著者
橋本 正洋 坂田 一郎 梶川 裕矢 武田 善行 松島 克守
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
年次学術大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.302-305, 2007-10-27
被引用文献数
1

イノベーションという概念は、経済学、経営学等という学問分野だけでなく、経済政策の運営にとっても、近年とみに重要性を増し、学術と政策との連関が深まっているが、他方で、学術の世界におけるイノベーションに関する議論については、これまで、どういう視点で何が議論されてきたのか、今後の研究の重点課題は何かということについて、必ずしも明確になっていない。筆者らは、学術論文の引用分析という手法により、イノベーションに対する学術研究の俯瞰を試みた。具体的には、論文のタイトルやアブストラクトといった書誌事項に「イノベーション」という用語を含むものを抽出した。4万件近い学術論文が該当した。次に、それらの間の引用分析を行った。これら論文群によって構成される引用ネットワーク中、最大連結成分に含まれる論文について、Newman法を用いてクラスタリングをし、主要なクラスターの特性の一部を明らかにした上で、可視化(俯瞰マップの作成)を行った。更に、各クラスターの平均年齢の特定も行った。主要なクラスターには、イノベーション創成の環境、技術経営、組織のイノベーションなどの横断的テーマのほか、ヘルスケア、環境問題、サービス、農業などの分野別テーマがみられる。また、時系列的にみると、イノベーション研究そのものは70年代以前から行われてきたが、90年代初頭から活発となり、論文数は急速に増加している。その傾向は、最近一段と顕著になっている。分野別には、技術経営は、特に成長が著しい。また、大学とイノベーションとの関係に関する論議も、90年代初頭から活発化していることが判明した。このように、学術論文の引用分析という手法を用いることで、イノベーションに関する研究動向を客観的に捉えることが可能となった。
著者
片柳 憲雄 武藤 輝一 田中 乙雄 鈴木 力 藍沢 喜久雄 西巻 正 田中 陽一 武藤 一朗 武田 信夫 田中 申介 鈴木 茂 田中 典生 藪崎 裕 大森 克利 多田 哲也 鈴木 聡 大日方 一夫 曽我 淳
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.968-976, 1991-04-01
被引用文献数
18

1989年末までの22年間に経験した食道癌症例814例のうち,他臓器に重複癌のある64例(7.9%)を対象として,手術術式,治療成績を中心に検討した.同時性2臓器重複癌は37例,異時性2臓器重複癌では食道癌先行が10例,他臓器癌先行が11例あり,3臓器以上の重複癌も6例に認めた.同時性重複癌の重複臓器は胃が25例と圧倒的に多く,このうち16例は早期胃癌であった.胃癌合併例では,早期癌が胃管作製時の切除範囲に含まれる場合を除いて胃全摘,結腸による再建を原則とした.同時性重複癌の両癌切除例の5生率は34.6%であり,少なくとも一方が非切除であった症例に対して有意に(p<0.05)良好であった.さらに,食道癌治癒切除例の予後は,5生率58.3%とほぼ満足できる成績であった.治療成績向上のためには,重複癌の存在を念頭においた診断と,両癌の治癒切除を目指した積極的な手術が重要であると思われた.
著者
灘岡 勲 安江 正明 大竹 康之 武田 恭一 松本 一浩 柿野 克自 多田 由実
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.15-22, 2006 (Released:2006-03-09)
参考文献数
24

我々は大豆イソフラボンとブラックコホシュエキスを含む健康食品の更年期女性の SMI に対する臨床有用性について,二重盲験試験により検討した.24 名の閉経前後の女性対象者を 2 つのグループに分け,試験食品もしくはプラセボを毎日 4 カプセルずつ,8 週間経口摂取させた.1 日あたりの摂取量は,大豆イソフラボン 50.0 mg,ブラックコホシュエキス 80.0 mg であった.試験食品摂取群ではプラセボ摂取群と比較して,「肩こり,腰痛」の更年期障害スコアが有意に改善 (p<0.05) され,さらに「イライラ」のスコアにおいては統計学的に有意ではないが改善の傾向が確認された.試験食品摂取前の更年期障害重症度による層別解析の結果,試験食品の効果は症状の軽い被験者においてより顕著であった.これらの結果より,大豆イソフラボンとブラックコホシュエキスを含む健康食品は更年期の不定愁訴を緩和し,生活の質の向上に有用であることが示された.
著者
ペルサー クリステル 武田 知典 大木 英司 塩本 公平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PN, フォトニックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.404, pp.25-30, 2007-12-13

サービスプロバイダ網では,外部宛先の経路はiBGPセッションにより配布される.従来,網内ではiBGPセッションをフルメッシュで設定する必要があった.現在では,Route Reflector (RR)を利用する方法が一般的である.この方法では,サービスプロバイダ網で設定されるiBGPセッション数の観点でスケーラビリティに優れる.しかしながら,RRは網内での経路冗長性に悪影響を与えることが指摘されている.これは,障害時に代替経路を迅速に利用できない可能性があることを意味し,深刻な問題となる.本稿では,RRを利用するサービスプロバイダ網における経路冗長化を検討する.具体的には,経路冗長化を改善するiBGPセッショントポロジーの設計アルゴリズムを提案する.初期トポロジーが与えれていることを前提に,提案アルゴリズムは,ドメイン内のいくつかの境界ルータに対して,いくつかのiBGPセッションの追加を提示する.このような境界ルータは冗長性を欠く経路について,多数の外部経路を受け取っている.シミュレーションにより提案の有効性を確認する。まず,結果として得られるトポロジーでは,各BGPルータは,各宛先に到達できる2つの経路を保持する.これは,宛先への到達性を複数のAS境界ルータで受信している限り,保証される.そうでない宛先については,iBGPトポロジーの設計に関わらず,冗長性を実現できない.次に,この目的を達成するために必要なiBGPセッション数は,フルメッシュに比べ大幅に少なくなる.
著者
武田 勝藏
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.143-144, 1922-11

書評
著者
一宮 浩市 武田 哲明 植村 拓也 範国 哲也
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.72, no.723, pp.2747-2752, 2006-11-25
被引用文献数
1

This paper describes the heat transfer and flow characteristics of a heat exchanger tube filled with a high porous material. Fine copper wire (diameter: 0.5mm) was inserted in a circular tube dominated by thermal conduction and forced convection. The porosity was from 0.98 to 1.0. Working fluid was air. Hydraulic equivalent diameter was cited as the characteristic length in Nusselt number and Reynolds number. Nusselt number and friction factor were expressed as functions of Reynolds number and porosity. Thermal performance was evaluated by the ratio of Nusselt number with and without a high porous material and the entropy generation. It was recognized that the high porous material was effective in low Reynolds number and the Reynolds number which minimized the entropy generation, existed.
著者
森村 尚登 櫻井 淳 石川 秀樹 武田 宗和 泉 裕之 石原 哲 有賀 徹
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.9, pp.921-929, 2008-09-15 (Released:2009-08-07)
参考文献数
8

背景:市民が傷病の緊急性を判断するにあたり医学的な観点で看護師及び医師が24時間体制で相談に応じ,救急車要請適応の判断や症状に応じた口頭指導や受診科目・医療機関情報を提供するため,2007年 6 月に救急相談センター(受付番号#7119,以下救急相談センター)が開設された。目的:本研究の目的は,緊急度判断のプロトコールに基づく電話救急医療相談の現状と課題について検討することである。方法:予測し得る相談対象者の主訴ごとに90のプロトコールを作成した。緊急度のカテゴリーは,(1)救急車要請を必要とする病態(赤),(2)救急車要請の必要はないと判断できるが,少なくとも1時間以内の緊急受診を必要とする病態(橙),(3)6 時間以内を目安とした早期受診を必要とする病態(黄),(4)当日ないし翌日日勤帯の病院受診を必要とする病態(緑)の 4 段階とした。開始後 3 か月間の交信記録を集積して検討した。結果: 3 か月間の相談件数6,549件中プロトコール使用率は75.7%で,小児の発熱,小児の頭頸部外傷,異物誤飲の順に使用頻度が高かった。プロトコールに従った緊急度判断は,赤 24.6%,橙 29.4%,黄 23.7%,緑 22.4%であった。諸因子を勘案して最終的に赤と判断した925例中救急車搬送は786例で,うち病院初診時重症度が判明した673例中の30.9%が緊急入院していた。結論:赤カテゴリー以外の判断は結果として救急車需要増加の対応に寄与したと考えられ,他方赤カテゴリーと判断した症例のうち緊急入院を要した症例が存在したことから,プロトコールに基づく緊急度判断が緊急性の高い患者の早期医療機関受診に寄与したといえる。プロトコール導入によって対応が標準化され,相談者の受診行動に影響を与えたと考えられるが,今後はデータ集積を継続し更なる検討が必要である。

1 0 0 0 OA 衛生薬学

著者
秋山 高 河村 太郎 富田 基郎 武田 明治
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.15, no.12, pp.1137-1142, 1979-12-01

戦後, 我々の日常生活が豊かになるにつれ, 工業生産が増大しましたが, 反面, 我々の日常生活や生産活動に由来した廃棄物による種々の汚染が社会問題化してきました.社会的要求の変化に伴い, 社会科学の一のである薬学も質的変化を来し, 薬学領域における衛生薬学の比重が飛躍的に増大してきました.今日は, 広い衛生薬学のうちでも一応公衆衛生の分野を中心として, これからの衛生薬学のあり方につきお話を伺いたいと思います.
著者
武田-六角 洋子
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.1-11, 2000-06-30

本研究では, 児童期抑うつの特徴をより明確にするため, 成人の抑うつに比し特異的とされる"攻撃性"に注目し, 児童 (小学3〜6年生) とその保護者をペアにして調査した。具体的には, 子どもには自己報告形式の抑うつ尺度と, 攻撃性の特徴を見るP-Fスタディを, 保護者には (予どもの) 気質尺度を実施した。次に, 抑うつ尺度をもとに子どもを2群 (高抑うつ傾向群と低抑うつ傾向群) に分け, 各々に保護者報告により得られた気質 (内向気質か外向気質か) を付与した後, P-Fスタディで得られた各評点因子につき分散分析を行った。気質と攻撃性については, 有意な結果は得られなかったが, 抑うつと攻撃性については興味ある結果が得られた。すなわち, 抑うつ傾向の高い児童の方が他者に対する攻撃性が高く, 自己に対する攻撃性が低かったのである。この時期の子どもにとって, 抑うつの低さは内省力を促し, 攻撃性も他者より自己に向かう傾向に結びつくが, 抑うつ傾向の高い子どもでは, 攻撃性が未熟な形で他者に向かい, 自分自身に目が向きにくくなるという特徴が見られた。成人の抑うつが過度の内省や罪悪感を特徴とするのに対し, 児童期の抑うつは, 目常場面での他者への高い攻撃性を特徴としていることが明らかになった。
著者
武田 克彦
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.163-169, 1999 (Released:2006-04-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1 2

高度の空間分解能を利用した functional MRI などの脳機能マッピングの手法を用いて,運動のしくみを解明しようとしたいくつかの研究を紹介した。手の運動に関しては中心前回内の precentral knob と呼ばれる領域が重要であると述べた報告,舌の運動については両側の中心前回下部の関与を認めた報告を紹介した。運動のイメージ課題において運動前野や一次運動野での賦活を認めた研究に触れた。従来補足運動野 (SMA) とされていた領域は,より吻側に位置する pre SMA と尾側に位置する SMA proper とに分かれるとされ注目されている。 pre SMA の働きはまだ不明だが,外的刺激による運動の選択に関与するなどいくつかの考え方が提唱されている。今後のfMRIを用いた研究について,運動を行う際に脳内のいくつかの領域がどの順番で賦活されるのかという問題,運動麻痺の回復やリハビリの効果判定などにおいて fMRI の果たす役割が大きいことが期待されることを述べた。
著者
本郷 智大 大塚 雅之 武田 仁
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.69, no.579, pp.53-59, 2004
被引用文献数
2 2

The purpose of this study is to grasp the influence of combined drainage load in house drain in to drainage stack system, and flow capacity of house drain. And the object of further study will be to establish and purpose new testing evaluation method which it is consider the influence of combined drainage load. This paper discusses the following points, (1) The way to provide combined drainage load in house drain, (2) Conditions of Pressure variation by combined drainage load in drainage system and an evaluation method thereof and (3) Understanding of the flow capacity of house drain in a drainage system by combined drainage load.