著者
阿瀬 始 片山 徹
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会 研究発表講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.7, pp.262, 2007

線形動的システムの後に静的非線形関数が結合したWienerシステムに対し、線形動的システムを状態空間モデルで表現し、静的非線形関数については逆関数の存在を仮定して基底関数展開し、状態空間モデルのシステム行列と基底関数展開の係数とを交互に反復しながら推定する方法を開発した。予測誤差最小化の枠組みにおける状態空間モデルのシステム同定のためのパラメトリゼーションは積年の課題であるが、フルパラメトリゼーションの欠点を克服するデータ駆動局所座標(DDLC)を応用した。
著者
笹川 堯 深谷 隆司 片山 さつき
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1506, pp.120-122, 2009-09-07

1935年生まれ。明治大学法学部中途退学。2度の落選を経験した後、86年に衆議院選挙に初当選。以後7期連続で当選。2001年に科学技術政策担当大臣、2008年から自民党総務会長。群馬2区。 73歳の自民党総務会長は3輪バイクに乗り込み、民家を行脚。親近感を与える作戦もむなしく、白いスーツで自転車遊説に挑んだ37歳の民主党議員に敗北した。選挙活動中から民主党の経済政策を批判。
著者
蔵永 瞳 片山 香 樋口 匡貴 深田 博己
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.8, pp.41-51, 2008

大学生を対象に, いじめ場面における傍観者の役割取得と共感が傍観者自身のいじめ関連行動に及ぼす影響について検討を行った。調査においては, 役割取得と共感の対象として, いじめ場面における加害者, 被害者, 観衆, 傍観者の4者を仮定した。243名を対象としたシナリオ法を用いた質問紙調査を行った結果, 役割取得は加害者, 被害者, 観衆, 傍観者の4者全てに対して生じていたのに比べて, 共感は加害者, 被害者, 傍観者の3者に対してのみ生じていた。さらに, 傍観者のいじめ関連行動には, 「はやしたて行動」, 「被害者援助行動」, 「傍観行動」の3種類があり, このうち「はやしたて行動」はいじめ場面においては生じないことが示された。これらの変数を用いて因果モデルを検討した結果, いじめ関連行動に対して影響を持つのは, 共感よりもむしろ役割取得であることが示された。また, 傍観者に対する役割取得は被害者援助行動を抑制, 傍観行動を促進し, それとは逆に被害者に対する役割取得は被害者援助行動を促進, 傍観行動を抑制することが明らかとなった。
著者
片山 雅一 深山 美和子 古屋 聡子 桑本 康 帆保 誠二 安斉 了
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.139-143, 2003-03-20
参考文献数
13
被引用文献数
1 6

米国から輸入されたクオーターホース9頭中の3頭が, 輸入検疫期間中に発熱と下顎リンパの腫脹を呈した.輸入馬は所定の検査結果が陰性であったため解放されたが, 着地検査においてこの3頭から<I>Streptococcus equi subsp. equi</I> (腺疫菌) が分離された.その後, この乗馬クラブ内では腺疫がまん延したが, 週1回の鼻腔粘膜スワブ細菌検査と, その結果に基づく防疫指導を行った結果, 最終的に58頭中25頭 (43.1%) から腺疫菌が分離され, 最初の分離から22週後に乗馬クラブ内での流行は終息した.この間に分離された腺疫菌は, 集落型がムコイド型でSeM遺伝子型は1型であり, 従来の国内分離株とは異なっていた.また, 輸入馬9頭中4頭の血清抗体価に輸入後の低下が認められた.以上の成績から, 今回の集団発生事例は輸入馬の中に潜んでいた保菌馬に起因したことが証明された.
著者
片山 怜
出版者
西南学院大学大学院
雑誌
西南学院大学大学院研究論集 (ISSN:21895481)
巻号頁・発行日
no.1, pp.171-180, 2015-11-20

近年、国際結婚の増加にともない、日本から配偶者の国である海外へと移住する日本人が増えている。中でも、女性の移動の方が男性より多い。1990年頃から、国外における日本人男性の国際結婚が減少しているのに対し、同時期における日本人女性の国際結婚は、逆に増えているのが現状である。本稿では、台湾に住む日本人妻を研究対象とし、日本人女性が台湾人男性との結婚に至るプロセスとそのメカニズムを解明するとともに、異文化に暮らす日本人妻たちが、いかにしてホスト社会に適応しているかについて考察する。本研究の主な目的は、異文化間で結婚し、外国に移住する日本人女性の「出会い」のパターンと台湾において日本人妻たちが自ら築き上げてきた社会的ネットワークを解明することで、日本人女性の海外での活躍及び異文化適応のプロセスを理解するとともに、日本と台湾双方の文化の違いや社会の変動によって変化していく国際結婚のあり方を模索することである。異なる文化の中に住む人々とともに生きていく日本人女性にとって、自分のアイデンティティを維持しながら、異文化にうまく適応していくためには、自分たちの社会的ネットワークを組織する必要があった。この社会的ネットワークの実態を解明することは、異文化で生活する人々の適応過程から問題点を見出すことができ、ひいては、民族間の摩擦や対立、偏見の問題に新しい視点を提供できることが期待できる。研究対象の国際結婚相手国に台湾を選んだのは以下の理由による。台湾の高度成長と国際化に伴い、日本と台湾の交流が盛んにおこなわれるようになった。1980年代後半から、台湾では民主化が進展し、1987年に戒厳令が解除されたが、それから一気に台湾における日本ブームが到来した。まず、1990年代には民主体制が確立され、1993年に日本語及び日本のテレビ番組の放送が解禁になったのに続いて、映画、雑誌、キャラクターグッズなど日本のモノが大量に輸入されるようになった。こうして日本製品が出回る中で日本語ブームが起き、台湾各地で「地球村」、「世界村」、「科見」、「永漢」などといった日本語補習班ができたほか、台湾の大学でも相次いで日本語学科が新設されるようになった。また、こうした趨勢のなかで、日本に留学する台湾人が増え、一方で、台湾での日本語教育の需要の高まりと共に、台湾で日本語教師として働く日本人も増加している。また、台湾では、台湾に居住する日本人妻が自ら組織した日本人妻の親睦会が各地にいくつも存在し、その会員数が増えている。これは、夫台湾人・妻日本人のカップルが増加していることを意味する。1975年に日本人妻の親睦会「なでしこ会」が台北に発足したのを皮切りに、台中には「桜会」、台南には「南風」、高雄には「ひまわり会」と台湾各地に次々と日本人妻の会が発足している。その他にも、国際結婚家庭の居留環境の改善を目的に活動している「居留問題を考える会」や母親になった日本人女性のための母乳の会である「ねねの会」など、国際結婚し、母国ではない国で暮らすことになった日本人妻のよりどころとなる様々な組織が存在するのである。これだけ多くの組織を発足させたということは、国際結婚した日本人女性が増えているということ、そして、これから先も増え続けるであろうということを示唆している。本稿では、日台間の人的移動に関する日本と台湾の政府統計データ、新聞雑誌記事の分析に加え、(1)今回筆者が行った台湾人男性と国際結婚をした日本人女性のライフヒストリーの聞き取り調査、及び(2)在台日本人妻の会「なでしこ会」での参与観察によって得た資料などの分析をもとに、台湾に居住する日本人妻の異文化適応における新たな展開について考察する。
著者
渡辺 伸也 高橋 清也 赤木 悟史 水町 功子 松田 秀雄 米内 美晴 片山 努 横山 紅子 高橋 正弘 上田 淳一 長谷川 清寿 志賀 一穂
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.99, pp.149, 2006

【目的】わが国では,多数の体細胞クローン牛が生産されており,これらの牛を対象とした一連の飼養・繁殖試験を通じ,雌雄のクローン牛の成長や繁殖に関する健全性のデータが収集されている。しかしながら,クローン牛由来乳のリスク評価に重要といわれる乳中アレルゲンに関するデータ収集は不十分である。本研究では体細胞クローン牛およびその後代牛が生産した乳中の&beta;-ラクトグロブリン(BLG)の遺伝的変異体(多型)のタイプ(ホルスタイン種では、通常、A型,B型およびAB型の3種類)を調査した。【方法】泌乳中の体細胞クローン牛:11頭(ホルスタイン種:9頭,黒毛和種:2頭),体細胞クローン後代牛:6頭(ホルスタイン種),5頭の体細胞クローン牛(ホルスタイン種)に共通のドナー牛:1頭および対照牛:17頭(ホルスタイン種:15頭、黒毛和種:2頭)より乳を採取し,その中に含まれるBLGのタイプをBLG特異的抗体(森永生化学研究所製)を用いたウエスタンブロット法で解析した。【結果と考察】調査したホルスタイン種におけるBLGタイプは,体細胞クローン牛で,A型:2頭,B型:1頭,AB型:6頭,後代牛で,A型:0頭,B型:2頭,AB型:4頭,また,対照牛で,A型:4頭,B型:4頭,AB型:7頭であった。ドナー牛とこの牛の体細胞より生産されたクローン牛(5頭)に由来する乳のBLGタイプは全て同一(AB型)であった。一方,調査した黒毛和種におけるBLGタイプは,体細胞クローン牛2頭 (同じ体細胞由来) で,ともにB型,対照牛で,A型:0頭,B型:1頭,AB型:1頭であった。以上の結果は,体細胞クローン操作が,生産されたクローン牛やその後代牛の乳中BLGにおける遺伝的変異体のタイプに影響を及ぼしていないことを示唆している。
著者
中村 善行 増田 亮一 藏之内 利和 片山 健二
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.10, pp.433-438, 2016-10-15 (Released:2016-11-30)
参考文献数
24
被引用文献数
1 2

糊化開始温度の異なるデンプンを含むサツマイモ3品種(「ベニアズマ」,「ほしキラリ」,「クイックスイート」)の塊根を蒸した後に残存する総アスコルビン酸の含量をデンプン糊化度およびマルトース含有率と併せて測定した.糊化開始温度が約75℃の「ベニアズマ」,約65℃の「ほしキラリ」,約55℃の「クイックスイート」の総アスコルビン酸残存率はそれぞれ約57%,約71%,約80%で,糊化開始温度の低い品種ほど残存率が高かった.一方,細胞内デンプンの糊化およびマルトース生成が認められる塊根加熱温度は糊化開始温度が低い品種ほど低く,マルトース含有率が高いほどアスコルビン酸残存率が高くなった.これは加熱塊根におけるマルトースの存在がアスコルビン酸の分解抑制に関与することを示していると考えられた.さらに,加熱してもマルトースが生成しないサツマイモ「オキコガネ」やジャガイモの総アスコルビン酸残存率は約50%と上記3品種より低かった.以上の結果から,蒸したサツマイモではマルトース生成が総アスコルビン酸の含量低下を抑制すること,およびデンプン糊化温度の低いサツマイモ品種はアスコルビン酸含量の維持に有効であることが示唆された.
著者
東 真太郎 片山 郁夫 平内 健一 山下 茂
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.118-118, 2010

本研究では、地殻・マントル境界でのレオロジー変化を流動則の外挿によるのではなく、高圧変形実験によって、含水条件下のモホ面付近における斜長石とカンラン石の強度を直接決定する実験を行った。実験条件は圧力1GPa、温度400~800℃の条件で斜長石とオリビンの出発物質を同時にアルミナピストンに挟み、相対的な強度を決定する。実験後の変形微細組織から、斜長石とオリビンはどちらも格子選択配向を示し、転位密度からも斜長石とオリビンは転位クリープに対応する塑性変形をしていることが確認された。実験結果としては、400℃においてオリビンは斜長石より強度が低いが、一方で800℃においては、オリビンより斜長石の方が柔らかくなった。結果として、斜長石とオリビンの強度比は温度に依存することが示された。そして、地球のモホ面に対応する温度圧力条件では斜長石よりオリビンの方が強度が低い、もしくは、ほとんど強度に差がないという結果が得られた。この結果から、地球の大陸リソスフェアの地殻とマントルのレオロジー層構造のモデルとして適切であるのは「クレームブリュレモデル」であることが考えられる。
著者
片山 晃 支倉 凍砂 バフェット・コード 中野目 純一
出版者
日経BP ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.456, pp.76-80, 2020-03

著名投資家の片山晃さんが出資して、株式市場を題材にした異色のストーリーのテレビアニメ制作を目指すプロジェクトが進んでいる。個人投資家の間でも大きな話題になっているこの取り組みに込めた思い、そして株式投資に感じている醍醐味などを、片山さん、原…
著者
片山 訓博 大倉 三洋 山崎 裕司 重島 晃史 藤本 哲也 藤原 孝之
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Eb1236, 2012

【はじめに】 標高1000~3000mに居住する高地住民には,冠心疾患や高血圧症などの発生率が低く,長寿者が多いことが知られている.また,高地トレーニングが脂質糖質代謝の改善に有効なことが指摘されている.しかし,高地トレーニングや低圧低酸素環境下でのトレーニングを実現することは物理的,経済的に極めて困難である.また,低酸素環境における高強度のトレーニングは,重度の低酸素血症を誘発する可能性が高い.心疾患や肺疾患を合併することが少なくない中高年者の生活習慣病予防を目的とした運動としてはリスクが高い.近年,比較的簡易な装置を用いて常圧環境下で低酸素環境を作り出すことが可能となっている.もし,常圧の低酸素環境によって運動時のエネルギー代謝に好影響が与えられるとすれば,効果的なトレーニング環境が容易に実現できる可能性がある.本研究では,常圧低酸素環境における低強度運動時のエネルギー代謝応答を測定し,運動療法施行時の環境としての有用性について検討した.【方法】 対象は健常成人男性13名で平均年齢21.2(20―22歳),平均身長168.8±4.7cm,平均体重62.6±5.1kg,平均体表面積1.72±0.08m2であった.被験者は前日の夕食以降絶食として翌日の午前中に測定を実施した.研究の条件は,研究の条件は,常圧下での低酸素濃度環境(以下,低酸素)(酸素濃度14.5%,0.7atm,高度3,000m相当)および通常酸素濃度環境(以下,通常酸素)(酸素濃度20.9%,1.0atm)とした.低酸素は,藤原らの特許を用いた塩化ビニール製テント(容積4.0m3)と膜分離方式の高・低酸素空気発生装置(分離膜:宇部興産製UBEN2セパレーター,コンプレッサー:アネスト岩田製SLP-22C)を用いて設定した.各条件での測定は,先ず通常酸素条件で行い,その後1週間の間隔を設けて低酸素条件で実施した.両条件とも30分間の安静椅子座位後,嫌気性代謝閾値(以下,ATポイン)の70%定量負荷による自転車エルゴメータ運動(回転数は55回/分)を30分実施した.呼気ガス分析は,エアロモニター(AE-300Sミナト医科学製)を用いた.各データは安静開始から終了まで1分間隔で測定し,5分間毎の平均値で比較検討した.NU(尿中窒素排出量/分)は0.008g/分で一定とした.LOR(mg)=1.689×(VO2-VCO2)-1.943×NU,GOR(mg)=4.571×VCO2-3.231×VO2-2.826×NUで得られたLOR,GORは体表面積で補正した.統計学的手法は,Willcoxonの符号付順位和検定を用い,有意水準は危険率5%未満とした.【倫理的配慮、説明と同意】 対象者には,研究の主旨・内容および注意事項について説明し,同意を得たのちに実験を開始した.【結果】 被検者のATポイント70%における自転車エルゴメータの負荷量は,47.5±5.3wattであった.LORは,すべてのstageにおいて低酸素条件より通常酸素条件が有意に高値を示した(p<0.05).GORは,運動時全てのstageにおいて低酸素条件が通常酸素条件より高値を示した(p<0.05).低酸素条件における運動時GORは通常酸素条件よりも平均で191.1mg/min/m2大きく,逆に運動時LORは,低酸素条件で平均37.5mg/min/m2小さかった.【考察】 低常圧低酸素環境への暴露後の運動が呼吸循環代謝応答に与える影響について分析した.GORは,stageにおいて低酸素条件が通常酸素条件より高値を示した.高地環境における低酸素血症では,ミトコンドリア内では有機的解糖が阻害されるため,ミトコンドリア脱共役タンパク質の減少で代償が図られる.それとともに,嫌気的解糖によるATP合成効率を増やしてATP不足を補う結果,グルコース利用が増加し,血糖値が低下する.結果として,インスリン分泌も低下し,インスリン感受性の改善がもたらされることが報告されている.今回の常圧低酸素環でも同様の効果によりグルコースが多く利用されたと考えられる.低酸素条件におけるGORは30分間の運動中平均は191.1mg/min/m2通常酸素条件よりも大きく,これは通常酸素条件のGORの27.5%に相当した.このことは今回の常圧低酸素設備でも,糖質利用が促進されることを示している.よって,常圧低酸素環は糖質代謝を促進する必要のある対象者にとって有益なトレーニング環境となる可能性がある.【理学療法学研究としての意義】 低圧低酸素環境では,安静時代謝の亢進および脂質代謝が改善され,より効果的な減量が可能であると報告されている.常圧低酸素環境においても同様の効果が生じる可能性が示唆され,生活習慣病や減量を目的とした理学療法を施行する時の環境として利用できると考える.
著者
片山 正
出版者
日本鉄道技術協会
雑誌
JREA (ISSN:04472322)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.27029-27032, 2000-07-01
著者
片山 俊明
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.40, no.156, pp.19-24, 2020

生命科学・医科学の分野では多数の公共データベースが公開されているが、ライフサイエンス統合データベースセンターではこれらを統合的に利用するための技術開発を進めており、セマンティック・ウェブ技術を使ったデータ統合を行ってきた。セマンティック・ウェブではデータがグラフ構造で繋がっているが、本稿ではそのデータモデルResource Description Framework (RDF)、検索のためのSPARQL Protocol and RDF Query Language (SPARQL)、SPARQL検索の結果をREST API化するSPARQListを概説し、RDF/SPARQLを用いて構築した統合ゲノムデータベースTogoGenomeとその可視化モジュールTogoStanzaを紹介する。さらに、汎用化したMetaStanzaによる任意のSPARQLの検索結果の可視化と、可視化の際に必要なd3spraql.jsによるデータの形式変換および、現在利用可能な生命科学・医科学分野のRDFデータセットについて解説した。
著者
片山 俊明
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.40, no.156, pp.19-24, 2020 (Released:2021-02-04)
参考文献数
11

生命科学・医科学の分野では多数の公共データベースが公開されているが、ライフサイエンス統合データベースセンターではこれらを統合的に利用するための技術開発を進めており、セマンティック・ウェブ技術を使ったデータ統合を行ってきた。セマンティック・ウェブではデータがグラフ構造で繋がっているが、本稿ではそのデータモデルResource Description Framework (RDF)、検索のためのSPARQL Protocol and RDF Query Language (SPARQL)、SPARQL検索の結果をREST API化するSPARQListを概説し、RDF/SPARQLを用いて構築した統合ゲノムデータベースTogoGenomeとその可視化モジュールTogoStanzaを紹介する。さらに、汎用化したMetaStanzaによる任意のSPARQLの検索結果の可視化と、可視化の際に必要なd3spraql.jsによるデータの形式変換および、現在利用可能な生命科学・医科学分野のRDFデータセットについて解説した。