著者
繪内 利啓 宮前 義和 森 俊博 光村 拓也 出石 良美
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.71-85, 2003-09

我々は学習障害や注意欠陥/多動性障害をもつ児童への教育的支援を目的として,過去4年間研究プロジェクトに取り組んできた。本プロジェクトでは学部学生を需要のある教育現場に派遣し,我々が巡回相談という形で,後方支援するという体制をとっていたが,2年目の需要が拡大し過ぎたため,3-4年目には屋島小学校での放課後オープン教室に学部学生が参加協力し,必要に応じて我々が個別相談を行うという方式で研究プロジェクトを継続した。特にオープン教室への学生参加については,新しい試みであり,2年間にわたって保護者等にアンケート調査を行い,その結果を併せて報告した。
著者
田原 靖昭 綱分 憲明 西澤 昭 湯川 幸一 森 俊介 千住 秀昭
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.198-206, 1990

全国サッカー優勝チーム (1988.1) , 準優勝チーム (1987.1) を含む46名を4期に分けて, 体格, 身体組成, Vo<SUB>2</SUB>max, Max O<SUB>2</SUB>debtを測定した.得られた結果の概要は次の通りである.<BR>A.身長の平均値は, GK17&9±5.7cm, FW172.5±3.6cm, MF171.9±6.2cm, DF172.5±5.3cmであった.体重はそれぞれGK72.5±4.0kg, FW66.8±6.1kg, MF64.4±6.3kg, DF64.3±3.8kgであった.<BR>3.皮脂厚和 (8部位) の平均値は, 63.5±14.3mmであった.GKは7&5±12.6mmであった.<BR>C.%Fatは, GKが14.3±3.9%, 他のポジションは8.2~10.4%であった.LBM/Ht (kg/m) は, 全員 (N=46) の平均値で34.2±2.5kg/mであった.<BR>D.Vo<SUB>2</SUB>maxの全員の平均値は, 60.0±5.6m<I>l</I>/kg・minで, MF62.7±4.6m<I>l</I>, DF60.5±5.3m<I>l</I>, FW58.7±5.3m<I>l</I>, GK54.3±5.7m<I>l</I>であり, MFが最も高かった.<BR>E.Max O<SUB>2</SUB>debtは, 平均値で124.8±19.2m<I>l</I>/kgであった.中でもFW133.1±14.5m<I>l</I>, GK126.1±8.1m<I>l</I>で高かった.<BR>F.国見高校選手のVo<SUB>2</SUB>max, Max O<SUB>2</SUB>debt, LBM/Htが高かったのは, その年間を通して競技の特性を踏まえた体力トレーニング・練習内容と多い試合数 (年間130試合前後) に負うところが大であった.また, 資質の優れた選手が多く入部することも高い競技力に貢献している.
著者
齊藤 奈津子 土山 寿志 大森 俊明 山田 真也 島崎 英樹
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 = ACTA HEPATOLOGICA JAPONICA (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.268-273, 2004-05-25
被引用文献数
5 7

従来本邦では, E型肝炎の発生は稀であると考えられてきたが, 近年海外渡航歴のない国内発症例が報告されている. 今回, 北陸では初の報告となるE型急性肝炎の国内感染, 発症例を経験した. 症例は50歳男性. 海外渡航歴, 輸血歴, 動物の飼育歴, 薬剤服用歴及び, 不特定な人との性的接触はなかった. 2002年3月下旬より全身倦怠感, 褐色尿が出現し4月4日当科受診. 血液検査, 画像所見より急性肝炎と診断され入院となった. 対症療法にてトランスアミナーゼは速やかに改善したが, 黄疸は遷延化した. ビリルビン吸着療法計7回の後, 黄疸も改善傾向を示し, 第56病日目に退院となった. 入院時血清よりIgM型抗HEV抗体, HEV-RNA陽性が判明し, 本症例はE型急性肝炎と診断された. HEVは genotype IIIで, その塩基配列は既報のJRA 1株と最も高い一致率 (94.9%) を示した. HEVは日本国内に広く定着していると考えられた.
著者
亀井 豊永 家森 俊彦 能勢 正仁 竹田 雅彦 MCCREADIE Heather
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

平成17年度は非常に残念ながら研究代表者の病状悪化のため年度の延期を打診したが、だめだった。このため、1つの試作機を完成するのではなく、いろいろな部分性能評価を重視することとした。平成16年度で作成した、非磁性セオドライトの回転部分は磁場測定は1分1回転で予定通り1/30秒毎のAD測定に耐える、また、星座からの角度確定では、広角で角度1度以内から10分程度でに決められるがその磁場測定とのタイミングあわせは非常に難しい。望遠鏡を使用した侠角1分精度で星座を探すためには非常に高速のCPUが必要となり回転が安定しないと仮定した地上装置とノートPCではやはり無理がある。そのため、2つの予定外の方法を試すことにした。1つは値下がりした民生用ハイビジョンカメラと非常に高速のCPUと2GB高速大メモリーを備えたデスクトップPCを試した、しかしこれは非圧縮DVカメラ(3色約15MHz固定)と違い画像が25MHzMPEG圧縮のため画像が非常に荒く、しかも時間遅れが不安定で0,3-0.7秒遅れでPCに送り込まれるためHDV信号や圧縮デジタル機能を使用するのはこの角度測定用途にむかず、単純にHDVのアナログD3信号を直接ベースバンド(3色約150MHz)で映像取り込みして処理する必要がある。もう1つの方法は、余り早く回転させるとどのような狭角測定法でも無理がでるので、回転軸方向に侠角は星座判定をする方法にすることである。このためには望遠鏡方向に邪魔がないようにセオドライトの幾何学的配置を見直しセオドライトの支柱が望遠鏡とカメラを避けるように設計を工失する。なお、十分テストは出来ていないが、回転上の複数の星が明らかになった状態で複数の視野に連続に入ってくる明るい星や昼間の太陽タイミングを狙う場合にはやはり圧縮HDV信号は無理でD3信号を基準にHDVのベースバンドの信号を使用して角度の秒単位での角度測定は実用になると考える。このほかの、セオドライトの180度自動回転や気象条件や耐久性を試すテストは更に後ほど行うことになる。
著者
森 俊夫
出版者
岐阜女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

グレイレベル画像解析が編目密度の異なる平編物の視覚的特徴、規則的にあるいはランダムに折り畳まれた綿布の折りしわ外観及びさざ波状のしわや不規則な折りしわを含むランダムなしわの布の視覚的緩和挙動の測定に適用された。デジタル画像のグレイレベル平均、グレイレベルの同時生起行列から抽出される角二次モーメント、相関、コントラストやエントロピーおよびフラクタル次元が視覚的特徴量として測定された。これらの画像情報量は平編物の美しさ、布の折りしわやランダムしわの視覚的特徴や視覚的緩和挙動を特徴づけるのに有用であることがわかった。水玉模様の色対比や色陰現象を特徴づけるためにカラー画像解析が適用された。NTSC_RGBカラーシステムで表現されたRGB画像からL*C*H*画像への変換が行われた。同時生起コントラスト(CON)がL*、C*およびH*画像について計算された。CONは、水玉模様の対比効果や色陰現象を記述するよいパラメータとなることが分かった。並置混色の論理を応用して多色の色柄の全体的な色の印象から色柄布の寒暖を評価するために、カラー画像解析が適用された。多色系色柄布の暖色、中性色および寒色イメージは色相角により評価されることがわかった。RGB色空間を利用した色彩特徴解析が布の色彩テクスチャの特徴づけに適用された。因子分析により官能評価値と視覚的特徴量との関係が検討された。画像解析が色柄布の変退色を評価するのに適用された.画像中の各画素のL^*,a^*およびb^*がCIELABの公式を用いて計算され,L*,a*およびb*の全画素の平均値がそれぞれAVE-L^*,AVE-a^*およびAVE-b^*として得られた.単一色に対して,分光色差計によって測定されたL^*,a^*およびb^*と画像解析から求められたAVE-L^*,AVE-a^*およびAVE-b^*との間にはよい一致がみられた.
著者
森 俊哉
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2004

本研究課題では、火山からのガス放出量の短周期時間変動を測定するため、火山噴煙中の二酸化硫黄カラム量の2次元分布を測定できるような装置を新たに開発し、短周期変動について知見を得ることが目的である。CCDカメラに二酸化硫黄の紫外吸収帯のある波長域の紫外バンドパスフィルタを取り付けて観測することで、二酸化硫黄カラム量の2次元分布を可視化する方法を開発した。これにより、これまで難しかった、秒スケールでの二酸化硫黄放出量の測定が可能となった。平成18年度の前半は、これまでの観測装置をさらに改良し、2台のCCDカメラに上記のバンドパスフィルターと二酸化硫黄吸収がない波長域のバンドパスフィルターをそれぞれ装着した。同時に撮像した2つのCCDカメラでの画像を合成することで、約2秒間隔で二酸化硫黄噴煙の分布の画像を撮影できるようになった。桜島火山の観測では、この新しい装置を用いて火山ガス放出率の秒スケールでの変動の様子を明らかにした。そして、二酸化硫黄放出率が数分の周期で平均値に対して±80%程度変動していることが明らかにすることができた他、この周期が約8.3分と3.9分であることが分った。9月末から10月始にかけて、イタリアのエトナとストロンボリの2火山で観測を行った。特にストロンボリ火山での観測では、小爆発に伴う二酸化硫黄放出率の変動の様子も二酸化硫黄分布映像でとらえることができた。噴煙中の二酸化硫黄を可視化する測定手法をまとめた論文をGeophysical Research letters誌に発表した(次頁の研究成果参照)とともに、10月には熊本県で開催された日本火山学会で桜島での成果を発表した。また、12月には米国サンフランシスコで開催されたAGUの秋季大会でこれまでの成果の発表を行った。
著者
堂脇 清志 森 俊介 福島 千尋 浅井 貴康
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and System Society (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.123, no.10, pp.1670-1679, 2003-10-01
被引用文献数
2 1

This paper describes on a comprehensive economic analysis concerning biomass gasification systems. In Japan, promoting biomass energy systems in domestic area comes to be expected recently. However, there are some problems in achieving this project. The costs for plant building are very expensive comparing with conventional ones. Accordingly, the unit costs of electricity increase up to as high as other environmental energy systems.<br>In this paper, biomass energy systems using woody biomass are proposed from the viewpoints of successful environmental business. The biomass integrated gasification combined cycle (BIGCC) plant by Independent Power Producer and biomass gasification co-generation (BGCGS) plant in the sawmill or the asphalt-concrete production factory will have opportunities to be implemented in the near future. Our analysis concludes that the systems proposed in this paper provide the following outcomes with subsidies: (1) the generating cost in BIGCC becomes from 15.1 to 36.6 yen/kWh, (2) the generating cost in BGCGS becomes from 2.6 to 32.2 yen/kWh, (3) the cost reduction of products in BGCGS in asphalt factory comes to about 60 million yen per year.
著者
ペレツ ネメシオ ヘルナンデス ペドロ カストロ ローデス サラサー ホセ 野津 憲治 森 俊哉 岡田 弘
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.347-351, 2002-09-17

有珠山2000年噴火の18月前の1998年9月に, 山頂域, 麓域の150箇所で採取した土壌中のホウ素とアンモニアの定量を行った. その結果, 土壌中のホウ素含有量は1,300μg/kgに達し, アンモニア含有量は14mg/kgに達した. ホウ素含有量の空間分布は, 900μg/kg以上の極めて高い領域が高温噴気活動が見られる山頂カルデラ内のほかにも, 2000年の噴火地点に近い北西山麓に存在していた. また, アンモニア含有量の高い領域は, ホウ素含有量の高い領域に一致し, さらに昭和新山でも見られた. 土壌中のホウ素, アンモニアの高濃度異常域は, 二酸化炭素の土壌からの放出量が高い領域 (Hernandez et al.,2001) とよく合っており, これらの成分が共通の起源をもつことを示唆している. このことは,土壌中のホウ素やアンモニアが, 二酸化炭素と同様に,火山体における揮発性物質の挙動を知る上で有用な指標となることを示している.
著者
茅 陽一 手塚 哲夫 森 俊介 辻 毅一郎 小宮山 宏 鈴木 胖
出版者
東京大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1988

1)統合型エネルギーシステムに関する研究 近年の地球環境、中でも温室効果問題の関心増大を考慮して、現在はCO_2(二酸化炭素)の発生抑制を基本目標として作業を行なった。a)LPモデルによるCO_2の発生抑制シナリオの検討、b)化石燃料の2次エネルギー転換時のCO_2の除去のためのプロセスの化学工学的概念設計、c)エネルギーシステムの個別機器及びシステムの規模の経済性の検討。a)従来システムと異なる化石燃料の二次エネルギー(CO、H_2等)への転換設備を含むLP型システムモデルを開発し、CO_2の抑制量を変化させた時、そのシステム構成・総コストの変化を検討した。この結果CO_2の数十%迄の抑制は、海洋投棄がエコロジカルに可能ならば、さほどの不経済を伴わないが、それ以上の抑制は電力の熱需要充当を必要とし、システム効率の大幅な低下をもたらす、との結果を得た。また、従来型システムに比して原料価格変動に遙かに強いことを立証した。b)化石燃料からメタノールに至る変換の過程で、かなり工業的に可能性の高いCO_2除去プロセスが可能であるとの示唆が得られた。c)電力系統中心の分析の結果、個別の機器については、送配電部門でデメリットが現れている可能性が高い。2)都市を中心とするエネルギーシステムの研究近畿地域を対象とし、研究基盤であるエネルギー需要モデルの改善とデータの更新した。そして太陽光発電及び都市ガスコージェネレーションを想定し、モデルによりそれが従来システムに代替するポテンシアルを推定した。更にコージェネレーションシステムについては、民生用を対象とし、建物用途・規模・運転時間帯を入力可能とするモデルを作成し、建物用途毎に(事務所・デパート・ホテル)適したシステム構成・運転方式・建物規模を検討すると共に、システムの運転時間帯の影響も検討した。また、蓄熱諸方式の経済的・技術的特性の予備調査も行った。
著者
大平 久司 飯村 龍 森 俊洋 辻本 誠
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文報告集
巻号頁・発行日
no.6, pp.19-26, 1996-11

地震被害への対策は,時系列でみると,事前の予防的対策,発生直後の緊急対応,復旧,の3段階に分けられる。本研究では,地震被害に対する目標としてあげられる,人命安全,財産保護,機能維持,の3段階のうち,人命は経済換算できないことから,地震直後の対応により人命損失をできるだけ少なくすることを目標とする。救命率の高い地震発生後48時間は人命救助活動を最優先として,人命救助活動の妨げとなる恐れのある他の活動を制限することが考えられる。本研究では,阪神・淡路大震災における被害データを用いて,地震発生直後の緊急対応による人的被害減少の可能性について,消火,救助,医療の側面から検討を行うとともに,これらの対応と関連する道路交通についての分析を行った。阪神・淡路大震災における延焼地区での死亡率の分析では,地震発生直後に延焼した地区の死亡率が高いことがわかった。一方,地震発生直後の同時多発火災に対応できるだけの消防力はなかったことから,消防の消火活動によってこれらの死亡者を救助することは困難だと判断される。緊急車両,一般車両を含めた地震発生後2日間の道路交通量の推定を行った結果,通勤,買い物といった目的の車両が走行していなければ,渋滞によって緊急車両の走行が妨げられることはないとの結論を得た。一方,渋滞によって,どの程度死亡リスクに影響があったかについては現時点では明らかにできていない。
著者
矢嶋 聰 東岩井 久 佐藤 章 渡辺 正昭 森 俊彦 星 和彦 米本 行範 鈴木 雅洲
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.30, no.12, pp.1657-1663, 1978-12-01
被引用文献数
1

(1) 宮城県の子宮頚癌住民検診は,昭和50年末までに,のべ受診者数が553,954人に達した.この間に発見された浸潤癌および上皮内癌患者数はそれぞれ707人,および701人であつた. (2) 昭和50年の年令階層別受診者は,40才台が最も高く対象婦人の27.4%であつた.高年令層は頚癌のhigh risk groupであるにもかゝわらず受診率はきわめて低い. (3) 頚癌の継続検診を行なうと,上皮内癌,浸潤癌の発見率は年度の推移にしたがつて減少するが,高度異型上皮の発見率はほゞ一定である. (4) 昭和40年,45年および50年のCytology Activity indexは,それぞれ60.0, 116.7および193.2であつた. (5) 検診車法による受診者の上皮内癌および浸潤癌のprevalence rateは,昭和45年および50年でそれぞれ192.8, 99.9,および102.3, 71.5であり,両者とも検診の継続により減少した. (6) 宮城日母登録方式による上皮内癌prevalence rateは,昭和45年,50年でそれぞれ213.3および205.1であり年度の推移による変化はほとんど認められなかつた.この方式による浸潤癌のprevalence rateはそれぞれ769.2および636.0であつた. (7) 昭和44年〜47年における宮城県の子宮頚浸潤癌incidence rate(年間)は32.9であつた. (8) 県下の子宮癌死亡率は5.0(10万人当り)から4.0程度であり,速度はおとろえたとはいえ,減少を続けているのが近年の傾向である.
著者
茅 陽一 手塚 哲央 森 俊介 辻 毅一郎 小宮山 宏 鈴木 胖
出版者
東京大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1989

I.統合型エネルギーシステム(IES)1)システム構成の分析と効果の評価:3種の統合概念を提案した。第一は供給面での統合で供給の量・価格変動に対処し、第二は需要面の統合で需要の変動に容易に対応し、第三は規模の統合で同一システム内で異なる規模の設備を包括、両者の欠陥を補完する。これらの利点を数値的に示し、更にこの柔構造を有するシステムがCO_2削減にも効果的に対応出来ることを示した。2)CO_2の海洋循環と回集技術:地球温暖化対策の基礎として海洋での炭素循環を検討し有機炭素の役割の重要性を数値的に示した。また、産業から排出されるCO_2回収と海洋への廃棄の基礎的検討をした。3)高温核熱によるCO_2排出削減:IESの一つの方式は原子力の拡大利用で、高温核熱がエネルギー変換に有効に利用出来、結果的にCO_2削減に有効であると示した。4)規模の経済性の検討:電力システムを対象に検討し、設備建設コストの規模の経済性が認められる一方で、稼動率やシステムの周辺コストで規模のデメリットが認められることを示した。II.広義のロードマネージメントの研究1)分散型エネルギーシステム導入のポテンシアル:近畿地方を対象に、地域的需要分布を詳細に調査・モデル化し、太陽光及び燃料電池の導入のポテンシアルを検討し、かなり高い可能性があることを示した。2)民生部門におけるロードマネージメント:近畿地域対象の詳細民生需要モデルを作り、その調整可能性を検討した。電力のロードマネージメントの有効化にはガス冷房の普及が鍵となること等興味ある知見を数多く得た。3)コージェネレーションの民生利用評価:民生建築物を対象に運用モデルを作成、特に需要パターンがシステム選択に及ぼす影響を検討し、システム評価手法を提案した。4)産業用の共同火力運用プログラムの開発:産業での自家発電設備やコージェネレーションの運用に多大の示唆を与える知見が得られた。
著者
石川 一憲 石川 明男 加藤 弘昭 大森 俊一
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.17-21, 1993-03-01

ブドウ欧州種の数品種を用い, 果粒の肥大, 発育及び品質に及ぼすフルメット液剤処理の効果を検討した.果粒肥大及び果実重に及ぼすフルメット処理濃度の影響は, 品種で異なっていた.果粒肥大と品質の関係から, 果粒の肥大は良いが, 甘味比の低下がみられた品種は'モヌッカ'及び'リザマット'であった.果粒肥大が良く, 甘味比の低下のみられない品種は'ユニコン', 'マリオ', 'ネヘレスコール'並びに'バラデイ'であった.