著者
錦見 俊徳 小林 弘明 山田 浩史 石田 亮 山内 裕士 服部 恭介 浅野 彰之
出版者
日本泌尿器内視鏡学会
雑誌
Japanese Journal of Endourology (ISSN:21861889)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.120-124, 2019 (Released:2019-07-27)
参考文献数
7

【目的】ロボット支援下前立腺全摘術 (RARP) は本邦でも広く行われている. 近年では泌尿器科専門医取得前であっても一定の条件下であればRARPを施行することが可能となり, RARPで初めて前立腺全摘術を経験する術者も増えている. 初心者の場合, 膀胱頸部離断の際に前立腺に切り込んだり, 膀胱を大きく開放することがあり, また精嚢剥離の際には精嚢の同定が困難で間違った方向へ剥離を進めると直腸損傷のリスクもある. 初心者にとって比較的難しいとされる膀胱頸部離断および精嚢剥離時に術中ロボット用エコーが有用であったので報告する. 【方法】膀胱頸部離断, 精嚢剥離の操作前に術中エコー (術中用リニア探触子) を使用して部位確認を行う. 【結果】膀胱頸部離断ではエコーで尿道カテーテルや前立腺を確認し, 離断部位の同定が可能であった. 精嚢剥離の場面でもエコーで精嚢の位置を確認することで安全に剥離が可能であった. 【結論】RARP初心者にとってしばしば難関とされる膀胱頸部離断, 精嚢剥離の場面で術中ロボット用エコーの使用は有用であると考えられた. 初心者はもちろんのこと, 比較的慣れた術者であっても前立腺が膀胱に突出した症例や精嚢および精管膨大部が見つかりにくい症例において効果的であると考えられる.

1 0 0 0 OA 経書大講

著者
小林一郎 著
出版者
平凡社
巻号頁・発行日
vol.第13巻 荀子上, 1940
著者
有田 和徳 魚住 徹 大庭 信二 中原 章徳 大谷 美奈子 三上 貴司 小林 益樹
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.192-196, 1994

Case 1: A 46-year-old female was admitted with sudden onset of coma. CT scan revealed brain stem and bilateral thalamic infarction. On day 3, all brain stem function was absent, while an EEG showed slow-wave activity in the frontal area. Transcranial Doppler sonography demonstrated antegrade flow in the bilateral middle cerebral arteries. Cardiac arrest occurred on day 5. Case 2: A 59-year-old male was admitted in a comatose state. A CT scan revealed a large cerebellar hematoma. Removal of the hematoma and drainage of lateral ventricle were performed, but the patient never regained brain stem function. On days 13 and 14, his condition satisfied the criteria for brain death proposed by the Japanese Ministry of Health and Welfare, except for the persistent EEG activity. Cerebral blood flow studies showed adequate blood flow in both supra and infra-tentorial regions. EEG activity was also observed on day 19. The patient experienced cardiac arrest on day 30. A state of isolated brain stem death, cessation of brain stem function accompanied by persistent EEG activity, may result from a severe cerebrovascular accident in the posterior cranial fossa. This state is usually transient, leading to total brain death, but it may continue for several days when lateral ventricular drainage is performed.
著者
Pournelle Jerry 林田 陽子
出版者
日経BP社
雑誌
日経バイト (ISSN:02896508)
巻号頁・発行日
no.267, pp.112-117, 2005-08

Mac OS X 10.4 Tigerをインストールしたところである。OS X 10.4(まもなく10.4.1にアップグレードする)は素晴らしい。まさに「グレート!」だ。米Microsoft社がLonghornに搭載すると約束している機能を,ほぼすべて備えている。しかしTigerは今ここにあり,ちゃんと動く。このOSのあらゆるものに興奮させられる。
著者
宇留間 悠香 小林 頼太 西嶋 翔太 宮下 直
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.155-164, 2012-11-30 (Released:2017-10-01)
参考文献数
19
被引用文献数
8

近年、草地性や湿地性の生物の代替生息地である農地の生物多様性が著しく減少しており、農地生態系の再生を目的とした環境保全型農業が普及し始めている。本研究では、新潟県佐渡市で行われているトキの個体群の復元を目的とした環境保全型農業のうち、冬期湛水および「江」の設置が、繁殖のため水田を利用することのある両生類3種(ヤマアカガエル、クロサンショウウオ、ツチガエルの一種)の個体数や出現確率に与える影響を探った。佐渡市東部の20箇所の水田群(計159枚の水田)において各種両生類の個体数を調べ、一般化線形モデル(または一般化線形混合モデル)と赤池情報量基準(AIC)を用いて、水田と水田群の2階層における個体数を説明する統計モデルを探索した。その結果、ヤマアカガエルとツチガエルの一種において、冬期湛水もしくは江の設置が強い正の影響を与えることが明らかになった。ヤマアカガエルでは、水田と水田群レベルで異なる農法が正の効果を示した。これは、個体群レベルの応答を評価するためには適切な空間スケールを定める必要があることを示唆している。景観要因としては、ヤマアカガエルとクロサンショウウオで水田周辺に適度な森林率が必要であるが、その空間スケールは大きく異なること、またツチガエルの一種では景観の影響を受けないことが明らかになった。この結果は、日本の里山のように景観の異質性が高い環境では、環境保全型農業の影響評価の際に、一律の指標種を用いるのではなく、局所的な生息地ポテンシャルにもとづいて評価対象種を選定する必要があることを示唆している。
著者
林 志修 佐々木 輝美
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.53-65, 2018 (Released:2019-10-01)

本研究では向社会的デジタルゲームに関する先行研究での課題の解決を試み、向社会的行動を文脈によって定義づけ、その定義に基づき、人気デジタルゲームタイトルの内容分析を行った。内容分析の結果、分析対象になった27個のデジタルゲームタイトルでは1時間当たり平均3.59回の向社会的行動が行われた。内容分析に基づき、デジタルゲームの中の向社会的行動とプレイヤーの向社会性の関係を明らかにするためインターネット調査を行った。その結果、向社会的行動の表現が多くみられたデジタルゲームのプレイ時間とプレイヤーの向社会性の間に有意傾向の正の相関がみられた。また、向社会的行動を文脈によって分類したとき、異なる種類の向社会的行動の持続時間はプレイヤーの向社会性と異なる関係を示すことが分かった。
著者
小林 哲則 関根 英敏
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.539-544, 1991-08-01 (Released:2017-06-02)
被引用文献数
1

実音声における基本周期の揺らぎの統計的性質について調べると共に、規則合成のための揺らぎを考慮した基本周期生成モデルについて検討した。実音声の分析の結果、基本周期の揺らぎの系列相関は、35〜70次を周期とする減衰波状の概形を示すことが明らかになった。次にこの性質を考慮しながら種々の揺らぎを有する基本周期生成モデルを構成し、揺らぎの性質と合成音声の自然性との関係について検討した。聴取実験の結果、ARフィルタを用いて実音声における揺らぎの系列相関を合成音に与えるよう構成したモデルの性能が良いことが分かった。この揺らぎを有する基本周期生成モデルによる合成音声の自然性は実音声の揺らぎを用いた合成音声と同程度であることが示された。
著者
塩見 岳博 斎藤 岳士 石原 光則 和田 光博 林 茂彦 府中 総一郎 神成 淳司
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.35-44, 2021-07-01 (Released:2021-07-01)
参考文献数
20

本研究では,筆ポリゴン,農地ピンおよび土壌図のデータを組み合わせた全国版統合農地データAPIを提案する.農業に関連する各種データや連携基盤の現状と課題を整理した上で,農業生産において基盤となる農地データの利便性向上を図るため,全国の農地データの統合を行った.対象は筆ポリゴン,農地ピンおよび土壌図の3つのデータで,筆ポリゴンをベースとし,他の2つのデータの統合を試みた.結果として,ベースとした筆ポリゴン31,591,036件のうち5,999,291件について,3つのデータが統合でき,成功率は19.0%であった.残りのデータが統合ができなかった原因は,統合対象となるデータの欠落や,統合対象が複数存在するなどのフォーマットの違いによるものであり,その解決には対象とした農地データを整備するルールの統一が求められる.統合した農地データは,農業データ連携基盤WAGRIを通じて,全国版統合農地データAPIとして提供した.その出力形式には,地理情報システム(GIS)における標準フォーマットであるGeoJSONとWebMapTileService(WMTS)を採用し,一度の要求で3つのデータが同時にに取得できたことから,利便性の向上が確認された.今後,統合した農地データが幅広く利用されるための課題としては,データ統合の速度向上や多くのデータを一括でダウンロードする仕組みへの対応などが考えられる.
著者
宮澤 佳之 林 優美 小林 尚貴 七五三木 史拓 藤井 一弥 笠原 詩織 榊原 清
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.C-121_1-C-121_1, 2019

<p>【はじめに、目的】</p><p>群馬県理学療法士協会(以下,県協会)広報部では、平成26年度より毎年7月の理学療法週間に合わせて、介護予防や理学療法の啓発を目的として理学療法フェスタを開催している。今回、平成29年度の"第4回理学療法フェスタinぐんま"の実施内容と来場者へ実施したアンケートの結果について報告する。</p><p>【方法】</p><p>平成29年7月16日(日)前橋市の前橋プラザ元気21にて、テーマを「理学療法×健康×栄養」として開催し、来場者へ無記名式のアンケートを配布した。理学療法フェスタについての県内への事前告知として、高校、市町村保健師、マスコミ、県協会会員非所属施設、県協会会員へ告知チラシと広報資料の送付を行った。またマスコミの協力にて新聞に告知を掲載、さらに会場へのポスター掲示を行った。内容は、ご当地体操である「ピンシャン!元気体操」・「ひらめきタオル体操」、「シルバーリハビリ体操」の講座と実演、「栄養補給で筋肉痛と熱中症を予防しよう!」と題した栄養に関する講座、重心動揺・体組成測定、栄養ブースでの栄養補助食品の紹介・配布、日本理学療法士協会の動画放映を実施した。来場者へはオリジナルグッズと広報資料の配布を行った。運営スタッフは広報部員7名とボランティア12名であった。</p><p>【結果】</p><p>来場者は70名でアンケート回答者数は39名(男性15名、女性24名)であった。来場者の年代は50代が最も多く(23.1%)、次いで60代(20.5%)、20代(17.9%)、10代(12.8%)、40代と70代以上(10.3%)となった。来場者の職種は医療・介護職が最も多く28.9%、次いで主婦(15.8%)であった。「理学療法にとても興味を持った」または「興味を持った」と回答した来場者は97.4%であった。印象に残った企画は、身体測定で51.3%であり、体操や栄養講座でいずれも30%以上の方が印象に残ったと回答したが、栄養ブースは12.8%となり低値となった。その他意見として「日常生活でできる簡単な運動を教えてほしい」、「また参加したいといった」といった回答が得られた。</p><p>【結論】</p><p>来場者数は過去最高の人数となった。アンケートの結果から、幅広い年代の来場が得られ、理学療法に関心を持った方が多数であったことがわかった。企画内容として、体操などの講座や身体測定などの体験企画に興味を持つ方が多く、今後も体験型企画を多く実施することで、運動に対する意欲が向上し健康増進や理学療法に関心をもってもらうことができると考える。職種としては医療専門職の来場が多く、一般の方の参加が少なかったことから、さらに広くの事前告知を検討する必要があると考えられる。今回、来場者は70名と少なく、今後、同時期に同じ場所で企画を継続して実施し毎年のイベントとして定着することで、さらに来場者の増加が図ることができ、健康増進への意欲や関心の向上につながると考える。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本アンケート調査の実施にあたり、アンケート調査用紙内へ集計結果を学会発表に使用する旨を記載した。</p>
著者
小林 麻子 清水 豊弘 冨田 桂 林 猛 田野井 真 町田 芳恵 中岡 史裕 酒井 究 渡辺 和夫 両角 悠作
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学研究 (ISSN:13447629)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.138-143, 2018
被引用文献数
4

福井県内の生産者や流通業者から高く売れる米への要望が高まっていた。さらに,地球規模での気候変動の影響で,福井県でも高温登熟による玄米外観品質の低下が懸念されていた。寒冷地南部における「コシヒカリ」の高湿登熟耐性は"やや弱"とされており,高温登熟下でも玄米外観品質が安定して良好な品種が求められていた。以上のような状況を背景として,育成地では,福井県の新たなブランド米となりうる良食味で高温登熟耐性に優れる「ポストこしひかり」品種の開発を行ってきた。
著者
林 栄美子
出版者
慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会
雑誌
慶応義塾大学日吉紀要 フランス語フランス文学 (ISSN:09117199)
巻号頁・発行日
no.46, pp.203-228, 2008

森英樹教授・西尾修教授・高山晶教授退職記念論文集 = Mélanges offerts à Mori Hideki, à Nishio Osamu, et à Takayama Aki序章第1章 『灰色の魂』をめぐって1. クレリス/死者/肖像画2. ベル/死体/人形3. リジアの死 あるいは喪の拒絶4. 三枚の写真によるコンポジション クレリス=ベル=リジア5. クレマンス あるいは非イマージュ的記憶6. 死者たちのロンド第2章 『リンさんの小さな子』をめぐって1. 写真2. 人形
著者
金塚 東 三村 正裕 篠宮 正樹 橋本 尚武 栗林 伸一 櫻井 健一 鈴木 弘祐
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.671-680, 2012 (Released:2012-11-08)
参考文献数
15
被引用文献数
2

千葉県における日本糖尿病学会会員と専門医,日本糖尿病協会登録医および一般医による診療の実態を調査した.17病院と67診療所における専門医25名,学会員と登録医計15名,一般医50名が参加した.総症例数は3930症例,専門医はより若年,一般医はより高齢の世代を診療した(p<0.001).専門医は32 %,一般医は10 %の症例をインスリンで治療した(p<0.001).HbA1c(JDS値)6.5 %未満は,専門医で32 %,一般医で50 %である一方,8 %以上は各23 %, 11 %であった(p<0.001).2357症例(60 %)に降圧薬が処方され,専門医は39 %にアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB),34 %にカルシウム(Ca)拮抗薬,一般医は各34 %, 38 %に処方した(p<0.001).アルブミン尿が未測定であった1266症例中,専門医で162症例,一般医で597症例が早期腎症診断のためアルブミン尿測定の対象となる尿蛋白-,±あるいは+であった(p<0.001).インスリン療法で専門医の役割は大きいが,多くの症例で血糖コントロールは不良であった.専門医はARB,一般医はCa拮抗薬をより多く処方した.専門医は診療している10 %,一般医は37 %の症例で早期腎症を診断するためにアルブミン尿の測定が適用と思われた.