著者
本間 亘 鈴木 拓海 若月 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.46, pp.11-14, 2007-05-11

電磁リレーでは、電気接点が閉成するときに、接点の衝突現象によるバウンスが生じる。過渡電流スイッチ回路によるアーク放電抑制を前提にすれば、接点電極の消耗や転移が激減するので、バウンスの抑制方法も従来とは別なアプローチがありそうである。そこで、従来のバウンス現象を可動電極の運動に着目して、現象の解明を試みた。このバウンス原因を明らかにするため、電極接点の形状を変え、接点開閉時の電流・電圧測定に同期させて可動接点の弾性振動を光変位計で測定した。閉成時の電気的特性と光変位計による測定を対比させたところ、可動電極は、片持ちはり構造の基本共振モードのほかに、2次モードの振動が確認され、それがバウンスと関係することがわかった。
著者
高畠 靖志 宇野 英一 若松 弘一 岡田 由恵 金子 拓郎 土屋 良武
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.125-128, 1998
参考文献数
20
被引用文献数
2 1

脳梗塞で発症した62歳の男性, 脳血管造影で, 左内頸動脈から分岐し, 脳底動脈へと連なる異常血管を認めた.対側の椎骨動脈は低形成であった.three-dimensional CT angiography(3D-CTA)を行ったところ, その異常血管は舌下神経管を貫いて後頭蓋窩へ入っていることから, persistent primitive hypoglossal artery(PPHA)と診断した.3D-CTAは任意の方向からの立体的な観察が可能であり, 空間分解能が高い.そのため, 骨と血管との相互の関係といった解剖学的な位置関係を把握するのが容易である.本症例においては, 舌下神経管を貫くことが明確に示され, PPHAの診断に有用であった.
著者
石原 尚 若狭 みゆき 吉川 雄一郎 浅田 稔
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.100-113, 2011 (Released:2011-09-07)
参考文献数
48
被引用文献数
1

Maternal mind-mindedness is known to be a tendency of caregivers to interpret their socially immature infants as social agents and researchers have indicated this is one of promotion factors of infant social development. In this paper, we focused on such caregiver's tendency in mutual imitation of vowels and modeled infant vowel development to investigate the effect of caregivers on infant development. Computational simulation results in our previous study of caregiver-infant mutual imitation showed what we call auto-mirroring bias of the caregiver has a guiding effect in vowel development. This hypothesized bias is the tendency to interpret infant's utterances as more accurate imitations of the caregiver's precedent utterances and considered to be one of behaviors of the mind-mindedness. To verify this bias, we further examined how adult's interpretation was biased by measuring their imitations of synthesized vowels. The result of this subject experiment indicated the bias was enhanced by the anticipation to be imitated. These results of our studies imply the possibility that the way caregiversimitate their infant based on their interpretation of their infants lets them learn caregiver's way of interpreting others, i.e. sociality.
著者
若林 一民 近岡 裕
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.731, pp.108-110, 2015-08

—日本メーカーの技術者の間で接着剤の技術を学ぶ意欲が増しています。「技術者塾」でも、若林先生が講師を務める接着剤のシリーズ講座は人気です。日本メーカーの中で今、接着剤に関して何が起きているのでしょうか。
著者
若林 功
出版者
日本職業リハビリテーション学会
雑誌
職業リハビリテーション (ISSN:09150870)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.2-15, 2007-09-15 (Released:2011-03-23)
参考文献数
24

わが国では職場定着や離職予防の要因として働く障害者本人の職務満足度を取り上げた研究は少ない。本研究はミネソタ職業適応理論の枠組みを参考に、職務満足度は離職意図と関連しているのか、また職業上の希望実現度は直接的に離職意図に影響しているのか、それとも職務満足度を媒介し影響を与えているのかを明らかにすることを目的とした。質問紙による調査を実施し、得られたデータをカテゴリカル回帰分析等により分析した結果、以下のことが明らかになった。(1) 職務満足度は離職意図と関連している。(2) 職務満足度と離職意図の関連の程度は障害種類により異なる。(3)「仕事の達成感」「労働条件」等職務満足度を構成する下位要素と離職意図の関係は障害種類によって異なる。(4) 就職時の希望条件が実現していないことや希望する配慮の実現していないことは、直接的に離職意図に影響しているのではなく、職務満足度を媒介して離職意図に影響を与えている。
著者
佐藤 理那 鶴 若菜 横田 和彦
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会関東支部総会講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, 2019

<p>Hyperloop is a next-generation transportation system plan that is currently being developed which is a railroad running in a tube with reduced pressure. In this research, we aim to understand the behavior of the capsule and to investigate the running stability by numerical analysis of the flow field inside the Hyperloop tube. In this study, the tube is moved at high speed in numerical calculation and the internal flow field is examined. Calculation is performed considering compressibility in non-steady computation. In addition, each parameter was calculated from the relational expression of the shock wave whose Mach number was changed and given as a condition. In the process of calculation, we changed the total pressure applied and verified in which condition shock waves occur in the tube. Also, we investigated the effects on the capsule due to the changed Mach number and the change in the speed, and made it a basic research to examine the running stability of the Hyperloop.</p>
著者
岩島 範子 金子 信博 佐藤 邦明 若月 利之 増永 二之
出版者
日本土壌動物研究会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.88, pp.43-53, 2011
参考文献数
32

キシャヤスデとミドリババヤスデは周期的にかなり大きなバイオマスで出現する大型土壌動物であり,それらが摂食活動を通じて生態系の物質循環に及ぼす影響を調べた.これら2種の成虫のヤスデについて,餌の違い,種の違い,生育密度の違いが,糞の化学性に及ぼす影響について室内の飼育実験により比較した.八ヶ岳土+針葉樹リター+キシャヤスデ(キシャY),三瓶山黒ボク土+落葉広葉樹リター+キシャヤスデ(キシャS),三瓶山黒ボク土+落葉広葉樹リター+ミドリババヤスデ(ミドリS),三瓶山黒ボク土+落葉広葉樹リター+ミドリババヤスデ(高密度)(ミドリS密)の4系で1週間飼育後,糞を採取した.糞,土壌及びリターの全炭素・全窒素,強熱減量を測定し,糞と土壌については培養による二酸化炭素発生量,無機態窒素も測定した.その結果,以下に示すようなことがわかった.1)いずれの成虫も土壌とリターを摂食した.2)キシャヤスデにおいては生息地以外の土壌とリターに変えても土壌とリターの混食を行った.3)キシャヤスデは針葉樹リターも広葉樹リターも摂食し,リターの摂食割合もほぼ同程度であった.4)ミドリババヤスデの方がキシャヤスデよりもリターの摂食割合が多かった.5)ミドリババヤスデは高密度にすると土壌を食べる割合が大きくなった.餌や種,また,密度の変化に伴う糞の化学性及び有機物分解の促進と無機態窒素の放出特性の変化は,1)リターの摂食割合の増加は,糞中の全炭素・全窒素及びCN比を増加させた,2)糞中のリター由来の有機物の増加は,8週間培養における糞の二酸化炭素発生量を促進させた,3)CN比の増加は糞中の無機態窒素の有機化を生じさせ,無機態窒素の放出を遅らせた.
著者
若倉 正英 岡 泰資
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.200-205, 1999-06-15
参考文献数
4
被引用文献数
1

<p><tt><b>廃棄物は多様な物質が収集運搬,破砕,焼却,化学処理,保管,埋立などさまざまな工程で取り扱われる、そのため,安全化技術の標準化が容易ではなく,一般の製造業に比べて事故の発生頻度がかなり高い.人身災害の大部分ははさまれや巻き込まれといった傷害事故であったが,最近では排出される化学品由来の事故も増加している.化学物質による事故は可燃性廃棄物による火災,爆発が最も多い.特に特定フロンの使用禁止以降,種々のスプレー缶で蓄圧剤として可燃性ガスを使用するため,ゴミ収集車内や廃棄物破砕施設で火災や爆発が頻発している.また,リサイクルや無害化処理に伴う工程では,複数の物質の混合による有害物の発生,発火事故などが少なくない. </b></tt><tt><b>取り扱う廃棄物の安全性に関する性状や,対応方法を把握することが重要である.</b></tt></p>
著者
小泉 遥香 若月 陸央 三井 一希 浅井 公太 佐藤 和紀
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.2, pp.100-105, 2021-07-03 (Released:2021-07-05)

本研究は,1人1台端末環境の学級がGoogle Classroomを半年間使用した際の,教科別の使用用途の傾向を調査することを目的に,半年間の投稿を対象とし,①投稿文の内容,②各ツールを使用している活動の内容の傾向について分析を行った.調査の結果,①教科に関する投稿は手順やルーブリック,学級の運営に関する投稿は連絡事項等を示していること,②同じツールの使用でも教科によって活動内容が異なることが確認された.
著者
高橋 徹 富田 恵一 若杉 郷臣 山田 敦 折橋 健 古賀 信也
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集 第19回廃棄物学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.208, 2008 (Released:2008-11-25)
被引用文献数
1

木質系バイオマス燃焼灰の化学組成および有害物質の溶出試験について検討した結果、燃焼灰には肥料主成分が多く含まれており、肥料として十分に利用できることが分かった。また一部の木質バイオマス燃焼灰の溶出液には基準値以上の六価クロム溶出が確認されており、ストーブ材質からの腐食、防腐剤を原料とした燃料からの汚染および木質ペレット燃料中に含有していると推測される。ペレット原料中のクロムは自然由来ではなく,破砕工程,おが粉製造工程およびペレット製造工程で混入したクロムが燃焼し,濃縮・酸化され,六価クロムの溶出が発生したと考えられる。さらに、木質バイオマス燃焼灰を有効利用するために、堆肥と燃焼灰を混合したペレットを製造し、肥料としての安全性を検討した結果、有害成分は基準値以下であり、有害金属溶出試験についても全ての項目で基準値以下であった。混合ペレットは肥料として安全に使用できることが分かった。
著者
上田 秀明 田村 義輝 杉山 隆朗 野木森 宣嗣 加藤 昭生 若宮 卓也 小野 晋 金 基成 柳 貞光
雑誌
第55回日本小児循環器学会総会・学術集会
巻号頁・発行日
2019-04-26

【背景】フォンタン術後の蛋白漏出性胃腸症PLEは、治療抵抗性で予後不良とされている。PLEを発症して4年以上のフォンタン術後PLEの治療および中・長期予後を検討した。【対象】当院で経過観察中のPLE発症4年以上のフォンタン術語PLE10例(男6、女4)。年齢は中央値14(8-24)歳。主心室は左室1、右室6、無脾症3例であった。【結果】フォンタン術式は APC1、心内導管型TCPC1、心外導管型TCPC8例。TCPC時にフェネストレーション作成を行ったのは6例。導管直径は16mm 4例、18mm 3例、20mm 2例。PLEの診断は、血中蛋白濃度、消化管蛋白漏出シンチグラムや便中α 1 アンチトリプシン・ クリアランス値より行なった。【治療】内科的治療として、ステロイド療法3例で1例ブデゾニド使用例。全例入院加療中に持続ヘパリン療法を行なった。カルベジロール6例、肺高血圧治療薬5例に導入した。皮下注用免疫グロブリン製剤ハイゼントラ使用継続中3例。高タンパク食などの栄養療法4例。側副血管コイル塞栓術1例、末梢性肺動脈狭窄に対するステント留置術1例を行った。外科的介入例なし。【結果】 死亡例は初期のAPC1例で、9例生存、現在NYHA心不全分類でI度 3、II度 6例。ステロイド療法3例とも継続中で、低蛋白血症が消失しているのは、ハイゼントラ使用例を含む4例。中心静脈圧、肺血管抵抗、心係数はそれぞれ中央値13(10-15)mmHg、中央値1.3(0.7-2.3)units・m2、中央値3.6(2.3-4.1)L/min/m2。造影上の主心室の駆出率は中央値46(38-56)%。【結語】遺残病変の修復、病初期からヘパリン療法、利尿薬の増量に加え、抗心不全療法、皮下注用免疫グロブリン製剤の導入により、予後は改善してきているものの、運動耐容能の低下から日常生活上制限を受けていることが多い。今後、注意深い経過観察や新たな抗心不全療法が求められる。