著者
武藤 晃 湯川 奈穂美
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.510-519, 2000

"欧州は一つである"という認識が一般化してきている。共通通貨ユーロができたのはまだ最近のことであるが,特許の世界は一足早く1973年に欧州特許条約(EPC)が調印され,単一の手続きにより特許を得ることができる欧州特許機構(EPO)が創立された。現在では加盟国は25か国にのぼっている。2000年5月18日には公開特許の件数が遂に100万件に達した。今回は加盟国のハーモナイゼーションを主要な目的とするEPOのウェブサイトを解析する。EPOのホームページを見ると,米国特許商標庁ほどのボリュームはないものの,公用語の英語,ドイツ語およびフランス語によって必要な事柄が簡潔に平易な文章で表現されている。文化の異なる国の人にも分かりやすいように工夫されていることが分かる。「エスパスネット」esp@cenetの名で知られている EPO特許情報データベースは欧州を中心とする約3,000万件の特許情報を擁していて,世界の特許情報を一挙に検索できるメリットがある。また,欧州特許(EP)やPCT国際公開特許(WO)の個別データベースに加え,日本の公開特許英文アブストラクトのデータベースも用意されている。英語の多少分かる人なら日本人でもアクセスして調査を行ったり,特許明細書のコピーを得ることができる。簡単な使い方を解説する。
著者
武藤 弘道
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, 1996-01-10

小春日の穏やかな午後、電子航法研究所の正門前に集合、会議室で当学会会員である同所の電子航法開発部、航法システム研究室長の長岡栄氏から同研究所の概要とご専門の電子航法の現況に就いて、パンフレットやスライドなどを使用して衛星を用いた航法技術、監視システム、空地データリンクシステムなど、又現状の航空管制システムなどについて詳しい説明や質疑応答があり、終わってから別棟の航法研究室に移り、ここで主任研究官の小瀬木滋氏からこれ等の研究器材の説明を受けた。航空機衝突防止装置(ACAS)の表示装置や過去のフライトデータの電子ファイルなど興味の有るものであった。質疑のあと同所で解散した。なお、この見学は同所の総務課、企画係長菊池崇氏の御計画によった。
著者
片柳 憲雄 武藤 輝一 田中 乙雄 鈴木 力 藍沢 喜久雄 西巻 正 田中 陽一 武藤 一朗 武田 信夫 田中 申介 鈴木 茂 田中 典生 藪崎 裕 大森 克利 多田 哲也 鈴木 聡 大日方 一夫 曽我 淳
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.968-976, 1991-04-01
被引用文献数
18

1989年末までの22年間に経験した食道癌症例814例のうち,他臓器に重複癌のある64例(7.9%)を対象として,手術術式,治療成績を中心に検討した.同時性2臓器重複癌は37例,異時性2臓器重複癌では食道癌先行が10例,他臓器癌先行が11例あり,3臓器以上の重複癌も6例に認めた.同時性重複癌の重複臓器は胃が25例と圧倒的に多く,このうち16例は早期胃癌であった.胃癌合併例では,早期癌が胃管作製時の切除範囲に含まれる場合を除いて胃全摘,結腸による再建を原則とした.同時性重複癌の両癌切除例の5生率は34.6%であり,少なくとも一方が非切除であった症例に対して有意に(p<0.05)良好であった.さらに,食道癌治癒切除例の予後は,5生率58.3%とほぼ満足できる成績であった.治療成績向上のためには,重複癌の存在を念頭においた診断と,両癌の治癒切除を目指した積極的な手術が重要であると思われた.
著者
高崎 健 小林 誠一郎 鈴木 茂 鈴木 博孝 武藤 晴臣 原田 瑞也 戸田 一寿 済陽 高穂 山名 泰夫 長岡 巍 朝戸 末男 林 恒男 喜多村 陽一 平山 芳文
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.13, no.7, pp.759-765, 1980-07-01
被引用文献数
16

食道静脈瘤に対する直達手術としての食道離断術には, 経胸的, 経腹的の二通りの方法がある. この両術式は単に食道離断を胸部で行うか, 腹部で行うかといった差ではなく, 血行郭清の考えか方に大きな相違がある. しかしながら一般にはこの点について誤解があると思われ, 経腹的な方法では血行郭清が不十分であると思われているむきがある. われわれの経腹的食道離断術100例の成績は手術死亡6例, 再出血は6例であるが, 血行郭清に改良を加えた最近の58例には再吐血は認められておらず, 経胸的方法にくらべ何ら遜色ない術式であると考え, 食道静脈瘤の成り立ちより考えた両術式の血行郭清の相違点につき明らかにしたい.
著者
石原 達也 中村 幸博 武藤 伸洋 阿部 匡伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.160, pp.87-92, 2009-07-23
被引用文献数
3

近年,ユビキタスコンピューティング技術等の進展により,様々なセンサを用いて取得されたユーザの状況をライフログとして蓄積し,それを利活用することで個々のユーザの状況に応じたサービスを実現するライフログサービスが現実味を帯びてきている.ライフログの中でも,ユーザとユーザ周辺の人物やモノなどの空間配置と時刻情報が取得できれば様々な新しいライフログサービスの展開が期待できる.我々は,モノにセンサを取り付けることを前提に,局所座標系上でのそれら位置とユーザ位置を同時に推定する手法を提案してきた.本稿では,ユーザの移動に伴って逐次形成されていくそれら局所座標系における位置情報の統合手法を提案し,実環境における実験結果について報告する.
著者
武藤 義彦 長瀬 裕和 浜本 義彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.98, no.528, pp.173-179, 1999-01-22
被引用文献数
1

Parzen識別器の設計において, 従来の研究では事前確率が等しい仮定がなされているが, 現実のパターン認識問題ではこの仮定が満たされない場合もある.この問題に対処するため, テプリッツ近似, ブートストラップサンプルを用いることを提案し, 訓練サンプル数が少ない状況下で計算機シミュレーションを通してその有効性を検討する.
著者
武藤 久枝 平松 夕奈
出版者
岡崎女子大学・岡崎女子短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:09168400)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.15-25, 2004-03-25

人間福祉学科の一期生47名を対象として初めての介護実習に参加する動機づけを実習参加直前と直後において5段階評定尺度によって把握し、その後の学習に及ぼす影響を検討した。その結果、1)実習参加前では実習に対する不安感や緊張感を強く感じながらも学習意欲は高かった。2)実習後では良い介護を身につけたいとの学習意欲が高まったものの、実習時期が早くて事前準備が不十分としていた。3)実習前と後における共通内容の質問を比較した結果、とくに変化が大きかったのは実習は楽しかったことと自信がついた点であった。肯定的心構えの項目を中心にほとんどの項目で肯定的に変化していた。以上から、学生は実習経験を有意義に意味づけるよう変化した。今後の課題として、学生が自己の実習体験を肯定化して内在化していく過程をカリキュラム編成につなぐことである。
著者
小林 誠一郎 高崎 健 浜野 恭一 山田 明義 鈴木 茂 青木 暁 武藤 晴臣 原田 瑞也 秋本 伸 岩塚 迪雄
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.10, no.6, pp.686-690, 1977-11-30

腸管吻合器の消化管手術分野への応用について, 私どもの58例の臨床経験を述べた. 食道静脈瘤に対する食道離断術, 食道癌に対する食道胃吻合術 (胸壁前および胸腔内吻合) 噴門部癌に対する食道空腸吻合術, 直腸結腸病変に対する低位前方切除術などに関して, その利用方法, 手術手技について略述した. 器械を用いることの利点としては, 吻合の確実性, 手術時間の短縮, ひいては手術侵襲の軽減などがあげられよう. とくに下部食道噴門部癌に対する経腹的操作のみによる, 縦隔側高位での食道切離食道空腸吻合術については, 吻合器使用の良い適応であると考えている.
著者
谷添 鉄平 河本 晶晴 武藤 大治 横井 博一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.419, pp.93-96, 2005-11-12
被引用文献数
1

これまでの自動運転の実現は通常のプログラミングによって外部の情報端末と連動することによるものや, ファジィ制御によって開発が進められてきた.しかしこれらの技術には複雑なファジィルール及びメンバーシップ関数の作成が必要であり, また入力変数の増加にともなってファジィルールの数が膨大になるなどの欠点があげられる.そこで状況に応じて必要な操作を生成するシステムの開発のために, 学習能力及び汎化能力を持つニューロンネットワークに着目した.本研究の目的は, インフラの整備が行われていないような駐車場においてボルテラニューロンネットワークを利用することにより, そのような場所での車両単独での自動駐車を行うシステムを提案し, その有効性を検討することである.
著者
青木 政勝 米村 俊一 武藤 伸洋 阿部 匡伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.552, pp.31-36, 2008-03-15
被引用文献数
1

最近の日本では地震や集中豪雨などの自然災害が頻発している.一般に災害時の情報はTVやラジオといったマスメディアによつて伝達されている.しかしながら,TV等の報道ではニュース性のある一部の情報しか報道されず,被災地の住民,被災者は生活・復旧に必要な情報がなかなか得られないのが実情である.そのため,被災者に必要な地域に密着した災害情報を共有することができる被災者間での情報共有環境が求められている.これまで我々は機動性の高い携帯電話を用いて,被災者自身が迅速かつ正確に災害時の情報を発信し,共有することを目的とした災害時情報共有システムを開発してきた.本稿では情報入力をより容易にする手法としてメニュー選択式を採用し,その有効性を情報投稿のしやすさで評価した.