著者
森 俊夫 影山 隆之
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.135-142, 1995 (Released:2009-03-27)
参考文献数
31
被引用文献数
14 13

病院看護者の精神衛生と職場環境との関係を検討するために, 3病院471名の看護者を対象に自記式質問紙調査を行った. GHQ-60による評価では,対象者は明らかに一般集団よりも精神的不健康度が高かった.精神的不健康度は,最近1カ月の休日数と負の関連,「判断の難しい仕事」「患者の死との直面」というストレッサーと正の関連があった.同僚との対人関係には,「判断の難しい仕事」というストレッサーに対する緩衝効果がみられた.以上より病院看護者の精神衛生のために,勤務時間に関する労働環境面の対策,現職教育を含む職場のソーシャルサポートに関する対策,および職場での心理的サポートシステムなど個人の耐性を高める対策の3つの次元にわたる対策が必要と考えられた.
著者
山田 鑑照 尾崎 朋文 松岡 憲二 坂口 俊二 王 財源 森川 和宥 森 俊豪 吉田 篤 北村 清一郎 米山 栄 谷口 和久
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.27-56, 2006-02-01
参考文献数
43
被引用文献数
2

経穴研究委員会 (前経穴委員会) は福岡で開催された第54回全日本鍼灸学会学術大会ワークショップIIにおいて、経絡・経穴について3つの検討テーマを6名の委員により報告した。<BR>第1テーマ : 経絡・経穴の解剖学的検討<BR>1) 経絡と類似走行を示す解剖構造について (松岡憲二) : 遺体解剖による経絡の走行と神経・血管の走行との類似性についての研究。<BR>2) 上肢経絡・経穴の肉眼解剖学的研究 (山田鑑照) : 豊田勝良元名古屋市立大学医学部研究員の学位研究である上肢経絡・経穴の解剖学的研究紹介並びに山田の研究として皮下における皮神経・血管の走行と経穴・経絡との関係についての報告。<BR>第2テーマ : 日中における刺鍼安全深度の研究<BR>1) 中国における刺鍼安全深度の研究と進展状況 (王財源) : 中国刺鍼安全深度研究で権威のある上海中医薬大学解剖学教室厳振国教授のデータの紹介と最近の中国における刺鍼安全深度研究の進展状況報告。<BR>2) 経穴の刺鍼安全深度の研究を顧みて (尾崎朋文) : 尾崎が今まで発表してきた経穴部位の刺鍼安全深度の研究並びに厳振国教授のデータと同じ経穴との比較研究。<BR>第3テーマ : 少数経穴の臨床効果の検討<BR>1) 少数穴使用による鍼灸の臨床効果 (坂口俊二) : 1~4穴使用による鍼灸臨床効果ついての医学中央雑誌文献の検索・分析。<BR>2) 合谷-穴への各種鍼刺激が皮膚通電電流量に及ぼす影響 (森川和宥) : 合谷穴-穴への置鍼刺激、直流電気鍼刺激、鍼通電刺激が皮膚通電電流量に及ぼす影響についての研究。
著者
田家 哲彦 前山 巌 山崎 堯二 大森 俊一
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.43-46, 1976-06-10 (Released:2010-02-25)
参考文献数
9

Three femoral heads with non-traumatic aseptic necrosis were excised surgically, and then investigated histologically.Case 1: 57 year-old female with aseptic necrosis of femoral head associated with osteoarthritic features.Case 2: 47 year-old female, after steroid therapy for sarcoidosisCase 3: 34 year-old male, following steroid therapy for systemic lupus erythematosus.There were no specific histological findings in three cases, which are related to the original disease.
著者
竹森 俊平
出版者
慶應義塾経済学会
雑誌
三田学会雑誌 (ISSN:00266760)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.267-274, 2000-04

研究ノート序Greenwood=Jovanovicの理論モデル日本の経済不振と東アジアの経済危機ナスダックか? ダウ・ジョーンズか?結びにかえて : 日本経済の転換? 景気回復?
著者
森 俊夫
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.82-82, 2003

目的 パターンや形態の視覚的特徴は複雑で、正確にその情報を伝えることは難しい。しかしながら、パターンなどの多種多様な視覚的情報が感覚的、心理的に働いて、われわれに美しいとか快いという感情を与える。このような視覚パターンの最も具体的なものが画像である。画像は空間上の各画素がどのような情報をもち、どのように分布しているかによって規定される視覚情報である。本研究では画像を構成する基本的なパターン要素の種類や個数、位置などを変化させて、パターンの視覚的特徴と美しさについて検討する。方法 試料画像は正方形や円などの基本的パターン要素の個数や位置などを変化させて作成した白黒濃淡画像を用いた。画像解析により、これらのパターン画像の角二次モーメント(ASM)、コントラスト(CON)、相関(COR)、エントロピー(ENT)、グレイレベル平均(MIU)およびフラクタル次元(D)を算出した。また、パターンの美しさに関する官能検査を3段階評価で行なった。結果 正方形などのパターン要素の個数が増大すると、パターン全体の一様性や均一性が失われ、局所的変化や情報量、複雑性は増大した。正方形などのパターン要素の個数を一定にして、それらの位置をランダムに変化させた場合には、視覚的特徴に変化はみられなかった。しかしながら、正方形(一辺20ピクセル)と円(直径20ピクセル)の組み合わせでは、正方形の個数を増大(円の個数は減少)させると、パターン全体の不均一性や局所的変化が増大した。ENTを秩序の、Dを複雑さの尺度と考え、バーコフの美的測度を算出した。これと美しさに対する官能評価値との間には比較的よい一致が見られた。
著者
森 俊治 長谷川 洋 小木曽 清二 坂本 英至 伊神 剛 太平 周作 服部 弘太郎 水野 隆史 杉本 昌之 深見 保之
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.1239-1243, 2002-05-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

症例は79歳の男性で,パーキンソン病があり,抗パーキンソン病薬を内服していた.日常生活は介助により起立が可能だが,ほとんど臥床の状態であった.主訴は心窩部痛,腹部膨満で近医よりイレウスの診断で紹介となった.腹部に巨大なガス像を認め, S状結腸軸捻転症を疑い緊急内視鏡検査を行ったが,上行結腸の肝彎曲部まで正常であった.腸閉塞の診断で経過観察していたが,改善が見られず手術を行ったところ,盲腸は反時計方向に180度回転し,さらに頭側に180度屈曲して盲腸が横行結腸と癒着して著明に拡張していたため,盲腸軸捻転症と診断した.自験例はその誘因としてパーキンソン病と長期臥床による大腸のatonyが深く関与していると考えられた.
著者
藤森 俊二 高橋 陽子 江原 彰仁 小林 剛 瀬尾 継彦 三井 啓吾 米澤 真興 田中 周 辰口 篤志 坂本 長逸
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.1, pp.50-57, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
15
被引用文献数
3

原因不明消化管出血(OGIB)は,原因検索追求の程度・再発性の有無により多種の消化管病変を含む.本邦では上下部消化管内視鏡を施行して原因が不明な消化管出血をここに含むことができるが,出血源が上下部内視鏡で検索が困難な小腸に存在するとは限らない.小腸内視鏡の進歩により50%近いOGIBの出血源を発見・診断・治療可能になった.同時に非ステロイド性抗炎症薬服用OGIB患者の出血源が高率に小腸潰瘍性病変であることが明らかとなり対策が求められている.
著者
馬ノ段 梨乃 森 俊夫 飯島 優子 福島 南 五十嵐 良雄
出版者
日本ブリーフサイコセラピー学会
雑誌
ブリーフサイコセラピー研究 (ISSN:18805132)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.25-36, 2013

近年,労働者を対象とした復職支援プログラム(リワークプログラム)が注目を集めている。本稿では,筆者が作成した「SFAの手法を用いた体験型の心理教育プログラム」に関して,提供したプログラムの内容を紹介し,リワークプログラムへの適用可能性について検討したい。プログラムは1回2時間,全8回の講義とワークから構成され,ウェルフォームド・ゴール,ミラクル・クエスチョン,スケーリング・クエスチョン,タイムマシン・クエスチョン,リソース,外在化,アサーション等の概念を含むものとした。プログラムを導入した結果,SFAに対する意見としては,より簡単に理解できる,身近に感じられるといった意見が得られた。一方で,抽象的なメタファーやイメージが多く,理論的な学習を好む利用者にとっては理解が難しい様子もみられた。今後は,効果評価を含めて,プログラムの検討をさらに進めていくことが望まれる。
著者
中村 厚彦 尾上 英俊 森 俊 廣田 高志 大久保 昭史郎 植木 貴之 村岡 邦秀
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.660-663, 2014-09-25 (Released:2014-11-11)
参考文献数
11

踵骨骨嚢腫3例の手術治療を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.症例は7歳男児が2名,12歳女児が1名であり3症例とも踵部痛で来院した.画像検査で踵骨骨嚢腫と診断した.運動時痛があり,嚢腫のサイズも大きかったため全例に病巣掻爬,人工骨移植(β-TCP)を行った.平均経過観察期間は23ヵ月(13-36ヵ月)であった.経過観察期間中,単純X線で嚢腫の再発は認めなかった.諸家の報告と同様に踵骨骨嚢腫に対する病巣掻爬,人工骨移植は有用な治療法と考えられた.
著者
小川 達哉 田中 直行 小森 俊昭 柴野 成幸 椿 昌裕 砂川 正勝
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.216-220, 2001-01-25 (Released:2009-08-24)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

症例は, 29歳女性.下腹部痛を主訴として,近医受診し,鎮痛剤および点滴等の治療を受けたが症状の改善がみられず,当院産婦人科受診となった.婦人科にて骨盤内腹膜炎疑いで保存的加療を行ったが,症状は悪化し当科紹介となった.腹部CT検査により,子宮筋腫および膀胱子宮間に存在する索状物による絞扼性イレウスを疑い緊急手術を施行した.術中所見では子宮筋腫と膀胱との間に索状物が存在し,回盲部の高度炎症および回腸末端から口側約110cmにわたる小腸壊死を認めた.子宮筋腫と膀胱との間に索状物があり,子宮膀胱間を連結し,膀胱子宮窩がヘルニア門となり絞扼性イレウスが生じたものと考えられた.この索状物は,中腎傍管が癒合し子宮広間膜を形成する際に形成されたものであろうかと推測された.
著者
金森 俊雄 岩井 大輔 佐藤 宏介
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.263-266, 2015

In this paper, we aim to manipulate user's perceived shape of a curved surface by using pseudo-haptics in projection-based mixed reality. We investigate how we can change the shape which a user feels when touching a curved surface with an index finger, by projecting his/her shifted hand image onto the user's own hand. We performed experiments to investigate the effects of pseudo-haptics and evaluated their influences. The results showed that the shape which the participants perceived was deformed from the actual shape they touched. The results prove the possibility for manipulating user's perceived shape of a curved surface by using pseudo-haptics in projection-based mixed reality.
著者
金森 俊雄 岩井 大輔 佐藤 宏介
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.263-266, 2015

In this paper, we aim to manipulate user's perceived shape of a curved surface by using pseudo-haptics in projection-based mixed reality. We investigate how we can change the shape which a user feels when touching a curved surface with an index finger, by projecting his/her shifted hand image onto the user's own hand. We performed experiments to investigate the effects of pseudo-haptics and evaluated their influences. The results showed that the shape which the participants perceived was deformed from the actual shape they touched. The results prove the possibility for manipulating user's perceived shape of a curved surface by using pseudo-haptics in projection-based mixed reality.
著者
鈴木 裕 中里 徹矢 横山 政明 阿部 展次 正木 忠彦 森 俊幸 杉山 政則 土岐 真朗 高橋 信一
出版者
日本膵臓学会
雑誌
膵臓 (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.102-105, 2012 (Released:2012-05-15)
参考文献数
12

急性膵炎の重症化と合併症発生に対する肥満の影響について概説した.肥満の影響を考えるに当たり,多くはBMI(Body mass index)を用いているが,近年はCTを用いて内臓脂肪や皮下脂肪をパラメーターとしている報告も散見される.各報告をみると重症化や合併症発生に肥満は何らかの影響があると予想される.BMIでは,欧米では多くの肥満例が重症化と全身合併症に相関し,全身合併症の多くは呼吸不全である.本邦ではBMIは有意な重症化の危険因子とはならず人種差の可能性はある.しかし,日本人でも内臓脂肪の増加は急性膵炎重症化や合併症の発生に影響する可能性があり,肥満のタイプが重要であると思われる.今後は内臓脂肪面積などを画像診断による肥満のタイプをパラメーターとして詳細な検討を行う必要があると思われた.その際は,可能な限り発症早期の画像を用いるべきであり,理想は膵炎発症直前の測定が望まれる.
著者
谷出 千代子 池田 涼子 伊東 知之 篭谷 隆弘 森 俊之
出版者
仁愛大学
雑誌
仁愛大学研究紀要. 人間生活学部篇 (ISSN:21853363)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.63-69, 2009-12-30

異学科学生に専門性を共有させながら,キーワード「絵本」に基づいてそれぞれの専門分野を展開し,実践可能なエリアで子育て支援のあり方を各教員と学生が模索しながら3年間の実践を重ねた.その中で次世代子育て予備軍としての学生たちは,どのように「絵本」を受容して子育て実践教育に資することが出来たか事後調査を中心に,実践学生群と非実践学生群の比較から検証した.結果,両群共に子育て支援の媒材としての絵本と,彼らが解釈する絵本の意味・位置付けが異なることが検証された.さらに,体験してきた過去の絵本観と子育て支援に資するための絵本観も体験の有無に関係なく異質であることも判明した.しかし,子どもとの接点,子どもに対する姿勢の在り方は体験の有無で差異が見られた.拠って,世相の流れのなかでブックスタート活動などの活発化から鑑みても,子育て支援の媒材としての絵本観,すなわち意味と位置付けを,学生を含めた子育て中の母親に対しても,その役割を解く必要性を明らかにした.
著者
市橋 直樹 中谷 明美 中野 一郎 鹿野 由紀子 前田 学 森 俊二
出版者
Japanese Dermatological Association
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.101, no.1, 1991

37歳,女性.左手に軽い瘙痒を伴う辺縁隆起性紅斑出現.遠心性に拡大し数日で消退.同様な紅斑が全身に出没するようになり,他に,関節痛,朝の両手指こわばり感,両眼瞼腫瘍出現,精査加療のため入院.抗核抗体高値,低補体血症,免疫複合体高値,抗SS-A抗体陽性,抗SS-B抗体陰性.Sjogren症候群などを考え,生検.表皮基底層に液状変性なく,真皮上層の血管周囲に核塵形成を伴ったリンパ球を主体とする細胞浸潤を認めた.同部の免疫蛍光染色は,真皮表皮境界部に沿って顆粒状に抗IgG抗体陽性.抗IgA抗体も同様に陽性.以上より蕁麻疹様紅斑で初発したSLEと診断.尿検査成績より腎障害を疑い腎生検を行ったところ,全体として基本構造の改築,メザンギアル領域の拡大を認め,びまん性糸球体腎炎の像を呈していた.腎組織の免疫蛍光抗体染色では,毛細血管からメザンギアル領域にIgGの沈着を認めた.
著者
長谷川 稔 佐藤 伸一 古瀬 忍 長谷川 洋一 森 俊典 八田 尚人 竹原 和彦
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.108, no.10, pp.1275, 1998 (Released:2014-08-19)

症例1は69歳,男性.1年半前より手指のこわばり,四肢の関節痛があった.また,両手掌に多発性の皮下結節と手指の拘縮が出現してきたため,近医にて全身性強皮症(SSc)と診断されていた.当科での精査では皮膚硬化は認められず,リウマトイド因子(RF)が陽性であった.両手のX線像で近位指節間(PIP)関節に多発性のびらんを認めた.Palmar fibromatosisを合併したRAと診断した.Palmar fibromatosisによる手指の拘縮により慢性関節リウマチ(RA)がSScと誤診されたものと考えられた.症例2は63歳,女性.半年前より朝のこわばりと多発性の関節炎が出現し,近医にて抗トポイソメラーゼⅠ抗体が陽性とされ,SScと誤診されていた.皮膚硬化はみられず、当科での再検では抗トポソイメラーゼⅠ抗体やRFを含む自己抗体はすべて陰性であった.両手のX線像でPIP関節の腫脹を認め,sero-negative RAと診断した.ELISAによる抗トポイソメラーゼⅠ抗体の疑陽性によりSScと誤診されたものと考えられた.症例3は47歳,女性.2ヶ月前からの朝のこわばりと多発の関節炎が出現してきたものの,X線上異常が検出されなかったためRAが否定され,近医にてSScと診断されていた.当科での精査では皮膚硬化は認められず,RFが陽性であった.両足のX線像で足趾に嚢胞形成を認めた.X線での骨変化が軽いためにRAが否定され,SScと誤診されていたと考えられた.今後はこのような誤診例が増加する可能性があり,注意が必要と考えられた.
著者
森 俊太
出版者
静岡文化芸術大学
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要 (ISSN:13464744)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.51-56, 2002

本論では、日本の大学とアメリカの大学の学期制度を比較した。具体的には、静岡文化芸術大学とアメリカ合衆国の異なるタイプの2大学、カリフォルニア大学サンタクルズ校(州立)とコロラドカレッジ(私立のリベラルアーツ大学)の学期制度を比較した。静岡文化芸術大学では、セメスター制度に移行した日本の多くの大学と同じように1セメスター15週制を採用しているが、この制度の下では学生が学期中に平均10科目以上もの多くの科目を履修することになり、また一週間に1回の授業では、教員が学生に接する時間も少ない。1セメスターに3ないし4科目程度を履修し、1科目の授業を週に2-3回行なうアメリカの大学の学期制度が教育効果は高い。今後、学期制度を本来の形態を維持し教育効果をあげているアメリカの大学をモデルに変革し、教育力を高める必要があると思われる。