著者
島 広樹 武藤 佳恭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.536, pp.17-23, 2002-01-03

エージェントベース社会シミュレーション(ABSS)は現実世界との乖離を抑え、実用性を模索する方向に進めていくべきだ。このための鍵は適切な調査を実施することである。ABSSのための調査には、モデル構築のための調査とパラメータ設定のための調査がある。前者は自由度の高い調査を利用し、論理的規則の抽出や構築したモデルの適用範囲を把握するために利用する。後者はエージェントのモデルを反映した複雑な構造を持つ調査によって、個々のエージェントを定義するために利用する。パラメータ設定のための調査には、数値的尺度を調整するためのものと論理構造を調整するためのものがある。
著者
赤池 英憲 武藤 俊治 宮坂 芳明 羽田 真朗 芦澤 一喜
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.30-34, 2002
被引用文献数
5

カバー付き食道ステントを用いて保存的に治癒しえた特発性食道破裂の1例を経験したので報告する.症例は45歳の男性.平成12年2月6日夜, 飲酒後に嘔吐・吐血.その直後より左胸背部痛が出現したため救急当番病院受診.バイタルサインは落ち着いていたため入院し経過をみられた.翌日呼吸苦出現, 精査の結果, 特発性食道破裂と診断され当院転院.経皮的なドレナージが有効と予想されたため保存的に経過をみることとした.全身状態が軽快するのを待ち2月9日カバー付き食道ステントを挿入した.その後, 全身状態は劇的に改善しステント挿入後14日目に食事開始となり, 入院76日で退院となった.カバー付き食道ステントは, 本来消化器系の悪性腫瘍による狭窄の改善等に用いられる器具であるが, 本症例ではこれを用い全身状態の劇的な改善と絶食期間の大幅な短縮に成功した.
著者
中村 英美 福田 晃 北畠 滋郎 宮川 晋爾 武藤 晴臣 雨宮 哲士
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.947-947, 1991-09-25

第22回消化器病センター例会 平成3年1月27日 東京女子医科大学弥生記念講堂
著者
武藤 一雄
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.589-599, 1998-08-05

ニュートリノの放出を伴わない二重ベータ崩壊は, ニュートリノの基本的性質を解明し, 電弱相互作用の標準模型の枠を超えた新しい物理への道を開く有望な過程として期待されている. ここでは二重ベータ崩壊の二つのモードとその意義, 遷移機構, 崩壊寿命とニュートリノの質量に対する制限の現状について, また, 原子核構造の視点から原子核のスピン・アイソスピン相関と関連した話題について解説する.
著者
濱 広幸 柏木 茂 日出 富士雄 田中 均 高橋 俊晴 鈴木 伸介 河合 正之 宮原 房史 南部 健一 武藤 俊哉
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008-05-12

独自の考案で設計・製作した独立2空洞型熱陰極高周波電子銃から引き出された電子ビームの縦方向位相空間分布を操作して、進行波加速構造を用いる速度圧縮法に最適な分布に整形し、100フェムト秒あるいはそれ以下の超短パルス電子ビームを生成する技術をほぼ確立した。加えて加速器システムを構築し、50MeVまでの電子ビーム加速に成功したことから、偏向磁石あるいはアンジュレータを用いてコヒーレントなテラヘルツ放射を発生できる光源加速器が完成され、法令が規定する放射線管理区域に適合した加速器研究施設を開設することができた。
著者
伏見 卓恭 斉藤 和巳 池田 哲夫 武藤 伸明
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

ネットワーク全体構造を定性的に評価する手法として,可視化が多く用いられている.大規模ネットワークを対象とする場合,全てのノードを描画するには限界がある.本研究では,中心性概念による重要ノードに着目し,ネットワークを粗視化する手法を提案する.現実の交差点ネットワークを対象に,本質的な骨格の鮮明化およびオリジナルネットワークの統計量の保存という観点により評価し,提案法の有効性を示す.
著者
武藤 雅大 綿貫 啓一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2010, no.4, pp.29-30, 2010-09-04

This paper describes education system using augmented reality technology. The system aims to offer useful information for the learner, to support intuitive study, and to improve the efficiency of the in-depth understanding and study. For the purpose the system that synthesizes information that seems to improve study to the image of the reality on real time was developed using augmented reality technology to mechatronics training, and study. Effects of the system were verified by the testee's using the system and being evaluated. It was confirmed that an educational system using the augmented reality technology was effective in intuitive study by the verification outcome.
著者
横山 茂之 河合 剛太 岡田 典弘 武藤 あきら 渡辺 公綱 志村 令郎 大澤 省三
出版者
東京大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1992

本年度は,これまでの4年間の研究成果をとりまとめ,9月24日の第6回公開シンポジウムにおいて広く公表した.また,4年間の班員の成果をまとめた最終報告書を作成した.また,本重点領域研究と関係の深いシンポジウムが8月27日の日本分子生物学会大会中に行われ,これにおいても研究成果が公表された.第6回公開シンポジウムでは,第1項目「RNA機能の発現機構」の研究成果として,オルタナティブ・スプライシングの制御に関与するRNA結合タンパク質,精密なtRNA分子識別を行うクラスIアミノアシルtRNA合成酵素,および特異な二次構造を持つ動物ミトコンドリアtRNAについての立体構造解析の結果が示された.また,グループIイントロンRNAの活性化,リボソームRNAの機能あるいはタンパク質によるtRNAの分子擬態についての研究成果も報告された.第2項目「RNA新機能の検索」については,新規に発見された低分子量RNAによるTrans-translationの機構,リボソームRNAにおける2つのドメイン間のcommunication機構,あるいはミトコンドリアtRNAによるショウジョウバエの生殖細胞形成機構についての研究成果が発表された.また,第3項目「RNAの起源と進化」については,アミノアシルtRNA合成酵素の起源と進化のメカニズム,およびウイルス由来のリボザイムやミトコンドリアtRNA遺伝子変異によるミトコンドリア病についての研究成果が発表された.
著者
太田 成男 小林 悟 武藤 あきら 渡辺 公綱 渡辺 嘉典 岡田 典弘
出版者
日本医科大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1997

ミトコンドリアtRNA病の発症機序の分子機構解明とそれを基礎とした治療法の開発が行われた。太田と渡辺公綱は共同で、ミトコンドリア病の原因である変異ミトコンドリアtRNAを精製し、修飾塩基を含む構造解析をし、ミトコンドリア病のふたつの病型(MELASとMERRF)の原因の3種類の変異ミトコンドリアtRNA(tRNA-LysとtRNA-Leu(UUR))では共通にアンチコドンの塩基修飾が欠損していることを明らかにした。さらに、渡辺はこの塩基の修飾にはタウリンが結合していることを明らかにした。すなわち、3つの変異tRNAには共通にアンチコドンにタウリンが結合していない。この塩基修飾の欠損によって、mRNAのコドンへの親和性が低下してミトコンドリア内の蛋白合成が停止することによって発症することを明らかにした。変異tRNAの構造解析、機能解析を基礎として疾患の治療法の基礎が開発されたので、一連の研究の社会的意義はきわめて大きい。小林はミトコンドリアrRNAが生殖細胞の形成に普遍的に必要であること、生殖細胞形成期の細胞ではミトコンドリアrRNAを含むミトコンドリア型(原核細胞型)のリボソームが形成されていることを明らかにした。この研究によって、ミトコンドリア型の翻訳系が生殖細胞の形成に必要であるという独創的な概念を提出した。この概念は、類する研究がないほど新しい分野をきりひらいたという意味で極めて重要である。渡辺嘉典は減数分裂に必要なRNAであるmeiRNAの機能を明らかにした。すなわち、meiRNA結合蛋白が核と細胞質をシャトルさせるためにRNAが必要であるという新しい概念を打ち立て、証明した。武藤はmRNAとtRNAの双方として機能するmtRNAの役割ドメインを決定し、その分子機構を解明した。
著者
島田 一雄 若林 良二 鈴木 弘 武藤 憲司 田中 健二 浅井 紀久夫 結城 皖曠 近藤 喜美夫 渡辺 正子 美濃 導彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.486-495, 1998-05-25
参考文献数
13
被引用文献数
8

現在, 大学, 高専等の高等教育機関が教育・研究に利用しているディジタル衛星通信システムは, 二つに分けられる.文部省が大学間教育交流を主目的に推進しているSCS(Space Collaboration System)と研究を主目的として自主的に組織されたディジタル衛星通信の大学間高度共同利用研究協議会(UnSAT協議会:University's Joint Study Group for Digital Satellite Communications)である.本論文は, 平成9年5月30日に航空高専で開催された国立高等専門学校協会(以下, 国専協と略記)主催の「高等技術教育フォーラム'97」を上述のSCSとUnSATの異なる二つの衛星通信システム接続により, 終日, 6高専と3大学に配信する実験を行った結果を取りまとめたものである.最初にSCSとUnSATの概要を述べ, 続いてフォーラムの内容を紹介する.つぎに予備実験とフォーラム当日実施した本実験について述べる.更に, 予備実験と本実験に対する参加者へのアンケート調査に基づく主観評価結果の一部を示す.続いて, 1ホップと2ホップの場合の画像劣化の比較を行うために試みた画像の客観評価の結果について述べる.最後に考察を行い, 2衛星通信システム接続による教育・研究交流ネットワーク構築への手がかりが得られたことを示す.

1 0 0 0 IR 漂泊者 : 創作

著者
武藤 貞英 [ムトウ サダヒデ]
出版者
龍南會
雑誌
龍南
巻号頁・発行日
vol.241, pp.45-66, 1938-06-15
著者
近藤 喜美夫 大澤 範高 浅井 紀久夫 田中 健二 武藤 憲司
出版者
独立行政法人メディア教育開発センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

語学、科学技術、文化等様々な分野での国際教育交流を行うには、映像音声を中心にした遠隔コミュニケーションを円滑にする仕組みが必要である。本研究では、その仕組みとして、映像音声に含まれる情報(特に言語が異なる場合の文字情報)を抽出し、学習者側に注釈情報(説明や翻訳、画像など)を提示する機能を構築することを目的とした。こうした機能を組み込んだプロトタイプ・システムを構築するため、映像中の物体を認識するための画像認識機能や映像中の文字情報を検出するための文字検出機能などの要素技術を開発した。また、検出した文字情報に関連した付加情報として説明注釈や翻訳、画像や三次元アニメーションなどを提示する機能や検出文字情報と関連付加情報を空間的に関係付ける追従配置手法を開発した。そして、システムの動作確認を行うため、衛星通信などによる遠隔地接続実験を実施した。さらに、被験者による評価試験を行い、構築したシステムの有用性を確認した。システムが有効に利用されるための基盤や教育交流を円滑に行うためのネットワーク構成についても検討した。特に、遠隔コミュニケーションを安定的に提供できる衛星通信の利用を想定した教育交流手法や国際教育交流について現状の分析と考察を行った。また、遠隔コミュニケーションにおいて作業性や臨場感を向上させる上で重要な役割を果たす音響環境について検討を行った。特に、遠隔会議で問題になる音響エコーに関して音響特性の計測と計算機シミュレーションによる音声了解性能の推定を行った。
著者
武藤 貞嗣 森田 繁 舟場 久芳
出版者
核融合科学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

X線スペクトルイメージ測定用試作器を製作して較正実験を行なった。本測定法は、光源の輝度が大きいほどエネルギー分解能と時間分解能が両立して向上する。よって、高エネルギー加速器研究機構・放射光科学研究施設・ビームライン14Cに於いて放射光を用いた実験を行なった。二結晶分光器から射出される幅0.3 mmの二次光を単色光として直径1 mmのタングステンピンホールに通し、ダイナミックレンジが16 bitのX線CCDカメラを用いて画像測定を行なった。その結果、試作器の動作が設計通りであることを確認できた。また、スペクトルを求めるために必要な数値を得ることができた。
著者
武藤 正義
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.301-316, 2009-09-30 (Released:2010-03-30)
参考文献数
25

本稿の目的は,平等主義やマクシミン主義や競争主義など,他者配慮にかんする豊かな意味内容をもった二者関係における評価関数を,公理論的に導くことにある.この評価関数は,自他の利得差の絶対値を含むやや複雑な形をしているが,形式的かつ単純な仮定から導かれる.具体的にはこれらの仮定は,(1)自他の利得が比較できる,(2)利得と評価のそれぞれの(選好)順序が正アフィン変換によっても変わらない,というものである.これらの仮定は平等的な性質をもっていないようにみえるが,演繹的に導出される評価関数は平等主義的なものを含むのである.