614)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.32-40, 2011-07-15 (Released:2017-08-07)
参考文献数
3

In this paper, we focused on the process of creating information through data in a company. In most companies, such processes are conducted under business units. However, business units are lack in the motivation and the ability of innovating this process. For solving these problems, we proposed an in-company mission for empowering the function of creating information through data. Furthermore, we presented a guideline for establishing this mission in a company, including the positioning in an organization, the relationship with business units, and human resources suited for conducting above mission.