著者
武田 賢 角谷 倫之 佐藤 清和 土橋 卓 伊藤 謙吾 千葉 瑞己
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

ヒト頭頸部模型をCT撮像したデータをソフトウェア上で加工し、3次元(3D)プリンターに転送して頭頸部固定具を作製した。比較対照として、放射線治療用固定具として実用化されている熱可塑性素材を用いて従来法(手作業)により頭頸部固定具を作成した。3Dプリンターで作製した頭頸部ファントムの固定具は、固定精度と線量特性の点で、従来法で作成した固定具と同等の性能を示し、臨床上、実用化できる可能性が示唆された。然しながら、CT撮像からデータを加工する迄に約2時間、3Dプリンターで出力するまでに約100時間程度の時間を要しており、今後の課題として、固定具の作成過程を効率的に短縮する必要があることが分かった。
著者
武田 弘美 那須 則子 藤原 智恵子 川端 佳子 田中 靖子 大野 かおり 平田 雅子
出版者
神戸市看護大学短期大学部
雑誌
紀要 (ISSN:13428209)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.19-25, 2001-03-27

褥瘡の発生および悪化の原因として「摩擦」がある。摩擦は皮膚と着衣,着衣と寝具との間など,接触している物体どうしの間に必ず生じるものである。本研究は,寝衣等の着衣と寝具との間に生じる摩擦について測定し,どのような場合に褥瘡の原因と考えられるか,またどうずれば予防できるのかを検討した。今回は実習で使われる筋注用のモデルを用いた。結果としてモデルで得られた値は剛体に近く,人体への影響を検討するのは困難であったが,(1)最大静止摩擦係数(最大静止摩擦力)は運動摩擦係数(運動摩擦力)よりも大きい。(2)バスタオルは固定した場合の摩擦力は大きくなるので,バスタオルの上で人体を移動させるときは特に慎重に行わなければならない。(3)多く着衣すると摩擦力は大きくなる。ただしこれは,着用している衣類と寝具の間の摩擦である。(4)ダミーでは何も着けない状態だと摩擦力は大きくなる,といった結果が得られた。
著者
井上 史雄 宇佐美 まゆみ 武田 拓 半沢 康 日高 水穂 加藤 和夫 今村 かほる
出版者
明海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究では、日本海側に分布する諸方言の地理的年齢的動態に着目して、総合的な実態調査を行った。線状の地域で年齢別にことばを調べて図化する「グロットグラム」(地理×年齢図)の手法は、日本方言学が独自に開発した、世界に誇るべき新技法である。本研究では、共同の現地調査により、日本海側のことばの動きを明らかにし得た。第1年度は、異なった機関に属していた研究者が、多様な研究手法を統一する手法について打合せを行った。また、各自がこれまで実施してきた調査との連続性を図るために、各地で継続調査を行なった。また全体調査の項目選定のための準備調査を行った。各分担者の調査地域を調整し、調査時期・調査技法の統合も行った。第2年度には、日本海ぞいの多数地点でグロットグラム(地理×年齢図)のための実地調査を行った。調査員としては、分担者および方言研究の経験のある協力者(小中高の教師)や大学院生・ゼミ生が参加した。データは調査終了後すぐにコード化した。各分担者のデータを統合し、配布した。第3年度には、グロットグラムのための実地調査を継続し、計画地点のデータを得た。分担を決めて、グロットグラムの図を作成した。集計に各分担者のもとのパーソナルコンピュータを利用することにより、グロットグラムも迅速に作製できた。日本海側各県で新方言・気づかない方言の使用状況に顕著な地域差がみられた。以前の調査の結果と対比することにより、太平洋側との様相の違い、東京からの影響の違いなどを確認できた。関連テーマの資料を合わせて年末に報告書を作成し、国内の方言研究者、言語変化の研究者に配布した。これにより、今後の関連調査の解説に役立つことと期待される。また成果の一部は夏の方言学国際会議(カナダ)で発表した。
著者
中村 伸枝 石川 紀子 武田 淳子 兼松 百合子 内田 雅代
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本研究の目的は,2型糖尿病患者や肥満児を含めた小児とその親が,どのように自分の健康についての認識をもち,日常生活や健康管理行動を行っているのかを明らかにし,看護援助方法を検討することである。目的に添って2つの調査研究を行った。研究1(平成9年度):小児期発症の2型糖尿病患者および1型糖尿病患者を年齢・性をマッチさせた各20名を対象として療養行動,自尊感情,ソーシャルサポートについての自記式質問紙調査と,病気や療養行動の認識についての面接調査を行った。その結果,(1)2型糖尿病患者も1型糖尿病患者と同程度に病気の影響を受け止めていたが,1型糖尿病患者の方が,より肯定的に病気を受け止めていた。(2)外来受診,ストレス管理,禁煙,体重管理について1型糖尿病より2型糖尿病患者の方が大切であるという認識が少なかった。(3)セルフケアの動機づけは外来受診,体重増加,合併症発症により,高められていた。研究2(平成10年度):1485組の学童とその親に日常生活習慣と健康状態の実態と認識についての自記式質問紙調査を行った。その結果,(1)学童と親の日常生活習慣と肥満度には関連がみられた。(2)楽しく体を動かすことは,学童の心身両面を整えるうえで重要であった。(3)親は学童の身体面の問題はとらえやすいが,ストレスなどの心理面の問題はとらえにくい傾向がみられた。(4)学童の生活習慣が改善できない理由には,生活習慣の内容により特徴がみられた。(5)肥満度20%〜30%の軽度肥満の学童の親や,喘息など肥満以外の健康問題をもつ学童の親は,肥満を問題ととらえにくく,日常生活習慣の改善が必要であるとは考えにくいことが示唆された。本研究の成果をもとに,小学校で実施できる日常生活習慣改善プログラムを養護教諭とともに作成し,実施することを計画中である。
著者
武田 弘道
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.462-473, 1957
著者
中島 江梨香 上野 智永 市野 良一 武田 邦彦
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.159-168, 2014-04-25 (Released:2014-04-25)
参考文献数
34
被引用文献数
2

高分子材料の欠点である燃焼性を克服するために,高分子材料の熱分解と燃焼性について研究を行ってきた.高分子化合物の熱分解は,主鎖のランダムな分解,あるいは高分子鎖の末端で三量体などの化合物を生成する場合,解重合が起きる場合がある.本報では,ランダム開裂とともに末端の特定部位からの開裂が同時に起こる,ポリプロピレンとポリスチレンについて熱分解と燃焼性の関係性を研究した.熱分解生成物ばかりではなく,高分子材料の分子量が大きな影響を与えることを見いだした.分子量の違いによって燃焼状態が異なり,分子量の高い試料と低い試料では熱分解後の分子量分布の変化が異なること,特定の燃焼条件下ではある特定の分子量において燃焼しないということが明らかになった.ポリオレフィン類およびポリスチレンのように社会で大量に使用されているプラスチックにおいて,構造的に燃焼しないものが発見されたことは今後安心安全な社会の進展に大きく寄与する.
著者
木村 元洋 武田 裕司 大平 英樹 ERICH Schroger
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

我々の脳は, 視覚的なオブジェクトの時間的文脈 (動きや変化のパターン)からルールを抽出し,そのオブジェクトが次にどのように変化するかを意図に関わらず自動的に予測している:"非意図的な時間文脈ベースの予測" 。本研究は,この非意図的な予測の脳内情報処理メカニズムを解明することを主目的とした。脳波の一種である事象関連脳電位を用いた実験を通し,この予測を反映する二種類の脳活動の同定に成功した:(1)予測された事象と実際の事象が不一致の際に生起する,視覚皮質-前頭前野に発生源をもつ視覚ミスマッチ陰性電位,および(2)予測された事象と実際の事象が一致した際に生じる,視覚皮質に発生源をもつ視覚誘発電位の増強および抑制。これらの結果は,この非意図的な予測が視覚皮質-前頭前野間の双方向性のネットワークにより達成されている可能性を示唆している。
著者
武田 好央 中込 恵一 新村 恵一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.62, no.599, pp.2887-2894, 1996-07-25
被引用文献数
48

There is a gradient of fuel concentration in the spray of conventional direct-injection diesel engines. Therefore, a region of stoichiometric mixture ratio exists in the injected spray and a high concentration of NO_χ is produced. In this study, fuel injection timing was widely advanced to promote the mixing of fuel and air. Using this injection method, the engine could be driven with premixed lean diesel combustion (PREDIC), and NO_χ emissions were greatly reduced. To avoid the fuel spray contacting the cylinder liner, the fuel was injected by two side injectors simultaneously. The two sprays from the side injectors collided with each other and remained in the center region of the cylinder. Thus mixing of fuel and air was promoted by a long ignition delay period. In the case of conventional injection methods, NO_χ could not be reduced to under 400ppm (λ=2.7). In contrast, in the case of PREDIC, NO_χ emissions were reduced to as low as 20ppm (λ=2.7).
著者
岩爪 道昭 武田 英明 西田 豊明 太田 衛 高岡 良行 水上 雄一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFS, オフィスシステム
巻号頁・発行日
vol.97, no.212, pp.33-40, 1997-07-25

本稿ではオントロジーとドキュメントベースに基づく現場技術情報の共有支援法を提案する. 技術者・作業者は, 業務を遂行する過程でさまざまな技術情報を参照する必要がある. 企業内では, 円滑な業務遂行のために基準・規定類が整備されている. また, 近年ネットワーク技術の進歩により, これらの書類は電子化され, イントラネット(Intranet)上に蓄積されるようなってきた. しかし, これらの技術情報の利用方法は必ずしも自明ではなく, 業務に利用するためには, 長年の専門知識やノウハウを必要とした. 本研究では, 対象に関するオントロジーを用いて, ベテラン技術者の専門知識やノウハウの継承を促進する現場技術情報共有支援システムを提案し, 配電用変電所における流用変圧器の改修計画業務支援を対象としたプロトタイプを構築した. これにより筆者らの手法の有効性および構築したシステムが十分実用的であることを検証した.
著者
筒井 茂樹 平沢 健介 武田 真記夫 板垣 慎一 河村 晴次 前田 健 見上 彪 土井 邦雄
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.785-790, 1997-09-25
被引用文献数
7 20

in vivoマウス肝細胞における高用量ガラクトサミン誘発アポトーシスについて検索した. 3g/kg GalN投与群では, Tdt-mediated dUTP nick end labeling (TUNEL) 陽性細胞が6時間後から観察されはじめ, HE染色切片における好酸性小体およびTUNEL陽性細胞の出現は, 24時間後で最も顕著になった. また, 48時間後では, 肝実質細胞の変性および壊死が目立ち, TUNEL陽性細胞はほとんど見られなくなった. 1.5g/kg GalN投与群では, 3g/kg GalN投与群に比べ, 病変は穏やかで, 好酸性小体およびTUNEL陽性細胞は24時間後ではほとんど見られず, 48時間後で顕著になった. さらに, アガロースゲル電気泳動によって見られるDNAの"はしご様"断片化パターンは, 3g/kg GalN投与後24時間および1.5g/kg GalN投与後48時間で最も顕著となったが, 3g/kg GalN投与後48時間では減少した. 一方, sGOTおよびsGPT活性は, 3g/kg GalN投与後48時間で著しく上昇した. これらの結果から, in vivoで高用量ガラクトサミンにより誘発される細胞死は, アポトーシスにより生じ, 後にネクローシスによる可能性が示唆された.
著者
大園 享司 武田 博清
出版者
応用森林学会
雑誌
森林応用研究 (ISSN:13429493)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.7-11, 2002-03-29
被引用文献数
1

培養系において15種19菌株(担子菌類(B)6種6菌株,クロサイワイタケ科子のう菌類(XA)4種7菌株,その他の子のう菌類(OA)5種6菌株)の分解を受けたブナ落葉の養分濃度(N,P,K,Ca,Mg)を測定した。実験に用いた菌株は京都府北東部の京都大学農学部附属芦生演習林において採取した。同地においてリクードラップにより採取したブナ落葉をオートクレーブ滅菌(120℃,20分)して素寒天培地の表面に置き,菌類を接種して2ヶ月間,20℃,暗黒下で培養した。培養後の落葉は重量減少率を測定後,養分濃度を測定した。分類群間で各元素濃度の平均値を比較したところ,N濃度はBとXAとの間で差はみられず,BでOAよりも高かった。P濃度はXAでB,OAよりも高かった。K,Ca濃度は分類群間で差はみられなかった。Mg濃度はBでXA,OAよりも低かった。この結果を,菌類が森林生態系での落葉分解にともなう養分動態に果たす役割という観点から考察した。
著者
武田 英明
出版者
東京大学大学院工学系研究科精密機械工学専攻
巻号頁・発行日
1991-03-29

報告番号: 甲08991 ; 学位授与年月日: 1991-03-29 ; 学位の種別: 課程博士 ; 学位の種類: 工学博士 ; 学位記番号: 博工第2642号 ; 研究科・専攻: 工学系研究科精密機械工学専攻
著者
武田 維倫
出版者
[栃木県水産試験場]
雑誌
栃木県水産試験場研究報告 (ISSN:13408585)
巻号頁・発行日
no.44, pp.38-38, 2001-03

利根川の支流である鬼怒川、渡良瀬川のサケ資源の維持、回復を図るため、サケ稚魚の孵化放流試験を行った。平成12年12月21日、福島県真野川孵化場からサケ発眼卵(積算水温366℃)5万粒を移植し、3月25日の稚魚放流が終了するまで、卵の孵化率、生残率、飼育水温を調べた。孵化までの積算水温460℃で孵化が始まり、516℃まで続いた。孵化率は97%であった。稚魚の生残率は99%であった。生産した稚魚48,350尾は3月10日に渡良瀬川、3月25日に鬼怒川に放流した。放流尾数は渡良瀬川15千尾、鬼怒川33千尾であった。

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著者
武田交来 (勝次郎) 編
出版者
大倉孫兵衛
巻号頁・発行日
vol.〔2〕 碁太平記白石噺, 1881
著者
武田 清子
出版者
国際基督教大学
雑誌
国際基督教大学学報. I-A, 教育研究 (ISSN:04523318)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.34-71, 1961-12

The Democratic movement of the Taisho period (1912-1925) is one of the most important movements in the development of the democratic trends in modern Japan. The generation who served as the national leaders during the establishment of postwar democracy in Japan were the products of this movement who struggled and survived the pressure of the militaristic fascism. Thus Japanese postwar democracy was not a gift of the US Occupation but was a national product from within. Sakuzo Yoshino, a Christian professor of political science and leading democrat, was the central figure of this movement. Under the Meiji constitution, without denying the Emperor System he worked for the right of the people as much as possible within that framework, having been attacked on both sides by the extreme nationalists and the extreme leftists. First of all, I would like to study and analyze the nature of this attempt of democracy. Secondly, this period is called, at the same time, a period of humanism when Christianity took root in the cultural and social soil of Japan. Having been received within the bosom of the culture and even losing itself in it, Christianity sought to bring about a renewal of the common man and society. The individuals of this type were Inazo Nitobe, Toyohiko Kagawa, and Sakuzo Yoshino. In Yoshino the basis of democracy was definitely Christian faith, and particularly Christian concept of man. I would like to evaluate the understanding of "Man" and its role as the basis of Taisho Democracy.