著者
花井 孝明 小林 昭久 盛永 健郎 日比野 倫夫
出版者
鈴鹿工業高等専門学校
雑誌
紀要 (ISSN:02865483)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.39-42, 2013-02-28

改良した最大エントロピー法を,そのデコンボリューション効果を調べるために,大きく焦点ずらししたTEM像の修復に適用した.最大エントロピー修復法の改良のために,推定ノイズに空間的ランダム分布制約を課した.この制約は,量子ノイズの統計的性質と矛盾しないものである.フェリチン粒子の焦点ずらし像から,粒子の元の形状と大きさが復元できたが,シミュレーションで見られたような,従来法を上回るような改良法の優位性は得られなかった.大きく振動していたコントラスト伝達関数は,よく再構築されて,正しいコントラストを与えている.
著者
長谷川 浩司 星 智 遠山 裕樹 伊藤 信市 伊藤 知子 若林 博人
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.90, no.7, pp.1333-1335, 2001-07-10
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

症例は82歳,男性. 1日10行以上の水様下痢にて入院,腹部超音波およびCTにて膵頭部に径4cmの腫瘤を認めた.血清VIP (Vasoactive Interstitial Polypeptide)濃度970pg/mlと高値を示し, WDHA (Watery diarrhea, Hypokalemia, Achlorhydria)症候群と診断. octoreotide acetate (以下o. a.と略す)投与にて症状改善後,膵頭十二指腸切除術を施行し現在経過良好である.本例は過去の報告例中世界最高齢の貴重な症例と考え報告した.
著者
三浦 広暉 林 立也
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成28年度大会(鹿児島)学術講演論文集 第4巻 通風・換気 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.141-144, 2016 (Released:2017-10-31)

小学校における普通教室の年間利用時間は1500時間程度であり、残りの7000時間が未利用であることを勘案すると、換気エネルギー消費量の大幅な削減を実現するためには、長期休暇等の児童不在時において停止の可能性も含めた機械換気の運用方法を検討すべきである。 具体的には教室の内装材等から放散する化学物質の濃度を計測し、蓄積による基準値超過等のリスクを評価することによって、安全性を満たした上で管理可能な範囲を把握することが必要である。
著者
田島 靖久 松尾 雄一 庄司 達弥 小林 哲夫
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.55-75, 2014

The Kirishima volcanoes located in southern Kyushu are comprised of more than 20 volcanic edifices. The volcanoes occupy an elliptical area of approximately 330km^2 with the WNW-ESE direction. Among the different types of volcanic edifices, the typical ones are compound maars and lava flows in Ebinokogen. We studied the volcanic history of Ebinokogen by geological examination of tephra layers and lava flows. After the Karakunidake-Kobayashi plinian eruption, seven tephra were formed in this area. We determined the ages of those tephra and two lava flows. The magmatic eruptions, produced Tamakino B tephra, occurred after Karakunidake-Kobayashi tephra eruption. The first activity in Ebinokogen from about 9.0 cal ka BP generated Fudoike lava flow, and Fudoike-Tamakino A tephra erupted from Fudoike crater. Karakunidake north-Ebino D tephra was generated from the northwest flank of Karakunidake at 4.3 cal ka BP, with debris avalanche and lahars. Phreatic Fudoike-Ebino C tephra erupted from the Fudoike crater at 1.6 cal ka BP. Ioyama-Ebino B tephra eruption started from around the 16^<th> to 17^<th> century with lava flow. Phreatic Ioyama east-Ebino A tephra erupted from Ioyama east crater in 1768 AD. The Ebinokogen area is one of the active regions of Kirishima volcanoes explicated by geophysical observations. Our results indicate cyclical tephra depositions mainly produced by small magmatic and strong phreatic eruptions in this area after the Karakunidake-Kobayashi pyroclastic eruption. Furthermore, the vent locations were found to migrate with each eruption.
著者
上野 徳美 林 智一
出版者
九州地区国立大学間の連携に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
研究論文集-教育系・文系の九州地区国立大学間連携論文集- (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, 2010-09

全人的医療実現のためには、人間の心理や行動、対人関係などを科学的・実証的 に探求する学問である心理学の知識や素養が医師・医学研究者には求められる。本論文では医学教育における心理学の役割を①教養教育、人間性教育、②専門基礎教育、③卒後教育、生涯学習という 3 つの観点から整理するとともに、一例として特色ある授業など、本医学部の心理学教育の実践を報告した。また、今後チャレンジすべき課題として、医学生のメンタルヘルス支援や教育研究環境整備などについて論じた。
著者
林 美善
出版者
お茶の水女子大学日本言語文化学研究会
雑誌
言語文化と日本語教育 (ISSN:09174206)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.78-91, 2001-12-08

本研究では、日本語と韓国語における電話会話の終結部がどのような過程を経て終了されるかを調べるために、日韓の20代の友達同士の電話会話40件を分析し、そこに現れた日韓の相違を考察した。その結果、以下のようなことが明らかになった。1)「pre-closing」:日韓それぞれに特徴的なものとして「総括の表現」(日)、「お互いの幸せや健康を祈る/明示的な終結宣言」(韓)が見られた。2)「closing」:<人間関係の再確認>において、「お詫びの表明」(日)、「再接触の要求」(韓)がそれぞれ特徴的なものとして観察された。<最終発話交換>において、韓国語の「어-[o:]」、「응-[u:ng]」が終結部を終了させる機能があること、「어-[o:]」は必ず「응-[u:ng]」の先に立つことが分かった。また、日韓の女性話者の終結部は日韓の男性話者の終結部より長くなる傾向が見られた。The purpose of this study is to find out in what process Korean and Japanese conversation end up telephone calls. Forty phone calls had made between friends among twenty Japanese and Koreans were used as data in this study. As a result, the following points were found. 1) 「pre-closing」: The distinctive differences were [summarization of the calls] (Japan), [bless each other's happiness and health/ the declaration (expression) of ending dialogues] (Korea). 2) 「closing」: As closing composing elements in the <reaffirmation of acquaintance>, [expression of the apologies] (Japan), [the request of recontact] (Korea) were collected. As closing composing elements in <terminal exchange>, the Korean expressions for "Good-bye" [o:], [u:ng] seemed to be used quite open in every case and they functioned as closing conversations in the phone calls. Meanwhile, compared with the length of closing conversations, the gender differences tend to be much considerable in both Korean and Japanese languages.
著者
Tran Thi Phan LY Thi Lien Khai NGUYEN Thu Tan 秋庭 正人 小笠原 夏絵 篠田 ダビデ OKATANI Alexandre Tomomitsu 林谷 秀樹
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.1011-1014, 2004-08-25
被引用文献数
5 45

2000年7月から10月に,ベトナム・メコンデルタの豚,鶏およびアヒルにおけるサルモネラの保菌状況を調べた結果,豚,鶏およびアヒルから,それぞれ5.2%(23/439),7.9%(24/302)および8.7%(31/357)の割合でサルモネラが分離された.また,分離された80菌株は25血清型に型別され,S.Javiana,S.DerbyおよびS.Weltevredenの割合が高かった.また,S.JavianaとS.Weltevredenが3種の家畜から共通して分離された.これらの結果から,これらのサルモネラはこの地域の家畜に広く分布していることが明らかとなった.
著者
鳥羽 三佳代 森脇 睦子 尾林 聡 伏見 清秀
出版者
一般社団法人 日本医療・病院管理学会
雑誌
日本医療・病院管理学会誌 (ISSN:1882594X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.215-222, 2017 (Released:2018-04-13)
参考文献数
25

【緒言】パクリタキセル・カルボプラチン療法(TC療法)薬剤を後発医薬品に変更したところ,婦人科外来化学療法症例において血管外漏出事例が増加し,先発薬への再変更により有害事象が減少した事例を経験したので報告する。【方法】2013年1月~2016年12月に外来TC療法を実施した婦人科症例を対象として診療録の後方視的調査を実施した(第1次先発医薬期:238件,後発薬期:141件,第2次先発薬期:158件)。【結果】血管外漏出発生率は第1次先発薬期:1.3%,後発薬期:9.3%,第2次先発薬期:1.6%と後発薬期に有意に増加していた(P<0.01)。年齢,TC療法回数,BMI,後発薬の有無を調整した多変量解析での後発薬の血管関連合併症のオッズ比は6.8(95%CI:4.1-11.3)であった。【結論】TC療法における後発医薬品使用は血管外漏出,静脈炎などの血管関連合併症を増加させた。
著者
井上 創造 木實 新一 小林 隆志 土田 正士 喜連川 優
出版者
日本データベース学会
雑誌
日本データベース学会letters (ISSN:13478915)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.81-84, 2006-06

学術会議は,口頭発表や資料による形式的な情報だけではなく,参加者が面と向かって交流をすることにより非形式的に情報交換ができるという点に意義があると言える.しかし,学術分野の専門化と細分化が進む今,初めて面と向かった参加者どうしに,互いのネームタグに書かれた情報だけで有意義な交流のきっかけが十分に用意されるとは言い難い.我々は,居合わせた参加者間の関係を発見し大画面に表示するシステム「DeaiExplorer」を開発し,数百人規模の国際学術会議において利用した.本システムは,居合わせた参加者が持つ RFID タグに反応し,文献データベースから参加者や他の著者をノードとするグラフを生成する.本論文では,利用で得られた結果を用いて,本システムが参加者間の関係発見にどのような影響を及ぼしたかを定性的,定量的に明らかにし,今後のシステム設計および研究課題の展望を示す.Academic conferences offer informal as well as formal opportunities to interact with each other. However, the physical appearance of participants and the information printed on their conference badges could not be enough to provide the effective opportunities. We developed "DeaiExplorer", which is an RFID application that discovers interpersonal connections by allowing collocated conference participants to mutually reveal their social networks on a large display device, and deployed it at a recent international conference. The system responds to nearby participants and dynamically derives inter-connected social networks from a publication database. We address the uncovered requirement for the system and challenges with the experience.
著者
林 健吾 青山 幹雄 古畑 慶次
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.1175-1191, 2018-04-15

本稿では,不確定要素の多いイノベーティブな新ソフトウェア製品開発において,プロトタイプに迅速にフィードバックを繰り返すことにより進化させるコンカレントフィードバック開発方法を提案する.著者らが従事している自動車ソフトウェア開発では,自動走行などに関わるまったく新たなシステムを,研究開発部門と共同で要素技術を開発しながら,かつ,短期間で高品質なシステム化を行うことが求められている.このため,実車両上にプロトタイプを構築する要求開発と,仕様を基にしたソフトウェア製品開発の2フェーズの開発方法を採用していた.しかし,この開発モデルでは,開発期間短縮と品質保証に問題があった.これに対して,要求開発におけるプロトタイプに迅速にフィードバックを繰り返して進化させる進化型プロトタイプの新たなモデルとして,コンカレントフィードバック開発方法を提案する.さらに,製品開発におけるコンカレントエンジニアリングの協調のアプローチを発展させ,協働してソフトウェア製品を進化させる3パターンのフィードバックループで構成するコンカレントフィードバックプロセスモデルを提案する.提案方法を,超音波センサを用いた自動車ソフトウェア開発に適用し,開発期間を短縮して外部品質を改善した結果から提案方法の有効性を示す.
著者
三部 良太 田中 匡史 小林 伸悟 小林 隆志
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.1150-1160, 2018-04-15

昨今の業務システム開発では,既存システムが存在し,その既存システムの仕様の一部踏襲を求められることが多い.しかし,既存システムには最新の仕様書が残っていることが少なく,踏襲すべき仕様の特定が困難になっている.この課題に対して,ログなどを用いて操作の流れのフローを復元する取り組みはあるが,ユーザと仕様の議論をするには粒度が細かすぎて,上記の用途には適さない.本稿では,既存システムからの業務フロー仕様の復元を目的として,システムの操作ログから詳細な業務フローを復元する手法および操作したユーザの組織情報を用いて業務フローの粒度を抽象化する手法を提案する.操作ログの一連の操作をクラスタリングし,代表となる操作を抽出することで,業務の全体像の俯瞰に適した抽象化を実現する.提案手法を実際のシステムで適用した結果に基づき手法の有効性を議論する.
著者
星野 裕司 萩原 健志 小林 一郎
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.339-348, 2001-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
14

本研究では、事象を含めた景観を考察するためには、事象の想起とそれへの参画を主要な機構とする場所論的把握が必要であると考え、そのモデル化のための1つのサンプルとして明治期につくられた沿岸砲台から得られる眺望景観に着目した。九州内の3要塞 (下関・佐世保・長崎) を対象に、各砲台から得られる眺望景観を事象パターンの相違に着目し、4パターンに分類した。それらのパターンに対して、場所論的な考察を行い、現在公園化が進んでいない「疾走型」、「斜行型」は、観察者・事象・眺めの関係の中で何れかに不備があり、公園化の進んでいる「擦過型」、「周流型」は、事象の想起あるいは参画の何れかが優れていることを明らかとした。
著者
大澤 義明 小野田 竜已 小林 隆史
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 = Transactions of AIJ. Journal of architecture, planning and environmental engineering (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
no.634, pp.2605-2612, 2008-12-30
参考文献数
26
被引用文献数
1

The cohort-component method is widely used for population projection of local governments in Japan. The purpose of the paper is to examine aggregation errors caused by the cohort-component method, which can account for age distribution. First, we show that the populations estimated at aggregated level frequently are less than those at disaggregated level by using municipality data in Ibaraki Prefecture. Second, we prove this tendency through a simple mathematical model using Lexis diagram by focusing on internal migration.
著者
小林 広一
出版者
早稲田文学会
雑誌
早稲田文学 〔第8次〕 (ISSN:03881970)
巻号頁・発行日
no.135, pp.p8-33, 1987-08