著者
若林 上総 加藤 哲文
出版者
日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.2-12, 2013-07-31

研究の目的 発達障害のある生徒が在籍する高等学校の学級において、学業達成を支援するために、相互依存型および非依存型集団随伴性にパフォーマンス・フィードバックを組み合わせた介入を実施し、その効果、ならびに介入受容性を検討した。研究計画 ベースライン条件、相互依存型集団随伴性にパフォーマンス・フィードバックを組み合わせた条件、非依存型集団随伴性にパフォーマンス・フィードバックを組み合わせた条件によるABCデザインを2クラスで実施した参加者間マルチベースラインデザイン。場面 定時制高校の授業内で行われた漢字テストの場面。参加者 高校1年生の2クラスとそこに在籍する発達障害のある生徒4名。独立変数の操作 相互依存型および非依存型集団随伴性にパフォーマンス・フィードバックを組み合わせた介入。パフォーマンス指標 学級全体の強化基準への達成率、漢字テストの得点、および介入受容性尺度得点。結果 相互依存型および非依存型集団随伴性にパフォーマンス・フィードバックを組み合わせた介入条件は、学級全体のテスト得点の増加に影響を与えたことが考えられた。各介入条件の介入受容性得点も高得点を示した。結論 相互依存型および非依存型集団随伴性にパフォーマンス・フィードバックを組み合わせた介入条件により、発達障害のある高校生を含んだ学級全体の学業達成を促進した。また、この介入条件の社会的妥当性も示された。
著者
大原 利眞 若松 伸司 鵜野 伊津志 神成 陽容
出版者
公益社団法人大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.208-230, 2001-07-10
被引用文献数
5

大阪を中心とする関西地域において, 春季に発生する二酸化窒素NO_2などの高濃度汚染メカニズムを解明するために, 1993年4月に航空機観測を含む特別観測が国立環境研究所と関西地域の地方自治体によって実施された。観測期間中には二酸化窒素とオゾンの両方が高濃度となる汚染状態が発生し, これらの物質を含む多種類の汚染物質の動態を航空機, 生駒山および地上における立体観測によって観測することに成功した。本研究は, この高濃度状態の再現を目標とした数値シミュレーションモデルを構築し, 立体観測データによって総合的に検証したものである。構築した数値モデルを検証した結果, 地上の常時大気測定局で測定されたNO_x, NO_2,O_x(O_3), SO_2,NMHC濃度の時間変動がモデルによって良好に再現されること, 航空機観測結果などによって得られた多種類の物質(NO_2,O_3,VOC成分等)の鉛直濃度分布がモデルによってほぼ再現されること, 生駒山で測定された濃度時間変動もモデルによって説明できること, サルフェイトに関してもバックグラウンドが高いもののモデルによってほぼ再現できることなどが明らかとなった。これらの結果から, 本研究で構築した数値シミュレーションモデルによって, 観測された高濃度エピソードにおけるNO_2をはじめとする多種類の汚染物質の動態をモデル化できたと考えられる。
著者
若林 正吉
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (農学) 学位論文・平成24年7月25日授与 (甲第6313号)
著者
若林 勝史
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (農学) 学位論文・平成24年10月31日授与 (乙第2619号)
著者
若宮 翔子 李 龍 角谷 和俊
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.159-176, 2013-06-28

今日の都市における交通ネットワークの複雑化や人々の活動領域の拡大などにより,都市空間での近接感は単に地理的な距離だけでなく移動時間や訪れる頻度によって歪んでおり,あらゆる場所間の近接関係を直感的に測ることが困難である.そのため,ユーザの目的ごとに距離や時間などの観点から都市空間での近接性の歪みを考慮して近接したところを容易に探せるようにする必要がある.本研究では,経験的・社会的な観点から生じる空間の歪みによる都市地域の複雑な近接関係を抽出するために,位置ベースSNSを通した群衆の移動経験に基づく地域間の近接性分析手法を提案する.具体的には,都市空間での膨大な群衆のライフログが簡単に得られるTwitterを用いて実空間における群衆の移動経験を観察し,市区町村を単位とした地域間の近接性を測定し,都市空間における地域クラスタ間の空間的な歪みを分析する.実験では,Twitterにおける群衆のライフログと社会調査の一環として地域間の移動量を集計したパーソントリップOD量データを用いて群衆の移動経験を抽出し,移動距離,移動時間,移動量の観点で測定した地域クラスタ間の近接性を比較する.また,日常生活における規則的な移動に関する調査結果であるパーソントリップOD量データと比べ,Twitterのデータを用いた群衆の移動経験では,より多様な目的の移動経験を中心とした地域クラスタ間の近接性を観察することが可能であることを示す.
著者
若林 佳織 布引 純史 藤井 憲作 安田 恒雄 稲垣 充廣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-03-11

近年、カーナビゲーションの普及が著しい。そこでは縮尺1/25000の地図が用いられている。その地図では、縮尺1/2500のような詳細地図に比べて交差点の角にある建物形状などがわからない。本稿では道路ネットワーク情報を用いた高品質な道案内地図の作成について報告する。
著者
榎田 翼 若槻 尚斗 水谷 孝一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.96, no.5, pp.197-204, 2013-05-01

本論文は,金管楽器において吹鳴圧力に加え唇のアパチュアを変化させたときの吹鳴音高を計測することで,吹鳴圧力とアパチュアが吹鳴音の音高に与える影響を明らかにすることを目的とする.具体的にはアンブシュア可変機構を有する人工吹鳴装置を用いて,吹鳴圧力とアパチュアの大きさを制御しながら吹鳴音の計測を行った.結果として吹鳴圧力とアパチュアの相互関係により励起される吹鳴音の周波数が決定されることを確認した.また,アパチュアの大きさを徐々に大きくしていく場合と小さくしていく場合では吹鳴音の周波数が遷移するアパチュアの大きさが異なるという結果が得られた.更に,アパチュアを小さくすれば吹鳴音の周波数が高くなるという奏者の見解とは逆に,人工吹鳴においてアパチュアを大きくしたときに吹鳴音の周波数が高くなるという興味深い結果が得られた.
著者
若松 昭子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.143-158, 2001-04-30

ピアス・バトラーがニューペリー図書館の印刷史コレクション構築の中で最も力を注いだのはインクナブラの収集である。本稿では, 当該コレクションを通してバトラーが提示しようとした観点を明らかにするために, ニューペリー図書館のインクナプラ目録およびインクナブラ展示会目録の分析を通してコレクションの内容を検討した。コレクションにはインクナプラに用いられた活字体の変遷や, 書物が写本から標題紙等の機能を備えた近代的な形態へと発展する様子が示されていた。即ち, バトラーは当時発展期にあった分析書誌学の研究成果を採用することにより, 印刷術の歴史地理的な伝播過程, および書物の形成過程という二つの歴史を具現化しようとしていたことが見て取れた。さらに, インクナブラの時代を学問の発展期として位置づけようとしていたこともうかがえた。
著者
若松 昭子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
図書館学会年報 (ISSN:00409650)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.1-16, 1998-03-30

バトラーの図書館学の基礎を築いたといわれるニューベリー図書館時代に焦点を当て, ウイング財団の印刷史コレクションの形成過程を考察した。その結果, 彼が, 人文学的かつ学術的な印刷史コレクションの形成をめざし, 積極的な収集活動によって質の高いインクナブラを収集したことが明らかになった。彼が収集対象をインクナブラに絞った理由は, それらが歴史的, 学術的, 芸術的に優れているという判断によるものである。また成功の誘因として, 彼の学識, 充実発展期における同図書館の支援体制, 第一次大戦後のインクナブラ収集の好機という特殊な時代状況があったことも分かった。バトラーの収集方針と収集過程には, 印刷史の出発期を文化史の重要な時期と位置づけていた彼の書物観がうかがえる。
著者
若松 昭子
出版者
聖学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

アメリカの図書館学者ピアス・バトラーについての研究は、従来、シカゴ大学時代の彼の著作を中心に考察されてきた。本研究では、バトラーの書誌学者としての実践にも注目しその意義を考慮しつつ、彼の図書館学をメディア論の観点から再考した。バトラー図書館学の具体的・実証的な裏づけのために、シカゴ・ニューベリー図書館において彼が構築したインクナブラコレクションを分析した。その結果、バトラーが収集した当該館のインクナブラは、15世紀ヨーロッパにおける印刷術の出現と普及、ならびに近代的書物の形成過程を示す代表例であったことがわかった。即ち、バトラーは、15世紀後半のヨーロッパの様々な印刷所の代表的図書を集めるとともに、活字体の変遷を示す様々な活字の実例、あるいは標題紙、ページ付け、目次、索引などの印刷本特有の機能の発展段階を示す実例などを優先的に収集し、体系的コレクションを構築した。また、バトラーは印刷術発明と普及の影響を、書物形態の変化という分析書誌学的な興味からばかりではなく、多様な思想の表現、近代科学の発展、学術出版の広がり、著作者の権利意識の高揚、母国語出版物の普及による言語の標準化、等々の社会的・文化的な変化としてより広範な視野から捉えようとしたことがわかった。バトラーの図書館学の基礎にあるこの書物観は、20世紀後半のメディア論、つまり印刷術発明の社会的・文化的な影響を人間精神や社会構造の変化として解明しようとする視点と共通する。バトラーによる書物の社会史的な論考は、今日の研究と較べると論証性や実証性に不十分さが見られるものの、書物を社会史との関わりで捉え、印刷術の発明をメディアコミュニケーション革命として位置づけようとした今日のメディア研究と同様の視座を持つ、先駆的存在と位置づけることができる。
著者
Rochanachirapar Wasu 村上 勝久 山崎 直紀 本多 友明 阿保 智 若家 冨士夫 高井 幹夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.519, pp.7-10, 2004-12-09

スクリーン印刷によって成膜した力¬ボンナノチューブ(CNT:Carbon Naontube)冷陰極に照射エネルギー密度とストライプステップを変えながらXeClエキシマレーザーを照射し、CNT冷陰極のエミッション特性改良を試みた。180×0.4mmストライプでストライプステップが0.4mmのレーザーを照射することによって均一なエミッションサイトの分布が得られた。照射パワー密度6MW/cm^2のレーザーを照射を行った場合、同値電界は1.2V/μm以下になり、3.2V/μmの電界で電界放出電流密度は2.0 mA/cm^2以上になった。
著者
若林 芳樹
出版者
地理科学学会
雑誌
地理科学 (ISSN:02864886)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.53-75, 1994

本研究は,行動地理学の領域とその構成を明らかにするために,欧米で刊行された3つの教科書をとりあげ,それぞれで採用された用語と文献を手がかりとしながら,内容分析を行なったものである。まず,採用された用語と文献の教科書間での重複状況を分析した結果,29の用語と52の文献が共通項として摘出された。その内訳は,行動科学に由来するものが多く,行動地理学の学際性を表わしていた。一方,データ収集法や数理モデルに関する記述量,時間地理学や人文主義的研究の位置づけなどの点では,教科書による差異がみられた。次に,共通項として摘出された用語と文献について,それらが引用された箇所を章単位に集計したデータに因子分析を適用し,行動地理学の構成を検討した。その結果,行動地理学の共通項は,環境知覚や意思決定モデルを土台とした基本的概念と,居住地移動,消費者行動,都市問題・都市計画,メンタルマップ,災害知覚などの応用事例から構成されることが明らかになった。また,人文主義的研究も共通項を構成する一成分として摘出されたが,その取り上げ方には教科書による違いが認められた。
著者
若宮卯之助著
出版者
實業之世界社
巻号頁・発行日
1912