著者
池田 朋矢 一川 誠
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
pp.TJSKE-D-22-00052, (Released:2023-04-13)
参考文献数
19
被引用文献数
1

We have found that various cognitive biases would interfere with evacuation behavior during a disaster, and this have caused many casualties. In this study, we focused on the conformity bias, one of the cognitive biases, which is introduced by evacuation order sentences with information about other residences’ behavior, to facilitate evacuation behavior. In the experiment, we presented the evacuation order sentences, and pictures which depict the scene of disaster, or normal situation. Participants evaluated the degree of risk for the picture, and degree of necessity of evacuation from the scene. Our results demonstrated that the conformity bias would facilitate evacuation especially for the low-risk situation. In addition, we found that judgments of the need for evacuation can be predicted by the rating of the degree of danger, disaster experience, sense of crisis about disasters, and the other-personality-orientations of the participants.
著者
池田 暁彦 松田 康弘
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.318-320, 2018-05-05 (Released:2019-02-05)
参考文献数
10

話題―身近な現象の物理―コインに磁場をかけると,どうなる?
著者
山梨 裕美 徳山 奈帆子 赤見 理恵 乾 真子 土手 結月 石井 愛夏 佐々木 伶奈 松浦 有花 高野 華花 奥村 逞人 池田 義知
出版者
一般社団法人 日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 (ISSN:09124047)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.99-109, 2022-12-09 (Released:2022-12-10)
参考文献数
30
被引用文献数
1

Live pet trade has become one of the greatest threats to wild primate populations. Many primates were imported to Japan, and the country is considered to be a large pet primates market. Among the primates, slow lorises (Nycticebus spp.) were among the most popular species for live pet trade. However, there is not much awareness in Japan about the problems associated with live pet trade, especially among the young generation. In this study, a comic book about slow lorises was created, and its effectiveness as a teaching material for young people was evaluated. The participants, who answered an online survey, included 596 high school students from two high schools in Osaka, Japan. The participants accessed a comic book, short text, or long text, which served as teaching materials, and answered several questions before and after reading the materials such as their experience with pet primates and awareness of the problems. The results revealed that although the participants’ awareness related to infectious diseases, animal welfare, and conservation increased after reading any of the three teaching materials, the comic book did not increase their awareness more than the texts. Approximately 75 % of the participants found each of the materials interesting. Furthermore, approximately between 32.0 and 40.9% of respondents were willing to share information directly with others and between 14.5 and 16.5% of those with SNS (Social Network Service). No differences were found among the three conditions. In addition, while actual experience with primate pets prevented them from promoting awareness about the problem, their level of interest toward animals and experience with primate pets in SNS did not reveal such an effect. These results suggest the importance of providing information, but effective ways to convey information requires further investigation.
著者
川島 菫 池田 譲
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR ANIMAL PSYCHOLOGY
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
pp.69.1.10, (Released:2019-08-09)
参考文献数
42

Octopuses, a member of molluscan class, posse well-developed nervous system such as lens eyes that is anatomically similar to our own, and the relative proportion of brain to body is equivalent to vertebrates. Octopuses are also characterized with their muscular highly sensitive sensory receptors, namely, suckers on their arms. Due to these biological uniqueness, octopuses have been a target for psychological studies and were reported their advanced abilities for learning and memory, which are achieved via visual and tactile perceptions. All of these findings have come from experiments that tested single sensory perception (i.e., visual or tactile). On the other hand, it is known in vertebrates that they can integrate multiple sensory information, by which they can vividly image their environments. In this review, we will briefly introduce our knowledge for biology of octopuses with special reference to their cognition, and we will shed light on an idea for cross-modal perception in octopuses, which is based on our on-going projects for visual and tactile learning, and manipulation of arms in tropical octopuses inhabiting the coastal waters of the Ryukyu Archipelago.
著者
片山 翔 池田 朋大 太田 晴之 荒嶋 智志 濱田 全紀 千田 益生
出版者
Japanese Society for Electrophysical Agents in Physical Therapy
雑誌
物理療法科学 (ISSN:21889805)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.83-89, 2022 (Released:2022-08-20)
参考文献数
19

【目的】COVID-19の重症化によりICU管理が必要となった症例に対して,NMESを導入した.感染への対策と実際の方法,臨床経過について報告する.【症例】本症例は70歳代男性であり,COVID-19の診断で当院ICUへ入室した.ICU入室翌日から個人防護服着用下にて理学療法を開始した.第12病日に人工呼吸器管理となりNMESを導入した.【経過】挿管後,筋弛緩剤を併用した腹臥位療法を施行し,機器使用における感染対策・実施プロトコルを設定,NMESを導入した.72日間のICU管理,89日間の人工呼吸器管理を必要としたが第98病日に人工呼吸器を離脱し,離脱後3日目には軽介助レベルで歩行が可能であった.発症後,約6ヶ月後に在宅酸素療法で酸素投与量0.5 L/minを使用し,Barthel Index 95点で自宅退院となった.【結語】重症COVID-19患者へのNMESの使用は感染対策上,安全に実施が可能な介入であり,体位によって制限されることはなかった.そして早期歩行能力の獲得に有用な可能性が示された.
著者
池田 幸弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.456-457, 2015 (Released:2018-08-26)

東海道線小田原駅に降り立つと,駅舎に掲げられた大きな小田原提灯の出迎えを受けた.小田原は天下の巨城で名高いが,江戸時代,品川から数えて9番目の東海道の宿場町として栄えた土地でもある.目指す済生堂薬局は旧街道(現在の国道1号線)に面した中宿町にあり,当時は脇本陣や10軒を超える旅籠があったという.駅の喧騒を抜け,落ち着いた佇まいの堀端を春風にそよぐ柳を眺めながら歩き,20分ほどで目指す済生堂薬局に到着した.
著者
森 篤志 馬場 直義 池田 由美 三田 久載
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, 2008-04-20

【はじめに】運動麻痺は軽度であったにも関わらず、ゲルストマン症候群(左右識別障害・手指失認・失書・失算)・失行症(模倣困難)に加え、上下肢の表在・深部覚に重度の感覚障害を有した症例に対し認知運動療法を試みた。その結果、症例の主観的な報告から左右の障害がある患者の空間認識における知見を得たのでここに報告する。<BR>【症例紹介】67歳、男性。2007年5月9日、言葉の出難さ、右半身の脱力にて発症。画像所見は、MRI上で左前頭頭頂円蓋部、中心後回に沿った皮質に多発性の急性梗塞、左レンズ核、尾状核頭部に陳旧性梗塞を認めた。来院時意識レベルJCSI-3、指示には応じるが発語は少なく運動性失語の状態であり、またゲルストマン症候群・失行症が見られた。麻痺はBrsにて右上下肢・手指VIレベルで、歩行は可能だが軽度分廻し様の歩容を呈した。感覚障害は、右下肢に軽~中等度鈍麻、右上肢・手指に中~重度鈍麻が存在していた。しかし身体状況について尋ねると「手も足も特に問題ないです」と答えた。<BR>【病態と解釈】自己の右側と左側の認識が可能かどうかについて確認するために、セラピストが触った部位が自分の右手か左手かを答える課題を実施した結果、自己の左右方向の認識困難であった。そこで、なぜ困難かについて症例に問うと「自分の右手と言っても、その手を右方向に動かせば右だし、左方向に動かせば左だから、どちらが自分の右でどちらが自分の左だかが分からなくなってしまう」と報告した。次に、盤上に書かれた横棒線を見て、セラピストに言語指示された方向(右・左)へ指でなぞるといった、視覚情報を基にした方向の認識課題を実施した結果、指示通りに横棒上を左・右方向へ正しくなぞることができなかった。なぜ困難かについて症例に問うと「線を辿るとき、一辺の端から始めるのか、一辺の中心から始めるのかが分からなくなってしまうため、どちらの方向に進んで良いか分からなくなってしまう」と報告した。<BR>【考察】訓練課題で観察されたエラーと症例自身の報告から、症例は発症により身体図式の変性が起こったことで、自己の身体空間の認識が障害されたのではないかと考えた。そして身体空間の認識障害によって、自己中心座標と物体中心座標の混同が起こり、空間での方向認識(視覚情報を基にした方向の認識困難、体性感覚を介した運動方向認識困難)にエラーが生じていたのではないかと考えた。この考えの基、自己の空間及び自己と外界との空間の統合(マッチング)を要求する課題を中心としたアプローチを実施した結果、視覚及び体性感覚を介した方向認識にある程度の改善を認め、結果として歩容の改善も見られた。このことより空間を認識する課題が、変性した身体図式の再構築をもたらし、身体空間の認識能力を改善させたのではないかと考えられた。<BR>
著者
喜多 一馬 池田 耕二
出版者
奈良学園大学
雑誌
奈良学園大学紀要 = BULLETIN OF NARAGAKUEN UNIVERSITY (ISSN:2188918X)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.53-58, 2021-12-17

温泉旅行の効果に関する先行研究の多くは温泉浴の疾病に対するものであり、生活の質への効果やその因果関係を明示するものは少ない。しかし、高齢者に人気のある温泉旅行を、生活の質を向上させるためのソフトインフラとして、新たな視点から理論的に再構築する意義は大きい。日帰り温泉旅行における2つの実態調査からは、要介護高齢者には多様な楽しみ方があることや、多様な思い・感情・変化があることが示唆されている。これらを温泉旅行へ理論的に組み込むことができれば、地域リハビリテーションの新たなソフトインフラになる可能性があると考えられる。本稿では、これらの知見を通じて、温泉旅行をソフトインフラとして理論的に再構築し、多様な工夫や企画等を提案し、その可能性や課題を考察する。
著者
池田 譲
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3-4, pp.261-266, 2008 (Released:2011-07-05)
参考文献数
20

【要旨】頭足類はイカ類・タコ類を擁する軟体動物門の一群であるが、カメラ眼という優れた感覚器を有し、かつ神経系は中枢化され無脊椎動物中最大サイズの脳を形成している。体重比に対する相対サイズでみれば、頭足類の脳は魚類・爬虫類を凌駕するレベルに発達した巨大脳である。このような知性基盤を反映し、頭足類には、発達した記憶・学習能、瞬時に醸し出される多彩なボディーパターンによるコミュニケーション、役割分担の機能性が示唆される群れ行動といった社会性など、行動として表出される多くの複雑な高次脳機能が認められる。本稿では、社会性との関連から頭足類の特異な行動と脳との関係について、社会性が高いと思われるジンドウイカ科のアオリイカを中心に、熱帯域に生息するその他の頭足類も含めた実験的な研究事例を概観し、今後の研究を展望した。
著者
荒川 敏 守瀬 善一 伊勢谷 昌志 梅本 俊治 池田 匡宏 堀口 明彦
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.26-30, 2017 (Released:2016-12-26)
参考文献数
17
被引用文献数
2

45歳の男性で,自ら肛門から大根を挿入したが抜けなくなり下血,下腹部痛出現したため救急搬送された.下腹部に限局した圧痛と筋性防御を認め,肛門からは動脈性の下血を認めた.腹部CTではRs直腸内に約74×58mmの異物を認めた.明らかな遊離ガスは認めなかった.全身麻酔下にて手術を行った.経肛門的に痔動静脈の損傷部位と直腸粘膜を修復した.腹腔鏡下にて腹腔内を観察すると,軽度濁った腹水を認めたが,明らかな穿孔部位は認めなかった.Rs直腸に異物を認めた.経肛門的に異物除去を試みるも困難であり,術者の左手を腹腔内に挿入して用手補助腹腔鏡下手術に移行し,用手的圧迫と経肛門的に異物を破砕しながら経肛門的に異物を除去した.経肛門的に摘出困難な直腸異物に対して,用手補助腹腔鏡下手術は腹腔内全体や腸管を観察することができ,用手的圧迫による異物誘導も可能であり,有用な治療のオプションになりえると考えられた.
著者
池田 貴裕
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会 全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.43, pp.35, 2010

近年、高輝度LEDが実用化され新しい固体光源として注目されている。一方、建造物や樹木等を特長的に明るく浮かび上がらせる従来のライトアップは、周辺に対する光害、高い消費電力とメンテナンスによる維持管理費の増大、発熱などによる安全性の確保などの問題がある。本論文では、高輝度LED本来の特長である高い指向特性を活用した高指向性LED照明装置「ホロライト」(英語表記HOLORER-it!)の新しい応用研究として、多数のホロライトを用いた遠隔ライトアップ実験を行った。本実験は、静岡県浜松市舘山寺町にある県立森林公園大草山の景観照明の一環で行われた。実施期間は、平成21年9月19日から11月23日の金土日祝の計34日間である。大草山は静岡県県営林であり、人工物を設置することが禁じられている。そこで、大草山から500m離れた対岸にホロライトを設置し、大草山を遠隔からライトアップする実験を試みた。結果して、500m遠方にある大草山を部分的にライトアップすることに成功した。高い安全性と環境性能、低消費電力、メンテナンスフリーのために維持管理費の低減、従来に無い新しいライトアップ方法として期待される。
著者
ブランカ V 池田 廉
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.26-44, 1958

E' una traduzione puntuale ed espressiva del saggio del prof.V.Branca, e incluso come prefazione alla "Tradizione delle opere di Giovanni Boccaccio" (Ediz. di Storia e Letteratura, Roma, 1958). Il Prof.Branca, che e oggi conosciuto come uno dei migliori studiose di critica filologica italiana, vi chiarifica la sua posizione metodologica della critica filologica. Inoltre da molti nuovi suggerimenti del problema ; <<Procedere razionalmente, secondo quel severo metodo, - l'A. scrive in suo brano importantissimo dalla umana storia della formazione di ogni codice alla ricostruzione della tradizione caratterizzante e insieme alla determinazione della tradizione caratterizzata e in fine alla fissazione del testo e alla sua interpretazione, articolare rigorosamente queste ricerche in senso circolare, non come indagini successive e a se stanti ma come momenti contemporanei e reciprocamente illuminatisi di unica ricostruzione storica, appare oggi esigenza fondamentale per sviluppare coerentemente e far vigoreggiare l'eredite della "nuova filologia">>.
著者
池田 博昭 高本 彩音 池田 純子 河野 清尊 中妻 章 徳村 忠一 森 久美子 飯原 なおみ 芳地 一 二宮 昌樹
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
pp.20-00136, (Released:2020-09-29)
参考文献数
23
被引用文献数
2

We investigated the success rates of eyedrop instillation and the distance between the cornea and the dropper tip in 100 volunteers using high-speed digital video recording. Past eyedrop adherence studies assumed that instillation occurred without failure. The ideal distance between the cornea and dropper tip remained unclear, although the general estimate was approximately 2.54 cm (1 inch). This study was approved by the Institutional Review Boards of all participating medical institutions, and all volunteers provided written, informed consent. Successful instillation was defined as when 1 drop fell accurately into the eye on the first attempt. The instillation of ≥2 drops or drops delivered outside the eye was considered a failure. The distance between the eye and dropper tip was measured using still images from a paused digital video camera and a digital ruler. Forty percent of the volunteers instilled eyedrops without instructions from ophthalmologists, pharmacists, or other healthcare workers. When the images were analyzed, the success rate of the first instillation was 70.1%. When the eye was arbitrarily divided into 9 sections, most of the drop sites were the iris or the center of the eye. The distance between the dropper tip and cornea was 2.62 ± 1.75 (median 2.20) cm. These results indicate that the generally recommended distance is usually followed. The successful instillation rate based on the distance from the dropper tip to the cornea was 77% at 1.6 ± 0.88 cm and 54.9% at 4.8 ± 1.25 cm.
著者
中山 昌明 栗山 哲 加藤 尚彦 早川 洋 池田 雅人 寺脇 博之 山本 裕康 横山 啓太郎 細谷 龍男
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.1333-1337, 2001-09-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

トラネキサム酸 (tranexamic acid: TA) の投与によりCAPD患者の除水量が増加する現象が報告されているが, これを長期間投与した際の除水効果と腹膜機能への影響に関しては不明である. 我々は, 腹膜透過性は正常範囲にあるものの, 臨床的に十分な除水量が得られない3例に対し, 高濃度ブドウ糖透析液を使用する代わりにTAの少量長期間歇投与を試みた (500mg×3days/week, 18か月間). その結果, 全例において除水量の増加が持続して観察された. 少量のフィブリンの析出が-過性に認められることがあったものの, カテーテルトラブルの発生はなかった. 腹膜透過性は, 1例では明らかな変動は認められなかったが, 2例で上昇する傾向を示した. 以上の観察結果より, TAの本投与法は, 腹膜透析患者の除水量増加に対し臨床的に有効であることが示され, 除水不全に対する新たな治療対策となり得る可能性が示唆された. しかしながら, 腹膜機能に与える影響に関しては明らかではなく, さらに検討を重ねる必要がある.
著者
池田 正明
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.130, no.6, pp.469-476, 2007 (Released:2007-12-14)
参考文献数
60

大うつ病,躁うつ病,季節性うつ病などの気分(感情)障害には,気分の日内変動,体温やコルチゾール位相の変異,REM潜時の短縮など概日リズムに関連した症状がある.気分障害の治療,特に躁病相の予防と治療には気分安定薬としてリチウム,バルプロ酸およびカルバマゼピンが広く用いられ,効果をあげているが,その作用は活動性の亢進や生気感情の亢進を抑制するいわゆる抗躁作用ばかりでなく,躁病相への移行の抑制や各相の持続期間にも影響を与えている.また最近では抗うつ薬による治療に抵抗性のうつ病症例にリチウム治療が有効であることがわかり,気分安定薬は躁病相ばかりでなく,うつ病相にも効果のあることが明らかになっている.気分安定薬の気分障害に対する作用の分子機構についてはまだ確定的なものはないが,リチウムの標的因子としてGSK3βが,リチウムとバルプロ酸の共通の標的因子としてIMPase(イノシトールモノホスファターゼ)が同定され,それぞれの機能と治療効果発現機構が注目されている.概日リズムの発振を行っている時計遺伝子が発見され,その発現機構が明らかになってきたが,気分安定薬であるリチウムやバルプロ酸に概日リズム位相を変化させる作用のあることが報告された.これはリチウムがGSK3βの抑制作用を介して時計遺伝子産物の分解を促進すること,あるいは核移行を抑制することを通じて,概日リズムの周期や位相の形成に直接関与していることによると考えられている.
著者
北村 岩雄 池田 長康 有村 文宏 澤田 邦男 橋本 吉昭 河村 晃一 北村 利博
出版者
富山大学工学部
雑誌
富山大学工学部紀要 (ISSN:03871339)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.31-36, 1994-02

Electric power demands are increasing at present in many fields such as domestic homes, automation product systems at almost factories, maintenance and administration systems of buildings and infrastructure systems for public use. It is important to decrease the electric power loss and to design the electric system to compact one. Fundamental experiments on the metal contact of a high current bus are carried out for this reason. It is found from the experiments that the contact pressure is not essential, but the real metal contact with metal bond structure is essential for the low electric resistance in bus connection and the contact with the metal bond structure is able to almost attain to the value of resistance of metal bus with no connection part.