著者
荒井 昌海 松尾 浩一郎 田口 知実 森田 英明
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.52-60, 2020-06-30 (Released:2020-07-23)
参考文献数
30

目的:今回われわれは,老人介護保健施設において,介護者への口腔ケア教育を含めた口腔衛生管理によって入所者の口腔環境が改善,維持されるか,日本語版Oral Health Assessment Tool(OHAT)を使用して,後ろ向きに検討した。 方法:2016年9月から2年間,某歯科医院による訪問歯科診療への同意が得られた介護保険施設の入居者と介護者を対象とした。1カ月ごとにOHATを用いて対象者の口腔環境が評価され,評価に基づいた口腔機能管理シートが作成された。この管理シートを基に,介護者への口腔ケアの教育と歯科衛生士による専門的口腔衛生処置が実施された。2年間を通じて入所していた患者を通期群とし,介入の途中で入所または退所した者を含めた全患者を全体群とした。OHATスコアの半年ごとの変化を検討した。 結果:通期群42名と全体群96名のOHATスコアは,初回評価時では,通期群で中央値(四分位範囲)が3(1~4),全体群では3(1~5)であったが,半年後には,通期群で1(0~3),全体群でも2(0.25~3)と有意に低下し,2年後には通期群で1(0~2),全体群でも1(0~3)と低値が維持された。 結論:本結果より,入所者が変化していく介護保険施設で,介護者への口腔ケア教育を含めた口腔衛生管理により,入所者の口腔環境を改善させ,継続して維持できることが示唆された。
著者
森田正馬
出版者
白揚社
雑誌
森田正馬全集
巻号頁・発行日
vol.2, 1974
被引用文献数
1

1 0 0 0 OA 煤煙

著者
森田草平 著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1932
著者
亀山 統一 森田 琴美
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.131, 2020

<p>琉球列島のデイゴ<i>Erythrina variegata</i>は葉や若枝に侵入害虫デイゴヒメコバチの激しい加害を受けているが、被害木の一部に急速な枯死にいたる個体が存在する。この枯死被害は、<i>Fusarium solani</i> species complex (以下FSSC)に属する菌類を主因とすることが、演者を含む共同研究により明らかにされている。FSSCは沖縄島の複数地点と石垣島のデイゴ罹病木から分離され、琉球列島の広域に分布しているものと推測された。本研究では、沖縄島、宮古島、伊良部島、石垣島においてデイゴの枝枯・胴枯病徴の患部を採取して菌類を分離し、形態及び分子分類により種を推定した。いずれの島でもFSSCが分離された。患部から高率で分離されたFSSCおよび別種の菌株について、接種試験を試みた。デイゴヒメコバチが侵入している琉球諸島においても入手容易な材料として、デイゴの葉柄への接種を試みた。付傷接種によりFSSCおよび別種の菌株の多くが病原性を示した。葉柄への接種試験の手法としての有効性をまず確認した。その上で、菌株間での病原性の強弱等に着目して検討を加えるとともに、温度条件など成木での病徴進展に関与している可能性のある因子についても検討を加えた。</p>
著者
森田 健 宮崎 良文
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.31-33, 1998-02-25 (Released:2017-07-28)
参考文献数
13
被引用文献数
1

The authors compiled the definitions of health so far given by WHO and other organs and researchers, and reviewed the concept of health in terms of physiological anthropology. The authors reached the conclusion that health is a state brought about by favorable relation between the environment and humans, as well as a state in which each individual can manifest innate abilities sufficiently. A more healthy environment thus needs to be created.
著者
森田 茂紀
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.554-557, 2000-12-05 (Released:2008-02-14)
参考文献数
46
著者
小田 忠雄 高木 泉 石田 正典 西川 青季 砂田 利一 森田 康夫 板東 重稔 新井 仁之 堀田 良之
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

本研究の目的および実施計画に沿って,研究代表者,研究分担者および研究協力者は,多様体に関する数理科学的諸問題を次のように研究した.1. トーリック多様体を代数幾何・代数解析・微分幾何の見地から研究し,交差コホモロジー,トーリック多様体への正則写像,トーリック・ファノ多様体の分類および複素微分幾何学的計量に関して新知見を得た.2. 多様体を数論・数論的幾何の見地から研究し,アーベル曲面等の有理点の分布,2次元エタール・コホモロジーに関するテート予想,クリスタル基本群・p進ホッジ理論に関して新知見を得た.3. 非アルキメデス的多様体の代数幾何学的研究を行い,剛性に関する新知見を得た.4. 可微分多様体,リーマン多様体,共形平坦多様体の大域解析的性質,双曲幾何学的性質,基本群の離散群論的性質を研究して数々の新知見を得た.5. 多様体上のラプラシアンやシュレーディンガー作用素のスペクトルの,量子論・準古典解析的研究および数理物理的研究を行うとともに,グラフに関する類似として離散スペクトル幾何に関しても興味深い数々の結果を得た.6. 生物等の形態形成を支配すると考えられる反応拡散方程式等の非線形偏微分方程式系を多様体上で大域的に研究し,安定性に関する新知見を得た.7. ケーラー多様体上のベクトル束の代数的安定性とアインシュタイン・エルミート計量に関する複素幾何学的研究を行い,いくつかの新知見を得た.8. 擬微分作用素・極大作用素・有界線形作用素・作用素環等を実解析・複素解析・フーリエ解析的側面から研究し,数々の新知見を得た.
著者
森田 昌彦 村田 和彦 諸上 茂光 末光 厚夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.733, pp.103-108, 2004-03-11
参考文献数
2

伝統的な多層パーセプトロンは,入出力関係が文脈に強く依存する場合や2つの独立な入力情報を統合する必要がある場合,学習・汎化能力が著しく低下する.別の言い方をすれば,2変数の関数の近似能力は極めて乏しく,学習サンプルとほぼ同数の中間層素子が必要である上に,サンプル数をいくら増やしても汎化誤差はほとんと減らない.このことを数値実験で示すと共に,その本質的原因を論じる.また,このような多層パーセプトロンの限界が,入力素子の選択的不感化という簡単な手法によって乗り越えられることを示す.
著者
森田 賢太 高瀬 治彦 川中 普晴 森田 直樹
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.592-596, 2019

<p>本稿は与えられた系列データから頻出な部分列を抽出することを目的とした.特に,抽出に際して(1)オンライン学習,(2)複数部分列の抽出, (3)さまざまな長さの部分列の抽出, (4)頻出とするしきい値の調節の4つすべて可能にすることをめざした.提案手法は,スパイキングニューロンを用いた2ブロックからなるニューラルネットワークである.LIFモデルに基づくユニットにより構成し,STDP学習則に基づいた結合荷重の更新を行うことで,自己組織的に部分列を抽出するネットワークを構築する.この結果,1つのSTDPのパラメータを調整するだけで,同じ系列から頻出として抽出する部分列を変化させることができた.具体的には,3,000シンボル長の系列から3シンボル長の部分列(出現頻度は0.4%, 3%, 5%)を抽出した際,3%以上出現する部分列の抽出と5%以上出現する部分列の抽出の切り替えに成功した.</p>
著者
森田 純哉 平山 高嗣 間瀬 健二 山田 和範
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:21888698)
巻号頁・発行日
vol.2015-UBI-47, no.16, pp.1-6, 2015-07-20

これまで発表者らは,パーソナルデータを用いた自伝的記憶のモデル構築,およびそれを組み入れた写真スライドショーアプリの開発に取り組んできた.本発表では,アプリの背景にあるモデルベース回想法のコンセプトを議論する.モデルベース回想法は,(1) 認知アーキテクチャによるユーザモデリング,(2) ユーザフィードバックによるモデル学習,(3) モデルによるユーザの働きかけを要素とする.個人化された認知モデルによって,ユーザに写真が提示され,ユーザからのフィードバックによってモデルがチューニングされる.その結果として,人間とモデルの同調,あるいはモデルによる人間の連想の引き込みが生じる.こういったモデルベース回想法の方法論を完成させることで,ユーザの記憶想起をポジティブな方向へ導き,建設的な未来展望へつなげるシステムが構築されると考えている.
著者
室田 誠逸 森田 育男
出版者
一般社団法人 日本動脈硬化学会
雑誌
動脈硬化 (ISSN:03862682)
巻号頁・発行日
vol.16, no.7, pp.925-928, 1988-12-01 (Released:2011-09-21)
参考文献数
2

For the simple examination of the change in vascular permeability response of endothelial cells to various stimuli, we attempted to establish an in vitro experimental model using Boyden's chamber. This chamber has both upper and lower compartments with a partition filter between them. We succeeded in obtaining a monolayer of vascular endothelial cells on the surface of the filter by using a gelatin coated nucleopore filter. Both upper and lower compartments were filled with culture medium. When bovine serum albumin was added only to the upper compartment, the albumin was time-dependently leaked from the upper compartment to the lower compartment though the pores of the filter. The leakage was inhibited greatly when the surface of the filter was covered with entothelial cells.By monitoring the amount of albumin leaked into the lower compartment after the addition of various stimuli, such as histamine, serotonin, bradykinin, PAF (Platelet activating factor) etc., to the upper compartment, we could judge which stimulus could better influence vascular permeability. PAF was found to be the most active stimulus in increasing vascular permeability.During the course of the investigation, we found that such substances as having cytotoxic activity, i.e., lipid peroxides, antiserum in the presence of the complement etc., could also increase vascular permeability. Therefore, by measuring cell viability at the same time, this model can be used as an in vitro assay system for measuring vascular endothelial cell injury. This model may also be a useful in vitro assay system for the evaluation of cytoprotective drugs. By using this system we found that 15-HPETE (15-hydroxyeicosatetraenoic acid), one of the lipoxygenase metabolites of arachidonic acid, has a strong cytolitic activity on vascular endothelial cells and that MCI-186 (3-methyl-1-phenyl-2-pyrazolin-5-one) could prevent the cells from such injury.
著者
八板 静香 野口 亮 蒲原 啓司 柚木 純二 諸隈 宏之 古賀 秀剛 田中 厚寿 古川 浩二郎 森田 茂樹
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.277-280, 2016-11-15 (Released:2016-12-10)
参考文献数
10

中枢性尿崩症(central diabetes insipidus : CDI)は下垂体後葉からの抗利尿ホルモン(ADH)の分泌が消失あるいは減少することにより尿量増加をきたす疾患である.一般的にCDIに対しては抗利尿ホルモン(ADH)補充により治療を行うが,手術侵襲により体液量や電解質などが変動する周術期のCDI患者の管理法に関しては報告も少なく確立したものはない.今回,われわれはCDIを合併した弁膜症の手術症例を経験したので報告する.症例は下垂体腫瘍の摘出術後に続発性のCDIを発症していた72歳の女性で,大動脈弁置換術と僧帽弁形成術が施行された.CDIに関しては酢酸デスモプレシン内服で術前の尿崩症のコントロールは良好であった.術直後よりバソプレシンの持続静注を開始し術翌日よりバゾプレシンの内服を再開したが術後3日目頃より急激な尿量増加をきたした.バソプレシンの静注から皮下注射に切り替え,尿量に応じたスライディングスケールで投与量を決めてコントロールを図った.経過中,バゾプレシン過剰による水中毒を認めたが,日々の尿量と電解質バランスを注意深く観察しつつスライディングスケールに従ってバゾプレシンを漸減することで酢酸デスモプレシン内服へ切り替ることができた.尿量に応じたバゾプレシン皮下注のスライディングスケールは開心術後のCDIのコントロールに有効であった.