著者
木村 巌 横山 俊一
出版者
木村巌,横山俊一
巻号頁・発行日
pp.1-226, 2018-03-01

1. コンピュータの上での数学・数論2. 体上の楕円曲線の一般論3. 有限体上の楕円曲線に関連した計算問題4. 楕円曲線のMordell-Weil群 : descent 理論5. 楕円曲線の計算法入門 : 実践編6. 楕円モジュラー形式の導入7. モジュラー形式の係数とGalois表現8. 特別な楕円モジュラー形式の高速計算理論について9. モジュラー形式に付随する2次元法l-Galois表現の計算10. 高さとArakelov理論,それらのGalois表現の計算への応用11. Hilbertモジュラー形式の計算12. 重さ1の楕円尖点形式に伴うArtin 表現13. PARI/GPによる重さ1のモジュラー形式の計算
著者
横山 俊一
出版者
東京都立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

Julia 言語を用いた新しい数式処理システム Nemo の開発を通して,以下の課題を解決することを目指す.1) AbstractAlgebra.jl の開発を通して,拡大体(とくに局所体)の高速計算アルゴリズムを提案し,高次拡大体の計算や高速同型判定を可能にする.2) Hecke.jl の開発を通して,数論幾何的対象(楕円曲線やモジュラー形式)の計算パッケージを実装し,代数体上の楕円曲線の効率的探索を実現する.また,以上の実装を用いて大規模探索を行い,数論データベース LMFDB の拡張プロジェクトへの貢献を目指す.
著者
平野 哲史 柳井 翔吾 高田 匡 米田 直起 表原 拓也 久保田 直人 南 貴一 広川 千英 山本 杏 万谷 洋平 横山 俊史 北川 浩 星 信彦
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第43回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.P-252, 2016 (Released:2016-08-08)

【背景】ネオニコチノイドは1990年代に昆虫型ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChRs)を標的として開発された農薬成分である.しかし近年,ネオニコチノイドは哺乳類型nAChRsを介して神経細胞に興奮反応を引き起こすことが示され,昆虫以外の生物に対して不測の影響を与える可能性が懸念されている.我々はこれまでに成熟雄マウスをネオニコチノイドの1種,クロチアニジン(CTD)に4週間曝露すると,新規環境(オープンフィールド)における不安様行動が引き起こされ,その影響は環境ストレス下においてより顕在化することを報告してきた.本研究では,ネオニコチノイドによる行動影響発現に関与する脳領域を明らかにすることを目的とした.【材料と方法】C57BL/6成熟雄マウスに5または50 mg/kgの CTDを単回経口投与し,投与1時間後に高架式十字迷路試験による行動解析を行った.さらに2時間後に脳を摘出し,c-fos発現を指標とした組織学的解析により投与後誘導された神経活動を評価した.【結果と考察】行動解析の結果,CTD 5 mg/kg投与群においては溶媒投与対照群と比較してOpen arm滞在時間および侵入回数の減少がみられた.CTD 50 mg/kg投与群においては,さらに総移動距離の減少ならびに迷路探索時における異常啼鳴(Abnormal vocalization)およびすくみ行動(Freezing)が観察された.組織学的解析の結果,情動およびストレス反応に関与する視床下部,海馬においてc-fos陽性細胞数の増加がみられた.以上の結果から,CTD投与下においては,新規環境ストレスに曝露された際にコリン作動性神経投射を受ける視床下部や海馬における過剰な神経興奮が生じ,不安様行動やストレス応答を濃度依存的に誘発する可能性が示唆された.
著者
長谷川 直子 横山 俊一
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.202-220, 2018 (Released:2018-05-31)
参考文献数
18

本稿では,学生が主体となった雑誌の出版やテレビ出演などのアウトリーチ活動から,社会がそれをどのようにとらえ,また学生自身が社会の反応をどのようにとらえたのかについて考察した.当初は授業の成果を出版することで地理学をアウトリーチする意図があった.しかし社会からは,男性的なイメージの強い地理に女子がいることの意外性から女子の側面が取り上げられ,発信した学生の中には当初の意図と違うとらえ方をされたことに対する戸惑いがあった.結果的には,その意外性から多くのマスコミに取り上げられ多くの人にアウトリーチできた.学生主体のアウトリーチは,学術的専門性とはまた別の次元でその親しみやすさ,面白さを伝えられるという点で,学問に直接的な興味をもたない人々へのアプローチを可能にする.研究者が先端的な研究内容をアウトリーチするのとは対象者・目的・内容が異なり,一つの効果的な社会へのアプローチ方法であると考えられる.
著者
横山 俊一郎
出版者
関西大学東西学術研究所
雑誌
関西大学東西学術研究所紀要 (ISSN:02878151)
巻号頁・発行日
no.48, pp.213-228, 2015-04

This paper examines the mutual relationship between the academic connections and the political practice of Adachi Seifu, a graduate of Hakuen-juku in Osaka and Shoheikoin Edo, as an example of the depth of Confucian learning that samurai engaged in practical affairs had acquired by the late Tokugawa period. Examples of Adachi's scholarly contacts are two men he befriended during the course of his education toward the end of the Tokugawa period: the Confucian scholar Mori Kiemon and the village headman Okubo Shichirozaemon. Adachi's political practice was embodied in a land reclamation project he conducted in the Shoboku district of Okayama prefecture after the Meiji Restoration of 1868. This examination reveals that Seifu saw the rise of an educated populace as desirable, and practical education in the classroom as crucial to achieving this end. The paper concludes with an examination of the scholarly connections and political ideas of Yamada Kodo, a graduate of the Kaitokudo in Osaka, and demonstrates that Adachi Seifu wasengaged in a practical implementation of Kodo's political vision.
著者
長谷川 直子 横山 俊一
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

<b><u>1. </u></b><b><u>はじめに</u></b> サイエンス・コミュニケーションとは一般的に、一般市民にわかりやすく科学の知識を伝えることとして認識されている。日本においては特に理科離れが叫ばれるようになって以降、理科教育の分野でサイエンス・コミュニケーターの重要性が叫ばれ,育成が活発化して来ている(例えばJSTによる科学コミュニケーションの推進など)。 ところで、最近日本史の必修化の検討の動きがあったり、社会の中で地理学の面白さや重要性が充分に認識されていないようにも思える。一方で一般市民に地理的な素養や視点が充分に備わっていないという問題が度々指摘される。それに対して、具体的な市民への啓蒙アプローチは充分に検討し尽くされているとは言いがたい。特に学校教育のみならず、社会人を含む一般人にも地理学者がアウトリーチ活動を積極的に行っていかないと、社会の地理に対する認識は変わっていかないと考える。 <b><u>2. </u></b><b><u>サブカルチャーの地理への地理学者のコミット</u></b> 一般社会の中でヒットしている地理的視点を含んだコンテンツは多くある。テレビ番組で言えばブラタモリ、秘密のケンミンSHOW、世界の果てまでイッテQ、路線バスの旅等の旅番組など、挙げればきりがない。また、書籍においても坂道をテーマにした本は1万部、青春出版社の「世界で一番○○な地図帳」シリーズは1シリーズで15万部や40万部売り上げている*1。これら以外にもご当地もののブームも地理に関係する。これらは少なくとも何らかの地理的エッセンスを含んでいるが、地理以外の人たちが仕掛けている。専門家から見ると物足りないと感じる部分があるかもしれないが、これだけ多くのものが世で展開されているということは,一般の人がそれらの中にある「地域に関する発見」に面白さを感じているという証といえる。 一方で地理に限ったことではないが、アカデミックな分野においては、活動が専門的な研究中心となり、アウトリーチも学会誌への公表や専門的な書籍の執筆等が多く、一般への直接的な活動が余り行われない。コンビニペーパーバックを出している出版社の編集者の話では、歴史では専門家がこの手の普及本を書くことはあるが地理では聞いたことがないそうである。そのような活動を地理でも積極的に行う余地がありそうだ。 以上のことから,サブカルチャーの中で、「地理」との認識なく「地理っぽいもの」を盛り上げている地理でない人たちと、地理をある程度わかっている地理学者とがうまくコラボして行くことで、ご当地グルメの迷走*2を改善したり、一般への地理の普及を効果的に行えるのではないかと考える。演者らはこのような活動を行う地理学者を、サイエンス・コミュニケーターをもじってジオグラフィー・コミュニケーターと呼ぶ。サブカルチャーの中で一般人にウケている地理ネタのデータ集積と、地理を学ぶ大学生のジオコミュ育成を併せてジオコミュセンターを設立してはどうだろうか。 <u>3.</u><u> 様々なレベルに応じたアウトリーチの形</u> ジオパークや博物館、カルチャースクールに来る人、勉強する気のある人たちにアウトリーチするだけではパイが限られる。勉強する気はなく、娯楽として前出のようなサブカルチャーと接している人たちに対し、これら娯楽の中で少しでも地理の素養を身につけてもらう点が裾野を広げるには重要かつ未開であり、検討の余地がある。 ブラタモリの演出家林さんによると、ブラタモリの番組構成の際には「歴史」や「地理」といった単語は出さない。勉強的にしない。下世話な話から入る。色々説明したくなっちゃうけどぐっとこらえて、「説明は3分以内で」というルールを決めてそれを守った。とのことである(Gexpo2014日本地図学会シンポ「都市冒険と地図的好奇心」での講演より抜粋)。専門家がコミットすると専門色が強くなりお勉強的になってしまい娯楽志向の一般人から避けられる。一般ウケする娯楽感性は学者には乏しいので学者外とのコラボが重要となる。 演者らは&ldquo;一般の人への地理的な素養の普及&rdquo;を研究グループの第一目的として活動を行っている。本話題のコンセプトに近いものとしてはご当地グルメを用いた地域理解促進を考えている。ご当地グルメのご当地度を星付けした娯楽本(おもしろおかしくちょっとだけ地理:地理度10%)、前出地図帳シリーズのように小学校の先生がネタ本として使えるようなご当地グルメ本(地理度30%)、自ら学ぶ気のある人向けには雑学的な文庫(地理度70%)を出す等、様々な読者層に対応した普及手段を検討中である。これを図に示すと右のようになる。
著者
横山 俊祐 延藤 安弘
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.60, no.471, pp.47-56, 1995-05-30 (Released:2017-01-27)
参考文献数
11
被引用文献数
6 5

Extention and refurbishment on public housing units built by the residents are addressed to examine their characteristics and significance relating the original planning method. Residents' autonomous transaction with the living environments stratify the diverse and matured place with sense of living and individuality on the uniform space heteronomously origined. The planning theory is to be shifted from prescribing and instructing the way of living to generating the living values autonomously, which follows as a logical consequence that planning and space are reserved and appropriated to the residents.
著者
星 信彦 横山 俊史 杉尾 翔太 池中 良徳 平野 哲史
出版者
神戸大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2021-07-09

環境化学物質の悪影響が世代を越えて伝わる継世代影響が懸念されている.一方,「胎児期や乳児期における環境因子が生後の各種疾患のリスクを高める」こともわかってきた.中でも,発達神経毒性は極めて重要な問題である.しかし,多くの農薬は神経毒性作用を有し,胎盤関門を容易に通過する事実はあるが,継世代影響の実態やそのメカニズムはほとんどわかっていない.本研究では,中枢神経の活動や代謝系を,生体マウスの覚醒下で脳の様々な細胞を可視化イメージング技術により,これまで困難であった投与期間全体を通じた連続観察や,最も感受性が高い胎子脳に対する薬剤影響を直接的に観察をすることで継世代影響を捉え,その原因を探る.
著者
角田 優子 横山 俊祐 徳尾野 徹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.326-332, 2018-10-25 (Released:2018-10-25)
参考文献数
11

大阪市内および周辺部に位置する住工混在地域より、立地と業種などの産業特性、住工混在程度の異なる5地区を抽出し、土地利用パターン、並びに、地区内の住民・工場主による住工相互の関係性や評価を明らかにする。具体的には、地区ごとに、住工混在率によって街区を区分化した地区単位の混在パターンと街区内建物配置による街区単位のパターンを図化した。さらに、工場被害意識、住まいや地域に対する意識に関するアンケート調査結果を実施した。それら、土地利用パターンと住工混在に関わる意識との間にいかなる関係があるのかを検討することで、住工共存の特性と成立要件を考察した。
著者
横山 俊一郎
出版者
関西大学大学院東アジア文化研究科
雑誌
東アジア文化交渉研究 = Journal of East Asian cultural interaction studies (ISSN:18827748)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.305-317, 2016-03-31

In this paper, I consider about the thought and business of Honda Masazane who founded the silk industry in Kanazawa, in order to understand the personality of businessmen from Hakuen-Shoin. I take up his biography named "Danshaku-Honda-Masazane-Den". As a result of this study, I found that he was inclined toward Buddhism after he graduated from Hakuen-Shoin. But, I think that he upheld the practical aspects of Confucianism. Also, I noticed that Sumitomo's managers participated in the Zen group to which he belonged at that time.
著者
横山 俊一郎
出版者
関西大学大学院東アジア文化研究科
雑誌
東アジア文化交渉研究 = Journal of East Asian cultural interaction studies (ISSN:18827748)
巻号頁・発行日
no.7, pp.305-326, 2014-03

文部科学省グローバルCOEプログラム 関西大学文化交渉学教育研究拠点東アジアの思想と構造
著者
横山 俊夫 濱田 正美 平田 由美 麥谷 邦夫
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1984

1)節用集は、15世紀の日本に生まれた和漢対照辞書であるが、このジャンルは、17世紀末の出版文化の興隆を経て、日用百科事典にまで拡充発展する。この種の大冊の節用集を「大全型節用集」として一括し、その体制安定化・文明化機能について初の学際研究が試みられた。2)大全型節用集の記述内容は、漢語指南、天文・歴史・地理指南、各種人占、命名法、方位・日柄禁忌指南など多岐にわたるが、いずれも文明化の基本としての礼法の構成要素であることを分析し、前近代日本社会の理解には、未開拓ながら必須の研究分野であることが発見された。3)その文明化機能の実態を明らかにするため、畿内を中心に所蔵家訪問調査を行ない、その結果、【○!1】この出版物が各戸で準聖典扱いをうけていたこと、【○!2】その影響力の分析には、各冊の地(けした)の奥より部分に出る条痕のパターンに注目すべきことが発見された。4)この地奥条痕の計量化分析法として、ドラムスキャナとコンピューターを駆使する技術が開発されるに至った。5)大全型節用集の使用態様データの分析は、まだ緒についたばかりであるが、18、19世紀の日本社会の都市部、農村部、街道筋に存在した、陰陽道とのかかわりの深い幾種類かの生活形態が明らかにされようとしている。6)本研究が開発した方法論は、他国の同種出版物の研究にも汎用可能であることが、各種学会発表を通じて明らかにされた。
著者
徳尾野 徹 横山 俊祐
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.26, no.62, pp.209-214, 2020-02-20 (Released:2020-02-20)
参考文献数
4

‘Open type preservation and maintenance’ means the situation that maintained soundly by utilizations of the privately-owned houses as tangible cultural property. The purpose of this study is investigating the possibility of it. By the analysis results of interviews to twenty owners, it was cleared as follows.1) By opening the houses, the connections that substance utilizations are made at inside and outside.2) The owners place visitors as outside evaluations and motivation of continuous actions.3) Workshops that develop participants to supporters are effective as utilizing technics for preservations.This shows accelerations of utilizations are one of important preserving measures.
著者
西野 雄一郎 竹下 正高 本田 祐基 徳尾野 徹 横山 俊祐
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.87, no.792, pp.272-282, 2022-02-01 (Released:2022-02-01)
参考文献数
12

In this study, "renovation that generates a network of people, things, and events" is called Co-Renovation. The effectiveness of Co-Renovation is summarized in two ways. The first is that the openness of the renovation and the house will activate the connection between the people connected through the renovation. The second is that the renovation network will inspire an awareness of community development, and what started out as renovation-related connections will derive into autonomous regional activities. In order to increase the effectiveness of Co-Renovation, it is important to encourage the formation of spontaneous connections, and the factors that contribute to this are summarized.
著者
横山 俊一郎
出版者
関西大学大学院東アジア文化研究科
雑誌
東アジア文化交渉研究 = Journal of East Asian cultural interaction studies (ISSN:18827748)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.305-326, 2014-03-31

This paper takes a Jusha in Hakuen Shoin. Tada Kaian was one of the leading students in Hakuen Shoin. He was active as a practical person in many spheres at the end of Edo period. This paper analyzes what characteristics he had in those days and his proposals-especially the coastal defense. He made his suggestions actively to Edo Shogunate, the Imperial court and Izushi clan. He tried to promote the industries in the border area from the motives of defense against the powerful Western nations. He was clearly different from previous ordinary Jusha and loyalists to the Emperor. His proposals shows he was not only scholar but also an engineer.