著者
小林 康夫 吉川 修身
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.294-299, 2009-05-15 (Released:2009-06-18)
参考文献数
22

右肩関節制動術予定患者に全身麻酔下に神経刺激装置を用いて斜角筋間ブロックを行った. 途中, 首を左右に振る動きがあった以外に異常筋収縮はなかった. ブロック直後に両側瞳孔散大を伴う血圧低下をきたしたため, 全脊麻と判断し急速輸液と昇圧薬投与で対処した. 術後の意識および自発呼吸の回復は速やかで右上肢以外に麻痺を認めなかったが, 翌朝になっても右上肢麻痺が回復せず左上肢のしびれも訴えた. 頸髄MRIではC2~7に右側優位のT2高信号病変を認め, 梗塞性脊髄損傷が疑われた. 斜角筋間ブロックは, 短い針を用い尾側に明確に傾けるなど椎間孔に進入させない工夫が必要で, 神経刺激法を用いても全身麻酔下には行わない方が安全である.
著者
林 海平 楊 舒淇 山田 宏 粟野 隆 Hai-ping Lin Suchi Yang Hiroshi Yamada Takashi Awano
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 = Journal of agriculture science, Tokyo University of Agriculture (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.47-56, 2020-09

本論文では,日本統治時代における台湾の日本人住宅・宿舎の庭園の保存・修復の今後に資することを目的に,残存事例が台湾でも数多い台北の日本人住宅・宿舎の庭園について調査した。その結果,以下のことを明らかにした。庭園規模は,建物面積の2~7倍が理想とされ,現地調査では多くの庭園が2倍程度であり,平均では2.2倍であったこと。庭園配置は,台北市内の風向きと住宅への通風が考慮された結果,南北方向,あるいは南西・北東方向に前庭・主庭を配置する傾向があったこと。庭園構成は,芝生が太陽の輻射熱を緩和し,植栽は建物の壁体への直射日光を緩和する役割を担い,ベランダ,テラス,パーゴラが防暑のための特徴的な施設であったこと。外囲いは住宅敷地内の通風を考慮して生垣が推奨されたこと。床下通風の観点から床は高床に設定され,沓脱には自然石ではなく人造石が多用されたこと。
著者
小林 俊郎
出版者
社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会会報 (ISSN:00214426)
巻号頁・発行日
vol.27, no.8, pp.664-670, 1988-08-20 (Released:2011-08-10)
参考文献数
50
被引用文献数
3 1
著者
小林 英男
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.27, no.299, pp.711-720, 1978-08-15 (Released:2009-06-03)
参考文献数
57
著者
小林 正美
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.499-504, 1992-10-25 (Released:2019-12-01)
参考文献数
4

IN 1987 EIGHT HUNDRED BUILDINGS ALONG MAJOR SIX STREETS IN DOWNTOWN KYOTO WERE SURVEYED TO SEE THE VARIATIONS OF FLOOR USES. BUILDING HEIGHT AND FRONTAGE. THE RELATION BETWEEN BUSINESS TYPES AND THE SIZE OF BUILDINGS THEY WERE IN HAS BEEN ANALYSED. TYPICAL BUSINESS TYPES IN SMALL/NARROW BUILDINGS AND IN TALL/BULKY BUILDINGS HAVE BEEN EXTRACTED. IN 1988, THE SIGNS ON THE FACADES OF THE SAME BUILDINGS WERE SURVEYED. THE RELATION BETWEEN SIGN TYPES AND SIZE AND USES OF BUILDINGS HAVE BEEN ANALYZED. MIDDLE-SIZED BULDINGS WITH MULTIPLE USES WERE THE MAJOR DECORATED BOXES BY ADVERTISING TOWERS AND WALL SIGNBOARDS.
著者
小柳 秀光 熊谷 智夫 田端 淳 小林 信郷 樋渡 潔 関根 賢太郎 砂賀 浩之 村田 圭介
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.153-156, 2014

<p>構築したシステムについての特性を分析した前報(その2)に続き、本報(その3)では、最適なピークカット効果、光熱費削減効果が得られる制御を可能とする次世代型の制御システムであるスマートBEMSの負荷予測機能と運転計画機能について述べ、スマートBEMSによる熱源システムの最適運転により、どれくらいのピークカット効果、光熱費削減効果があるかについて、2013年度夏期と冬期に実施したDR実証試験の結果について報告する。</p>
著者
林 光利
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.69-71, 1980-02-05 (Released:2008-12-25)
参考文献数
2
著者
地挽 雅人 浅田 洸一 豊田 長隆 菊地 健太郎 荒井 智彦 平下 光輝 野上 喜史 石橋 克禮 小林 馨
出版者
一般社団法人 日本顎関節学会
雑誌
日本顎関節学会雑誌 (ISSN:09153004)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.60-71, 1997-06-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
17
被引用文献数
2

MR画像におけるjoint effusion (以下effusion) と臨床症状との関連, 特に経時的変化について検討した。対象は1993年10月から96年4月までに撮影したMR画像のうちeffusionを認めた33例で, その臨床診断は顎関節症29例, リウマチ性顎関節炎1例, 陳旧性脱臼1例, synovial osteochondromatosis 1例, 下顎骨周囲炎に後遺する下顎頭萎縮1例であった。男性5例, 女性28例, 年齢は14-65歳, 平均38.9歳であった。effusionは矢状面SE法MR撮像T2画像で上または下関節腔に, 高信号を示し, かつT1画像で低信号を示すものとした。臨床症状, X線写真所見, 円板動態との関連と, このうち16例20関節は2か月から1年9か月後に経時的変化について検討した。その結果, 初回MR所見でeffusionを認めた部位は上関節腔37, 下関節腔2関節で, 溝口らの分類によると帯状17, 太線状7, 線状7, 点状8関節であった。主訴は顎関節部の疼痛が多かった。また復位を伴わない円板前方転位例に多く, 特に帯状の例にその傾向が強かった。開口度は16-54mm, 平均37.3mmであった。X線写真所見で骨変形を認めた例にやや多いが, 約半数の関節では骨構成体に変化はなかった。経時的にはeffusionが消失したもの7関節, 大きさが縮小したもの5関節, 変化のないもの7関節, 性状が変化しているもの1関節であった。この像は下顎頭が, 滑膜表面に大きな応力が加わることによって, 滑膜や関節構成組織より, 組織液や何らかの融解産物が滑液中に浸出した結果と考えられた。
著者
農林科1、2学年白井勇斗、柳瀬聡子、影山雅晃、清水渚
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.125, 2014

大島高校さくらプロジェクトとは、日本一早いお花見ができる伊豆大島の観光名所を生徒の手で作ることを目的に、平成24年度から活動を開始した長期的なプロジェクトである。<br> 私たち東京都立大島高等学校の地元、伊豆大島には、大島で育種開発された「夢待桜(ユメマチザクラ)」という、1月~2月に淡いピンクの花を咲かせる新種の桜がある。大島高校では、この「夢待桜」を全校生徒の手で接ぎ木繁殖して苗木を作り、10年後、20年後の桜並木をイメージしながら校内の通路沿いなどに計画的に植樹している。<br> これまでに、大島高校敷地内の他にも、島内の企業と連携して幅広く植樹していただくなど、私たちが育てた150本以上の苗木が有効活用されている。また、全校で取り組む活動であるため、接ぎ木や植樹の体験を通じて、多くの生徒に農業技術や環境活動に興味を持ってもらっている。<br> また、この桜の木の繁殖は、日本全国どこでも実施できる取り組みである。大島高校ではこのプロジェクトの成果を「高校生による桜の繁殖ガイドライン」として、全国の高校でも展開できるような夢のある活動にしていきたい。
著者
伊藤 毅 岡 俊雄 高須 昭彦 中島 平太郎 林 謙二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.32-38, 1979-01-01

本稿は小特集"PCM録音"の一環として, 昭和53年8月18日機械振興会館で行った座談会を収録したものである.約2時間に亘る話の中から紙面の都合で半分以上を削ってここに掲載した.当日の話題の内容が失なわれないよう配慮したが, かなりの省略を行ったため, 座談の雰囲気および内容について意を充分尽くせない部分もあると思われる.ここに出席者の方々ならびに会員諸兄の御寛恕をお願いする次第です.
著者
峠 弘治 渡邊 直純 臼井 賢司 榎本 剛彦 濱 勇 林 達彦
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.76, no.7, pp.1604-1608, 2015 (Released:2016-01-30)
参考文献数
23

症例は42歳,男性.腹痛を主訴に当院救急外来を受診.CTにて限局性の小腸炎の診断で点滴目的に入院となった.診察時,陰嚢浮腫を認めた.弟や姪が非対称性の顔面や口唇の浮腫をきたした家族歴があり,しばしば腹痛を呈していたことから遺伝性血管浮腫を疑い,補体のC4およびC1インヒビター(C1-INH)を検査した.C4,C1インアクチベーターはいずれも低下しており,遺伝性血管浮腫と診断した.遺伝性血管浮腫はC1-INHの量的欠損または機能的な減弱によって起きる遺伝性疾患である.精神的・肉体的ストレスを誘因として顔面や咽頭,腸管浮腫をきたす.稀な疾患ではあるが,急性腹症を呈する疾患として鑑別に挙げるべきである.今回,われわれは当院において遺伝性血管浮腫の1症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
著者
尾崎 秀生 佐野 翼 野吹 幸男 林 昇
出版者
全国自動車短期大学協会
雑誌
自動車整備技術に関する研究報告誌
巻号頁・発行日
no.11, pp.37-40, 1983-08

大型車両のスパイクタイヤ騒音は,ノーマルタイヤにくらべてかなり大きいであろうと予測して,バス用のスパイクタイヤとノーマルタイヤについて,通常定行状態での騒音を計測し比較検討した。その結果,スパイク騒音がとりたてて著しく高いとはいえず,むしろスパイクによる路面損傷の方に問題があるのではないかという事がわかった。
著者
小林 万里
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.9, 2004

北方四島および周辺海域は第2次世界大戦後、日露間で領土問題の係争地域であったため、約半世紀にわたって研究者すら立ち入れない場所であった。査証(ビザ)なしで日露両国民がお互いを訪問する「ビザなし交流」の門戸が、1998年より各種専門家にも開かれたため、長年の課題であった調査が可能になった。<br>1999年から2003年の5年間に6回、北方四島の陸海の生態系について、「ビザなし専門家交流」の枠を用いて調査を行ってきた。その結果、択捉島では戦前に絶滅に瀕したラッコは個体数を回復しており、生態系の頂点に位置するシャチが生息し、中型マッコウクジラの索餌海域、ザトウクジラの北上ルートになっていること、また南半球で繁殖するミズナギドリ類の餌場としても重要であることも分かってきた。歯舞群島・色丹島では3,000頭以上のアザラシが生息し、北海道では激減したエトピリカ・ウミガラス等の沿岸性海鳥が数万羽単位で繁殖していることが確認された。<br>北方四島のオホーツク海域は世界最南端の流氷限界域に、太平洋側は大陸棚が発達しており暖流と寒流の交わる位置であることや北方四島の陸地面積の約7割、沿岸域の約6割を保護区としてきた政策のおかげで、周辺海域は高い生物生産性・生物多様性を保持してきたと考えられる。<br>一方、陸上には莫大な海の生物資源を自ら持ち込むサケ科魚類が高密度に自然産卵しており、それを主な餌資源とするヒグマは体サイズが大きく生息密度も高く、シマフクロウも高密度で生息している明らかになった。海上と同様、陸上にも原生的生態系が保全されており、それは海と深い繋がりがあることがわかってきた。<br>しかし近年、人間活動の拡大、鉱山の開発、密猟や密漁が横行しており、「北方四島」をとりまく状況は変わりつつある。早急に科学的データに基づく保全案が求められている。そのために今後取り組むべき課題について考えて行きたい。
著者
山田 雅之 栗林 賢 諏訪 正樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第26回 (2012)
巻号頁・発行日
pp.1O1OS66, 2012 (Released:2018-07-30)

スポーツフィッシングにおいて,勝敗の行方を左右する大きな要因の一つにポイント移動が挙げられる.ポイント移動は「なぜ移動するのか?どこへ移動するのか?」といった問題に対し,状況を総合的に考慮し決断される.このような過程は暗黙的であり,その決断は極めて身体的な感覚によってなされている.本研究では,元プロの湖上での振る舞いを記録し,身体知獲得を支援するツールのデザインを実施した.
著者
大阪府環境農林水産総合研究所
出版者
大阪府
巻号頁・発行日
vol.2008, 2009-03