著者
橋本 博行 池田 達哉 吉光 真人 清田 恭平
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.70-78, 2022-04-25 (Released:2022-06-01)
参考文献数
23
被引用文献数
1

バッター液を調製した調理器具の洗浄後,スポンジたわしに小麦粉が残留することがある.このようなスポンジたわしを洗浄に使用すれば,調理器具間で小麦アレルゲンの二次汚染が懸念される.そこで本研究では,バッター液調理後の洗浄方法として,スポンジたわしによるボウルの洗剤洗浄の条件設定を行って調査を行った.繰り返し試行の結果,バッター液10 gを塗布したボウルから,小麦アレルゲンがスポンジたわしを介して別の未使用ボウルへ陽性率約80%で二次汚染した.洗浄・すすぎ操作後のスポンジたわしにはバッター液由来の残留物が認められ,残留率は20%程度であった.残留状態を詳細に観察したところ,グルテン等のタンパク質がスポンジたわしのセル骨格や骨格間に付着し,そのタンパク質にデンプン粒が付着していた.この状態のスポンジたわしに対してすすぎ条件を追加したが,小麦アレルゲンの完全除去は困難であった.このことから,アレルゲン混入リスクを回避すべきアレルギー対応食等の調理施設では,スポンジたわしは小麦を使用した食品調理器具の洗浄用に専用化することが望ましいと考えられる.
著者
渋野 拓郎 村上 寛 橋本 博明 具島 健二
出版者
広島大学生物生産学部
雑誌
生物生産学研究 (ISSN:1341691X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.p93-100, 1993-12
被引用文献数
1

ニシキベラの成長に伴う食性と採餌行動の変化を、南西諸島の口永良部島の磯水域で調査した。小型魚は主に小型甲殻類(ヨコエビ類、カイアシ類、介形類、等脚類、タナイス類、クマ類)を、これらの小型の餌生物が豊富な微小藻場で摂餌していた。一方、大型になるに従い、worm類(多毛類、ホシムシ類)、貝類(巻貝類、ピザラ異類、二枚貝類)、大型甲殻類(カニ類、シャコ類、エビ類、ヤドカリ類)を含む、より大型の餌を摂餌していた。これらの、より大型の餌生物の生息宿度は微小藻場では比較的低いため、大型になるに従い採餌の範囲を拡大すると共に、より大型の餌生物が生息する石灰藻場やブダイ類のかじり跡へと採餌場所を移行させた。Ontogenetic changes in diet and foraging behavior of Thalassoma cupido were studied on the shallow reefs at Kuchierabu-jima Island, southern Japan. Small fish mainly took small crustaceans (gammarids, copepods, ostracods, isopods, tanaids and cumaceans) from algal mats, where the small prey species lived in a large numbers. While larger fish consumed correspondingly larger prey, including worms (polychaetes, sipunculids), shells (gastropods, chitons and pelecypods), and large crustaceans (crabs, stmatopods, shrimps and hermit crabs). Because the density of larger prey species was relatively low in the initial habitats foraged, larger fish shifted their foraging attention to coraline algal mats and sites scraped by scarid fish, where the larger prey species were present, as well as foraging over larger areas.
著者
坂井 陽一 越智 雄一郎 坪井 美由紀 門田 立 清水 則雄 小路 淳 松本 一範 馬渕 浩司 国吉 久人 大塚 攻 橋本 博明
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
生物圏科学 : 広島大学大学院生物圏科学研究科紀要 (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.7-20, 2010-12-24

瀬戸内海安芸灘に位置する大崎上島の沿岸魚類相について,餌釣りと潜水観察による調査を実施した。ガラモ場の存在する桟橋を中心に調査定点を島の南部北部それぞれに設定し,オキアミ類とゴカイ類を餌に約10名が1時間釣りを行う作業を2007年5月から2008年3月まで隔月で実施し,出現魚類の季節変化を検討した。また,2007年5月から7月にかけて,屋代島から竹原までの安芸灘広域に9ゾーン26調査点を設け,同様の調査を実施し,出現魚類の水域ゾーン間の相違を検討した。本調査により総計29科63魚種を記録した。そのうち高水温期にのみ出現する南方系魚種は4種のみであった。記録した魚種の76%(48種)は伊予灘で記録されているものであった。一方,宇和海での魚類相データとの魚種共通率は30%前後に留まり,安芸灘を含む伊予灘以北の水域が生物地理学的に中間温帯区(西村,1981)と定義されていることの妥当性が裏付けられた。大崎上島において周年および冬期を除き常時記録されたのは,カサゴ,メバル,ハオコゼ,クジメ,アサヒアナハゼ,マダイ,ウミタナゴ,スズメダイ,メジナ,コブダイ,ホシササノハベラ,キュウセン,ホンベラ,クラカケトラギス,ホシノハゼ,イトヒキハゼ,ヒガンフグ,コモンフグであった。これら18魚種の多くは安芸灘広域調査においても広く出現が認められ,安芸灘の浅海魚類群集の基本構成種と考えられた。ホシササノハベラは愛媛県中島周辺水域での出現頻度が極めて高く,同種の安芸灘における主要な個体群が安芸灘南西エリアに存在する可能性が示唆された。また,過去に瀬戸内海での記録のないホシノハゼが安芸灘広くに確認され,急速に分布拡大を進めていることが示唆された。We surveyed fish fauna at shallow waters of Aki Nada, Seto Inland Sea by the line fishing census, using small hooks attaching clamworms or krills as baits, during May 2007 - March 2008. We set up survey points at piers with Sargassum belt in Osaki-Kami Shima Island, and conducted the census (ca. 10 person x 60 min at each) bimonthly to analyze seasonal differences of fish fauna. In order to evaluate geographic variation of fish fauna, we also held the census at 26 survey points of nine zones situated a wide area in Aki Nada during May-July, 2007. A total of 63 species of 29 families were recorded. Of 63 species, 76 % were commonly recorded in Iyo Nada region. In contrast, the common species ratio fell to ca. 30% in comparison with data recorded in Uwa Sea region, which strongly supports the validity of the border of biogeographical regions between "Warm temperate region" including Uwa Sea and "intermediate temperate region" including Iyo Nada and Aki Nada (Nishimura, 1981). The almost year-round occurrences in the Osaki-Kami Shima were admitted in the following 18 species, Sebastiscus marmoratus, Sebastes inermis, Hypodytes rubripinnis, Hexagrammos agrammus, Pseudoblennius cottoides, Pagrus major, Ditrema temmincki, Chromis notata notata, Girella punctata, Semicossyphus reticulatus, Pseudolabrus sieboldi, Halichoeres poecilopterus, Halichoeres tenuispinnus, Parapercis sexfasciata, Istigobius hoshinonis, Cryptocentrus filifer, Takifugu pardalis, Takifugu poecilonotus. Most of these species commonly occurred in the survey zones in Aki Nada waters, suggesting that these are core components of fish fauna in shallow waters of Aki Nada.
著者
細川 崇 橋本 博 平松 真知子 石田 肇
出版者
Society of Automotive Engineers of Japan
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.877-882, 2019 (Released:2019-05-24)
参考文献数
8
被引用文献数
1

アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違い事故は社会的問題となっているが,そのメカニズムは明らかとなっていない.本研究は,アクセル・ブレーキのペダル踏み間違えについて,高齢者を対象に基礎的検討を実施した.運転姿勢と操作位置の分析により,姿勢変化が踏み間違い発生の一因となることを示唆する結果を得た.
著者
安住 誠 佐賀 祐司 橋本 博 柿崎 秀宏
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.781-784, 2006-10

著者版1994年7月〜2005年2月に3ヵ月以上の内分泌療法後に前立腺前摘除術を行い、pT0と診断された11例を対象とした。内分泌療法はLH-RHアナログ単独投与または抗アンドロゲン剤と併用投与が行われていた。病理学的に残存癌を認めない11例中9例は、サイトケラチン染色でも癌病巣は確認できなかったが、2例に残存癌が検出された(症例2と症例7)を報告した。症例2(64歳男)。1997年9月にPSA8.1ng/mlで経直腸的前立腺生検を実施し、低分化型腺癌診断のもとMAB療法を4ヵ月間実施後、翌年2月に根治的前立腺全摘除術を行った。残存癌なしで経過観察中、H-E染色で認識しにくい小腺管構造がAE1/AE3染色で多数確認された。症例7(58歳男)。2003年3月にPSA10.5ng/mlで経直腸的前立腺生検を実施し、中分化型腺癌と診断されMAB療法を5ヵ月実施した。半年後に根治的前立腺前摘除術後、残存癌なしで経過観察中、H-E染色で認識しにくい小腺管構造がAE1/AE3染色で多数確認された。
著者
東出 遼介 坂井 陽一 橋本 博明
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
生物圏科学 (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.15-19, 2007

2006年5月、2007年4月と同6月に愛媛県今治漁業協同組合魚市場で体形が異常なテナガダコOctopus minorの雄3個体が採取された。通常雄は右第III腕のみが交接腕であるが、2006年の1個体はさらに左第III腕も交接腕になっており、奇形と思われた。また2007年の2個体は全体的に"水ぶくれ"状態であるが衰弱し、特に腕部は水のような透明な液体を内包して萎縮状態であった。これは繁殖産卵を終えた死滅前の病理的な現象ではないかと思われた。
著者
菱木 麻美 橋本 博
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.286-291, 2009-10-31 (Released:2010-12-01)
参考文献数
26

TransLesion Synthesis (TLS) is a DNA damage tolerance mechanism that allows continued DNA synthesis, even in the presence of damaged DNA templates. In response to DNA damage, TLS polymerases are recruited to replication forks via interactions with ubiquitinated Proliferating Cell Nuclear Antigen (PCNA) involving PCNA-interacting protein box (PIP-box) and ubiquitin-binding domains (UBDs). We now report the first crystal structures of human PCNA in complex with three TLS polymerase peptides containing the non-canonical PIP-box. TLS polymerases interact with PCNA in different ways, both from one another and from canonical PIP-box peptides. Furthermore, we discuss these TLS polymerases interact with ubiquitinated PCNA.
著者
橋本 博 菱木 麻美 原 幸大 菊池 壮太郎
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.015-019, 2017 (Released:2017-01-26)
参考文献数
20

DNA damage tolerance (DTT) is a cell function to avoid replication arrest by DNA damage during DNA replication. DTT includes two pathways, translesion DNA synthesis (TLS) and template-switched DNA synthesis (TS), regulated by various molecular interactions. TLS is transient DNA synthesis using a damaged template by error-prone DNA polymerases specialized for DNA damage (TLS polymerases). TS, in which one newly synthesized strand is utilized as an undamaged template for replication by replicative polymerases, is error-free process. This review article describes recent progress in structural studies of proteins involved in TLS and TS.
著者
橋本 博孝
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.43-51, 2011-08-10 (Released:2017-05-19)

言葉の内部には均質に概念が詰まっているのではない。担い手ごとに固有の核がある。その固有であるべき言葉の核を統制しようとするかのごとき動きが、現在の小学校国語科の授業に見られる。物語の授業においてこの傾向を打ち破るには、物語がどう語られているかという次元での文脈を、子どもたちとともに築くことから始めなければならない。登場人物とできごとではなく、語りの次元で作品と向かい合う、という問題意識から出発すると、「ごんぎつね」で問われるべきは、ごんと兵十の物語ではなくなる。ごんと兵十の物語を語る「わたし」をこそ読まなければいけない。そのことは「ごんぎつね」の構造を解き明かすことにつながる。
著者
坂井 陽一 越智 雄一郎 坪井 美由紀 門田 立 清水 則雄 小路 淳 松本 一範 馬淵 浩司 国吉 久人 大塚 攻#橋本 博明
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
生物圏科学 (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.7-20, 2010

瀬戸内海安芸灘に位置する大崎上島の沿岸魚類相について,餌釣りと潜水観察による調査を実施した。ガラモ場の存在する桟橋を中心に調査定点を島の南部北部それぞれに設定し,オキアミ類とゴカイ類を餅に約10名が1時間釣りを行う作業を2007年5月から2008年3月まで隔月で実施し,出現魚類の季節変化を検討した。また,2007年5月から7月にかけて,屋代島から竹原までの安芸灘広域に9ゾーン26調査点を設け,同様の調査を実施し,出現魚類の水域ゾーン間の相違を検討した。本調査により総計29科63魚種を記録した。そのうち高水温期にのみ出現する南方系魚種は4種のみであった。記録した魚種の76%(48種)は伊予灘で記録されているものであった。一方,宇和海での魚類相データとの魚種共通率は30%前後に留まり, 安芸灘を含む伊予灘以北の水域が生物地理学的に中間温帯区(西村, 1981)と定義されていることの妥当性が裏付けられた。大崎上島において周年および冬期を除き常時記録されたのは,カサゴ,メバル,ハオコゼ,クジメ,アサヒアナハゼ,マダイ,ウミタナゴ,スズメダイ,メジナ,コブダイ,ホシササノハベラ,キュウセン,ホンベラ,クラカケトラギス,ホシノハゼ, イトヒキハゼ,ヒガンフグ,コモンフグであった。これら18魚種の多くは安芸灘広域調査においても広く出現が認められ,安芸灘の浅海魚類群集の基本構成種と考えられた。ホシササノハベラは愛媛県中島周辺水域での出現頻度が極めて高く,同様の安芸灘における主要な個体群が安芸灘南西エリアに存在する可能性が示唆された。また,過去に瀬戸内海での記録のないホシノハゼが安芸灘広くに確認され,急速に分布拡大を進めていることが示唆された。
著者
河北 雄一郎 新居 早也佳 橋本 博子 永谷 基浩 村井 一人 竹田 博幸
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.27, 2015

【目的】国立循環器病研究センターの減塩食「かるしおレシピ」は素材のうま味を引き出す京料理の考え方をベースとして、美味しく食べられるように工夫されている。レシピの基本はだし汁1.3Lに淡口醬油50ml、砂糖30g、塩6gを合わせた八方だしで、煮物から下茹でなど様々な調理に利用できる。一般的な八方だしには淡口醤油が多用されるが、かるしお八方だしにも淡口醤油が必須の調味料として使用されている。そこで本研究では、かるしお八方だしに淡口醤油を使う意義を解明することを目的とした。【方法】減塩調理に醤油が及ぼす影響を評価するため、淡口醤油と濃口醤油各々で調製した八方だしで、長芋の煮物、大根とうす揚げの煮物、ぶり大根、鯛の煮付け、治部煮、筑前煮を同条件で調理し、SD法による官能評価を行った。既に我々は塩味とだし風味について、淡口醤油中の方が濃口醤油中に比べ低い濃度で識別できることを報告してきたが、甘味は検討できていなかったため、本報告では甘味を識別できる濃度を調査した。淡口醤油と濃口醤油を用いてうどんだしを調製し、砂糖濃度1%を中心としてその濃度差を変えて2点識別試験片側検定にて甘味の閾値を比較した。【結果】減塩調理時の官能評価では全てのメニューで淡口醬油が濃口醤油よりも「素材の味が生きる」項目で有意差が見られた(P<0.001)。また、淡口醤油では砂糖濃度1%と1.25%の差を有意水準0.1%で識別できたが、濃口醤油では識別できなかった。以上より、淡口醤油は、塩味やだし風味に加えて、甘味を感じやすいことが明らかとなり、素材の味を引き立て、料理を低塩で美味しく仕上げることができる点で、かるしお八方だしに必須であることが示唆された。
著者
橋本 博之 山下 亜希子 藤田 孝輝 岡田 正通 森 茂治 園山 慶 北畑 寿美雄
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
Journal of Applied Glycoscience (ISSN:13447882)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.169-176, 2004 (Released:2008-03-24)
参考文献数
42

Oligosaccharides with α-D-galactosidic linkages, especially the positional isomers of α-galactobiose (α-Gal 2), participate in such biological processes as immunity and pathogen-to-cell adhesion on the basis of molecular mechanisms for ligand-receptor interaction. α-Linked galactooligosaccharide (α-GOS) containing positional isomers of α-Gal 2 produced from galactose by the reverse reaction of α-galactosidase, is a potential food for the prevention of infections by pathogens, neutralization of toxins, and regulation of immune system. α-GOS (7.5 kg) was produced from galactose (18 kg; prepared from lactose hydrolyzate) by the reverse reaction of α-galactosidase from Aspergillus niger APC-9319. α-GOS contained 58% disaccharide, 28% trisaccharide and 14% oligosaccharides larger than trisaccharide. The disaccharide in α-GOS consisted largely of α-1,6-galactobiose (73%). α-GOS was stable at neutral and acidic pHs, and high temperatures. The sweetness of α-GOS was 25% of that of sucrose. The taste of α-GOS was mild and mellow. α-GOS reduced acid taste, bitterness, astringency, and harsh taste without spoiling the original taste in various fruit juices, and emphasized the original flavor of food materials in various cooked foods. α-GOS was not hydrolyzed in an in vitro digestion method. In oral tolerance tests of α-GOS, the blood glucose level did not change at all. α-GOS had a strong selective growth activity for Bifidobacterium sp. and Clostridium butyricum. An α-GOS intake in rats made the contents of lactate and n-butyrate in the cecum higher, and pH in the cecum lower than for a control intake. The viable count of Candida albicans in cecum and colon of mouse was decreased by an α-GOS intake more than by a raffinose intake. Therapeutic oral treatment with α-GOS had a potent inhibitory effect on adjuvant arthritis in Wister rats and on type II collagen-induced arthritis in DBA/1 J mice. Dietary α-GOS ameliorated allergic airway eosinophilia at least partly via post-absorptive mechanisms in Brown Norway rats.
著者
渋野 拓郎 竹内 直子 橋本 博明 具島 健二
出版者
広島大学生物生産学部
雑誌
生物生産学研究 (ISSN:1341691X)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.17-21, 1998-12

魚食性魚類に餌として利用されている魚類の分類群とその大きさを明かにするために、南日本の口永良部島の磯において肉食性魚類の消化管内容物を調査した。調査対象種14科31種723個体中、アオヤガラ Fistularia petimba、ワヌケトラギス Parapercis cephalopunctata、アカエソSynodus ulae、ギンガメアジ Caranx sexfasciatus などの14科31種156個体によって合計339個体の魚類が捕食されていた。この中で、表層性のキビナゴ Spratelloides gracilis が最も多く利用されていた。また、口永良部島の磯においては、体長19.0mmから55.0mm、体高4.0mmから8.0mmの魚類に対する捕食圧が高いことが明らかになった。The gut contents of piscivorous fishes (14 families, 31 species, 723 specimens) collected at the reefs of Kuchierabu-jima, southern Japan, were examined to determine the composition and size of their fish prey. One hundred fifty six of predators in 31 species and 14 families, including Fistularia petimba, Parapercis cephalopunctata, Synodus ulae, Caranx seafasciatus, fed on 339 items of prey. Piscivorous fishes at the reefs ate mainly the pelagic fish, Spratelloides gracilis. The feeding pressure was particularly high in fishes with body length 19.0-55.0 mm and body depth 4.0-8.0 mm at these reefs,
著者
渡辺 勢也 青木 尊之 長谷川 雄太 河原 淳 橋本 博公
出版者
日本混相流学会
雑誌
混相流 (ISSN:09142843)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.55-62, 2019-03-15 (Released:2019-04-08)
参考文献数
21
被引用文献数
1

Numerical simulations are powerful tools to study tsunami impacts on building structures. We have developed a CFD code for free-surface flows interacting with floating debris by using Lattice Boltzmann Method (LBM) and Discrete Element Method (DEM). Both methods are suitable for GPU computing and large-scale simulations because they are explicit time-integration schemes. In order to improve the accuracy and the stability of flow computation, the cumulant LBM model has been employed and coupled with the conservative Allen-Cahn equation for the purpose of free-surface capturing. A moving boundary approach based on the interpolated bounce-back scheme is utilized at liquid-solid interfaces. Rigid body dynamics of floating debris is computed by using DEM. A model constructed by multiple small spheres represents complex shapes of debris. We measure the weak scalability on multiple GPUs of the TSUBAME3.0 supercomputer, and the code achieved 83.4% parallel efficiency when scaled 16 to 256 GPUs. As a test case, we demonstrate a tsunami flow with driftwoods using 200×600×3000 lattice nodes and 24 GPUs Tesla P100, and the simulation has completed within 24 hours. The impact force of the driftwoods acting on the wall is about 15 times larger than only water. It shows that effects of driftwoods are important to evaluate the tsunami damage on building structures.
著者
橋本 博明 岡島 静香 角田 俊平
出版者
広島大学生物生産学部
雑誌
広島大学生物生産学部紀要 (ISSN:03877647)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.79-92, 1989-11

瀬戸内海のイワシパッチ網は主としてカタクチイワシを対象に操業されている。1984年と、'86年に、燧灘のイワシパッチ網船より6標本を得て、各標本の魚種組成を明らかにし、そこに出現した体長または全長10cm以上の魚類の消化管内容物を調べた。さらに、その結果をもとに、カタクチイワシを瀬戸内海における魚類生産の鍵種と位置づけ、同種をめぐる食物関係(競合・被食-捕食関係)に視点をおいて、瀬戸内海における1969~'86年の魚種別漁獲量の動向を解析した。パッチ網の漁獲物は、各標本ともカタクチイワシの占める割合が大きく(全長10cm未満の漁獲物では70.0~99.8%を占めた)、他に16種類の魚類と、エビ類、カニ類、イカ類が出現した。魚類のうち、タチウオ、トカゲエソ、シログチはしばしば漁獲されていた。また、マイワシは稚魚と成魚(体長16~18cm)が出現し、稚魚は7月の標本で6.9%、8月では2.4%を占めた。従来、本種は内海では産卵しないとされていたが、稚魚と成魚の出現は本種の内海での産卵の可能性を示唆するものである。体長または全長10cm以上の魚類の食性の特微は、タチウオ、トカゲエソ、シログチ、マサバ、トラフグがカタクチイワシを多食していたこと、そしてマイワシはCoscinodiscusのみを摂食していたものの、それは痕跡的であり、コノシロ、サッパは空胃の個体が多かったことである。前者に属する魚類はカタクチイワシを捕食するために、その群れに寄ってきたものと考えられ、後者は、偶然カタクチイワシの群れの近くにいたものが混獲されたと思われる。漁獲量の解析は、カタクチイワシ、マイワシ、アジ・サバ類、魚食性魚類(ブリ類、ヒラメ、エソ類、タチウオ、サワラ類、スズキ)、ニべ・グチ類について行った。内海におけるこれら漁獲量の動向についての全体的な特徴は、1970年代初期からみられたマイワシ資源の増大に伴う内海への入り込みによって、マイワシ漁獲景が増加し、カタクチイワシ、アジ・サバ類は減少したことである。なお近年において、マイワシの減少に伴い、カタクチイワシとアジ・サバ類の漁獲盤が回復するという種の交代現象が認められた。カタクチイワシの多獲域である内海東部と中部では、カタクチイワシ漁獲量の変動と連動するように魚食性魚類のそれも変動した。ニべ・グチ類の漁獲量の動向については上記の魚類の漁獲量との関連性は認められなかった。この点に関しては、本類がカタクチイワシを摂食するものの、他の魚類、甲殻類をも多食することによるものと推察した。In 1984 and 1986 six fish samples were obtained from landings by the sardine drag net, 'Patchi-ami', working in Hiuchi Nada Sea of the Seto Inland Sea. Species composition of each sample was examined as well as the food habits of fishes over 10 cm length. In light of the food-habit evidence, fluctuations in the annual landings of anchovy (Engraulis japonica) and fishes associated with anchovy were analyzed.Twenty-two kinds of fish, shrimp, crab and squid were encountered. Cutlass fish (Trichiurus lepturus) and white croaker (Argyrosomus argentalus) were present in all samples.Larval sardine (Sardinops melanosticta) accounted for 6.94000f specimens in the July sample and 2.4-1073760944n the August sample. In the latter month, however, adult sardine of 16 to 18 cm in body length were also present, which leads to the suggestion that, contorary to general opinion, sardine spawning takes place in the Inland Sea.Cutlass fish, lizzard fish (Saurida elongata), white croaker, mackeral (Pneumatophorus japonicus) and tiger puffer (Fugu rubripes) fed heavily on anchovy, while sardine consumed small quantities of diatom (Coscinodiscuss spp.). Gizzardshad (Konosirus punctatus) and Japanese scaled sardine (Harengula zunasi) had empty stomachs.Analysis of annual fluctuations in catch was carried out on anchovy, sardine, horse mackerels (Trachurus japonicus etc.) and mackerels, fish feeders, and croakers, respectively. In the latter half of the 1970's the catch of sardine increased, and the catch of anchovy and horse mackerels and mackerels decreased. Recently (middle 1980's), the catch of sardine has decreased, and this has been accompanied by a recovery of anchovy, and horse mackerels and mackerels. The catch of fish feeders fluctuated together with that of anchovy in Eastern and Central Seto Inland Seas, where the fishery for anchovy is most productive. Landings of croakers fluctuated independently of those of the above-mentioned species, because it is considered that croakers feed not only on anchovy, but also, to a large extent, on other fishes and crustaceans.