著者
曽我部 春香 森田 昌嗣
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、既存の河川標識が抱えている課題の整理を行い、考察・分析を行うことで河川標識が果たすべき役割を明確化した。そして、河川標識として適切な役割を果たし既存の河川標識が抱える課題を解決する河川標識の基本的なデザインルールの策定ができた。また、このデザインルールに則りケーススタディを実施することで、策定したデザインルールの実践における有効性の検証を行うことができた。また、デザインルールをベースに河川標識ガイドラインを作成したことで、河川管理者がガイドラインに従い多くの河川標識を設置することとなり、このような経緯で設置された標識の調査を行うことでガイドライン上の再整理を行うことができ、より実践の場で役に立つ河川標識ガイドラインの改訂版を発行することができた。
著者
原田 昌和 山本 学 和田 健 神木 茂樹 明楽 修身 住吉 増彦 黄 祖冷 森田 展雄 坂本 忠幸
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.657-663, 1988
被引用文献数
13 3

Odontogenic keratocyst has been reported by many authors as a specific entity of odontogenic cysts since first described by Philipsen.<BR>Histopathologically, keratinization of the epithelial lining and formation of micro cyst; clinically, higher incidence of recurrence are characterized. Three hundred and sixty odontogenic cysts operated in the Department of Oral Surgery from 1966 to 1984 were studied. A representative histopathologic section from each cyst was screened, using the criteria for odontogenic keratocysts as stated by Pindborg.<BR>Of the 360 cases, 24 fullfilled the histologic criteria for odontogenic keratocysts, for a 6.7 per cent incidence. Of the twenty-four patients, one was diagnosed as basal-cell nervous syndrome, and had five cysts. Of the 24 patients, six had cyst recurrence for a rate of 32 per cent. One patient each had recurrence after one year five months, after three years, after three years four months, after three years five months, after four years six months and one four years ten months after the primary operation. Recently, some investigators have pointed out that odontogenic keratocyst may be benign cystic epithelial neoplasia. In our study, this opinion has been taken into account in view of the higher incidence of recurrence, but no histologically precise feature was obtained.
著者
斎藤 顕宜 森田 佳代 上野 慶一 八巻 芳夫 滝沢 登志雄 徳永 隆久 亀井 淳三
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農藝化學會誌 = Journal of the Agricultural Chemical Society of Japan (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.77, no.12, pp.1242-1245, 2003-12-01
参考文献数
17

Rosemary, plantago, and tea tree oil have been customarily used for the treatment of the common cold, but the detailed mechanisms of these antitussive effects are not well known. Thus, the aim of this study was to assess the antitussive properties of these herbs using a capsaicin-induced cough model in guinea pigs. Rosemary (10, 30μL/kg, <i>p.o.</i>), plantago (10, 30mg/kg, <i>p.o.</i>), and tea tree oil (10, 30μL/kg, <i>p.o.</i>) produced dose-dependent and significant antitussive effects. Methysergide (a serotonin receptor antagonist), but not naloxone (a opioid receptor antagonist), antagonize the antitussive effects of plantago and tea tree oil. On the other hand, neither methysergid nor naloxone had a significant effect on the antitussive effect of rosemary. Furthermore, γ-terpinene, terpinene-4-ol, cineole, and α-pinene, main components of tea tree oil and rosemary, significantly inhibited the number of capsaicin-induced coughs in guinea pigs. These results suggest that the antitussive effects of plantago and tea tree oil may depend on central mechanisms (modulation of serotonergic systems). On the other hand, the antitussive effects of rosemary may depend on peripheral mechanisms. Furthermore, it is suggested that γ-terpinene, terpinene-4-ol, cineole, and α-pinene may play an important role in the antitussive effects of tea tree oil and rosemary.
著者
森田 啓 西林 賢武
出版者
社団法人全国大学体育連合
雑誌
大学体育学 (ISSN:13491296)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.37-43, 2007-03-15

1990年代以降,大学で体育を行うことの根拠が問われている.本研究は,大学体育のFDに関する取り組みのひとつであり,オープンキャンパスにおいて,参加者および学内の他領域教員や職員に本学の体育のさまざまな試みを紹介することを目的とした体育科目の体験コーナーを設けたことにより,得られた成果を参加者の意識調査の結果を中心に検討したものである.オープンキャンパス参加者の意識調査は,本学オープンキャンパス参加者の中で,体育のブースを訪れてくれた人を対象に,アンケート用紙を用いて行った.ブースを訪れてくれた人には,フライングディスクの的あてを体験してもらい,体育の授業を紹介したパネルを読んでもらった.調査の結果,大学でも体育の授業があることを知らない者が60%いたが,大学でも必要と考える者は約90%いた.他領域の教員や職員に対する本学の体育紹介については,体育のブースを通りかかった教職員に声をかけて紹介を行った.オープンキャンパスに来ている教職員は,皆担当があって忙しくしていたため,感想を聞くことができた人はわずかであったが,多くの教職員にとって,大学の体育は「単に何かのスポーツを行っているだけ」「高校の繰り返しのような内容」と思われていたようで,本学の体育で取り組んでいるいくつかの新しい試みに興味・関心を示してくれる教職員もいた.今後も,本学で新しく試みた成果をきちんと公表し,さらに新しい試みを開始し,大学体育の必要性,重要性を提示していきたい.
著者
小森田賢史 我妻 知典 千葉 恒彦 横田 英俊 井戸上 彰 羽鳥 光俊
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.2623-2633, 2008-07-15

次世代ネットワークの中核技術として標準化が進められているIMS(IP Multimedia Subsystem)/MMD(MultiMedia Domain)においては,各端末の通信を制御するためにSIPを用いる.さらに,筆者らが着目するMMDでは移動端末のモビリティサポートのためにMobile IPの利用が想定されている.しかしながら,このSIPとMobile IPを併用する方式においては,それぞれが独立して処理を行うため,MMDセッションの移動制御が非効率となり,その結果ハンドオーバの遅延を招くという問題がある.本論文では,それら2つのプロトコルを連携させることにより,MMDセッション制御を高速化する手法を提案し,その方式設計について述べる.さらに,提案に基づいて実装,および評価を行い,MMDセッション制御時間の改善性について示す.
著者
稗圃 直史 寺井 理治 福田 伸二 富永 由紀子 根角 博久 森田 昭 長門 潤 一瀬 至 佐藤 義彦 浅田 謙介 橋本 基之 中尾 敬 吉田 俊雄
出版者
長崎県果樹試験場
雑誌
長崎県果樹試験場研究報告
巻号頁・発行日
no.11, pp.1-15, 2008-12

長崎県果樹試験場では、1973年から農林水産省指定試験事業の「びわ育種指定試験地」としてビワの育種を開始し、2007年に早生種の'涼峰'を育成した。'涼峰'は1974年に'楠'に'茂木'を交雑して得た実生の中から選抜された。1996年から'ビワ長崎6号'としてビワ第2回系統適応性検定試験に供試し地域適応性を検討した結果、大果で食味の優れる早生種であることが確認され、2005年9月15日に'涼峰'と命名され「びわ農林5号」として登録された。また、種苗法に基づき2007年3月15日付けで登録番号第15019号として品種登録された。1)樹姿は直立と開張の中間で樹勢はやや強い。枝の発生はやや密である。満開期は年により変動するが概ね12月中旬で、'長崎早生'より遅く'茂木'より早い。ビワがんしゅ病には比較的強い。2)育成地の長崎県大村市における成熟期は5月下旬で、同じ早生品種の'長崎早生'と同時期である。3)果実の大きさは平均56.5gで、'長崎早生'や'茂木'よりも大きい。果形は短卵、果皮色は橙黄である。剥皮性は良好である。果汁の糖度は11.4%で'長崎早生'や'茂木'と同程度、また、酸含量は0.23g/100mlで両品種より若干低い傾向である。果肉は両品種と比べて軟らかく多汁で、食味は良好である。果皮障害ではへそ黒症および緑斑症は発生しにくいが、そばかす症が発生しやすく、裂果および紫斑症も発生する。
著者
伊藤 康一 森田 歩 青木 孝文 樋口 龍雄 中島 寛 小林 孝次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.147, pp.61-66, 2005-06-20
参考文献数
8

一般的な指紋照合手法は, 指紋画像から特徴点を抽出し, 画像間で一致する特徴点ペアの数に基づいて指紋照合を行う手法である.指紋照合において最も困難な問題の1つとして, 環境や個人的な要因によって指先の状態が変化し, それに伴って照合精度が大きく影響を受ける問題がある.この問題を解決するために, 本稿では, 位相限定相関法(Phase-Only Correlation: POC)を使った指紋照合アルゴリズムを提案する.POCは, 2次元離散フーリエ変換した画像より得られる位相成分を使って画像間の類似度を調べる照合法であり, 状態の悪い指紋画像に対してロバストに照合することができる.本稿では, 乾燥肌や肌荒れ, アレルギーなどが原因で指先の状態が悪い人から採取した指紋画像を使い, 特徴点を使った照合アルゴリズムと比較して提案するアルゴリズムが高性能であることを示す.
著者
中村 元樹 森田 明理 杉浦 真弓 山口 裕史 西田 絵美 加藤 裕史 古橋 卓也 鳥居 寛 Fukunaga-Kalabis Mizuho 水野 俊彦
出版者
名古屋市立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

4箇所の胎児皮膚(頭部、背部、腹部、足底、胎生13週~22週、計36体)をHMB45, MITFなど各種抗体で免疫染色し、胎生期におけるメラノサイトの遊走過程を解明した。有毛部皮膚では、メラノサイトは胎生12から15週に、これから毛芽が形成される表皮基底層に存在し、足底皮膚では胎生早期、汗管形成以前にメラノサイトが汗管発生部位に到達し、汗管の伸長と共に深く入っていくことを明らかにした。エクリン汗腺にメラノサイト幹細胞が存在するとする近年の報告を裏付けるものであり、ヒトでの研究は初めてである。
著者
森田 光子 有地 淑子 木瀬 祥貴 後藤 真一 泉 雅浩 内藤 宗孝 勝又 明敏 有地 榮一郎
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会
雑誌
歯科放射線 (ISSN:03899705)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.27-38, 2010 (Released:2011-03-11)
参考文献数
20

Objective: To clarify the educational effect of a lecture on differential imaging features comparing ameloblastomas and keratocystic odontogenic tumors of the mandibles presented to dental students.Methods: Panoramic and CT images of 10 ameloblastomas and 10 keratocystic odontogenic tumors were randomly presented 114 dental students. Test scores, correct answer ratios, identification index, and understanding of the imaging features contributing to a correct diagnosis were serially evaluated before and after the lecture on the differential imaging features comparing the two types of tumors.Results: The mean and standard deviation of the scoring ratios of dental students diagnosing these lesions on panoramic and CT images were 48.8 ± 10.8% and 52.5 ± 12.9%, respectively. After the lecture on the differential imaging features comparing the two tumors, the scoring ratios improved significantly. After the lecture, both the numbers of patients whose images were correctly diagnosed and the identification indices increased. The lecture also increased the number of imaging features recognized as contributing to the correct diagnosis.Conclusion: A lecture on the differential imaging features comparing ameloblastomas and keratocystic odontogenic tumors of the mandibles contributed to the improvement of imaging diagnosis skills among dental students.
著者
安梅 勅江 田中 裕 酒井 初恵 宮崎 勝宣 小林 昭雄 天久 薫 枝本 信一郎 伊藤 澄雄 篠原 亮次 杉澤 悠圭 澤田 優子 童 連 田中 笑子 冨崎 悦子 望月 由妃子 渡辺 多恵子 恩田 陽子 徳竹 健太郎 平野 真紀 森田 健太郎 AMARSANAA Gan-Yadam 川島 悠里 難波 麻由美 呉 柏良 丸山 昭子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

経年的な子どもの発達、社会適応、健康状態、問題行動の発現への影響を踏まえ、科学的な根拠に基づく「気になる子ども支援プログラム」の開発を目的とした。全国の0~6歳児と保護者約36,000組の12年間パネルコホート調査を用い、子どもの特性別に発達の軌跡と関連要因について分析した。その結果、家庭環境要因、子ども特性要因、家族特性要因、地域サポート要因の子どもの発達への影響の大きさと軌跡を明らかにした。
著者
安岡 利恵 熊野 達也 森田 修司 満尾 学 小田 俊彦 川端 健二 門谷 洋一
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.129-134, 2005-01-25 (Released:2009-05-26)
参考文献数
37
被引用文献数
2 3

急性腹症で発症した小児大腸癌の1例を経験したので,本邦における小児大腸癌の検討と併せ報告する.症例は15歳,男児.腹痛,嘔吐,発熱を主訴に来院. CT上,多量の腹水とfree air認めたため,消化管穿孔による汎発性腹膜炎との診断の下,緊急手術施行.術中所見で直腸癌穿孔に伴う癌性腹膜炎と診断し, Hartmann手術を施行した. Rsの全周性びまん浸潤型腫瘍の組織学的所見は, mucinous carcinoma, se, n(+), ly1, v1, H0, P3, M0, stage IVであった.術後10日目より化学療法(5FU/leucovorin)を開始するも,癌性腹膜炎は進行し,術後157日目永眠.小児大腸癌は予後不良であり,小児であっても大腸悪性腫瘍の存在を念頭に置き精査し,早期発見・治癒切除に努めることが重要であると考える.