著者
中村 修 森田 長吉 岡崎 清
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.78, no.10, pp.1263-1275, 1995-10-25
被引用文献数
7

超音波体外結石破砕裝置における誤照射防止法の一つとして,結石が確実に焦点部に存在することを検知する目的で実際の衝撃波発射前にトリガパルスを発射する方式がある.本研究ではこの方式で用いるトリガパルスの人体内伝搬の問題を時間領域差分法を用いて検討する.本文ではまず超音波伝搬路の焦点部に結石を置いた場合についてパルスの散乱・反射の様子を解析し,次にこの結石が焦点部から少しずつずれていった場合の反射波の量の変化をトリガパルス機構の動作に関連させて検討する.最後に焦点部に結石を置いた状態でパルス伝搬路付近に骨が存在する場合について,パルスの伝搬・散乱・反射の様子を調べ,骨の位置の違いがトリガパルスの動作にどのような影響を及ぼすかを定量的に評価検討する.
著者
横堀 正純 清水 公夫 渡辺 秀昭 小司 利昭 森田 修己
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.249-254, 1996-04-01
被引用文献数
4

補綴臨床やスポーツ歯学において全身運動時における咬合接触や咬合力についての研究はきわめて重要と考えられるが,いまだ十分に明らかにされていない.そこで本研究は,握力発揮時にかみしめを自覚している男性を選択し,デンタルプレスケールシステムを用いて握力発揮時と最大かみしめ時の咬合面積と咬合力を測定し,比較検討した.この結果,握力発揮時のかみしめは最大かみしめ時とほぼ同じかみしめを行っている人が多いが,一部の人はこれと異なったかみしめを行っており,個人差が大きいという知見が得られた.
著者
反町 晋康 佐藤 格夫 澤口 正俊 小司 利昭 森田 修己
出版者
Japan Prosthodontic Society
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.112-116, 1997-02-01
被引用文献数
12 3

In order to clarify the reliability of measurement accuracy of the SDM apparatus, thickness of 9 palatine mucosal regions of 2 normo-dentulous subjects was determined and its correlation with the measured values for the same regions by puncturing was examined. Furthermore, thickness measurement was made of 10 palatine mucosal regions of 25 males and 11 females. The results were as follows:<BR>1. Intra-individual change in the measured value tended to be smaller by SDM method than by puncturing.<BR>2. A high correlation was noted between the measured values of palatine mucosal thickness diameter by puncturing and SDM method.<BR>3. As for the palatine mucosal thickness by SDM method:<BR>1) Palatine median region and retropalatine lateral region showed the smallest and the greatest thicknesses, respectively.<BR>2) Males tended to have greater thickness in all regions that were measured than females.
著者
安場 直史 長岡 諒 矢野 純史 香川 浩司 森田 哲郎 沼尾 正行 栗原 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第22回全国大会(2008)
巻号頁・発行日
pp.16, 2008 (Released:2009-07-31)

ナビゲーションシステムのルート探索手法において、熟考型探索は最適だが計算時間が長く、即応型は計算時間は短いが解が最適でない。短時間先の渋滞予測情報が提供される環境で、相反するこれらの探索を適宜使い分けることでより精度の高いルート探索を実現した。
著者
森田 婦美子
出版者
奈良佐保短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13485911)
巻号頁・発行日
no.15, pp.101-109, 2007

最後まで自分らしく生きるためにもっとも重要なことは,身体の全てを使うことである.使わないことで起こる廃用を予防することが大きな課題である.老化によって運動量が低下すると,運動機能が低下する.運動機能の低下は本人のやる気や意欲まで低下させる要因となる.いったん要介護状態になると,要介護状態から脱出するのは困難なことが多い.そのためには,要介護状態にならない努力が必要である.加齢には個人差があるが身体の変化が起こる.この変化を高齢者自身が気付かず,これまでどおりの生活スタイルで生活していると,転倒などの事故を起しQOLの低下をきたす.そのような事故から身を守るため,自分の身体の動きを変える能力を養うことが重要となる.自分の身体をどのように動かすかという,動き方を覚える学習,空間の中で自分の身体の動きを変化させていく学習が必要である.そのために身体知として,自分の身体が理解できる動きの学習を行なうことが重要である.
著者
森田 婦美子
出版者
奈良佐保短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13485911)
巻号頁・発行日
no.15, pp.93-99, 2007

介護予防は福祉的・医療的意味合いが大きい.しかし,介護予防支援を福祉的社会システムとして考えるのではなく教育として考え,高齢者自らが「こころ」と「からだ」に対して,関心を寄せる自立・自律に対する構えととらえると,積極的な学習として取り組みができるようになる.平均寿命が長くなり,定年以降の人生の生活設計を組み立てることはこれから重要な課題となる.健康はより良く生きるため,生活の満足度などを高めるために重要な要因となり,積極的に生きることの指標となる.介護予防を自らの健康に対する教育であるという視点に立ち「教育=自律」として,高齢者に学習の動機づけを行っていかなければならない.
著者
森田 猛
出版者
弘前学院大学文学部
雑誌
紀要 (ISSN:13479709)
巻号頁・発行日
no.47, pp.21-35, 2011-03-25
著者
堤 裕昭 門谷 茂 高橋 徹 小森田 智大
出版者
熊本県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

有明海奥部では、近年、中央部および東側の海域で海底堆積物表層の泥分の増加および赤潮プランクトン由来の有機物の堆積による有機物含量の増加が起きていた。これらの事実は、同海域における潮流の減・および海水の鉛直混合力の減少を示し、梅雨期や秋雨期に河川水の一時的な流入量の増加に対して、形成される塩分成層の強度が強まることを示唆している。海域への栄養塩流入量が増加しなくても、成層強度の強化による赤潮の頻発、海底における汚泥堆積、夏季における貧酸素水発生が起きるメカニズムが解明された。
著者
清水 隆司 森田 汐生 竹沢 昌子 赤築 綾子 久保田 進也 三島 徳雄 永田 頌史
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.35-42, 2003-03-01
被引用文献数
3

職場のメンタルヘルスと自己表現スキルの関係を調べる準備調査として,自己表現スキルの1つであるアサーティブネスを測定するRathus Assertiveness Schedule (RAS)の日本語版を作成し信頼性・妥当性を検討した.対象は,某製造業A社の従業員364名とアサーティブネストレーニング(AT)を受講した社会人73名とした.方法は,AT受講者が受講前に回答した結果とATのトレーナーが客観的に受講者の自己表現を評価した結果を比較し,日本語版RASの妥当性を検討した.また,A社従業員の回答結果から内部一貫信頼性を調べた.次に,同意を得られたA社社員98名に対して再度調査を行い,再テストの信頼性を調査した.調査結果から,30項目全てよりも3-7,9,13,19,20,25,28を除く19項日の日本語版RASの方が,トレーナーの客観的評価と相関が高く,妥当性が高いと思われた.また,クロンバッハのα係数や,初回と2回目の結果の相関も共に0.80以上と高く,30項日及び19項日の日本語版RASの内部一貫信頼性と再テストの信頼性は高いと考えられた.今回の結果から,日本人のアサーティブネスを測定するには30項日全てよりも19項日の日本語版RASの方が好ましいと考えられた.
著者
高橋 徹 清水 裕子 井上 一由 森松 博史 楳田 佳奈 大森 恵美子 赤木 玲子 森田 潔
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.130, no.4, pp.252-256, 2007 (Released:2007-10-12)
参考文献数
38
被引用文献数
6 9

昨今の生命科学の進歩は薬理学の研究をより病態に応じた新薬の開発へと向かわせている.しかし,肝不全,腎不全,多臓器不全など,急性臓器不全は高い死亡率を示すにもかかわらず,その治療において決め手となる薬物は未だ開発されていない.これら急性臓器不全の組織障害の病態生理は完全に明らかでないが,好中球の活性化や虚血・再潅流にともなう酸化ストレスによる細胞傷害が大きな役割を果たしている.酸化ストレスはヘムタンパク質からヘムを遊離させる.遊離ヘムは脂溶性の鉄であることから,活性酸素生成を促進して細胞傷害を悪化させる.この侵襲に対抗するために,ヘム分解の律速酵素:Heme Oxygenase-1(HO-1)が細胞内に誘導される.HO-1によるヘム分解反応産物である一酸化炭素,胆汁色素には,抗炎症・抗酸化作用がある.したがって,遊離ヘム介在性酸化ストレスよって誘導されたHO-1は酸化促進剤である遊離ヘムを除去するのみならず,これらの代謝産物の作用を介して細胞保護的に機能する.一方,HO-1の発現抑制やHO活性の阻害は酸化ストレスによる組織障害を悪化させる.この,HO-1の細胞保護作用に着目して,HO-1誘導を酸化ストレスによる組織障害の治療に応用する試みがなされている.本稿では,急性臓器不全モデルにおいて障害臓器に誘導されたHO-1が,遊離ヘム介在性酸化ストレスから組織を保護するのに必須の役割を果たしていることを述べる.また,抗炎症性サイトカイン:インターロイキン11,塩化スズ,グルタミンがそれぞれ,肝臓,腎臓,下部腸管特異的にHO-1を誘導し,これら組織特異的に誘導されたHO-1が標的臓器の保護・回復に重要な役割を果たしていることを示す.HO-1誘導剤の開発は急性臓器不全の新しい治療薬となる可能性を秘めている.
著者
森田 豊
出版者
城西大学
雑誌
国際文化研究所紀要 (ISSN:13412663)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.49-63, 1996-08-31

The days from the foundation of Bohai by Da Zuo Rong to the first delegation to Japan in Sho-Mu era were the reign of empresses, viz. Ji-Tou, Gen-Myou, and Gen-Shou, in Japan. The innovations of the political institutions and many achievements for the establishment of a modernized state were accomplished by the efforts of those empresses in their eras. The stable political situation as a result of the settlement of the state-form enabled the beginning of the cultural interchange with the neighboring nations. The paper tries to have a brief look in at the eras of the empresses.
著者
猪子 芳美 高橋 史 大沼 智之 森田 修己
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.508-515, 2003-06-10 (Released:2010-08-10)
参考文献数
16
被引用文献数
1

目的: 閉塞型睡眠時無呼吸症候群の歯科的治療に用いられる口腔内装置 (Oral appliance: OA) の効果に関する報告は, 多く認められる. しかし, 下顎前方位型装置 (Mandibular advancement device: MAD) の装着が口腔咽頭領域の形態に及ぼす影響について, 画像的に十分明らかにされていない. 本研究の目的は, 側方頭部X線規格写真 (セファログラム) 撮影時の体位および呼吸変化が, 口腔咽頭領域の形態に及ぼす影響を健常者について検討することである.方法: 被験者は, 自覚的, 他覚的にいびきを認めない健常者12名 (男性10名, 女性2名, 平均年齢27.3歳, 肥満度21.9kg/m2) とした. 被験条件は, 立位時の吸息と呼息および仰臥位時での吸息と呼息において, セファログラム撮影を行った. 撮影されたX線写真から得られた透写図上にて, 咽頭腔前後径とその面積, ならびに舌骨の位置の計測を行い, 体位と呼吸状態を2要因とする反復測定分散分析を用いて検討した.結果: 吸息時と呼息時の間に有意な差は認められなかった. しかし, 体位を立位から仰臥位に変化させると, 咽頭腔面積および口蓋垂後方の前後径と舌根部後方の前後径, 舌骨から下顎までの距離が有意に減少した.結論: 以上の結果から, 呼吸による影響は認められなかったが, 体位を立位から仰臥位に変化させることで口腔咽頭領域の形態に影響を及ぼすことが示された.
著者
森田 茂樹 富永 隆治
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

成犬を用いた脳死状態誘導により、1.脳死誘導後に見られる血行動態の変化と左心機能障害の程度。2.脳死誘導後における心筋酸素消費量と冠動脈血流量の変化。3.in vivoにおける冠動脈内皮機能障害の有無。4.in vitroにおける冠動脈の内皮障害の有無。以上4点について検討した。1.に関して、脳死誘導直後に血行動態の急激な亢進および緩徐な低下が認められた。それに伴い左室機能は、脳死誘導60分後に有意な低下を認めた。また、カテコラミンが脳死誘導後に一過性に増加しており血行動態および心機能の変化にカテコラミンが大きく関与していると考えられた。2.に関して、心筋酸素消費量および冠血流量は、脳死直後に急激な増加を認め、その後緩徐に低下した。脳死誘導前と比較して、心筋酸素消費量の有意な低下は認めなかった。3.に関して、内皮依存性血管拡張薬であるアセチルコリンと非依存性のニトロプルシッドを冠動脈に直接投与する事によって、冠血流量の反応を検討した。脳死誘導後には、両薬剤に対する冠動脈の反応性の有意な低下を認めた。冠動脈予備能の低下が示唆された。4.に関して、内皮付き中膜条片を作成し、張力実験を行った。脳死誘導により、高カリウム脱分極と、トロンボキサンA2アナログによる収縮刺激にたいする反応の低下が認められた。ブラジキニンによる内皮依存性の弛緩反応は障害されなかった。以上の結果から、脳死誘導により心機能の低下が認められるが、その原因として冠動脈予備能の低下が考えられた。冠動脈予備能の低下をきたす因子として、脳死誘導によるカテコラミンの一過性放出などによる冠動脈、とくに平滑筋機能の障害が考えられた。
著者
矢持 秀起 御崎 洋二 藤原 秀紀 森田 靖 大塚 晃弘 前里 光彦 中野 義明 白旗 崇
出版者
京都大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2008

π電子共役系の電子機能性を引出すため、共役系の形状や大きさ、組込むヘテロ原子の種類と位置、更には共役系外の置換基を自在に設計し、実際に多様な電子状態を持つ物質を合成した。環境変化や外部刺激に対する応答を検討し、パルス光照射に超高速に応答する分子性導体の電子状態と結晶構造の変化過程を0.1ピコ秒単位で計測するなど、基礎科学の新展開を促進する成果が得られた。さらに、実用電子材料の動作原理を与える成果も得られた。