著者
林 淳
出版者
神道宗教学会
雑誌
神道宗教 (ISSN:03873331)
巻号頁・発行日
no.117, pp.p21-45, 1984-12
著者
劔 陽子 池田 洋一郎 稲田 知久 緒方 敬子 木脇 弘二 小宮 智 長野 俊郎 服部 希世子 林田 由美 渕上 史
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.65, no.12, pp.755-768, 2018-12-15 (Released:2018-12-27)
参考文献数
7

目的 2016年4月に発生した熊本地震における熊本県内各保健所の災害対応を振り返り,今後の災害時における保健所・保健医療行政の役割・あり方について考察する。方法 2016年8~9月にかけて,県内各保健所長が発災後超急性期~亜急性期における自分が勤務する保健所の対応について,また県保健所長会長が同時期における所長会としての活動について,記述的にまとめた。これらを「所長会の活動」,「被害が大きかった地域を管轄する保健所の活動」,「被害が比較的小さかった地域を管轄する保健所の活動」に分けてまとめ,KJ法により課題や反省点を抽出した。活動内容 所長会は県の医療救護対策本部における「コーディネーター連絡会議」に参画し,全県的な対応が必要な事項について調整する等の活動を行った。被害が大きかった地域を管轄する保健所は,支援者・団体の調整,市町村支援として避難所の衛生管理や感染症対応支援等の活動を行った。保健所内の指揮命令系統がうまく動かなかった,市町村や外部支援団体に保健所の機能が知られていなかった,県本部との意思疎通が困難であった,などが課題として挙げられた。被害が比較的小さかった地域を管轄する保健所は,職員の安否や管内の被害状況を確認後,待機体制をとった。その後,県本部からの指示により職種別に職員を被災地域の保健所に応援派遣し,また二次避難者を管内に受け入れた。保健所「チーム」としての応援派遣はなかった。長期間の待機による職員の疲弊,ニーズと実際の応援のミスマッチ,被害が小さかった地域にも開設された避難所への対応が保健所により異なっていたこと等が課題として挙げられた。結論 次の災害に備え,災害時の保健医療部局における一本化した指揮命令系統の確立,管理職のマネジメント能力の強化,市町村や関係団体との平時よりの連携強化,災害時保健所活動についてのマニュアルの整備,被災地域を管轄する保健所への人員補強計画の作成等に取り組む必要がある。
著者
立林 めぐ美 大磯 直毅 川田 暁
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.14, no.6, pp.403-410, 2015

非ステロイド性抗炎症薬含有テープ剤などの貼付剤は皮膚と密着し,主剤の皮膚への浸透性を高めて効果を発揮するが,各種成分へのアレルギー感作が成立し,アレルギー性接触皮膚炎や光アレルギー性接触皮膚炎が生じうる。貼付により皮膚バリア機能が低下すると,アレルゲンの皮膚内への浸透性が高まり,感作がより生じやすくなる。しかしながら,貼付剤による皮膚バリア機能におよぼす影響はほとんど評価されていない。20歳以上の本研究に同意が得られた健常人ボランティア20例を対象にロキソプロフェンナトリウム水和物貼付剤とケトプロフェン2%貼付剤を7日間連続貼付し,貼付終了直後および貼付終了7日後における皮膚バリア機能に及ぼす影響を検討した。評価項目として経皮水分蒸散量(TEWL: transepidermal water loss)と角質水分量(capacitance)を測定した。角質水分量に貼付剤間の差は認められなかった。ケトプロフェン2%貼付剤群では,貼付終了直後と貼付終了7日後の経皮水分蒸散量が優位に高値を示した。テープ剤の各種成分の選択と構成比の最適化を図り,皮膚バリア機能が低下しない,もしくは低下しにくい貼付剤の開発と普及が望まれる。(皮膚の科学,14: 403-410, 2015)

1 0 0 0 OA 全訳五絃譜

著者
林 謙三
出版者
奈良学芸大学
雑誌
奈良学芸大学紀要. 人文・社会科学 (ISSN:04695569)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.59-76, 1965-02-27

In the Yomei Library in Kyoto City are kept the score of go-gen 五絃, of five-stringed lute which have not been played. This score contains 28 musical pieces of T'ang dynasty, most of which though lost, make the precious materials for the study of ancient music. In 1940, I made public my first article* concerning this score. What 1 have written here now are the text and its unabridged tranalstion and the short explanation of it. *Go-gen-fu, a score of five stringed lute (ch. wu-hsien) and the clue to its interpretation (Journal of the Acoustical Society of Japan, no. 2), 1940
著者
前田 浩人 小林 加奈 三品 美夏 渡辺 俊文 曽川 一幸
出版者
日本電気泳動学会
雑誌
電気泳動 (ISSN:21892628)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.43-47, 2018 (Released:2018-12-21)
参考文献数
7

慢性腎臓病(CKD)は,多くのネコに発症が認められ,死因の一つとされている.獣医国際腎臓病学会(International Renal Interest Society,IRIS)の分類では,ステージI期およびステージII期におけるCKDを正常なコントロールと比較して,マーカーを用いて正確に診断することは難しい.正常およびステージI期CKDネコにおける尿中アルブミン濃度は6.0±4.5および11.2±8.4 mg/dlであり,尿中トランスフェリン濃度は0.09±0.42および0.52±0.79 mg/dlであった.ROC曲線分析に基づいて,尿中アルブミンおよび尿中トランスフェリンの感度および特異性は,現在使用されているバイオマーカーである血漿クレアチニンレベルの感度および特異度より高かった.いくつかの候補の中で,CKDの最も有望なバイオマーカーとして39.2 kDaタンパク質であるカルボキシルエステラーゼ5A断片に焦点を当てた.カルボキシエステラーゼ5Aフラグメント測定を診断に応用出来るように,我々は,尿中カルボキシルエステラーゼ5Aフラグメントを測定することを可能にする酵素イムノアッセイを開発した.ELISAの性能については,回収率(96.1–106.4%)および同時再現性(3.5–5.1%)および日差再現性(4.8–8.2%)と良好な結果であった.
著者
林 みちこ
出版者
Seminar on History of Art, Graduate School of Comprehensive Human Sciences, University of Tsukuba
雑誌
藝叢 : 筑波大学芸術学研究誌 = Bulletin of the study on history of art in University of Tsukuba (ISSN:02894084)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.13-22, 2015-03-01

(付記)本研究は2012(平成24)年度「第6回未来を強くする子育てプロジェクト」(住友生命保険相互会社)における「女性研究者への支援」による助成、および2014(平成26)年度科学研究費・特別研究員奨励費による研究成果の一部である。
著者
佐藤 陽治 梅林 薫
出版者
学習院大学
雑誌
学習院大学計算機センター年報 (ISSN:09134514)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.28-63, 2003

現在のテニス競技においては、ラリーの高速化に伴い、選手のムーブメント能力は高度化を余儀なくされている。本研究では、テニスのみならず多くのスポーツで共通に必要な敏捷性、俊発性の種目特性の検証と、その妥当な測定方法の開発、現在脚光を浴びつつあるスピード(Speed)、巧緻性(AgHity)及び敏捷性(Quickness>(以下SAQと表記する)の反応動作改善への効果を検証することを目的とした。 日本のテニス選手のSAQにおける体力的実態を把握し、 AIS(Australian Institute ofSports)が年齢別に指定している強化選手に実施している、テニス競技における各種SAQテストの結果と比較すること、及び各被験者にSAQ能力向上のためのトレーニングを定期に実施してSAQ能力の向上が縦断的に認あられるかの検証をするたあに、体育大学テニス部男女各10名、一般大学女子テニス選手14名、名古屋地区のジュニア・テニス選手男子15名、女子4名に「Acceleration forward agility test (Right side / Left side)」、 「Acceleration backward」、on sideways(Right side/Left side)」、 「505Agility Test」の各種SAQ Testを適宜付加して実施した。 また基礎的研究として、一般大学体育授業受講生80名に3パターンの「Box step test」を測定したものコントロール群とし、週1回の授業で、縄跳び、及び4方向シャッフルパターンの「Box step test」を3ヶ月間実施した後の3種のパターンのrbox step」の変化を観測した。結果は、以下の通りである。一般学生を対象としたボックス・ステップ・テストでは、トレーニング種目とした一周ステップ(round steps)は有意な増加を示した。また、他の2種のステップパターンも、有意な増加を示した。ジュニアを対象としたrAcceleration sideways(forehand/backhand)」の結果は、男子では、フォアハンド2,43s(n:23、 s. d.:0.102、 range:2.18-2.72)、バックハンド2.50 s (n:23、s。d.:0.177、 range:2.20-2.84)、女子はフォアハンド2.71 s(n:5、 s. d.:0.115、 range:2.64-2.91)、バックハンド2.75s(n:5、 s. d.:0.215、 range:2.47-2.96)であり、オーストラリアの同年代のジュニアと比較して男子は有意差がなく、女子はやや劣るという傾向であった。 大学テニス選手は、オーストラリアのトップの選手に比べ、男女ともにやや劣る傾向があったが、SAQ向上の各種トレーニングを実施して縦断的に観察すると有意に向上する傾向が確認された。 SAQ能力に関しては、一般女子より男子が有意に上回ること、また、テニス競技能力に比してSAQ能力が優れている傾向があること、またSAQ向上のための各種トレーニングを付加することによりSAQ能力は改善されることが確認された。
著者
二村 昌樹 伊藤 浩明 尾辻 健太 平山 美香 林 啓一 大矢 幸弘 益子 育代
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.1610-1618, 2009-12-31 (Released:2017-02-10)
参考文献数
17
被引用文献数
1

【背景】小児アトピー性皮膚炎に対する治療教育を目的として,我々は1泊2日教育入院プログラム「スキンケアスクール」を実施している.これは6歳未満で中等症以上を対象にし,正しい洗い方と軟膏塗布の実習指導および講義で構成している.【方法】本プログラムの効果を評価する目的で,参加した56組の養育者に対して参加前,直後,1ヵ月,6ヵ月後にアンケート調査を実施した.【結果】プログラム参加により,医師の指導歴があっても参加前の軟膏量や塗布の方法は不十分であったと認識した.皮疹の状態の改善とともにかゆみや睡眠障害といった症状も1ヵ月後には改善したと養育者は回答しており,その改善度は6ヵ月後まで維持された.一方,ステロイド使用量は参加前と比較して1ヵ月後には減少し,6ヵ月後にはさらに減少したと評価された.【結語】本プログラムは,養育者のスキンケアに対する理解と実践を達成する上で有効であった.皮膚洗浄と十分な軟膏使用を柱とする正しいスキンケアは,湿疹の改善効果をもたらし,結果的にステロイド減量も可能にする事が示唆された.
著者
小林 義郎 熊懐 稜丸 榛沢 雄二
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.183-196, 1979-03-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
50
被引用文献数
2 2

Trifluoromethyl group shows a stabilizing effect on the compounds which would be unstable if they had no trifluoromethyl group. This review is concerned with two faces of the chemistry of trifluoromethylated valence bond isomers of aromatic compounds : Diels-Alder and 1, 3-dipolar reactions planned for the conversion of hexakis (trifluoromethyl) benzvalene to the corresponding tetrahedrane and the synthesis of new valence bond isomers of heteroaromatic compounds. In the former, the tetrahedrane itself could not yet be isolated, but the formation of tetrakis (trifluoromethyl) cyclobutadiene and new valence isomers of oxepin was confirmed. In the latter, Dewar thiopene, Dewar pyrrole, Dewar pyridine, and diphosphabenzvalene with trifluoromethyl groups were synthesized and their reactions were discussed. The effect of trifluoromethyl group is not limited to the strained compound. Thus, tetrakis (trifluoromethyl) -1, 4-diphosphabenzene, the first example of diphosphabenzenes, was synthesized.
著者
田村 博康 平田 大 栗林 喬 久米 一規 五島 徹也 中村 諒 渡邊 健一 赤尾 健 下飯 仁 水沼 正樹
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.110, no.12, pp.820-826, 2015
被引用文献数
2

今現在,大吟醸酒に代表される高級清酒の醸造には,広くカプロン酸エチルを高生産する酵母が使用されているが,様々な変異処理をほどこしているために,発酵が緩慢となり,さらには目的以外の変異がはいるというリスクもあった。筆者はそのリスクを取り除くための自然発生的な方法で目的株を分離することに成功し,遊離脂肪酸を測定することで迅速に識別する方法まで示した大変興味深い解説文である。ぜひご一読願いたい。
著者
荻林 成章 高島 幸成
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2010年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.85, 2010 (Released:2010-11-15)

著者らは先に企業、消費者、銀行エージェントを内包し、価格・生産量・投資をエージェントが自己調整する人工経済エージェントベースモデルを構築し、景気循環などの現実の経済挙動と同様の振舞いが再現されることを明らかにした。本研究では上記モデルを産業連関表及びGDPの計算が行えるように改良し、GDP及び景気変動は投資に伴う銀行からの資金借入を伴う市場流通資金量と、消費者の可処分所得による需要量、及びこれら要因の周期的変動によって説明できることを明らかにし、これらの結果から現実経済の景気循環に及ぼす諸要因の影響について考察した。
著者
田中 恵理子 代 英杰 林 永波 古月 文志 田中 俊逸 神 和夫 平間 祐志
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 = Japan analyst (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.807-813, 2009-09-05
参考文献数
18
被引用文献数
1 5

2005年11月中国吉林市にある吉林石油化学会社の工場で起こった爆発事故によって,ニトロベンゼンが中国東北部を流れる松花江に流入し,河川を汚染した.本研究では,汚染物質が通過したハルビン市内の松花江で採取された魚試料中のニトロベンゼンの測定を行った.また,ニトロベンゼンの代謝によって生成すると予想されるニトロフェノール類の定量を行った.ニトロベンゼンの抽出と濃縮には,精油定量装置を用い,魚試料の調製,魚試料の前処理,抽出条件等について検討した.その結果,2006年3月と10月に採取した魚試料からは比較的高い濃度のニトロベンゼンが検出された.また,魚試料からニトロベンゼンの代謝物と思われる<i>o</i>-,<i>m</i>-,<i>p</i>-ニトロフェノールが検出された.