著者
和田 正義 高木 昭 森 俊二
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.18, no.8, pp.1166-1172, 2000-11-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
11
被引用文献数
11 16

In this paper, a new wheel mechanism for holonomic and omnidirectional mobile robots is presented. The caster drive technique is one of the feasible solutions to allow a vehicle to have holonomic and omnidirectional mobile capability with standard wheels. The caster drive is applied to a differential drive mechanism. A drive unit equips with two drive wheels driven by individual motors. The rotational stage, driven by the third motor, is mounted on the drive unit with its rotational center locating at the off centered position from the mid point of the two driving wheels. The translational position and velocity of a mobile base are controlled by the differential-drive mechanism executing a caster like behavior. The orientation of the mobile base is controlled by the rotational stage decoupled with the translational motion of the drive unit. The vehicle 3DOF are controlled by the three motors, hence the system includes no over constraint problem. In addition, the drive mechanism is very simple and could be implemented by using a traditional differential-drive mechanism.
著者
櫻井 彩乃 菅原 ますみ 後藤 景子 渡辺 基子 岡村 仁 北村 裕梨 中井 克也 飯島 耕太郎 岡崎 みさと 魚森 俊喬 崔 賢美 村上 郁 櫻井 晃洋 齊藤 光江 新井 正美
出版者
一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会
雑誌
遺伝性腫瘍 (ISSN:24356808)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.74-83, 2023-12-15 (Released:2023-12-15)
参考文献数
20

BRCA1/2遺伝子検査が保険収載後に,本検査受検を考慮した乳癌患者の実態調査を行った.順天堂大学医学部附属順天堂医院乳腺センターにて,保険適用でのBRCA1/2遺伝子検査を提案された外来通院中の乳癌患者31名(受検者29名,非受検者2名)を対象に,検査時と結果開示後に調査を実施した.BRCA1/2遺伝子検査の保険収載は受検を明らかに促進していた.同胞や子どもを心配し受検をした対象者がもっとも多く,受検者の90%以上が血縁者への情報伝達を予定していた.血縁者への情報提供やキャリア診断の遺伝カウンセリング体制も整備する必要性が示された.また病的バリアントが検出されなかった約半数の対象者でネガティブな情緒の変化である「総合的気分状態」の上昇がみられた.乳癌診療や遺伝カウンセリングにおいては,病的バリアント非保持者でも心理支援を考慮すべき対象者がいることが示された.
著者
鈴木 英明 鈴木 義純 岡田 珠美 神谷 直孝 森 俊幸 藤田 光 池見 宅司
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.373-380, 2012-12-31 (Released:2018-03-15)
参考文献数
44

目的:過酸化尿素は,ホワイトニングに使用する薬剤に含まれており,主にホームホワイトニング剤に用いられている薬剤である.過酸化尿素の作用機序は,尿素と過酸化水素に解離し,活性酸素を放出することにより,着色や変色の原因になっている物質に作用し漂白することで歯を白くさせることが知られている.元来,この過酸化水素・過酸化尿素の両薬剤はホワイトニング用としてではなく,口腔用殺菌剤として使用されており,そのうえ,毒性や副作用をもたない安全性の高い薬剤といわれている.ホームホワイトニングで頻用されている過酸化尿素の齲蝕予防の可能性を検討する目的で,その抗菌作用についてin vitroにて実験を行った.材料と方法:実験には,Streptococcus mutans PS-14 (c)株,Streptococcus sobrinus 6715 (d)株,Actinomyces naeslundii ATCC 19246株を用い,10倍段階法にて最小発育阻止濃度の計測を行った.また,Resting cellに対する殺菌作用を濃度的変化ならびに経時的変化について検討した.さらに,不溶性グルカン生成阻害試験としてglucosyltransferase活性値の測定を行った.成績:1.S. mutansに対する最小発育阻止濃度は250μg/mlであった.2.S. sobyinusに対する最小発育阻止濃度は300μg/mlであった.3.A. naeslundiiに対する最小発育阻止濃度は300μg/mlであった.4.過酸化尿素の抗菌作用はS. mutans, S. sobrinusおよびA. naeslundiiのResting cellに対して殺菌的であった.5.過酸化尿素はS. mutans PS-14株ならびにS. sobrinus 6715株産生粗glucosyltransferaseのsucrose依存性不溶性グルカン合成活性を顕著に阻害した.結論:以上のことより過酸化尿素は,齲蝕原因菌に対して顕著な殺菌作用が認められ,抗齲蝕作用を有することが示唆された.
著者
森 俊人 谷津 元樹 森田 武史 江上 周作 鵜飼 孝典 福田 賢一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.SWO-059, pp.08, 2023-03-17 (Released:2023-03-23)

DBpediaやWikidataなどの大規模知識グラフは集合知により構築されるため,人手で構築するのには限界があり,不完全な知識グラフが構築されることがある.この問題を解決するために,知識グラフ中の欠損したエンティティや関係を補完する知識グラフ補完に関する研究が行われている.最近は,知識グラフの埋め込みに基づく知識グラフ補完の研究が注目されている.知識グラフの埋め込みに基づく手法の多くは,学習時に利用する知識グラフ(既存の知識グラフ)に含まれるエンティティの表現ベクトルを用いて関係予測などを行う.既存の知識グラフに含まれないエンティティ(未知エンティティ)は表現ベクトルを計算することができないため,未知エンティティに関する知識グラフ補完を行うことは困難である.最新の話題に対応した知識グラフに基づく質問応答や対話システムを構築するためには,未知エンティティを対象とした知識グラフの構築や補完が必要だと考えられる.本研究は,Wikipediaの赤リンクをDBpediaにおける未知エンティティとみなし,DBpediaを拡張することを目的とする.赤リンクとはWikipediaにまだ存在しない記事(記事名)への,初期設定では赤色で表示されるリンクであり,DBpedia上には赤リンクに対応するエンティティは基本的には存在しない.赤リンクはその性質上,記事が作られるべきであると判断されて作られているため,今後,赤リンクに対応する記事が作成され,DBpediaにおける新たなエンティティとして追加される可能性が高い.本稿では,Wikipediaの記事から赤リンクを抽出して未知エンティティとみなし,DBpediaにおける既存エンティティとの関係構築を行う方法について検討する.
著者
村上 麻紀 森 俊勝 溝上 章志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.23-00056, 2023 (Released:2023-10-20)
参考文献数
27

本研究では,熊本県荒尾市において2020年10月から運行を開始したリアルタイムオンデマンド配車による区域運行型乗合タクシー「おもやいタクシー」について,その導入経緯とサービス概要を紹介する.また,その利用と運行についての1年間に渡る継続的な実態分析,利用者アンケートの分析,既存公共交通機関との競合関係,従来のタクシーサービスとの運行効率性比較について,分析を行った.その結果,利便性の周知により利用者は倍増していること,公共交通不便地域におけるバスの補完的サービスとなっていること,高頻度利用者の約半数は目的地や時間帯が決まった利用をしていること,通常のタクシーより総運行距離が短縮するためCO2排出量や燃料費を削減できることを明らかにした.
著者
森 俊子 岡崎 哲也 蜂須賀 研二
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.281-286, 2013-07-25 (Released:2013-07-25)
参考文献数
8

要旨:前脳基底部健忘は,重度の前向性および逆向性健忘・人格変化を伴う作話・見当識障害・病識の欠如を特徴とする.今回経験した3症例では,前脳基底部に損傷が比較的限局した症例では,作話や記憶障害を認めたが遂行機能障害はなく,人格変化は比較的軽度で薬物により症状は改善した.一方前脳基底部を含めて前頭葉にまで病変が広がっている場合,遂行機能障害の合併,多動や多幸感などの人格変化,作話の持続が長い傾向があった.健忘の重症度やリハビリの効果においては両者で大きな違いはなく,エピソード記憶の改善は少なかったが,スケジュールノートを利用した反復訓練により日課的な日常生活は支障なく可能となった.
著者
小森 俊哉 小山 慎一 日比野 治雄
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.223, 2013 (Released:2013-06-20)

「キャラクターの効能において、7割近くの人がキャラクターに「やすらぎ」を望んでいる」という調査結果がある。このように人の精神状態とキャラクターにはなんらかの関係があると考え、人が持つ不安の強さに応じて求められるキャラクターの表情がどのように変わるのかを研究した。本研究では人の精神状態を測る指標として状態不安と特性不安を用い、アメリカの心理学者、Paul Ekmanの提唱した人類共通の基本6表情に焦点をあてた。基本6表情を参考にしながら27種類の表情画像を作成。6種類の形容詞を用いてそれぞれの表情がどのような印象なのかを27名の被験者に評価してもらった。人の不安状態に応じてそれぞれの表情がどのような印象になったのかを統計的にまとめた。
著者
中森 俊宏
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
pp.NSKKK-D-23-00038, (Released:2023-05-31)

Soybeans are rich in proteins and lipids and are often called “meat of the field.” Green soybeans, which are immature soybeans, are also highly nutritious and contain high levels of carotene and vitamin C. In Japan, green soybeans used to be harvested and consumed from May to November; however, with the development of freezing and storage technologies, they are now available throughout the year. Globally, there has been an increase in the consumption of the green soybean food, edamame, which originated in Japan, along with tofu and soy sauce. Currently, there are more than 400 unique green soybean varieties in Japan; nonetheless, studies investigating the components that determine green soybean palatability at the genetic level are scarce. During the Soybean Research Session of the 69th Annual Meeting of the Japanese Society for Food Science and Technology in 2022, the results and future prospects of the present study were presented by Dr. Tomoki Hoshino from the Department of Food, Life and Environmental Sciences, Faculty of Agriculture at Yamagata University, who is currently developing new varieties of green soybean cultivars by analyzing the genes that determine consumer palatability.
著者
新田 佳菜 森 俊樹
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会誌 (ISSN:24320374)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.109-127, 2022 (Released:2022-03-26)
参考文献数
22

P2Mプログラムマネジメントでは、同時並行的に進行する多数のプロジェクトを管理する必要がある。しかし、従来の人手に頼ったマネジメント手法だけでは、全てのプロジェクトに十分に目が行き届かないという課題があった。そこで、機械学習を用いたプロジェクト異常予測をプログラムマネジメントに適用し、重大なプロジェクトリスクを自動で検知することを試みている。システム開発プロジェクトを対象とした試行により、精度面では実運用可能なレベルになったことを確認したが、その一方で、高リスクプロジェクトを検知するだけでは、プログラムに影響を及ぼすリスクとして適切に判断し、対応することができないという課題も明らかになった。本研究は、プログラムマネジャーがリスクを検知し対処するまでの意思決定の支援を目指し、システム開発プロジェクトの失敗の予兆となるリスク事象を体系的に抽出し、実事例と比較してその妥当性を確認した。
著者
森 俊雄
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
Papers in Meteorology and Geophysics (ISSN:0031126X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.149-155, 1985 (Released:2007-03-09)
参考文献数
7
被引用文献数
6 6

日本電信電話公社の通信ケーブル施設を使って長基線の地電位試験観測を行った。現在、日本では陸上での地電位観測で数km以上の基線で観測されているものは、他にはない。関東北部の笠間、下館および小山の各電話中継所のアースおよびその間の通信ケーブルを用いて、笠間—下館間 (26.8km) および小山—下館間 (15.7km) の地電位変化を観測した。1Hz等の短周期ノイズが大きいため、カットオフ周期が6分のローパスフイルターを通したところ笠間—下館間では非常によい記録が得られた。ここでの地磁気変化による誘導電位変化は、柿岡地磁気観測所の地電位EW成分と類似している。小山—下館間では、直流電車からと思われる電気的ノイズが非常に大きく、良い記録は得られなかった。しかし、そこでは地電位変化が、笠間—下館間に比較して非常に小さいことも確かである。このような地電位変化の相違は、主にこの付近の堆積層の厚さに関係していると考えられる。今回の試験観測の結果、電々公社のケーブル施設を使って、長基線地電位変化を観測できることがわかった。このような観測は、地下構造の解析や地下電気抵抗の時間的変化の検出に利用できると考えられる。
著者
森 俊哉 野上 健治
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.379-388, 2022-09-30 (Released:2022-10-27)
参考文献数
17

When volcanic ash is exposed to water after fell on the ground, various chemical substances will be eluted to water phase. Amounts of water soluble SO4 and Cl and their Cl/SO4 ratio of ash are useful for understanding eruptive activities of the volcano. For prompt evaluation of eruptive activities by water soluble components on ash, it would be useful if the analyses are made in-situ or near by the volcano instead of sending the samples to the laboratories far away. For this purpose, we utilized and established a method using a compact handheld absorptiometer for analyses of Cl and SO4 in ash leachate. The method uses a small digital scale, a handheld absorptiometer and other equipment (PP bottles, syringes filters and etc.). The scale is for ash leachates preparation and the absorptiometer is used for the turbidimetric measurements of SO4 and Cl. The calibration curves for SO4 and Cl were linear and parabola for the concentration range of the standard solutions up to 81.9 mg/L and 39.6 mg/L, respectively. Eleven ash samples from Kirishima Shinmoedake and Sakurajima volcanoes were analyzed by turbidimetry method of this study and by ion chromatography method, and were compared for validation of the method. The analyzed concentrations were basically within about 10 % compared to those of ion chromatography, except for samples whose absorbance were smaller than 0.1 unit. We also checked for the interfering components for turbidimetry analyses by checking the compiled ash leachate data of Airys and Delmelle (2012) and came to conclusion that effect of interference can be usually ignored. On the other hand, some of the ash samples with very low water soluble SO4 and Cl may be under detection limit with the proposed method. As a conclusion, ash leachate analyses for SO4 and Cl by turbidimetry using a handheld absorptiometer used in this study is an effective method and could be used for prompt evaluation of eruptive activities especially on remotes islands where the chemical laboratories are not available.
著者
岩見 明彦 大森 俊郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.99, no.11, pp.784-793, 2004-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

麦焼酎の原料である大麦は, 国内産では到底まかなえないため, その大部分を豪州産大麦に頼っている。そこで, 豪州産大麦の研究の重要性に鑑み, 筆者等は平成9年より研究を重ねてきた。今回は, 研究成果を基に豪州産大麦の生産状況, 流通の仕組み, 品質・安全性についての報告と, 焼酎用原料としての精麦特性と醸造特性について, SKCSを用いた測定結果が紹介されている。麦焼酎の生産者にとっては, たいへん参考になると思われる。
著者
森 俊輔
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2020-04-24

本研究では、自己免疫疾患発症の原因と考えられるミスフォールドタンパク質・MHC クラスII 分子複合体の形成に重要な分子である Invariant chainに注目し解析を行う。ウイルスの免疫逃避機構の一つと考えられるInvariant chainの発現量低下が自己免疫を誘導する可能性があり、本研究を通してウイルス感染が関与する様々な自己免疫疾患の発症機構が明らかになると期待される。
著者
貝瀬 満 大森 順 鈴木 将大 藤森 俊二 岩切 勝彦
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.807-812, 2018-07-31 (Released:2020-01-09)
参考文献数
21

2017年12月日本消化管学会が主幹となり関連学会と共同で大腸憩室症ガイドライン(憩室出血,憩室炎)を発表した。大腸憩室出血のkey statementを概括した。本邦では大腸憩室の保有率が上昇し,大腸憩室出血は増加している。大腸憩室出血は70~90%で自然止血し,再出血率も20~40%と高率である。大腸憩室出血の診断には止血術も可能な大腸内視鏡が推奨される。クリップ止血法では,出血点を直接把持する直達法に比べ,憩室口をふさぐ縫縮法で再出血率が高い傾向にある。出血憩室を機械的に結紮する憩室結紮法は,クリップ法に比して動脈塞栓術や外科手術への移行率が低い。憩室結紮法では少数例だが遅発性腸管穿孔も報告されている。再出血の予防にはNSAIDsと一次予防アスピリン内服中止を検討する。