著者
ファーマー ドナR. 脇森 裕夫
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.343-349, 2000-08-20

グリホサートの安全性を評価するため各種の毒性試験を実施した.原体, および各種製剤の急性毒性は低く, いわゆる普通物に相当した.また, 眼に対する刺激性は軽度から中等度であり, 皮膚に対する刺激性は軽度であった.皮膚感作性は認められなかった.亜急性毒性, 慢性毒性および発がん性試験では, 雄ラットの高用量群において白内障様レンズ変性が, 雌ラットの高用量群において体重増加抑制が認められた.また雄マウスの高用量群において肝細胞肥大および小葉中心性肝細胞壊死が, 雌雄マウスの高用量群に軽微な体重増加抑制が認められたが, いずれの動物種でも催腫瘍性は認められなかった.また, 繁殖試験において繁殖能に対する影響は認められず, 催奇形性試験において催奇形性は認められなかった.発達毒性が認められたのは母動物に対する毒性の認められた投与量においてのみであった.変異原性は復帰変異, DNA修復, 染色体異常のいずれの試験系においても陰性であった.薬理試験において心臓・循環器系に対する影響を示したが, 極めて高用量の投与の場合に限られており, 通常の使用により本剤による中毒は発現しないと考えられる.グリホサートは1980年9月に除草剤として農薬登録された.食品衛生法に基づく残留農薬基準が120種以上の作物に設定されている.一日摂取許容量(ADI)は0.75mg/kg/dayである.
著者
森下 慎一
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.847, pp.12-19, 2007-04-23

都営地下鉄大江戸線・六本木駅の改札を出て、案内板に従って進むと、彫刻家の安田侃氏による「意心帰」が出迎える。東京・六本木に3月30日、グランドオープンした「東京ミッドタウン」地下1階エントランスの目印だ。地上に上がると、都内一となる高さ248mの「ミッドタウン・タワー」が中央にそびえる。
著者
森 礼子
出版者
福岡県立大学
雑誌
福岡県立大学看護学部紀要 (ISSN:13488104)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.56-66, 2005-03

TESOL(英語教育学)ではrecastと呼ばれる間違いの直し方がある.本稿ではESL(英語を母語としない学習者に英語圏で教える)教師が,どのような信念を持ち,どのような目的を達成するためにrecastを用いたかを調査した.ここで調査した教師は学習者が間違ってもいいから発言ができるような教室の風土作り,話したいという思いにかられて話し合いに参加するような学習活動の立案と実行,興味を持って学習者の話を聞く,などの目的を持って教えていて,recastはそのようなさまざまな目的を達成しつつ,話し合いを前に進め,言語的に正しい表現を提示するのに適した間違いの直し方であった.この調査は,recast研究では教師自身がどのような信念を持って間違いを直しているかを調査することの必要性を示唆している.
著者
森 正
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.60-82,264, 2006 (Released:2010-04-30)
参考文献数
106

In this article, the potential of “practicable science, ” which is the new trend in Japanese politics in the 21st century, is being discussed and examined, focusing on a series of researches on Japan's political reforms.There have been two major trends or academic tendencies in the discussions of the political reforms. One is the attitude of political researchers who express strong criticism on political practices and propose actual policies actively participating in decision making processes. The other is the trend where certain distance is kept from actual political practices but they clarify the political actors' behavior at micro level, the changes of political phenomena, and the consequences through an empirical analysis. Both trends spread rapidly during the period.The new wave of Japanese political science research in the 21st century will bridge these two trends and respond to the proposition of “practicable science.” Policy proposals, empirical analysis, and normative discussions represented in public philosophy need to share functions and cooperate consciously while complementing each other without excluding others. It will be indispensable in establishing “practicable science, ” the new trend in Japan's political science research.
著者
森田 由香里 森下 武志
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp."1A1-G04(1)"-"1A1-G04(2)", 2010

In natural world, there is the creature which can move by sternal recumbency like amphibians and reptiles. We investigated the ability varying the property and structure of the body using a walking robot of sternal recumbency. Change point of the structure given the elasticity of the legs. The property changed a soft belly and the soft squama. Ability to walk and power consumption existed characteristic by these conditions each, and these revealed that there is a valid form according to the situation.
著者
吉井 千春 森本 泰夫 二階堂 義彦 田尾 義昭 津田 徹 永田 忍彦 城戸 優光
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.917-923, 1993
被引用文献数
3

rG-CSFは, 白血球数最低値を底上げし, 白血球数減少期間の短縮が期待される薬剤として, 肺癌化学療法での併用が定着しつつある. しかし, どの時点からの投与開始が最適であるかの検討は十分にされていない. 今回我々は, 3つの化学療法レジメン (3日間) で, 投与開始時期により4群 (A群: rG-CSF非投与, B群: 白血球数2000/mm<SUP>3</SUP>以下からの開始, C群: day2からの開始, D群: day5からの開始) に分け, r G-CSFを2μg/kg皮下注して, 各群の白血球数最低値と白血球減少期間を比較した. この結果, D群は全例で白血球数最低値が2000/mm<SUP>3</SUP>以上になり, A群と比べ有意に最低値が底上げされた. またB, C群は同一症例で同一レジメンの比較で白血球数減少期間の短縮傾向を認めた. この結果から, 今回行った化学療法レジメンでは白血球数最低値を確実に底上げする目的ならば, day5からの投与開始が最も有用と思われた.
著者
栗生 剛 衣浦 晴生 中森 由美子
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.124, 2013

紀伊半島で発生しているカシノナガキクイムシの防除手法を検討するため,樹種およびウバメガシ幹サイズの違いによる発生頭数,及びコナラ・ウバメガシが優占する林分での被害推移を調査した。発生頭数調査はカシナガ穿孔被害を受けた常緑広葉樹林(試験地A,B)で行った。試験地Aではコナラとウバメガシ穿入生存木に各5本,Bではウバメガシ大径木4本と小径木5本に羽化トラップを取り付け,6月から11月の毎週,トラップを回収した。また,試験地Aに調査区(面積0.3ha)を設定し,DBH10cm以上のブナ科樹木を対象に胸高直径,高さ2m以下の穿孔数を2年間調査した。ウバメガシの穿入生存木からの平均発生頭数はコナラよりも多く,ウバメガシの小径木(平均DBH11cm)においても,大径木(平均DBH21cm)と同程度の発生頭数であった。林分調査では,累積被害率は2年間共にシイ>コナラ>アラカシ>ウハ゛メカ゛シであった。1年目の平均穿孔数はコナラ>ウハ゛メカ゛シ>シイ>アラカシ,2年目はコナラ>アラカシ>ウハ゛メカ゛シ>シイとなった。これらから被害発生初期林分ではコナラ,ウバメガシの取り扱いが重要であると考えられた。
著者
清水 陽香 中島 健一郎 森永 康子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.202-214, 2016-03-10 (Released:2016-03-21)
参考文献数
28
被引用文献数
3

先行研究では防衛的悲観主義(Defensive Pessimism: 以下DP)が,課題関連場面で高いパフォーマンスを示すために有効な認知的方略であることが示されている。しかし,DPが同様に対人関連場面において有効な方略となるかどうかは定かではない。そこで本研究では,DPが初対面の他者との相互作用場面における行動意図をどのように規定するか明らかにすることを目的に,女子短期大学生(N=202)を対象とする場面想定法を用いた質問紙実験を実施した。DP傾向が複数の他者との会話場面における状態不安や行動意図に及ぼす影響について検討した結果,DP傾向は状態不安と正の関連を持つと同時に,相手の反応に合わせるような行動意図や相手の意見を尊重するような行動意図と正の関連を持つことが示された。
著者
森本 龍太郎 松宮 雅俊 竹村 治雄 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.716, pp.103-110, 2001-03-15
被引用文献数
1

地形モデルを生成するためのモデリングシステムでは,ユーザの思い通りの多様な地形を容易に生成できる必要がある.本研究では,この要求を満たすために,没入型仮想環境と3次元操作可能なペン型デバイスを用いることで,直感的で対話的な操作による地形モデリングシステムを提案する.提案環境は,傾斜型ディスプレイを表示装置として用いることで,ディスプレイ面による2次元平面と,ディスプレイ上に映し出された映像を立体視した3次元空間により構成される.ユーザはこの2次元平面に対して地形の外観の特徴を表した図形を描画し,この図形を3次元空間に直接引っ張り上げ,斜面の傾斜具合を設定することで地形のモデリングを行なう.本稿では,提案するモデリングシステムについて詳しく述べ,実際のモデリング結果と実験によって本研究の有効性を検証する.
著者
森 傑
出版者
都市計画協会
雑誌
新都市 (ISSN:00373761)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.20-24, 2013-02-04
著者
加河 茂美 南齋 規介 森口 祐一 熊田 正次郎
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.79-79, 2005

本研究では,家計消費という主要な排出源から捉えることが重要だと考え,各家計の世帯属性の違いが産業廃棄物発生に与える影響を定量的に評価した.その結果,産業廃棄物発生に影響力の大きい属性は収入,年齢であることが分かった.収入の違いによって生活必需品,贅沢品の消費性向が大きく異なるため収入が低い世帯ほど発生原単位が大きく,また年齢の違いによる選好,食生活等の生活スタイルの違いから年齢が低い世帯ほど発生原単位が大きい傾向にあることが分かった.
著者
鈴木 規之 津田 徹 齋藤 利文 森山 京平 ザモーラ ジェーンルイ フレスコ 樫原 茂 藤川 和利 山口 英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.384, pp.49-54, 2012-01-12
被引用文献数
1

大規模災害時において,建物の倒壊や負傷により移動できない被災者を救出するためには,発生直後から如何に迅速な救助活動を行うかが重要となる.しかし,災害時には,既存の通信インフラが使用できないため,被災者の情報を入手することが困難となる.そこで,本稿では,各ユーザのスマートフォン間で蓄積運搬転送型通信を行うことで,被災者からの救助要請メッセージを伝搬し,救助者が被災者の状態や位置を把握できるアプリケーション(SOSCast)の設計を提案し,実装する.SOSCastは救助要請メッセージに含まれている被災者のGPS情報と,救助要請メッセージの受信者のGPS情報を用いて,多くの救助要請メッセージを収集することで,被災者の位置の把握を行うことができる.また,プロトタイプシステムを用いた実験評価では,被災者のGPS情報が誤差を含んでいる,または取得できない場合においても,受信者のGPS情報をもとに被災者の位置を推測できることを示した.
著者
加藤 稔 久原 理央 森 澄人 今崎 充智
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.132, pp.17-22, 2014-07-03

近年のクラウドサービスでは,テナントのユーザが自由に自身のネットワークトポロジを仮想化環境上に構築でき,複数のテナントが同じIPセグメントを重複作成しても通信制御が可能となっている.この技術は,通信制御ノードがネットワーク名前空間を用いることによって実現している.しかし,ネットワーク名前空間は,ノード固有のOSカーネル空間に作成されるため,他ノードと共有することができず,故障した通信制御ノードに収容されていたネットワーク名前空間を使用するテナントは,他の通信制御ノードが正常であっても通信できなくなる.したがって,このネットワーク名前空間を用いる通信制御ノードは,通信システムにおける単一故障点となり得る.本稿では,OpenStackのネットワーキングコンポーネントであるNeutronを使用した,ネットワーク名前空間を用いる通信制御ノードにおけるフェイルオーバ手法について検討し,テナントの通信遮断時間を短縮するための新たな高可用基盤を提案する.
著者
岸田 典子 佐久間 章子 上村 芳枝 竹田 範子 寺岡 千恵子 森脇 弘子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.187-196, 2005-03-15
被引用文献数
2

The responses to a questionnaire survey on the patterns of eating activity of 1,160 female university students were used to conduct of cluster analysis on 8 parameters, including the frequency of buying from convenience stores, eating out, and purchasing prepared meals and box lunches. The relationships among the eating activity patterns obtained, daily living habits and health condition were then analyzed. The eating activity patterns were classified into four clusters : cluster 1, mainly utilizing convenience stores; cluster 2, eating in; cluster 3, eating out; and cluster 4, mainly utilizing stores other than convenience ones. The ratios of cluster 2 on daily living habits such as the regular life pattern and on health habits such as eating breakfast nearly every day were significantly higher than the ratios of cluster 3 : contrarily, the ratios of cluster 3 with regard to self-assessed subjective symptoms such as loss of vitality and increased drowsiness were higher than those in cluster 2. Significant differences were also observed in the health habit scores (clusters 2>4>1>3) and in the score for subjective symptoms (clusters 2<4<1<3). The relationship between daily living habits and health condition showed cluster 2 to be the best, followed by cluster 4, cluster 1, and cluster 3 as the worst.