著者
林 信太郎 伊藤 英之 千葉 達朗
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.103, no.9, pp.XXVII-XXVIII, 1997-09-15
被引用文献数
2

1997年8月16日午前11時頃, 秋田焼山(標高1366m)山頂の北東500mの空沼(からぬま)付近で水蒸気爆発が発生し, 同時に継続時間約1時間の火山性微動が観測された. 噴火の起こった地点は1949年の火口群の位置にほぼ相当する(第1図; 津屋, 1954). ここでは, 噴火の二日後の18日に撮影した写真を中心に水蒸気爆発噴出物およびその火口について紹介する. 現時点で見つかった地質学的証拠から8月16日の噴火の過程を再現すると次のようになる: 1) 新火口b1あるいはb2から泥が吹き出し, 空沼火口に「泥流」となって流れ込み, 2) 次に新火口aから火山灰, 噴石が噴出, 3) 最後に新火口b2から少量の泥が噴出し. それ以前の堆積物を同心円状におおった. なお, 今回の噴火の総噴出量は1万m<sup>3</sup>以下と推定される.
著者
奥村 武久 河原 啓 高野 新二 岡田 三千代 林 光代 鈴木 英子 野田 恵子 木村 純子 長井 勇 植本 雅治
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学保健管理センター年報 (ISSN:09157417)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.47-55,

定期健康診断に対する一般学生の持つ不安をアンケートによって調査した。1983年度と1984年度の回答を比較することにより,次の結果を得た。(1)1983年の結果と1984年の結果が非常に近似した。(2)健康診断の必要性は,1984年の新入生の89.6%,大学院生の94.3%が肯定した。否定は新入生の女性の12.8%が一番高い数字であった。(3)健康診断前の不安は,新入生の場合,男性の25.4%,女性の31.1%で女性の不安率が高かった。(4)不安の理由として,新入生の男性は視力,色覚を第1位に,新入生の女性は体重を第1位に挙げていた。(5)終了後の心配については,再検査の必要なものすべてが心配になるのではなく,20〜67%程度であることが判明した。(6)再検査の項目によっても差異があり,検尿の再検査者の中に心配になった者の率が高いことが分った。(7)批判・不満・要望の意見を検討すると,次の事が明らかになった。(a)一番多い批判は「時間がかかる。混む」という意見であること(b)尿検査の表示についての不満を解消するための努力によって,次年度にその効果が認められたこと(8)得られた意見と現状とのつき合わせを繰返すという息の長い努力が健康診断を望ましい方向へ近づけるのに重要であることを指摘した。
著者
小林 睦
出版者
日本現象学会
雑誌
現象学年報 (ISSN:0289825X)
巻号頁・発行日
no.23, pp.157-164, 2007
著者
宮崎 修次 小林 幹 江島 啓 出尾 美佳 高口 太朗 森野 佳生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.560, pp.37-42, 2008-03-20

Watts-Strogatzモデルの遷移行列の固有値統計を調べ,規則グラフとランダムグラフの領域でそれぞれ異なる特性が現れ,第一第二固有値間隔がリンク組換率の冪関数となり,スモールワールド性が規則グラフとランダムグラフを繋ぐある種の臨界状態であることを示す.また,mixiネットワークのある利用者から距離2で切断した部分ネットワーク上の酔歩による大偏差統計解析を行う.ノード毎に定義された特性量の分布の違いが動的構造関数に反映されることを示し,観測されたq相転移を遷移行列の対角ブロック構造を用いて説明する.最後に,異なる時刻の状態変数を独立した状態変数とみなすことで,森の射影演算子法に現れる記憶項を無視する時間相関関数計算法を説明する.この手法をフラクタル拡散係数が現れるカオス拡散モデルに適用し,厳密な結果とよく一致することを示す.
著者
橋本 光宏 小林 健一 岡本 弦 西垣 浩光 吉永 勝訓
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.11, pp.912-919, 2001-11-18
被引用文献数
5

手術を行った頸髄症56例に対し簡易上肢機能検査(STEF)を行い, 術前後の上肢運動機能を評価した.STEFは術前後で有意に改善し, 手術およびリハビリテーションの効果を評価するのに有用であると思われた.10項目の検査のうち特に検査8〜10において, 術前は低値を示したが, 術後の改善が著しかった.これらの検査は母指と示指による細かいもののピンチ動作を要求され, 手指の巧緻運動性を定量的に評価するのに有用であると思われた.STEFとJOA scoreの上肢運動機能項目は術前はSpearmanの相関係数0.70(p<0.01)にて, 術後は0.55(p<0.01)にて相関を示した.頸髄症の上肢運動機能評価において, STEFは客観的であり, 左右の上肢機能を別々に評価できるという長所がある.
著者
小林 〓郎
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.896-905, 2006-12-05
被引用文献数
2

旧制東京文理科大学における朝永先生の極めて少数のクラスの学部学生の一人として,先生から受けた教育および卒業後,所謂「金曜コロキウム」において経験した厳しい研究指導を具体例に即して述べる.併せて先生の品格あって温く,ユーモアのセンス豊かなお人柄を紹介する.
著者
林田 和博
出版者
九州大学
雑誌
法政研究 (ISSN:03872882)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.104-51, 1967-07-15
著者
多久島 寛孝 山田 照子 林 智子
出版者
熊本保健科学大学
雑誌
保健科学研究誌 (ISSN:13487043)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.51-62, 2004-03-15
被引用文献数
1

「お待ちください」という言葉に対する患者・家族,看護師の意識を明らかにすることを目的に,口頭および文書で同意の得られた患者・家族100名および看護師46名に調査を行った。患者・家族には面接による聞き取り調査を,看護師には自記式調査用紙を用いて調査を行った。分析は,患者・家族が「お待ちください」と言われ待てると返答した時間および看護師が「お待ちください」と考える時間については有意差検定を行い,その他の項目については質的に分析した。その結果,1.患者・家族が「お待ちください」と言われ待てる時間は平均12.98分,看護師が「お待ちください」と考える時間は平均4.27分であり有意差があった。2.患者・家族は「お待ちください」と言われ思ったことは,【普通のこと】【すぐに対応してもらえない不満】であった。3.患者・家族は「お待ちください」と言われ不安に思ったことは,【行き場のない怒り】【見通しのつかなさ】【一方的な関係】であった。4.「お待ちください」の後に看護師に望む対応は,【安心感を得たい】【見通し】【信頼を望む】であった。5.待たせる場面での看護師の声かけの仕方は,【見通しのつかない示唆】【見通しのつく示唆】であった。6.看護師は,「お待ちください」をどう思って使用しているかは,【信頼の提供につながる支援】【罪悪感】であった。7.「お待ちください」を患者・家族がどう感じていると思うかは,【不信感への変化】【答えの出ない待ち時間】【我慢の強要】【裏切り】であった。
著者
工藤 正人 子林 秀明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.33, pp.25-30, 2009-03-11

会社等の組織における業務生産性を向上させるためには、同一の組織/プロジェクトチーム内のメンバだけでなく、外部の不特定のメンバとアドホックに協調して効率的に作業を進めていくことが重要である。現在は、電話や電子メール等のコミュニケーション手段を利用して他のメンバへの作業依頼や進捗確認を行っている。特に進捗確認に関し、連絡がつかなかったり確認を忘れたりすることによりタイムロスや作業遅延が発生し、業務が非効率化している。そこで、本稿では、不特定のメンバに依頼した作業の処理状態をリアルタイムかつ視覚的に確認可能にし、かつ締め切りが近づいてきた作業に関する督促を容易にすることで、不特定のメンバとのアドホックな協同作業を効率化できるタスク管理方式を提案し、実装した試作システムについて述べる。We propose a task management technique which can make ad-hoc collaboration works among unspecified users more efficient. Toward to get productivity increases in organizations such as company, working effectively in a coordinated manner with various people, is very important. Today, in order to make a request and ask processing progress, we use communication means such as telephone and e-mail. However, communication delay becomes a serious problem for getting productivity increases. In this paper, we propose expanded information sharing technique which a user can share processing progress with other users offered tasks visually, and communication means which the user can urge other users offered tasks to processing easily.
著者
祖父尼 俊雄 能美 健彦 太田 敏博 林 真
出版者
日本環境変異原学会
雑誌
環境変異原研究 (ISSN:09100865)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.61-73, 2005-07-31

The concept of a "biological threshold" is attracting interest as an evaluation criterion for the mutagenic activity of DNA-targeting mutagens. In this context, the concept is defined as "a concentration of a chemical which does not produce any damage through its inability to perform the necessary biochemical reactions, even though present at the target in finite amount". To clarify whether this criterion is indeed applicable to DNA-targeting mutagens, we re-evaluated the reverse mutation assay data using DNA repair-deficient bacterial strains, such as S. typhimurium strains lacking the O^6-methylguanine DNA methyltransferase genes (ada_<ST> and ogt_<ST>), the nucleotide excision repair gene (uvrB) or the 8-hydroxyguanine DNA glycosylase gene (mutM_<ST>), and E. coli strains lacking the nucleotide excision repair gene (uvrA). Mutagenic responses of 20 test chemicals including alkylating and non-alkylating agents were compared between the repair-deficient and their wild-type strains. All the alkylating agents, such as MNNG, ENNG, EMS, ENU, DMN and DEN, exhibited more sensible mutagenic responses in strains YG7108 (Δada_<ST>, Δogt_<ST>) and YG7113 (same as YG7108 but containing the plasmid pKM101) than in the parental strains TA1535 and TA100 (same as TA1535 but containing the pKM101), respectively. Upon applying MNNG, YG7108 showed about 2-100 fold increase in the number of His^+ revertants above the spontaneous level over the range of 0.00025-0.25μg/plate, whereas TA1535 did not show any significant increase in the number of His^+ revertants over the same dose range. On TA1535, an increasing tendency of the number of revertants was observed at 0.5μg/plate or above. This indicates an approximate 2,000-fold difference at the mutagenic concentration level between the wild-type and the repair-deficient strains. Other alkylating agents also showed significant differences in mutagenic responses between YG7108 and TA1535, or between YG7113 and TA100 respectively, with some variations among test chemicals. On the other hand, non-alkylating agents, such as 4-NQO, AF-2, 2-NF and MX, did not show any differences in the dose-response relationships between YG7113 and TA100. When non-alkylating agents, such as 4-NQO, 2-NF and MX were applied to TA1535 (ΔuvrB), TA1538 (ΔuvrB) and WP2uvrA (ΔuvrA), clearly different mutagenic responses, i.e. about 30- to 60-fold, were observed between the repair-deficient and the parental strains (TA1975, TA1978 and WP2, respectively). 4-NQO showed different mutagenic responses between YG3002 (ΔmutM_<ST>) and TA1975 (about 10-fold), though the application of other oxidative agents such as hydrogen peroxide resulted in less than 10-fold differences. The present results indicate that the wild-type strains having normal repair capacity show no gene mutation induction at the concentrations at which gene mutations are clearly induced in the repair-deficient strains through DNA damage. Thus, the present results suggest the existence of a "biological threshold" below which no mutagenic response is induced by DNA-targeting mutagenic substances.
著者
小林 久美子 窪田 正幸 奥山 直樹 平山 裕 塚田 真実 佐藤 佳奈子
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.825-829, 2009

【目的】小児外科疾患の中には長期入院や退院後の長期外来通院を必要とする疾患も多く,長期に診療を行う過程で離婚をされる家庭もあり,長期治療の影響が懸念される.そこで離婚した母親のアンケート調査から,長期加療を要する小児外科疾患が家庭環境に及ぼす影響を検討した.【対象および方法】当科において長期入院加療を受け現在も継続して加療中の患児の母親で,我々が離婚されたと知りうることができた母親6名に,事前に電話にてインタビューを行い,了解を得た5名にアンケート調査を施行した.アンケート項目は,1)離婚に関して,2)病院に関して,3)公開の是非で,患児の疾患はCIIPS,短腸症候群,cloaca,小腸閉鎖,鎖肛であった.【結果】1)離婚に関しては,子供の疾患が離婚の直接の原因であったとの返答はなく,思わないが2名,どちらともいえないが3名であった.長期入院で離婚の危機感をもったのは1名で,2例はそうではなく,2例はどちらともいえないという返事であった.しかし,長期入院が離婚に影響を与えたとの返事が3名からあった.2)病院に関して,完全看護を必要だと思う母親は2名で,思わないは3名であった.また,病院に対する要望として,長期入院時の大部屋での同室者がいる苦痛や,父親に対する介護指導や教育の必要性が寄せられた.【まとめ】小児外科疾患が離婚の直接の原因ではないとの返答であったが,長期入院生活が及ぼす影響は大きいものと考えられた.父親の教育や指導を希望する要望があったことは,今後の小児外科医療に対する課題が提示されたものと考えられた.
著者
小野 泰正 林 幸雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告バイオ情報学(BIO) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.126, pp.93-96, 2008-12-10

大規模な問題を分散処理で効率良く解くためには問題の分割粒度と相互依存関係によって分散処理システムを考えなくてはならない. ネットワークダイナミクスの問題の多くはパラメータ問題でありその相互依存度が低く粒度の細かい分割ができる. この特徴を使ったスケーラブルな分散環境を作り負荷の異なる問題を効率良くために動的負荷分散を行う. 結果, 簡潔な記述による分散処理環境の構築と効率の良いネットワークダイナミクスシミュレーションを提案し, そのシステムを使った結果, AS ネットワークでのサイバーテロに相当する攻撃に対しての危険を示唆する.Dependence and granularity is important for task divide of distributed processing of large and complex network analysis. It almost is the issue of parameter, so it can be split to low interdependence and the small granularity. We make distributed computing suitable for such a lot of careful tasks. It promotes efficiency of network dynamics simulation. We examined about dange of the cyberterrorism by the experiment that became possible by the system. Result, We warn that, AS network are in a dangerous state for cyberterrorism.