著者
福永 陽子 隈部 洋平 西村 一成 初川 博厚 北 真一郎 森田 武志 当麻 正直
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.177-182, 2018 (Released:2018-11-13)
参考文献数
20
被引用文献数
1

甲状腺未分化癌は極めて治療抵抗性で予後不良な癌であるが,2015年に登場した分子標的薬レンバチニブは,甲状腺未分化癌に対して画期的な抗腫瘍効果を示すことが報告されている。今回,レンバチニブによる頸動脈出血をきたし不幸な転帰をとった甲状腺未分化癌例を経験したので報告する。症例は73歳の女性で,甲状腺未分化癌に対してレンバチニブによる治療を行い短期間で劇的な腫瘍縮小効果を得た。治療開始57日目に食道穿孔および縦隔炎をきたしたため,レンバチニブを休薬したが,休薬後3日目に頸動脈出血をきたした。救命目的に緊急ステントグラフト留置術を施行したが,術中に総頸動脈閉塞をきたし脳梗塞により永眠された。
著者
森田 学 山本 龍生 竹内 倫子
出版者
岡山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

口腔関連の疾患と気象条件との関係を明らかにすることを目的とした。岡山大学病院予防歯科診療室の外来患者で、歯周病に起因する症状を急遽訴え、予約時間外で来院した患者(217名)を対象に、来院時の気象条件との関連を分析した。各月を3等分(上旬、中旬、及び下旬)したところ、その間に来院した患者数が、その期間中の平均気圧(r=0. 310、p<0. 05)、平均日照時間(r=0. 369、p<0. 05)と有意な相関を示した。以上のことから、気象条件と口腔の炎症性疾患との間には何らかの関係がある可能性が示唆された。
著者
森田 雅明 角森 史昭 松山 諒太朗 森 俊哉
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.91-95, 2013 (Released:2013-02-28)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2

三浦半島の活断層群周辺の地下水中のラドン濃度の調査を行った。調査地域の平均の地下水ラドン濃度は5.8±4.8Bq L-1,最高の値は17.2±1.0Bq L-1であった。また,採水地点と断層との間の距離に対してラドン濃度をプロットすると,断層線上の低いラドン濃度の領域の周りに高いラドン濃度の領域が存在した。これは,高いラドン濃度の領域が断層破砕帯の存在を示していると推測される。
著者
森田 憲一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.306-314, 1994-04-15
被引用文献数
5
著者
土井 正男 森田 裕史 住野 豊 山口 哲生
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

固体基板に粘着させたゴムや粘着剤などの高分子物質を剥がそうとすると、高分子と基板の接触面の境界(接触線)近傍には、キャビティやフィブリルなどのμmオーダのメソスケール構造が表れる。本研究では、高分子の粘着や摩擦において見られるこれらのメソスケール構造を実験的に調べ、構造の変化と粘着・摩擦特性の関係を幾つかの例について明らかにした。特に、粘着性ゴムの接触線運動のモデルを得た。また、基板上をすべるゴムの中の歪みの空間分布を求める方法を提案し、地震現象との関連を議論した。
著者
西條 政幸 森田 公一
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.89-94, 2015-06-25 (Released:2016-02-27)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

日本ではエボラウイルス等バイオセーフティレベル4(BSL-4)に分類される病原体を取り扱うことはできない.1981年に国立感染症研究所は世界に先駆けてグローブボックス型のBSL-4施設を建設したが,30年以上が経過している現時点においてBSL-4施設として稼働されていない.2014-15年にかけて西アフリカにおいて過去にない大きな規模のエボラウイルス病(EVD)が流行している.また,致死率の極めて高い新興ウイルス感染症が世界各地で発生している.このような致死率の高い感染症対策に貢献するための研究がなされている中で,日本においては稼働しているBSL-4施設がないことから,感染性のあるBSL-4病原体を取り扱うことができず,公衆衛生対応や研究領域において十分な力を発揮できていない.多くの高病原性ウイルス感染症の病原体は動物由来ウイルスであり,地球上から根絶させることはできず,これからも流行が続くことが予想される.日本においてもBSL-4施設を用いて,BSL-4病原体による感染症対策のための研究や検査が実施できる体制を整備する必要がある.
著者
山本 義春 北島 剛司 佐々木 司 森田 賢治 吉内 一浩 中村 亨
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

うつ病の予防を目指した日常生活下における行動・心理動態のモニタリングシステムを構築するとともに、疾患発症・病態変化に伴う行動・心理動態の変容を評価・予測する客観的・定量的指標の開発を行った。さらに、行動・心理動態の変容とその移現象に関わる背後の生体システムの動力学的構造をデータ駆動型で推定することにより、開発指標の動力学的意味付けを行った。また、疾患発症・病態遷移の早期検知に資する動力学的機序に関する知見を得た。
著者
西岡 博之 新井 宗亮 野方 康次 森田 将史
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.265-271, 2013 (Released:2014-03-01)

高層建物の解体工事は,今後国内でも多くの需要が予想される分野であるが,高さのリスクや都心部であるといった制約条件から,安全面や環境面からクレーンによるブロック解体のニーズが高まるであろう。今回,旧ホテルプラザ解体工事において移動架構技術を利用したブロック解体(ハットダウン工法)を適用した。ブロック解体において,鉄骨の切断方法や揚重方法,荷降ろし方法等様々な要素技術を確立し,一定以上の成果が得られたので,ここに報告する。
著者
稲田 文夫 米田 公俊 森田 良 藤原 和俊 古谷 正裕
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.218-223, 2008 (Released:2008-11-08)
参考文献数
12
被引用文献数
2 6

配管減肉に対する流体現象の寄与について説明した.流れ加速型腐食(FAC)とエロージョンでは,壁面への流体作用力が全く異なることを示した.FACの主要因子である乱流物質移動は熱伝達とアナロジがあり,壁面近傍の粘性底層内の分子輸送が支配的とするモデルが実用的である.さらに物質移動は数値流体解析コードで求められる.最後にこれらの手法によりオリフィス,エルボにおける物質移動現象を予測した結果を説明した.
著者
森田 祐介 古屋 友和 田村 総 平尾 章成
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.944-949, 2020 (Released:2020-09-30)
参考文献数
8

人の認知に関わる複数のリソース(視角/聴覚/言語/空間、等)を分散させることで負荷を低減させるHMIの実現を目指す。本研究では想定タスクについて従来の手動操作及び音声操作と、視線・音声を用いたマルチモーダル操作のワークロード評価を比較し、負荷低減への効果を明らかにする。
著者
森田 恵美子 横山 久代 竹田 良祐 山科 吉弘 河合 英理子 福村 智恵
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.317-325, 2020-08-01 (Released:2020-07-15)
参考文献数
49

We examined the relationship between masticatory ability and bone mineral density (BMD) and the role of muscle strength in those relationships in 156 female university students. Masticatory ability was assessed using a color-changeable chewing gum method. The BMD of the calcaneus was measured using quantitative ultrasonography and represented by a T-score, the standard deviation (SD) from the mean BMD of young adults. Body composition, grip strength, physical activity level, and daily nutrient intake were also assessed. Osteopenia, defined as the T-score < ‒1.0 SD, was present in 43 participants (27.6%). There was no significant relationship between masticatory ability (ΔE) and T-score in all participants. In participants with normal BMD (T-score ≧ ‒1.0 SD: the normal BMD group), masticatory ability significantly correlated to BMD (r = 0.289, p = 0.002). There was significant correlation between ΔE and grip strength neither in all participants nor in either group, although the grip strength in the normal BMD group was greater than that in the participants with osteopenia (the low BMD group) (p = 0.039). Physical activity level was positively correlated to the total daily energy intake (r = 0.193, p = 0.041) only in the normal BMD group. The present results suggest that masticatory ability is associated with BMD in young females with normal BMD, but the role of muscle strength in those relationships remains unclear. Meanwhile, there was no relationship between masticatory ability and BMD in young individuals with lower BMD.
著者
森田 幸子
出版者
長崎大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2010

矯正治療時の歯根吸収には、いまだ予防法がない。ビスフォスフォネートは、破骨細胞をアポトーシスへ誘導することにより骨吸収抑制の作用を発現することが知られている。また、これまでの研究でビスフォスフォネートは矯正学的歯の移動と歯根吸収それぞれを抑制するということがわかっている。本研究では、ビスフォスフォネートの投与量等を検討することにより歯の移動を妨げることなく歯根吸収を抑制できるのではないかと考え、実験を行った。マウスの第一臼歯と前歯部を超弾性のNiTiクローズドコイルスプリングでつなぎ、歯の移動開始時から、左側第一大臼歯頬側粘膜下にそれぞれのグループで、さまざまな濃度のビスフォスフォネートを2日おきに注射で投与した。コントロールであるPBS投与の右側第一臼歯を対照群とした。12日間矯正力をかけ歯を移動させた後に歯の移動距離を測定、その後、第1臼歯を取り出し、軟組織を次亜塩素酸ナトリウムで除去後、走査型電子顕微鏡で歯根吸収の評価を行った。ビスフォスフォネート2μg投与群において、歯の移動距離はPBSのみ投与群と比較して有意に減少し、また歯根吸収もPBSのみ投与群と比較して有意に減少した。ビスフォスフォネート20ng、200ng投与群では歯の移動、歯根吸収においてPBSのみ投与群と比較して有意な差は認められなかった。他のいずれの濃度投与群においても、PBSのみ投与群と比較して歯の移動も歯根吸収も有意差を認めない、もしくは、歯の移動も歯根吸収も有意に抑制するという結果が得られた。本研究で、ビスフォスフォネートは投与量によって歯の移動および歯根吸収に同様な影響を与えることがわかった。またビスフォスフォネートは投与量により歯の動きを抑制ヘコントロールし歯根吸収を予防する可能性が示唆された。