著者
林 康弘 斎藤 信男 小松川 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.31, pp.37-42, 2004-03-18
被引用文献数
1

近年,地域コミュニティが抱える少子高齢化や核家族化による地域コミュニティ特有の問題に対し,地域通貨が注目されている.本論文では,自治体程度の大きさの地域コミュニティにおいて,既存の地域コミュニティ支援システムを活用し,地域通貨の流通を図るコミュニケーション・フレームワークを提案する.また,実際に地域で運用されている支援システムに提供し,実証実験を行った.その結果を示す.Recently, most of Japanese regional communities have common problems for the decline of the regional activity due to age structures and family patterns. The local currency is expected as an effective tool to encourage voluntary activity through knowledge sharing in the community. We study a framework of local currency that targets the circulation on the information-based information system supporting social community service for residents. We examine our model through the case study using a conventional Web-based system and confirm the effectiveness.
著者
小林 傳司 山脇 直司 木原 英逸 藤垣 裕子 平川 秀幸 横山 輝雄 副田 隆重 服部 裕幸 沢登 文治
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

現代社会における科学技術が、知的、物質的威力としてのみではなく、権力や権威を伴う政治的威力として機能していることの分析を行い、科学者共同体において確保される知的「正当性」と、科学技術が関連する社会的意思決定において科学知識が果たす「正統性」提供機能の錯綜した関係を解明し、論文集を出版した。また、このような状況における科学技術のガバナンスのあり方として、科学技術の専門家や行政関係者のみならず、広く一般人を含む多様なステークホルダーの参加の元での合意形成や意思決定様式の可能性を探求した。特に、科学者共同体内部で作動する合意形成様式の社会学的分析に関する著作、幅広いステークホルダー参加の元手の合意形成の試みのひとつであるコンセンサス会議の分析に関する著作が、その成果である。さらに具体的な事例分析のために、参加型のテクノロジーアセスメントにおける多様な試みを集約するワークショップを開催し、現状の成果と今後の課題を明らかにした。課題としては、全国的なテーマと地域的なテーマで参加手法はどういう違いがあるべきか、参加型手法の成果を政策決定とどのように接続する課などである。同時に、「もんじゅ裁判」を事例に、科学技術的思考と法的思考、そして一般市民の視点のずれと相克を記述分析し、社会的紛争処理一般にかかわる問題点や課題を明らかにした。本研究の結果到達した結論は、人々の現在及び将来の生活に大きな影響を与える科学技術のあり方に関しては、政治的な捕捉と検討という意味での公共的討議が必要であり、そのための社会的仕組みを構想していく必要があるということである。こういった活動の成果は、最終年度にパリで開催された4S(Society for Social Studies of Science)国際大会でセッションを組んで報告された。
著者
小林 久高
出版者
奈良女子大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1994

当初より、本研究は、第1に原発問題をとらえる枠組みの構成、第2に島根原発をめぐる地域問題の分析、という2つの課題を設定していた。研究ではまず第1の課題を達成するため、(1)関連の先行業績を検討するとともに、(2)全国紙における原発関連の記事を収集し、また(3)世論関係の資料を収集することによって、原発問題をとらえる基本的な枠組みを構成した。そこで明らかになったことは、原発問題をとらえる際には、社会学の各分野のうち、社会問題論、社会運動論、生活構造論という3つの分野からのアプローチが有用であり、それらを総合した視点が必要であるということである。同時にまた意思決定の過程についての考察が重要であり、政治社会学的な観点からの接近も欠くことはできないということも明らかになった。第2の研究課題である、島根原発の研究は、これら4つの研究分野(政治社会学、社会問題論、社会運動論、生活構造論)との関連で進められていった。具体的には、政治社会学の枠組みをもとに地域政治における意思決定のありようを探るため、地方政治家や議会議事についてのデータが収集された。社会問題論との関連では反原発団体の活動を、主として地方紙を中心に検討した。原発問題をどう考えるかということにかんしては、住民全体が決して一様な意見を保持しているわけではない。商工会と漁民の見解の相違などは顕著なものであるが、そこには当事者の生活のありようが反映している。そして、生活は地域の長い歴史と関連している。したがって、原発所在地である鹿島町の歴史について考察することも重要であると判断し、資料収集を試みた。以上の基礎的な資料をもとに、今後さらに分析を進めていく予定である。
著者
林 尚示
出版者
東京学芸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

3年計画で,人間としての在り方生き方への自覚を深める高等学校ホームルーム活動に関する研究を実施してきた。その最終年度である3年目の研究実績は,次の4点である。第1番目に,生徒指導と特別活動の関係について質問紙調査を実施し,共分散構造分析を用いて検討した結果,生徒指導の満足度が特別活動の満足度に影響を及ぼすことが確かめられた。そして,分析の結果,特に,生徒指導の中の「個人的適応指導」と,特別活動の中の「学芸的行事」や「健康安全・体育的行事」に着目して特別活動をさらに充実させていくことが提案できた。第2番目に,ホームルーム活動の指導内容になることの多い「いじめ」の解決のためには,被害の申告先を明示して,助言,仲介,加害者側への注意などの方法を駆使して被害者を救済していくことを提案した。「いじめ」や「校内暴力」へは,学校や教師の毅然とした対応が必要であり,政策的側面についてもその具体的な方向を検討できた。第3番目に,子どもの「社会的自立」の基礎を培うためには,ホームルーム活動等での生徒指導の役割が大きいことを言及できた。第4番目に,学習指導要領の内容を吟味しつつ,その中でホームルーム活動を含む特別活動の位置付けを調べ,教育課程上の重要性を再確認できた。これらを総合すると,学習指導要領上でのホームルーム活動を含む特別活動を重視し,その中で子どもの「社会的自立」の基礎を培うために,生徒指導の具体的方策をさらに検討することが課題提起できる。
著者
竹内 敦子 岡野 登志夫 和田 知子 須藤 都 新谷 有美 小林 正
出版者
日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.121-124, 1991-03-25

Effect of solar radiation on vitamin D_2 contents in raw and dried Shiitake mushrooms (Lentinus edodes) was investigated. Contents of vitamin D_2 in raw Shiitake cultured in vinylhouses (average : 21 and 14 IU/piece) were generally lower than those cultured outdoors (average : 100 IU/piece). On the other hand, the contents of ergosterol in all the samples were much higher than those of vitamin D_2 (about 9,000〜46,000 times as weight ratio). When gills parts of the samples cultured in a vinylhouse were exposed to sunlight for 1 h or 3 h at a fine day, the contents of vitamin D_2 increased about 3.6 times (average : 76 IU/piece) or 5 times (average : 104 IU/piece) higher than those before radiation (average : 21 IU/piece). The vitamin D_2 contents in raw Shiitake increased according to increase of solar radiation times. When gills parts of dried Shiitake were exposed to sunlight for 1 h or 3 h, the contents of vitamin D_2 increased about 24 times (average 488 IU_piece) or 27 times (average : 548 IU/piece) higher than those before radiation (average : 20 IU/piece). The contents of vitamin D_2 in raw and dried Shiitake exposed on gills part were significantly higher than those in the samples exposed on pileus parts. Since no significant change was observed in the smell, color and taste of Shiitake by solar radiation, exposure to sunlight is an effective method for increase of vitamin D_2 in raw Shiitake mushurooms.
著者
小林 ゆき子
出版者
京都府立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

鉄欠乏性貧血は世界中で頻発している栄養失調のひとつであり、鉄欠乏の解消は栄養学上大きな課題である。本研究では鉄欠乏症に対して効果のある鉄剤を探索するのではなく、食事全体としての鉄欠乏症への対応について検討することを目的とした。本研究期間では、鉄欠乏状態における三大栄養素の鉄生物学的利用能を検討するため、摂取する鉄量が低い場合と鉄需要が増大している妊娠期において、オリゴ糖は鉄の吸収と利用にどのように関与するかについて検討した。その結果、鉄摂取量が少ない状況下において、酸性キシロオリゴ糖の摂取は貯蔵鉄の減少を抑制することが認められた。妊娠期においては、酸性キシロオリゴ糖食は食事鉄の吸収を促進することが示された。したがって、酸性キシロオリゴ糖は食事鉄の吸収を促進することによって鉄欠乏性貧血の予防し、鉄生物学的利用能を改善することが示唆された。
著者
林 史典
出版者
筑波大学
雑誌
文藝言語研究. 言語篇 (ISSN:03877515)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.165-183, 1983
著者
安藤 大 渡辺 浩志 林 泰仁 小谷野 浩 椎名 高之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-08-13
被引用文献数
2

近年, インターネットにおいて双方向のリアルタイム音声通信を行うインターネット電話という種類のアプリケーションが普及し始めている. また, インターネットと既存の電話網間でプロトコル変換を行い音声通信を可能とするゲートウェイ(GW)を用いて, <電話-GW-インターネット-GW-電話>の通信リンクを確立し, 通信料金を節約するサービスなども提案されている. しかし, これらのアプリケーションやサービスは, 基本的に独立したサービスとして提供されているため, インターネットと電話網を統合して扱える音声通信サービスが求められていた. 本報告では, インターネットと電話網を統合して音声通信を行うシステムの構成方法について検討し, 本システムの有効性について考察する.
著者
小林 充
出版者
判例タイムズ社
雑誌
判例タイムズ (ISSN:04385896)
巻号頁・発行日
vol.33, no.16, pp.p31-35, 1982-07-15
著者
深山 覚 中妻 啓 米林裕一郎 酒向慎司 西本 卓也 小野 順貴 嵯峨山 茂樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.78, pp.179-184, 2008-07-30
被引用文献数
8

本稿では歌詞の韻律を用いた歌唱曲の新しい自動作曲手法を提案する。旋律を音の経路と捉え作曲を経路探索問題として定式化することで、任意の日本語の歌詞を用いた歌唱曲の自動作曲が、歌詞の韻律に基づく制約条件下での最尤経路探索問題を解くことで実現できることを示す。さらにこの作曲原理を実装した自動作曲システム "Orpheus" を用いて実際に楽曲生成を行い、作曲家による生成された楽曲に対する評価を踏まえて、今回の手法によって妥当な音楽性をもった歌唱曲が生成されたことを検証する。In this paper, we discuss a new algorithm for automatic song composition and introduce our new composition system named "Orpheus". We show that composing melody on Japanease lyrics can be done automatically by considering musical composition task as an optimal-path search problem under constraints of the upward and downward pitch motions given from the prosody of the lyrics. Valuation on the results generated by "Orpheus" by a musical composer is also reported, which indicates that our new system can compose a song with a proper degree of musicality.