著者
森東 淳 福元 伸也 大塚 作一 三部 靖夫 田中 宏征 武田 光平 野村 雄司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.470, pp.43-48, 2010-03-08

2次元コードが,広告におけるWebページとの連携を目的として広く利用されている.しかし,デザイン性を損なわないように,2次元コードを小さく表示するのが一般的である.このため情報取得が煩わしく,また取得時間がかかるという問題があった.また,デジタルサイネージにおいては,ディスプレイ解像度の問題も加わるため,デザイン性と機能性の両立がより困難になると予想される.そこで,動物体の接近を感知し,2次元コードを適応的に拡大表示する手法を提案する.また,提案手法の有効性を確認する実験を行なった.その結果,(1)提案手法では取得時間を5秒程度短縮できる可能性があること,(2)2次元コードの適切な拡大時間が250ms程度であること,が示唆された.
著者
武田 三男 本田 勝也 天児 寧 宮本 欽生 桐原 聡秀 迫田 和彰
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

自己相似性を有する三次元フラクタル構造体であるメンジャースポンジを誘電体及び金属を用いて作製し、テラヘルツ時間領域分光法により、透過率、反射率及び直角散乱スペクトルを測定した。外形サイズ9mmで、ステージ2のサンプルにおいて、局在モードに対応すると考えられる透過率の極小及び直角散乱スペクトルの極大をそれぞれ見出した。金属サンプルにおけるその特性波長は二番目の正方形エアロッドの遮断周波数に一致し、マジックテイー効果で直角方向に伝播してゆくものと考えられる。現在、反射率測定のより高制度の測定システムを改良中である。フラクタル構造体中の局在モードの電磁場の空間振動パターンを確認するために、カントールバー型一次元フタクタル構造を持つマイクロストリップラインを作製した。ステージ数は1〜4である。また、比較のために周期構造を有するフォトニック結晶に欠陥構造を挿入したラインと、カントールバーと欠陥フォトニック結晶との中間構造のラインも作製した。ネットワークアナライザーにより透過及び反射の振幅と位相スペクトルを測定した。ステージ数3及び4においてフォトニックギャップ領域に局在モードに対応する鋭い透過ピークが見いだされた。モーメント法による数値解析を用いて、これらのピーク振動数のモードの電流空間分布を求めた。カントールバー中の局在モードは中央の幅の広いラインに整数の節を持つモードであるが、フォトニック結晶の欠陥モードのように欠陥領域に強く局在しているのではなくむしろカントールバー全体に少し広がったフォトニック結晶のバンド端モードに近い振動パターンを持つことが分かった。ラインの両翼もしくは中央のセグメントの長さを変えることによって、ライン全体を自己相似パターンから少し変化させ、局在モードの様子を調べた。局在モードのQ値はほぼ自己相似性を保っている構造において一番高いことが判明した。一方、数値解析としてはカントールバー構造中の電磁波の伝播特性について、マックスウェルの波動方程式を用いて、透過振幅及び透位相シフトスペクトルのステージ数依存性を計算し、ステージ数が4までのスペクトルではフォトニックギャップ領域に局在モードに対応した鋭い透過率ピークを確認した。局在モードの位相シフトの傾きがほとんどゼロになることを見いだした。また、テラヘルツパラメトリック発信分光システムを購入しフラクタル構造体によるテラヘルツ波の非線形光学効果の制御のためのシステムを構築した。
著者
中村 伸枝 武田 淳子 伊庭 久江 林 有香 遠藤 巴子 日高 倫子 兼松 百合子
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.67-73, 2003-03

本報告では,看護職が養護教諭と連携して,小学校3年生の1クラス31名(男子17名,女子14名)に対し,万歩計を用いた身体活動に焦点をあてた「学童とその親の生活習慣改善プログラム」を作成・実施した内容を報告する.プログラムでは,クラス全体に対するものと従来養護教諭により行われてきた個別指導を合わせて実施した.また,歩数が増えるほどキャラクターが成長する万歩計と,1年間通して使用できる「生活とけんこうを考えよう」と題したファイルを作成して各人に配布し,教材として利用した.1年間の実施の中で,万歩計の歩数が増えキャラクターが成長していくのを楽しむ学童は多く,運動に関することを生活目標にあげ,がんばったとした学童が多かった.1学期と3学期の肥満度は,男子では有意な増加(p<0.05)が認められたが,女子は有意差はなく学期毎にわずかに低下していた.1学期と3学期の間で肥満度が5%以上増加していた学童は,万歩計を用いた身体活動が有意に少ない傾向がみられた(p<0.05).また,自由研究で「万歩計による1日の運動量調べ・食事調べ」を行った中等度肥満の女子では,運動だけでなく食事についての理解も深められていた.従って,万歩計を用いて運動に焦点を当てたプログラムは,小学校3年生に対し効果が期待できると考えられた.看護職と養護教諭が連携して活動していくことで,学童とその親に対する活動を深めることができたと考えられる.
著者
中村 伸枝 林 有香 伊庭 久江 武田 淳子 石川 紀子 遠藤 巴子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

本研究は,日常生活習慣上の問題の程度に関わらず、より健康な生活をするためのアプローチが可能である学校の場を利用して,養護教諭とともに学童と親を対象とした日常生活習慣改善のために楽しく、親子で、段階的に行うプログラムの試作と検討を行うことを目的としている。研究の対象校は,平成10年度に実施した学童とその親に対する日常生活習慣と健康状態に関する調査で協力が得られた岩手県内の2つの小学校であった。小学校3年生1クラスと小学校5年生1学年(3クラス)で実施の協力が得られ,平成12年度には前回の調査結果と,学校内の協力体制,身体計測や学級活動等のスケジュール,体育や理科,家庭科の学習内容などを考慮して「学童と親の日常生活習慣改善プログラム」を試作した。平成13年度にプログラムを実施し,平成14年度にプログラム前後で行った生活習慣の変化,プログラムの満足度や家族の参加と反応,プログラムで学童が学んだことを視点に評価を行った。その結果,食習慣についてのプログラムを中心に実施した小学校5年生では,「好き嫌い」「野菜の摂取」「夕食時間」「排便習慣」と,「近くに出かけるときには歩く」項目でプログラム前後に有意な改善がみられた。また,学童はブレーン・ストーミングやグループワークを取り入れた学習に積極的に参加していた。運動習慣についてのプログラムを中心に行った小学校3年生では万歩計を用いた学習に学童は強い興味を示し,生活目標や,がんばったこととして運動に関することを最も多くあげていた。また,いずれの学年も,1年間通して使用した「健康ファイル」を家庭に持ち帰り,家族と共に健康目標を立てたり,学校での学びを家族にも伝えていた。健康ファイルは,肥満学童の保護者面談の資料としても用いることが出来た。看護職者と養護教諭の連携による学童と親への健康教育の有効性が示唆された。
著者
斉藤 和雄 Lecong Thanh 武田 喬男
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
Papers in Meteorology and Geophysics (ISSN:0031126X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.65-90, 1994 (Released:2006-10-20)
参考文献数
25
被引用文献数
7 7

紀伊半島、尾鷲付近での降雨の集中に対する地形効果をみるため、3次元山岳地形を越える流れの場を非静水圧ドライモデルを用いて調べ、観測された降雨量分布との比較を行った。 北東~南西方向に長軸を持つ楕円で単純化した地形に対する数値実験では、南東の一般風が弱い場合、山岳風上側下層の上昇流域は、斜面上と海上に2つのピークが見られた。海上のピークは、ブロッキングによる2次的な上昇流で、山岳前面最下層の逆風を伴っていた。それぞれのピークは一般風が小さいほど風上側に生ずるが、一般風が強く (あるいは安定度が小さく) ブロッキングが生じない場合は、海上の2次的な上昇流は見られない。紀伊半島地形の特徴的な湾曲は、南東風時のブロッキングの効果を高める働きを持つ。 1985年の紀伊半島での降水事例を解析し、尾鷲では潮岬に比べ雨量が多い事と大雨は東南東~南の下層風向時に生じている事を確かめた。紀伊半島の現実地形を用いた数値実験では、東~南のいずれの風向時にも尾鷲付近と紀伊半島南部に下層の上昇流域が見られ、榊原・武田 (1973) で示された紀伊半島の年平均降水量分布の極大地点と良い一致が見られた。ブロッキングにともなう海上の2次的な上昇流は南西~西の風向時には生じなかった。 大雨時に観測された一般場を用いた数値実験でも同様な傾向が見られ、シミュレーションで得られた下層の上昇流域は観測された降水分布に概ね良く対応していた。また、いくつかのケースでは、尾鷲の北東で観測された地上の降水域に対応する場所に山岳波による風下側中層の上昇流域がシミュレートされた。 実験結果は、実際の降雨分布と一般風の大きさの関係-弱風時の海岸域と強風時の内陸域-に対応している。また、弱風時にしばしば見られる紀伊半島風上側海上での対流性降雨バンドの発達に、紀伊半島の地形のブロッキングによる下層の水平収束が影響している事を示唆している。
著者
Ng Peter K.L. 武田 正倫
出版者
日本動物分類学会
雑誌
動物分類学会誌 (ISSN:02870223)
巻号頁・発行日
no.47, pp.29-32, 1992-06-25

イワガニ科の中で,完全な淡水生活をするのはGeosesarma属のカニ類だけで,東南アジアを中心に,現在までおよそ32種が知られている.分布の北限にあたるフィリピンからはルソン島北部とパナイ島から1種ずつ記録されているが,1985年に国立科学博物館によって行われた学術調査の際にミンダナオ島で採集された3雄,4雌は両種とは明らかに異なっていた.これらの7個体の標本においては,第3顎脚外肢の鞭が完全に退化しており,この点に関してはG.malayanum NG et Limの種群に属す.しかし,甲と鋏脚の特徴が既知種とは異なることから,新種としてG,protosの学名を与えた.
著者
酒井 啓治 安達 知子 瀧澤 憲 井口 登美子 武田 佳彦
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.597-597, 1990-07-25

東京女子医科大学学会第283回例会 平成2年6月14日 中央校舎1階会議室
著者
武田 はやみ
出版者
名古屋工業大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

1、研究目的ジオポリマーは適当なシリカおよびアルミナの非晶質相をアルカリ溶液と混合することのみで得られるため、低環境負荷材料として注目されている。本研究の目的は、ジオポリマー硬化体に遷移元素を拡散させて、天然岩石の色合いを呈する新規無機人工建材を創生することである。2、研究方法発色遷移金属として銅を用いた。メタカオリン、水ガラス、水酸化カリウムと各種銅化合物(Cu(OH)_2,CuO,Cu_2O,CuCO_3・Cu(OH)_2・H_2O,CuCl_2・2H_2O,CuSO_4-5H_2O)を混合して、型に流し込み、60℃で48時間養生することによって銅を発色源とするカラージオポリマー硬化体を作製した。作製したカラージオポリマー硬化体の強度測定、FT-IR分析、XRD分析、ESR分析等を行い、発色機構の解明を行った。3、研究成果銅化合物の添加による硬化体の顕著な強度低下は認められなかった。また、発色は以下に示すような2つの様態が考えられた。(1)顔料発色様態:Cu(OH)_2,Cu_2Oはジオポリマー化反応に関与せず、それ自身の発色をジオポリマー硬化体中で呈する(2)鉱物様発色様態:CuCO_3-Cu(OH)_2・H_2O,CuCl_2・2H_2O,CuSO_4・5H_2O,CuOはジオポリマー化反応中に分解し、ジオポリマーの構造中にCuが取り込まれCuイオンによって青緑の呈色を示す。また、硬化体中には孤立Cu^<2+>イオンが存在するため、このCu^<2+>イオンがジオポリマー構造中のOH分子と錯体を形成することによって発色しているとも考えられた以上のように、従来の建材に用いられる顔料とは異なる発色様態を持つカラージオポリマー硬化体を作製することができた。
著者
武田 和夫 石黒 寛 田中 里恵 丸山 純一 笠松 隆志 大川 真 堀 伸二郎
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.280-288, 2002-10-25
参考文献数
7
被引用文献数
2 11

残留農薬の一斉分析に,GC/MS/MSを使用したときの感度及び精度を明らかにし,その有用性を検証することを目的として検討を行った.4種の農産物(ほうれんそう,にんじん,たまねぎ及び玄米)をそれぞれアセトン抽出し,GPCカラム及びグラファイトカーボンカートリッジで精製したものをマトリックス試料とし,35種類の農薬を添加して分析精度の検討を行った.その結果,検出限界はGC/MS (SIM)と比較してほぼ同等であった.各種マトリックスを添加した農薬標準溶液の測定再現性は,0.1 μg/mL及び0.05 μg/mLの濃度においてそれぞれ良好であったが,0.02 μg/mLでは35農薬中20農薬において変動係数が 10% 以上となった.SIM測定では避けられないマトリックス成分による妨害ピークも,GC/MS/MSを使用することによって影響を排除できる例が複数確認された.
著者
大槻 圭史 台坂 博 武田 隆顕
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.73-81, 2008-03-31

リング・衛星系は巨大惑星形成過程の自然な副産物であると考えられる.本稿では,土星リングを構成する氷粒子の物性がリングの力学進化や構造形成に及ぼす影響について述べる.氷粒子の反発係数はリングの力学進化を考える上で重要な物理量であり,室内実験結果が理論研究に使われてきた.粒子表面の摩擦は粒子自転を引き起こし,土星リングからの熱輻射の観測結果を解釈する上で重要となる.また粒子間の非重力的吸着力がリングの進化や構造形成に及ぼす影響,隕石衝突によるリング組成進化に関する研究等も行なわれているが,これらについては今後さらに詳しく調べる必要がある.
著者
岩瀬 真生 石井 良平 高橋 秀俊 武田 雅俊 橋本 亮太 橋本 亮太
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

統合失調症を初めとする精神疾患に対して経頭蓋磁気刺激治療を行い、近赤外分光法を用いて治療中の血流同時測定を行ったところ、治療中に血流変化がみられることが観察されたが、何人かの被験者では磁気刺激による刺激のアーチファクトが測定に混入することが判明した。近赤外分光法により課題施行中の血流変化により、健常者と疾患群の判別解析が可能なことが明らかになり、磁気刺激治療への反応性予測に応用できる可能性がある。
著者
増子 崇 武田 信司 長谷川 雄二
出版者
社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学会誌 (ISSN:13439677)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.116-124, 2005-03-01

デカメチレンビストリメリテート二無水物(DBTA)を酸成分として合成したポリイミド, エポキシ樹脂, および銀フィラーからなるコンポジットフィルムを調製し, それらの種々特性を検討した。硬化前においては, Tgを超える温度領域でメルトダウンし, 熱可塑型フィルムに特有の挙動を示したが, 硬化後においては, 含有するエポキシ樹脂成分の橋かけ化の効果により, 上記の温度領域での流動が抑制された。これらのフィルムを介して, 異なる熱ひずみを有する材料同士を貼り合わせたときの接着強度は, 主としてフィルムの弾性率と応力緩和特性の影響を受けることがわかった。本報では、ポリイミドの構造とフィルム特性との関係について詳細に論じた。
著者
桜井 宏紀 後藤 研也 武田 享
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.37-45, 1983-12-15

ナナホシテントウの野外における発生状況を知るため,翅鞘の色彩および卵巣の発達度の季節的変化を中心として,成虫個体数の年間の変動を検討した。新成虫は晩春(第1世代),秋(第2世代)および初冬と3回の発生がみられた。第1世代成虫は6月下旬より一斎に夏眠に入り,雑草の根元で休眠した。一方第2世代成虫は12月下旬より越冬に入るが,真冬でも晴れた温暖な日には活動個体が野菜畑の周囲で観察された。翅鞘の色彩および卵巣の発達度から,初冬にみられる新成虫の発生は少数個体によるもので,第3世代個体とみなされないように思われた。そして翅鞘の色彩の程度とアラタ体の大きさの間には相関がみられることから,世代の重なり合う時期における成虫の令を推定するのに,翅鞘の色彩は卵巣発育とともに有効な指標であることが示された。
著者
島 由実子 滝沢 憲 尾崎 郁枝 井口 富美子 武田 佳彦 西川 俊郎 笠島 武 河上 牧夫
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.283-283, 1991-03-25

第9回学内病理談話会 平成2年11月10日 東京女子医科大学南別館2階大会議室
著者
長野 仁 高岡 裕 真柳 誠 武田 時昌 小曽戸 洋
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

中国を起源とする漢方だが、腹診と小児鍼は日本で発達した診断・治療法である。本研究の第一の目的は、日本における腹診の発達の歴史の解明である。加えて、もう一つの日本発の小児鍼法も解析対象である。本研究の成果は、腹診の起源と変遷と、小児鍼成立に至る過程、の二点を解明した事である。加えて、資料の電子化とオントロジー解析も実施し、更なる研究に資するようにした。