著者
上田 江里子 久保 孝富 村重 哲史 永澤 美保 池田 和司 瀧本-猪瀬 彩加
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR ANIMAL PSYCHOLOGY
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.27-39, 2020 (Released:2020-12-22)
参考文献数
57

Behavioral synchronization is shown not only between intra-species but also between inter-species. Previous studies reported that behavioral synchronization occurs between dogs and their owners by affiliative bonds and dogs' social skills for communicating with humans acquired by domestication. Horses also have such bonds and skills like dogs, however, there have been few empirical studies of behavioral synchronization between horses and humans. Therefore, we investigated whether the gait synchronization occurs between the horse and his/her familiar human participant while they were walking together by using angular statistics and how horses and umans interacted by analyzing entrainment. Only when human gait rhythm was controlled to be constant, gait synchronization between horse and human participants was found, though entrainment occurred only in humans. When horses and humans were walking in a more natural and uncontrolled situation, entrainment occurred in both horses and humans, though their walk adjustment did not reach synchronization. These results suggest that gait synchronization occurs between horses and humans and walk adjustment from humans is involved in such synchronization.
著者
池田 昌美 池田 真行
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.129, no.6, pp.404-407, 2007 (Released:2007-06-14)
参考文献数
9
被引用文献数
1 2 1

酸化ストレスの除去は,脳機能維持のために不可欠である.そのストレス除去にあたり,スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)やグルタチンペルオキシダーゼ(GPX)は,主要な抗酸化酵素として働いている.興味深いことに,実験動物の睡眠を妨げると,脳内のSOD活性や還元型グルタチオン(GPX基質)量が減少し,酸化型グルタチオン(抗酸化反応物)量が増加するという.つまり,覚醒の持続は,脳内の酸化ストレスレベルを上昇させる作用があるようだ.われわれは,t-ブチルヒドロペルオキシドを用いて,ラット脳に酸化ストレスを負荷したところ,睡眠量の増加と,視索前野/前視床下部におけるアデノシンや一酸化窒素遊離を観察した.この結果は,ある程度の酸化ストレスには睡眠物質遊離や眠気を促進する効果があることを示している.つまり,覚醒が脳内に酸化ストレスを生み,これをトリガーにして睡眠という脳保護活動が誘発される可能性が示唆された.
著者
池田 幸弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1106-1107, 2017 (Released:2017-11-01)

戸越銀座を歩き、星薬科大学へと向かう。正門を入ってすぐ右手の建物の1階に資料館があった。本資料館には、創立者星一ゆかりの資料を中心に、本学にかかわる多様な歴史資料が展示されている。星薬科大学の歴史を辿ると、明治44(1911)年、星製薬株式会社が創立された際、社内に設置された教育部に遡る。会社創立と同時に教育部門を設けることは珍しいと思われるが、これは、建学の精神である「世界に奉仕する人材育成の揺籃である」に由来するのであろう。この根底には、座右の銘である「親切第一」 -「親切第一を主義として、自己に親切なれ、何人にも親切なれ、物品に親切なれ、時間に親切なれ、学問に親切なれ、金銭に親切なれ、親切は平和なり、繁栄なり、向上なり、親切の前には敵なし、親切は世界を征服す」の信念が礎となっている。ちなみに、星薬科大学と聞くと、つい創立者の長男である作家星新一を頭に浮かべてしまうが、本名は親一で、この言葉から名づけられたという。さらに余談を述べると、次男は協力第一の銘から、協一と名づけられたらしい。
著者
池田 正明
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.319-326, 2015 (Released:2016-02-25)
参考文献数
22
被引用文献数
1

地球は24 時間で自転し,その自転が24 時間周期の明暗サイクルを地表に作り出している.地球上の生物は進化の過程で,この24 時間周期の光環境の変動を生体内に取り入れ,概日リズムという自律的なリズムを獲得し,概日リズムの獲得に成功した生命体のみが地球上で生存に有利に働き,それが地球上の生物の現在の繁栄につながったと考えられる. ヒトにも概日リズムがあること,概日リズムの周期はおよそ25 時間であることが,1960 年代にアショッフ教授によって証明され,光環境を厳密にコントロールした実験によって現在ではその周期が24 時間10 分であることも明らかになっている.1990 年後半に,ヒトを始めとする哺乳類や,ショウジョウバエなどの昆虫,アカパンカビ,シロイヌナズナなどの植物,シアノバクテリアに至るまで,概日リズムの約24 時間周期を作り出す時計遺伝子が相次いで発見され,その機能が明らかになってきた.ヒトの主な時計遺伝子として,Clock, Bmal1, Per, Cry があり,全て転写に関わる因子である.これら遺伝子は,その遺伝子産物や発現調節部位からなる転写・翻訳機構の中に,ネガティブフィードバックループを形成し,転写を約24 時間周期で増減させており,この転写翻訳システムが約24 時間のリズム発振の本体に当ると考えられている.また,時計遺伝子は人体のほぼ全ての細胞に発現しリズムを刻んでおり,しかも臓器ごとに固有の頂点位相をもったリズムを示す.さらに時計遺伝子はリズムを刻むばかりでなく,生体内のさまざまな因子のリズム発現に直接あるいは間接的に関与しており,一日のプログラムタイマーのように,一日の中で,遺伝子のオン・オフを制御して,環境変化に合わせた生体活動を制御し,効率的な体内環境を作り出している.例えば,ヒトは昼間に活動するとともに食物を摂取し,夜間は睡眠をとっている.ヒトの睡眠・行動や摂食のリズムは一見人々の習慣のように見えるが,これは昼行性動物の典型的なリズムパターンであり,体内時計によって制御されている.昼間摂取した食物からの栄養分は,吸収されて肝臓に送られ,肝臓は,夜間になると栄養分を代謝し貯蔵するプログラムの活動性を高めている.この代謝開始指令のタイミングを決め,しかも代謝そのものを駆動させているのが時計遺伝子であることも明らかになってきている.本稿では,時計遺伝子の役割を中心に概日リズム研究,特に疾患との関連についての進歩にいて概説したい.
著者
石井 岳史 川上 直人 橋本 剛 池田 心
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.12-19, 2019-11-01

ボードゲーム『ガイスター』は6×6 のボード上で青赤2 種8 つの駒を交互に動かし,「脱出」「青駒全取り」「赤駒全取られ」のいずれかを狙う,互いの駒色がわからない2 人用不完全情報ゲームである.著者らはガイスターにおけるコンテンツとして詰めガイスター問題を提案したが,生成アルゴリズムの要因から 11 手詰めまでの問題しか生成できず,さらに問題の質を評価することができなかった.そこで本稿は,生成アルゴリズムにおける必勝手探索の探索法に Df-pn を用いることで大幅に探索速度を改善し,19 手詰め問題を得ることに成功した.それに加え,元の問題から手を戻すことで新たな問題を生成する逆順生成法を用いることで,狙った手数の問題の生成を可能とした.さらに,被験者実験を行い生成した問題の面白さと難しさについてアンケートを取り,教師あり学習を行うことで特徴量から面白さと難しさの推定を行った.推定誤差は5 段階評価の 0.5~0.6 程度で,ある程度の問題選別が可能であることを示した.
著者
梅崎 重夫 福田 隆文 齋藤 剛 清水 尚憲 木村 哲也 濱島 京子 芳司 俊郎 池田 博康 岡部 康平 山際 謙太 冨田 一 三上 喜貴 平尾 裕司 岡本 満喜子 門脇 敏 阿部 雅二朗 大塚 雄市
出版者
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.13-27, 2014 (Released:2015-03-26)
参考文献数
19

日本の強みは,現場の優秀な作業者や管理・監督者及び生産技術者が質の高い安全管理と生産技術に基づく改善を実施していることにある.したがって,この“現場力”を基盤に置いた上で,技術に基づく安全の先進国と言われる欧州の機械安全技術や社会制度を適切に活用すれば,日本の現場力と欧州の機械安全技術を高次の次元で融合させた新しい枠組みの安全技術と社会制度を構築できる可能性がある.本稿では,以上の観点から日本で望まれる法規制及び社会制度のあり方を検討した.その結果,今後の日本の社会制度では,安全をコストでなく新たな価値創造のための投資として位置づけること,高い当事者意識と安全な職場を構築しようとする共通の価値観を関係者間で共有すること,及び再発防止から未然防止,件数重視から重篤度重視への戦略転換と想定外の考慮が重要と推察された.また,実際の機械の労働災害防止対策では,特に経営者及び設計者に対して欧州機械安全の基本理念と災害防止原則を普及促進するとともに,①ISO12100に定めるリスク低減戦略,②モジュール方式による適合性評価と適合宣言に関する情報伝達を目的としたマーキング,③マーキングの情報に基づく機械の使用段階での妥当性確認,④機械の設計・製造段階への災害情報のフィードバックが特に重要と考えられた.
著者
奥 智佳子 池田 真起子 井上 晃一 村尾 昌信 中嶋 正明
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0499, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】近年慢性腰痛患者において腰部多裂筋(以下LM)が,椎間関節由来のReflex Inhibition(以下RI)により選択的な萎縮を来すことが多数報告される。腰背部のGlobal筋とLocal筋であるLMの活動バランスが崩れた状態となっている。このLMの活動が低下した腰部筋の活動バランスを是正するエクササイズとしてバードドッグ(以下BD-ex)が推奨されている。しかし実際に臨床でBD-exを適用する際,BD-exが四つ這い位を基本肢位とするため人工膝関節置換術を施行している者や高齢者では疼痛や転倒リスクの問題により実施困難であることを経験する。そこで我々は背臥位で安全に行えるLMの選択的強化をコンセプトに新たなエクササイズ(heel-push ex:HP-ex)を考案した。本研究の目的は,HP-exにおけるLMの活動度および腰背筋の活動特性をBD-exを対照に筋電図学的に評価し,その有効性を明らかにすることである。【方法】対象は健常人18名(男性10名,女性8名:平均年齢20.0±1.1歳,平均BMI21.3±2.0)とした。表面筋電計はNicolet VikingIV(Nicolet社)を用いた。筋電図導出筋はLocal筋であるLMとGlobal筋である胸腸肋筋(以下ICLT)とし左側の筋に統一した。背臥位にて足部を肩幅に開き,左膝関節屈曲30°で左足踵部の下に体重計を置き,それぞれ体重の5%,10%,15%の力で押しつけるよう指示した。BD-exは四つ這いにて右上肢を肩関節屈曲180°,左下肢を股関節伸展0°に保持させた。HP-ex 5%,10%,15%,BD-exの実施時におけるそれぞれの筋電図積分値(IEMG)を得た。得られたIEMGを,これに先立ち測定した最大随意収縮時筋電図積分値(MVIC)を用いて%MVICを求め4群間で比較した。ICLTの活動に対するLMの活動比(L/G ratio)を求め4群間で比較した。統計処理には,いずれも一元配置分散分析を用いた。有意差が認められた場合にはPost hoc検定としてBonferroni/Dunn法による多重比較を行った。有意水準はp<0.05とした。統計解析ソフトにはStat View Version 5.0 softwareを用いた。【結果】LMの%MVICは5%群が17.4±6.1%,10%群が19.9±6.3%,15%群が23.6±6.9%,BD-ex群が23.2±5.7%であった。L/G ratioは5%群が2.8±1.1%,10%群が2.0±0.6%,15%群が1.5±0.6%,BD-ex群が1.8±0.5%であった。5%群,10%群のL/G ratioはBD-ex群に対して有意差が認められた。【結論】LMの活動低下を是正して腰背部筋のGlobal筋とLocal筋であるLMの活動バランスを正常化するためにはL/G ratioが高くかつLMの%MVICが高いという条件が必要になる。この2点を考慮すると10% HP-exがLMの活動を賦活し腰背部のGlobal筋とLocal筋であるLMの活動特性を正常化する至適条件と考えられる。そして10% HP-exはBD-exと同等のLMの%MVICとL/G ratioを示した。10% HP-exはBD-exと同等のLMの%MVICとL/G ratioを有し背臥位でより安全に行える腰痛エクササイズであると考える。今後,慢性腰痛患者を対象にHP-exの効果を検証する介入研究が必要である。
著者
相馬 一友 池田 哲夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.97, no.105, pp.1-6, 1997-06-19
参考文献数
4

近年, 1GHz以上の周波数利用が盛んになり, 種々の応用が考えられている. 従来から用いられていた電子レンジはISMバンドである事とその近傍の周波数での応用がそれほど考えられていなかった事により, 基本周波数ならびにマグネトロンの不安定性によるその近傍の周波数, 高調波等の漏洩電磁波の存在にはそれほど厳密な注意が払われていなかった感じがある. しかし, PHSなどの通信システムが導入されるにつれ, 問題点も明らかにされつつある. そこで, 本報告では, 電子レンジとPHSが非常に近くで用いられた場合の影響を, モデムによるデータ伝送で評価しようとするものである. 距離30cm程度で動作させると, 回線が接続されない場合がある事を, 実験的に明らかにした.
著者
池田 真治
巻号頁・発行日
pp.1-77, 2013-07-03

2013年7月3日 : 富山大学中央図書館,2013年7月4日 : 富山大学高岡キャンパス講堂でそれぞれ開催された「レポート・論文の書き方―入門―」において発表された資料と当日配布資料。【内容】• なぜレポートを書かなくてはならないのか?• BAD SAMPLES:落ちたレポートたち• レポート・論文を書くために、何をすべきなのか?• レポート・論文の育て方• 単なる「作文」から「論文」へ• レポート・論文の構成• 論証の仕方• 読み手に「伝わる」文章を書く
著者
池田 修一 高橋 幸利
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

正常卵巣におけるNMDAR抗原の発現を検索するため、ウシの卵巣と未受精卵を検索した。免疫組織化学的に原始卵胞の細胞質と未受精卵の細胞膜にNR2B抗原の発現が認められた。次に凍結卵巣と未受精卵1031個を集めて蛋白化学的分析を行った。Immunoblottingではこれら組織にNR1とNR2Bの蛋白分画があることが見出された。そこで未受精卵の細胞膜から抽出した蛋白分画をLC-MS/MSで解析したところ、SPFGRFK, KNLQDR, GVEDALVSLK, QPTVAGAPK, NEVMSSKの5個のペプチドを得た。これらはNR1、NR2A、NR2B、NR2Cの部分アミノ酸配列と一致した。
著者
池田 信
出版者
関西学院大学
雑誌
經濟學論究 (ISSN:02868032)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.123-143, 1963-10-25
著者
池田 信
出版者
関西学院大学
雑誌
經濟學論究 (ISSN:02868032)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.425-449, 1999-12-31

This article aims to research into factory workers' collective life-cycles in Kobe City, Japan between the Wars, from 1918 to 1937,using mainly "Roudou Tokei Jitchi Chousa Houkoku" (Statistical Survey of Labour). The main items researched are their birth places, educational backgrounds, wages and family finances. Improvements of educational backgrounds and real wages have been definitely confirmed. And their strong ambitions to go up social stairs have been inferred. Integration of factory workers into firms has been also found.
著者
辻 健 石塚 師也 池田 達紀 松岡 俊文
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-05-19

衛星データの解析、地表調査、地震データの解析を用いて、2016年熊本地震の断層活動とその断層セグメントの境界の特徴を調べた。衛星データに干渉SAR解析を適用した結果から、一連の断層活動に伴う地表変動を明瞭に知ることができる。その干渉SAR解析の結果をもとに現地調査を実施し、実際の地表変動を確認した。特に阿蘇山周辺にみられた複雑な地表変動に注目した。干渉SAR解析の結果から、九州西部(熊本市〜阿蘇山)では北東—南西方向に伸びる直線状の断層システムを確認できるが、局所的な変動に注目すると火山といった地質の不均質性に影響を受けた断層活動や地表変動を確認できる。4月16日に発生した本震(M7.3)では、阿蘇山より南西側の断層が活動しており、阿蘇山周辺で断層運動が止まったことが分かる。断層運動は右横ずれであるため、断層のエッジの南側にあたる阿蘇山では水平方向への引っ張りの力が働き、北側にある大津町周辺は圧縮の力が働いている。実際に、阿蘇山のカルデラ内部は引張による地表の沈降が明瞭に認められる。特に大きく沈降している地域はマグマ溜まりの位置とも整合的で、引張に伴うマグマ溜まりの変形が関係している可能性がある。このような変動は2011年の東北地方太平洋沖地震でも確認されている。現地調査でも、引張に伴うとみられる巨大な開口亀裂が阿蘇市狩野(カルデラ内部)に見られた。巨大亀裂の開口幅は約1m以上あるものもあり、走向は北東—南西方向で本震の断層と方向が整合的であった。一方で、断層の北側に位置する菊池郡大津町では、本震断層とは異なったいくつかの断層運動が認められた。これらの断層の走向は東西方向で、逆断層運動をしている可能性がある。現地調査では、この大津町でみられた地表変形には横ずれ方向への運動は認められなかった。これらは阿蘇山という火山岩体西部での急激な本震断層の停止とそれに伴って生じる局所的な圧縮の力によって形成されたと考えられる。本震の約2時間後(4月16日3:55)に阿蘇で発生したマグニチュード5.6の地震では、震源が阿蘇山の北東側へと進展し、九重連山へと達している。干渉SAR解析の結果からも、その直線的な変動を見ることができる。熊本〜阿蘇〜九重にかけての地震メカニズム(横ずれ断層)と九重〜大分にかけての地震メカニズム(正断層)は異なることから、九重連山は地殻に働く応力分布の境界として働いている可能性がある。これらのことから火山(阿蘇山や九重連山)は、地震のセグメンテーションの境界として働いている可能性がある。これは火山体や火山性堆積物の強度は他の場所とは異なっていることや、断層の摩擦特性に影響を与える地殻温度が火山周辺では異常に高いことに影響している可能性がある。

6 0 0 0 OA 放線菌

著者
池田 治生 大村 智
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.694-700, 2002-10-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
16