著者
種村 剛 小林 泰名
出版者
関東学院大学経済学部教養学会
雑誌
自然・人間・社会
巻号頁・発行日
vol.55, pp.95-133, 2013-07

本稿は、音楽を演奏する場としての喫茶店(カフェ)が現れた理由と、その機能についての考察である。先に、喫茶店が音楽を演奏する場としても機能していたこと、近年では新しいライブハウスの一形式としてライブカフェがあらわれたことを確認する。そして、札幌にあるライブカフェ、ムジカホールカフェの店長と、店で演奏するミュージシャンにインタビューをおこない、ライブカフェを経営する理由、音楽に対する考え方、ミュージシャンがライブカフェで演奏する理由を明らかにした。その結果、ライブカフェが、地元のミュージシャンとファンをつなげるパブリック・スペースとして機能していたことを示す。
著者
林 賢紀
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.242-247, 2008-05-01

本稿では,Web上の検索エンジンについて標準的な検索手法になりつつあるOpenSearchについて概説するほか,1)OPACを題材として,図書館システムに標準で用意された検索ページを解析し,タイトル検索のみ可能なシンプルな検索ページへ再構成を図ることで検索に必要な最小限の要素の把握,2)OpenSearch Descriptionファイルを作成し,Firefox上から直接OPACを検索するプラグインの作成,3)作成した検索プラグインの設置とインストール方法について解説する。
著者
林 隆之 山下 泰弘
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.665-679, 2011 (Released:2011-03-01)
参考文献数
7
被引用文献数
2

大学評価の制度化,組織単位の競争的資金の増加,大学の機能別分化など,大学が組織として研究活動の自己分析を行い,戦略を形成していくことが求められる状況が増している。本稿では,まず国立大学評価の方法を概観し,大学における研究活動の自己分析にどのような能力が必要となっているかを説明する。その上で,ビブリオメトリクス手法を用いて,国立大学の法人化以降の日本の大学の状況を生産性や集中度の状況から分析する。さらに,研究分野の多様性を実現している構造や学内での研究重点化の状況を事例的に分析することを通じて,各大学で求められる自己分析の視点を検討する。
著者
小林 雄一郎
出版者
東洋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、自動採点の技術を用いて、第二言語としての英語学習者(外国語としての英語学習者を含む)の話し言葉の習熟度を自動評価するものである。本研究では、NICT JLE Corpusを主な分析データとし、Biber (1988) で用いられている言語項目に関する情報をデータに付与した。そして、分析に用いた手法は、他の手法よりも比較的高い分類精度が得られると報告されているランダムフォレスト法である。その結果、9段階の習熟度を61.28%の精度で正しく分類できた。これは、ベースラインの精度よりも37.63ポイント高いものである。また、分類に大きく寄与した言語項目は、前置詞、人称代名詞などであった。
著者
小島 峯雄 福田 信臣 川井 夫規子 広瀬 洋 大島 健次郎 小林 成禎 高橋 善弥太 足立 信幸 眞弓 忠
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.250-255, 1978-03-25 (Released:2010-01-19)
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

昭和50年7月より昭和52年7月までに岐阜県立岐阜病院第2内科に入院したB型急性肝炎の独身を除く16同居家族の調査を施行した.家族構成は夫婦のみ1組,子供のある夫婦15組であった.夫婦のB型急性肝炎5組が発見され,いずれも約4ケ月の間隔で発症し,夫婦間感染が推定された.発端者の入院1週以内の調査により,子供を有する15家族のうち12家族(80%)に子供のHBs抗原陽性者が28例中14例に認められ,その1例を除く全例がHBc抗体高力価陽性で,HBウイルス持続感染者と考えられた.その年齢は1歳3ケ月から6歳であったが,3歳以下の乳幼児15人中12人(80%)がHBs抗原陽性であった.HBs抗原陽性の子供を持つ親の急性肝炎の初発は妻9例に対し夫3例で,この結果HBウイルス持続感染の子供から親特に母親にHBウイルス感染がおこり,急性肝炎が発症すると推定した.HBウイルス持続感染の子供,B型急性肝炎の一部の感染源として,医療との関係を考慮する必要があるものが存在した.
著者
松坂 尚典 山川 洋司 佐藤 至 津田 修治 小林 晴男 西村 義一
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.214-218, 1997-04-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
11
被引用文献数
1 3

妊娠17日目のマウスに137Csを1回静脈内に投与した後, 胎子および母体臓器における137Csの取込みを放射線測定およびマクロオートラジオグラフィによって調べた。投与後24時間目の胎子1匹あたりにおける取込み量は投与量の0.8%で, 1腹あたりに換算すると投与量の11%となった。さらに, 投与後24時間目における胎子各臓器の137Cs濃度は0.4-0.8%/gであったのに対して, 母体各臓器の濃度は2-6%/gであり, 母体臓器における濃度のほうが胎子臓器の濃度よりも4-6倍ほど高くなった。特に, 母体の器官のなかでも唾液腺が最も高い濃度を示し, 投与後1時間目および24時間目では, それぞれ25%/gおよび6.4%/gとなった。唾液腺は甲状腺に近接して存在しているので, 唾液腺における137Csの顕著な取込みについて注目する必要がある。マクロオートラジオグラムの所見は, 放射線測定によって得られた結果を支持するものであり, カラーで示された像は137Csの臓器分布を視覚的に捉えるのに役立つ。

6 0 0 0 OA 米国教育年表

著者
小林正雄 訳
出版者
文部省
巻号頁・発行日
vol.巻之1, 1876
著者
菅原 真悟 鷲林 潤壱 新井 紀子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.135-146, 2012

児童がサイバー犯罪の加害者となるケースの増加にともない,「情報倫理」や「法の理解や遵守」を習得させるための情報モラル教育の必要性が増している.しかし,著作権のような抽象度が高く日常生活とも関わりが少ない概念を,児童が理解することは難しい.本研究では,このような抽象的な概念を教えるための,効果的・効率的な教授法について分析を行った.情報モラル教育の教授法を(1)教材中心の「教材」型授業,(2)体験中心の「体験」型授業,(3)その両方を行う「両方」型授業の3つに定義・分類し,埼玉県K小学校5・6年生を対象に,3つの教授法による学習効果を比較する実践授業を行った.その結果「両方」型授業は,児童が体験したことを,教材を用いて言語化して理解できるため,抽象的概念を理解させるのに効果的であり,かつ他の教授法と比べて情報化社会に参画しようとする意欲を育む効果があることが示された.
著者
牧 紀男 三浦 研 小林 正美
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.60, no.476, pp.125-133, 1995
参考文献数
17
被引用文献数
12 4

In Japan, there were some serious disasters in recent years. In 1991, Unzen-Fugendake erupted and more than 1,000 people were forced to take refuge from their houses. In 1993, Hokkaido-Nanseioki earthquake attacked the south-east area of Hokkaido and more than 3,557 houses were destroyed. In Japan, the government supplies the temporary housing to those who lost house from the natural disasters. The purpose of supplying temporary house mentioned in the disaster relief law (established in 1947) and prescribes the purpose of temporary housing that to rescue the poor who can not afford getting a shelter with their own funds. But actual condition of temporary housing is completely different. Government supplies temporary housing to all those who request temporary housing. The term of using temporary house tend to become longer. The regulation about temporary housing has not been already up to dated. Many problem concerning about temporary housing originates in outdated regulation. The temporary housing have to be ranked in the part of restoration process from natural disaster.
著者
小林 茂 遠藤 孝則 蛭田 直 赤羽 亨
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.56, pp.66-67, 2009-06-20
被引用文献数
1

It has been noted that in recent years collaborations between designers and engineers will be key to developing products that provide rich user experiences. However, there are gaps between designers and engineers. We have been trying to develop a common language through designing toolkits and workshops. In this paper, we will introduce our activities and experiences: Funnel toolkit and physical computing workshops for designers, engineers and students. By using the Funnel toolkit and experiencing workshops, designers will be able to handle events in "the physical" in the same manner as events in the GUI world, and develop working prototypes in a short time. We also mention future possibilities of our methods.
著者
平林 幹雄 江渡 浩一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.29-37, 2007-03-15

全文検索システムの転置索引を実現するにあたり,テキストデータからN-gram法によって切り出したトークンを検索キーにする手法が広く用いられている.この手法には,言語中立性や再現率の完全性という利点がある反面,索引ファイルのサイズが肥大化して空間効率が悪化するという欠点がある.検索の際にクエリから切り出した各トークンが対象文書のテキスト内でも連接しているかどうかを判断するためには,索引ファイル内にトークンの文書内での出現位置を記録しておくことが必要となるが,この位置情報が索引ファイルの肥大化の一因となっている.本稿では,N-gram法の欠点である索引ファイルの空間効率を改善する手法として,N.M-gram法を提案する.N.M-gram法では,各トークンの文書内での位置情報のかわりに後続のトークンのハッシュ値を用いることによって,N-gram法の利点である言語中立性や再現率の完全性を保持したまま,空間効率を改善することができる.When constructing inverted index for full-text search system, using N-gram is very popular for tokenizing text data of target documents. Although the method has many advantages like language neutrality and perfect recall ratio, it has also shortage that the index file becomes large. The tokens extracted from documents tend to be enormous. The system needs to record each offset of tokens into the index file because the offset is used for checking adjacency of tokens. The index file tends to be large because of the offset. In this paper, we describe N.M-gram method, which improves space efficiency of N-gram. The method uses hash values of succeeding tokens instead of offset in each document. The method can improve space efficiency without losing advantages of N-gram.
著者
小林 康江
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.117-124, 2006-04
被引用文献数
2

本研究の目的は,母親が自ら「できる」と思える子育ての体験を記述することである。それにより,産後の母親のケアの示唆を得ようとするものである。研究方法は,退院後1ヵ月健診まで実家に里帰りをした初産婦5名を対象に,家庭訪問と半構成的面接法を実施した。分析は,母親が育児について語っている文脈を事例ごとに抽出し記述した。その結果,産後1ヵ月の母親は,母親自身で「できる」と思える子育ての体験がある母親と,「できる」と思える体験のない母親がいることが明らかとなった。「できる」と思える子育ての体験のある母親の状況は「自分の努力と導きから実母と同じように世話ができること」「消去法から体感覚を用いて子どもの泣きの理由がわかること」「余裕をもてること」「試行錯誤と,家族・看護者の支援によって効果を実感すること」であった。また「成長している子ども。成長していないながらも母親になっている私」「応援したくなるかわいい子ども。子育てに自信がもてた私」「私を必要としている子ども。子どものことをわかってあげられる,余裕がある私」と母親自身と子どもとの関係をとらえていた。一方,「できる」と思える体験がない母親は「こだわりをもち続けること」「子育てと生活をコントロールしたい」というように育児をしていた。そして子どもと母親自身の関係を「私を嫌う子ども。がんばりが足りない,取り残される私」「思うようにならない子ども。子どもから嫌われている私」ととらえていた。