著者
太田 安彦 清水 淳三 小田 誠 林 義信 OSARI Ayumi 梶田 剛司 渡辺 洋宇
出版者
The Journal of the Japanese Association for Chest Surgery = 日本呼吸器外科学会雑誌
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 = The journal of the Japanese Association for Chest Surgery (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.539-544, 1996-05-15
参考文献数
16
被引用文献数
5

最近われわれは, 稀な胸腺腫瘍の2例を経験した.症例1は72歳, 女性の胸腺に発生した悪性黒色腫であった.悪性黒色腫の胸腺発生例は本邦報告史上2例を認めるのみであり, 本例は第3例目に相当した.腫瘍は6.5×5.5×3.5cm大の被包化された充実性腫瘍であった.周囲組織への浸潤はなく, 周囲のリンパ節に転移はなかった.原発巣不明黒色腫の転移の可能性は否定しきれないが, 胸腺原発を最も疑った.正常胸腺を含めて腫瘍を摘出した。術後5ヵ月を経て再発なく生存中である.症例2は21歳男性に発生した胸腺脂肪腫であり, 周囲の脂肪組織を含めて腫瘍を摘出した.摘出腫瘍の重量は390gであり, 重症筋無力症の合併はなかった.
著者
経塚 雄策 梶原 宏之 柏木 正 中村 昌彦 磯辺 篤彦 濱田 孝治
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

平成19年度の研究では特に水車の起動トルクを大きくするために回転軸にサボニウス形水車を取り付けることを試みた。サボニウス形水車は、半円形のバケットを複数個組み合わせた水車でバケットの抵抗が流れの方向によって変化することを利用する。起動トルクが大きいので、ダリウス形水車と組合せることによって低回転から高回転までの広い範囲で良好な性能を期待できると予想された。はじめに半円形バケットの流力特性を求めるために風洞実験により、半円形バケットの定常流中の揚力、抵抗およびモーメント係数を求めた。次に、回流水槽において、流れの中でサボニウス形水車を回転させてトルクを計測した。さらに、サボニウス形水車とダリウス形水車を組合せて回流水槽で実験を行った。サボニウス形水車により低回転域では起動トルクが大きくなり起動特性は改善されたが、一方、ダリウス形水車が高性能を発揮する高回転域においてはダリウス形水車単独の方が高性能であることが判明した。これは、サボニウス形水車を付加することによって水車周りの流れが変化するためであると考えられ、結局は起動トルクをとるか、水車効率をとるかの選択になるものと思われるが、無回転では水車効率はゼロとなるので我々の場合にはサボニウス形水車を付加することを選択した。最後に、曳航水槽において48極コアレス発電機(1KW)によって発電実験を行い、発電量から最終的なパワー係数を求めたところ最大で約0.2を得た。これは、発電機効率が0.7くらいとみられるので、水車効率としては約0.3であり、良好な性能であると思われた。この実験結果を用い、長崎県生月大橋の橋脚横で実海域実験を行うプロトタイプのダリウス-サボニウス形水車を製作し設置を行った。
著者
佐藤 久美子 梶川 祥世
出版者
玉川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、外国語学習において歌を通して単語を一定期間反復聴取することは、音声言語発達を促進し、第二言語習得に効果的であるという仮説を立てこれを検証した。2 歳-3 歳の幼児と6 歳~11 歳の児童を対象として一定期間英語歌を聴取させ、英語反復力及び発音力を測定した。これにより母語と非母語の音声処理の関係が8 歳頃を境に変化することを明らかにし、幼児においては歌聴取による非母語反復能力の促進を確認した。
著者
横山 伊徳 中野 等 箱石 大 杉本 史子 高野 信治 吉田 昌彦 井上 敏幸 井上 敏幸 梶原 良則 小宮 木代良 杉本 史子 高野 信治 宮崎 修多 吉田 昌彦
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

天領豊後日田の広瀬家に伝わる未整理の史料群(大分県日田市・広瀬資料館所蔵「広瀬先賢文庫」)について文書構造を検討して目録を作成し、研究・教育に活用可能な状況を創り出した。また、同史料に基づく共同研究を実施し、近世後期から幕末維新期にかけての広瀬家を中心とする地域ネットワークの実態を、政治情報・経済情報・思想言説という、三つの視角から究明し、報告書にまとめた。
著者
松本 健志 小笠原 康夫 片岡 則之 後藤 真己 梶谷 文彦 MOCHIZUKI Seiichi MATSUMOTO Takeshi TACHIBANA Hiroyuki
出版者
川崎医療短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

【目的】糖尿病に認められる血液レオロジーの変化は微小血管分岐部における血流分配にも影響し,局所的に心筋酸素需要-供給バランスを悪化させ,糖尿病と高率に合併する冠微小循環障害の原因になり得ると考えられる.本研究では血液レオロジー変化がもたらす心筋血流異常について基礎的検討を行うために,血液,タイロード溶液,および人工赤血球+血液による摘出潅流心モデルを対象に,冠微小循環単位レベル(最小の細動脈が潅流支配するサブミリメートルサイズの心筋微小領域)で心筋潅流分布評価を行った.【方法】血液,NRC+血液潅流では交叉潅流モデルを用いて潅流液を酸素化し,タイロード溶液については酸素バブリングにて心筋潅流を行った.人工赤血球にはテルモ社製Neo Red Cell(NRC,粒子径=200nm)を利用した.各潅流液での潅流中に血流マーカーであるHDMI(2μCi)を心筋内ボーラス投与し,心停止後,心表面に平行に心筋スライスを作製し(10μm厚,28枚/心筋),デジタルラジオグラフィによってスライス内のHDMI分布を測定した(空間分解能100μm).潅流分布の評価には,局所血流の不均一性の指標である変動係数(CV[%]=局所HDMI密度の標準偏差/HDMI密度の平均)を用いた.【結果及び考察】潅流量,左室発生圧は,NRC+血液潅流心では5.4±0.4ml/min/g,109±6mmHg,血液潅流心では2.8±0.1ml/min/g,108±15mmHg,タイロード潅流心では13.6±2.7ml/min/g,107±18mmHgであった.なお,NRC潅流ではヘマトクリット,リポソームの体積率は各々20±1,9±2%であった.局所心筋潅流のバラツキCVはタイロード溶液潅流心で最も低く,次いでNRC+血液潅流心,血液潅流心で最も大きかった.NRCは赤血球径の1/40であることからNRC+血液の粘性は血液に比べ低く,その結果,潅流量は増加し,さらに潅流不均一性の低下が認められた.加えてNRC添加により酸素供給不均一化の原因となる微小血管分岐でのプラズマスキミングも低減すると考えられ,NRC代謝改善効果に寄与するものと考えられた.
著者
梶田 昭
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.502-502, 1979-05-25

東京女子医科大学学会第233回例会 昭和54年2月23日 東京女子医科大学本部講堂
著者
梶田 昭 上田 国臣
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.499-499, 1974-05-25

東京女子医科大学学会 第188回例会 昭和49年2月22日 東京女子医科大学本部講堂
著者
梶原 健佑
出版者
山口大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

表現の自由との緊張関係を孕むにもかかわらず、これまで十分に考究されてこなかった「名誉感情侵害」不法行為に焦点を当て、アメリカ不法行為法のIntentional Infliction of Emotional Distressとの比較から、「感情」という主観的法益の保護と表現の自由保障との調整法理を検討した。他のTortious Speechと同様に、表現の対象者と表現のテーマの両面からのアプローチが効果的と考えられる。また、調整にさいしては、結論を準則のかたちで得ることが望ましい。
著者
角 知憲 外井 哲志 大枝 良直 梶田 佳孝 松永 千晶 小林 敏樹
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

九州地方の中小都市を対象に、高齢化と人口減少がもたらす都市の閑散化・低密度化と高齢者の日常的な交通の実態を調査した。さらに、将来の年齢構成に基づいて交通需要を予測し、それを支える交通システムと都市の改造の方向性を検討した。その結果、軽便な軌道交通システムと進歩した情報システムを用いた効率的な公共交通網とそれに沿って住宅やショッピングセンターなどを適切に再配置する必要と、そのために都市の土地利用を誘導し規制する方策が求められることが判明した。
著者
梶 幹男 沢田 晴雄 斉藤 俊浩 斉藤 登 中山 勇 赤岩 朋敏 伊藤 幸也
出版者
東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林
雑誌
東京大学農学部演習林報告 (ISSN:03716007)
巻号頁・発行日
no.85, pp.p49-66, 1991-07
被引用文献数
1

1989年2月25日から26日にかけて東京大学秩父演習林栃本作業所管内の森林に大きな雨氷害が発生し,人工造林地での被害は本数18,931本,材積3,711m3,面積は23.6haに及んだ。しかも被害の発生した標高域はほぼ900~1,450mの範囲に限られていた。そこで雨氷現出の原因となったと思われる要因解析を行った。まず滑沢(標高1,150m),突出峠(1,650m)両地点の自記々録を比較した結果,この頃ここに明かな気温の逆転を生じていたことが判明した。しかも同じ時間帯に少し下方の栃本観測所(標高770m)で34.5mmの降雨が記録されていた。従って,雨氷害発生の経過についてこの時のこの雨が冷たい気層の中を落下する間に十分に冷やされて過冷却状態になり,それが枝,葉に当って瞬時に氷結し,着氷量を増加させていった。そしてこの着氷の荷重によって幹や枝が損傷を受け,雨氷後の強風がその被害を一層大きくしたものと推定された。また造林樹種のうち,カラマツが本数,材積ともに最も大きな被害を受け,総被害量の76%を占めた。被害形態を樹冠部の折損,幹の傾斜・湾曲,主幹の折れ,根倒れの四つに区分し,樹種別の被害率を求めた結果,樹冠部の折損はヒノキ,幹の傾斜・湾曲はカラマツ,主幹の折れは二葉松類,根倒れはスギでそれぞれ最も高い値を示した。そこで,カラマツ,スギ,ヒノキのそれぞれについて,雨氷害と地況および林況要因との関係を明かにするため,数量化I類による多変量解析を行った。解析に用いた七つのアイテムのうち,六つには樹種間で一定の傾向は認められなかったが,標高のみで,3樹種とも1,100~1,200mの範囲を中心に高いスコア値が認められた。このことは,今回の雨氷害の中心がこの標高域にあり,そこで着氷量が最も多かったことを示唆するものである。The glaze occurred at various places in Kanto from the 25th. to the 26th. in February, 1989 gave heavy damages to the manmade forests in Tochimoto District of the Tokyo University Forests in Chichibu, totals of 18,931 in the number, of 3,711m3 in the stem volume and of 23.6ha in the area (Table 2, 3). And most of these damages were found in restricted altitude ranges from 900 to 1,450m a.s.l.. For the purpose to search out main factors having caused these glaze damages, various analyses were carried out. The comparison of the temperature records taken from Namesawa (1,150m a.s.l.) and Tsundashitouge (1,650m a.s.l.) during the period concerned obviously clarified that the invasion of temperature occurred between these two altitudes (Fig.1). On the other hand, the rainfall of 34.5mm was recorded at Tochimoto observatory (770m a.s.l.) during the same period (Fig.3). It can be supposed from these two facts that the rain water was cooled to the over-cooled condition fallen passing through cold atmospheric layer below, and consequently it was frozen and turned to ice as soon as it dropped on branches and leaves, and fixed and accumulated on them. Therefore, stems and branches were broken by the heavy load of ice, and furthermore the damages were enlarged by strong wind blown after the glaze (Table 1). Among the manmade forests of different species, stands of Japanese larch (Larix kaempferi) were nost severely damaged showing 76 per cent of the total damage both in the number and the stem volume. Having classified the damages of stand trees into four types, i.e., crown breakage, stem leaning, stem breakage and up rooting and surveyed the degrees of damage of every tree species, it was known that the percentage of crown breakage was the highest in the stands of hinoki cypress (Chamaecyparis obtusa), that of stem leaning in Japanese larch, that of stem breakage in the species of hard pines, and that of up rooting in cryptomeria (Cryptomeria japonica), respectively. For the purpose of analysis of causal relations between the degree of glaze damage and the factors of topographical and or stand conditions, several stands of Japanese larch, cryptomeria and hinoki cypress were subjected to quantification analysis Quant-1, for which five items for topographical factors and two items for stand conditions were selected (Table 6-8). Among the seven items, six did not present any obvious relation among the stands. But a category of 1,100-1,200m in the item of altitude alone was significantly related to the occurrence of glaze damage in the stands of every species. This fact suggests that the amount of ice deposition was the largest in this range of altitude which caused heavy damages.
著者
佐藤 昭人 森本 紳一郎 本多 忠光 豊田 充康 嶋田 誠 藤波 睦代 梶田 昭 中谷 雄三 鈴木 忠 織畑 秀夫
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.470-470, 1984-05-25

東京女子医科大学学会第257回例会 昭和59年2月17日 東京女子医科大学第二臨床講堂
著者
丸田 恵美子 梶 幹男 及川 武久 上村 保麿 末田 達彦 池田 武文
出版者
東邦大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

中部日本の日本海側の山岳域では、森林限界は亜高山帯常緑針葉樹からなり、高山域では低木のハイマツ(Pinus pumila)群落が発達して、多雪に守られた独特の景観を形作っている。しかし、今後予想される気候温暖化に伴って少雪化が進むと、積雪の保護がなくなって、高い標高域での環境ストレスはむしろ増大することも予想される。そこで本研究では、(1)日本海側から太平洋側への冬季の環境傾度に沿って、森林限界付近で樹木が受ける環境ストレスを明らかにし、(2)日本海側の山岳として乗鞍岳(標高3026m)をとりあげ、その森林限界の優占樹種である常緑針葉樹のオシラビソ(Abies mariesii)に対して、冬季の積雪がどのように樹木を保護しているのかを明らかにするための調査を行った。太平洋型気候の山岳域では、冬季に土壌や幹が凍結して吸水が停止している期間に、乾燥した晴天が続くので、葉からのクチクラ蒸散が多く、枝での貯水だけではまかなうことができずに、シュートが枯損することが、最も重要なストレスの要因であった。一方、多雪の日本海側の中部山岳地域・乗鞍岳の森林限界では、冬季の乾燥は致死に至るほどではないものの、仮導管内の通導阻害が生じる。この通導阻害は、8月下旬に新しい木部の形成が完了するまで、気孔コンダクタンスを低下させるという形で残存し、年間の光合成量を減じているとみられる。さらにオオシラビソは3月から4月にかけて積雪面より上の幹の針葉が強光障害を受けて褐変枯損する。その結果、積雪面より上のシュートの針葉の寿命は短く、偏形化し、やがては物質生産の不均衡から幹は枯損する。しかし、積雪面以下の枝では雪に保護されており損傷を受けることはなく、針葉の寿命も長く密生し、この部分の物質生産が、枯損した幹の再生を支えていると考えられる。温暖化に伴って少雪化が進んだ場合、針葉の乾燥ストレスは致死に至るほど進み、物質生産の主な担い手である積雪面下の現存量も減少し、枯損幹の再生を支えられず、オオシラビソの生存ができなくなることも予想され、森林限界の下降を引き起こすかもしれない。したがって、積雪に保護されて成立している現在の森林限界や高山域の景観の維持は困難となる可能性がある。
著者
加藤 弘之 陳 光輝 厳 善平 日置 史郎 梶谷 懐 宝劔 久俊 唐 成 中兼 和津次 丸川 知雄
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、中国長江デルタの農村地域を対象として、企業の集中・集積、農地の流動化と不動産開発、出稼ぎ者の流入と定着の実態を、独自に収集したミクロデータの計量的分析を通じて明らかにした。また、空間経済学の手法に基づき、地理情報つき企業データを利用して産業集積地図を作成した
著者
宮岡 礼子 大仁田 義裕 小谷 元子 山田 光太郎 岩崎 克則 梶原 健司 中屋敷 厚 長友 康行 佐々木 武 岩崎 克則 大津 幸男 梶原 健司 長友 康行 中屋敷 厚 山田 光太郎 二木 昭人 マーティン ゲスト ウェイン ラスマン 庄田 敏宏 入谷 寛 石川 剛郎 梅原 雅顕 川久保 哲 田丸 博士 藤岡 敦 松浦 望 西納 武男
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

等径超曲面の分類問題の大部分を解決し,運動量写像で表現することにより,可積分系理論との関連性を根拠づけた.特異点をもつ曲面の基礎理論を進展させ,種々の局所・大域理論を明らかにし,ルジャンドル写像を用いた新しい視点を開発した.リーマン・ヒルベルト対応を介してパンルヴェ方程式の力学系を研究し,カオス性の観点を開拓した.高種数Gromov-Witten理論のモジュラー性,ミラー対称性を論じ,また量子コホモロジーから得られる正則微分をポテンシャルにもつ曲面の構成を通じて,tt*幾何に貢献した.