著者
小池 一樹 小林 良太郎 加藤 雅彦
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.2, pp.593-600,

コンピュータの発展による利便性の向上と同時に,コンピュータへの攻撃や情報の窃取を目的としたマルウェアの数も増加しており,その種類は多岐にわたる.また,2017 年 5 月に大流行した WannaCry を始め,マルウェアは従来よりも容易に亜種を作り出すことが可能となっている状況もマルウェア増加の一因である.その対策として,既存のマルウェア検知手法でも,その特徴的な挙動に着目したアンチウイルスソフトが多くのコンピュータで利用されている.本研究ではそれら検知手法に加わる新たな手法として,プロセッサ情報を特徴量とした機械学習による亜種マルウェアの検知を提案する.検知機構の構成要素は,プロセッサ情報の取得を行うハードウェア部と,機械学習による学習・判別を行うソフトウェア部の 2 つに分けられる.本稿では検知機構の実装へ向けた予備評価として,提案機構のハードウェア部のエミュレーションを行い,取得したプロセッサ情報の有用性を確認した.
著者
小林 達治
出版者
日本土壌微生物学会
雑誌
土と微生物 (ISSN:09122184)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.35-47, 1971-12-27 (Released:2017-05-31)
被引用文献数
2
著者
小林 仁美 金子 健彦 多賀 昌樹
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.77-84, 2019-08-01 (Released:2019-10-15)
参考文献数
31

【目的】月経前症候群(PMS)の発現には様々な因子が関連しており,これまでに睡眠時間や栄養素摂取,欠食の有無,やせや肥満,運動習慣などとの関連が報告されている。食物には様々な栄養素が含まれていること,時代と共に食事内容は変化することを考えると,食事を選択する際の意識・傾向を含め,継続的,多角的な視点でPMS症状との関連を解析する必要がある。そこで本研究では,女子大学生を対象にPMS症状と食生活習慣の関連について検討することを目的とした。【方法】52名の女子大学生を対象とし,PMS症状に関する調査,食事調査および食生活習慣調査を実施した。PMS症状はMDQ(Menstrual distress questionnaire)を用いて評価し,MDQスコアと栄養素および食品摂取量の相関を求めた。平均値の比較には対応のないt検定を行った。【結果】MDQスコアと栄養素等摂取量との相関を検討したところ,動物性たんぱく質,動物性脂質,飽和脂肪酸,飽和脂肪酸エネルギー比率,コレステロールと正の相関,炭水化物と負の相関が認められた。食品摂取量では肉類,卵類,乳類と正の相関,穀類および砂糖・甘味料類の摂取量と負の相関が認められた。また,食生活習慣調査では食品の組み合わせや調理方法を考慮しない者はMDQスコアが高く,PMS症状が強かった。【結論】栄養素や食品の摂取量とPMS症状の程度には相関が認められることが明らかになった。食生活習慣の改善はPMS症状を緩和するために有効な手段の一つである可能性が示唆された。
著者
小林 玲音
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.56-63, 2011-02-28 (Released:2011-09-01)
参考文献数
20

全身麻酔中の体温の低下により出血量増加,術後感染,周術期心筋梗塞など多くの合併症が発症する.従って,温風吹送式加温器や特殊な被覆類を用いて対処しているが,使用台数が制限され,操作が煩雑であるため常時施行するのは難しい.一方,術中に投与するだけで術中の体温の低下が軽減すると報告されているアミノ酸製剤の輸液は安価で,特殊な操作も一切不要なため簡便である.しかし,その投与によって血清インスリン値が上昇し,低血糖が発症する可能性が示唆されている.そこで,全身麻酔下に股関節手術が予定された39症例において,アミノ酸製剤を麻酔導入前1時間に輸液し,術中の低体温予防効果と血糖値の推移を検討した.対象は人工股関節置換術および回転骨切り術を予定された39名でアミノ酸製剤を5ml・kg-1・h-1で輸液した群(A群)と2.5ml・kg-1・h-1で輸液した群(B群)およびアミノ酸製剤非投与群(C群)の3群に対象患者を無作為に分けた.全群において麻酔導入前1時間に輸液を行ったが,A群は混合アミノ酸製剤(アミパレン®)を5ml・kg-1・h-1,一方,B群は混合アミノ酸製剤(アミパレン®)と酢酸リンゲル液(ヴィーンF®)を同時に2.5ml・kg-1・h-1ずつ投与した.C群は酢酸リンゲル液(ヴィーンF®)5ml・kg-1・h-1だけを投与した.食道温を麻酔導入直後から麻酔導入後120分まで測定し,血糖値,血清インスリン値,血清アドレナリン値,血清ノルアドレナリン値などはアミノ酸製剤投与前,麻酔導入直後,麻酔導入後15分,30分,60分,90分,120分に測定した.体温は3群において麻酔導入後より経時的に低下したが,低下度はA群で最も小さく(p<0.05),A群とC群との間には麻酔導入後15分から120分まで有意差を認めた.血清インスリン値は麻酔導入直後にA群とB群では著しく上昇した.その程度はA群では投与前値の15倍,B群では投与前値の5倍であった.3群における血糖値の推移は近似し,各測定時期の平均値は80-100mg・d-1であった.血清インスリンの増加にもかかわらず,全群において低血糖は見られなかった.血清アドレナリン値,血清ノルアドレナリン値には全測定期間中において3群に有意な差は認められなかった.股関節手術において,麻酔導入前1時間にアミノ酸製剤の輸液投与により,術中の体温低下を軽減でき,また,危惧された低血糖も起こさなかった.術中の低体温予防として,麻酔導入前のアミノ酸投与は有用と思われた.
著者
蜂須 貢 大林 真幸 船登 雅彦 落合 裕隆 芳賀 秀郷 上間 裕二 三邊 武幸 向後 麻里
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2188529X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.453-458, 2022-01

デッドリフトはパワーリフティング競技3種目の中で最も重い重量を扱うため,精神統一し試技の終了まで無呼吸で行うことが多く,自律神経活動への影響が大きいと考えられ,デッドリフト直後の自律神経活動は競技者のパフォーマンス発揮を知る上で重要である.一方,デッドリフトは試技の開始から終了まで一般的に歯を噛み締めバーベルを挙上するため,カスタムメイドマウスガード(CMG)の影響を観察するには適していると考えた.被検者は常時ウェイトトレーニングを行っている10名(30.0±15.0歳)とし,心電図から自律神経活動解析ソフト「きりつ名人((株)クロスウエル)」を用い自律神経活動を解析した.測定項目は安静座位(2分間) および立位時の心拍変動係数(CVRR),低頻度と高頻度心拍変動係数比(ccvL/H)および立位継続(1分間)時の高頻度心拍変動係数(ccvHF)である.重量変化による自律神経活動への影響は最大挙上重量の90%を基準とし,これに±5kgの重量を追加した.その後2mmあるいは4mm厚のCMGを口腔内に装着し基準重量である最大挙上重量の90%のデットリフトに対する影響を検討した.CMGは各人の歯列に合わせEthyl vinyl acetate sheetを加熱成形し,第一大臼歯部で厚み2mmおよび4mmとなるように製作した.統計解析は分散分析を行いその後Bonferroniの多重比較を行った.重量依存性の心拍数変化(ΔHR)は90%−5kg時のデッドリフトと比較して,±0kg(90%時)で増加傾向,+5kgで有意な増加を認めた.CMG装着の影響はCMG装着なしに比べCMG 4mm装着の場合ccvHFが増大する傾向を示した.ccvHFの値の低下はトレーニング負荷量やそれによる疲労感と関係することが報告されていることからCMG装着は疲労を軽減する傾向にあると思われる.
著者
塩田 真吾 髙瀬 和也 酒井 郷平 小林 渓太 籔内 祥司
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.85-90, 2018

<p> 情報セキュリティ関連のインシデントの増加や新しい学習指導要領などを踏まえると,今後,情報モラルだけでなく,情報セキュリティ教育の実施が学校教育での課題になる。しかし,情報セキュリティ教育の従来の指導方法については,セキュリティ対策やトラブル事例を紹介するという指導が中心であり,知識は身につくものの,どこか他人事として捉えてしまい,「自分ももしかしたらトラブルにあうかもしれない」という当事者意識を促すことは難しいという課題があった。そこで本研究では,中学生に「自分ももしかしたらトラブルにあうかもしれない」という当事者意識を促すことを目的とした情報セキュリティ教材の開発を行い,その成果を考察した。トラブル事例の「あやしさ」を自ら発見し判断させるために,スマホ画面を模したカード教材の開発を行い,授業を実践したところ,当事者意識とセキュリティ対策への意欲の向上が見られた。</p>
著者
小林 豊 吉岡 雅代 稲葉 達也 鈴木 豊秀 榊間 昌哲 井出 和希 川崎 洋平 山田 浩 北村 修 米村 克彦
出版者
一般社団法人 日本腎臓病薬物療法学会
雑誌
日本腎臓病薬物療法学会誌 (ISSN:21870411)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.31-38, 2015 (Released:2018-04-02)
参考文献数
19

高リン血症は血管石灰化や生命予後に関連した病態であり、保存期慢性腎臓病(CKD)から血清リン値の管理が重要である。一方、保存期CKDに使用可能なリン吸着薬である沈降炭酸カルシウム(炭酸Ca)は胃酸分泌抑制薬の併用による効果減弱と、カルシウム含有による血管石灰化が懸念される。そこで当院薬剤部は内科医師に対し、これらの情報提供を行い、処方状況の変化に関する調査と、薬剤師による情報提供が医師の処方意識にどのような影響を与えたかについてのアンケート調査を行なった。対象は2014年1月の時点でリン吸着薬の処方を受けている保存期CKD患者のうち、1)炭酸Caと胃酸分泌抑制薬を併用している、2)血清リン値>4.5 mg/dL、を満たす患者の主治医とした。リン吸着薬の処方を受けている保存期CKD患者16名全てが炭酸Caを服用しており、12名が胃酸分泌抑制薬を併用していた。併用患者のうち血清リン値>4.5 mg/dLである患者は7名であった。情報提供により7名中5名においてリン吸着薬の変更や胃酸分泌抑制薬の中止がなされた。処方変更された5名中2名は血清リン値が低下し、2名は上昇し、1名は血液検査実施前に透析導入となった。情報提供対象患者以外においても処方の見直しがなされ、両薬剤の併用率は75%から21%と有意に減少した。アンケート調査の結果、薬物相互作用について6名中4名の医師が「知らなかった」と回答、意識変化では6名全員が「変化あった」と回答した。「今後は血管石灰化の危険性を回避するため可能な限りカルシウム非含有リン吸着薬を使用する」などの意見も得られた。これらのことから、薬剤師による積極的な情報提供は医師の処方意識に影響を与え、処方を見直すきっかけになることが示唆された。今後は他の薬物相互作用についても介入を検討し、有効性と安全性の高い薬物療法の提供により医療の質の向上に寄与していきたい。
著者
野本 多津 小林 秀明
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.303-310, 1998
参考文献数
11

プリント基板は, 市場ニーズの多様化に伴う多品種化, 対象製品の小型化・軽量化に伴う高密度実装化等が進み, 作業の高度化, 複雑化に伴う組込不良, はんだ不良等の各種製造不良が発生しやすくなっている.これら製造不良の中で, 部品の実装位置等, 設計方法が原因で発生するものに関しては, 設計での事前対策が要求されている.そこで, 不良率低減, 生産性の向上を目的とした不良対策支援システムにおいて, 階層的クラスタ分析を用いた不良発生傾向抽出方式にて不良実績情報を分析し, 基板・部品特性ごとの不良発生傾向データを抽出する.このデータを用いて, 設計への事前対策指示や設計対象の基板と類似した基板・部品の検索を行う.本論では, 不良発生傾向抽出方式の検討結果と処理方法を詳述する.
著者
平林 由果 渡辺 澄子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.59, pp.37, 2007

【目 的】ファッションはその人のライフスタイルを反映し、個性を表現する。おしゃれをすることは、着る人の高揚感を高め、ストレスを軽減させ、免疫力を亢進させるのではないかと考えられる。そこで、気に入った服装とそうでない服装をした時にストレス負荷を行い、おしゃれの心理的効果とストレスホルモンへの影響を検討した。【方 法】ストレスの指標として、唾液中のアミラーゼ、コルチゾール、分泌型IgAを測定した。並行して服装時に生起する多面的感情状態尺度を肯定的・否定的な35項目について尋ねた。実験は女子大学生9名を被験者とし、5分間のクレペリン検査実施後、唾液を採取し、学内の人通りの多いロビーを通って売店で買い物をするというプロトコールで行った。服装条件(条件1: 気に入った服・化粧あり、条件2: Tシャツと短パン・化粧なし)を替えて同実験を実施し、その結果を比較した。【結果および考察】感情状態尺度において、実験後に条件1では肯定的感情状態の値が高くなり、条件2では否定的感情状態の値が高くなった。唾液中のアミラーゼ分泌量、IgA分泌量においては、服装条件の違いによる一定の傾向は認められなかった。コルチゾールの分泌量は9例中7例において、条件1の方が条件2よりも実験後の減少が大きく、有意差(P<0.05)が認められた。コルチゾール分泌量はストレス負荷により増加することが明らかにされている。この実験では、クレペリン検査によるストレスを買い物をすることで解消したが、気に入った服装時(条件1)の方がその効果が大きかったと推測される。これらの結果は、おしゃれを楽しむことがストレスを緩和し、心も体も元気にする可能性を示唆していると考えられる。