著者
藤井 隆太朗 向井 克容 細野 昇 坂浦 博伸 石井 崇大 岩崎 幹季 菅本 一臣 吉川 秀樹
出版者
医学書院
雑誌
臨床整形外科 (ISSN:05570433)
巻号頁・発行日
vol.40, no.7, pp.763-769, 2005-07-01

In vivoでの3次元腰椎回旋運動解析は,従来の方法では高精度な解析は困難であった.今回,われわれは3D-MR画像を用いた新しい非侵襲的3次元動態解析システムを使って,体幹回旋時の腰椎3次元運動を解析したので報告する.各椎間の平均回旋角度は片側1°~2°であった.腰椎の回旋運動はL1/2~L4/5において回旋と反対方向の側屈,T12/L1とL5/S1において回旋と同方向の側屈を伴っていた.また腰椎の回旋はL1/2~L5/S1で前屈を伴い,T12/L1で後屈を伴った.われわれの解析結果はin vivoでの2方向X線撮影を用いたPearcyらの報告と同じ傾向であったが,in vitroでの新鮮屍体を用いたPanjabiらは下位腰椎(L4/5,L5/S1)では回旋と同側方向への側屈を伴ったとしており,L4/5においてPanjabiらの結果とは異なっていた.
著者
田中湧磨 藤井隆史 綾野克紀
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次大会2019(札幌)
巻号頁・発行日
2019-06-11

高炉スラグ細骨材を細骨材の全量に用いたコンクリートは,AE剤を用いることなく高い凍結融解抵抗性を得ることが可能である。ただし,早強ポルトランドセメントを用いた場合には,高炉セメントや普通ポルトランドセメントを用いた場合よりもより長い水中養生を行わなければ,その効果が得られない。しかし,早強ポルトランドセメントを用いた場合にも,結合材の一部に高炉スラグ微粉末を用いることで,凍結融解抵抗性が得られやすくなる。高炉スラグ微粉末を用いると,圧縮強度が小さくなるが,硬化促進剤を用いることで水結合材比を下げることなく,若材齢での強度発現性を高められる。
著者
大島 美紀 粟屋 幸一 藤井 隆之 小泊 好幸 桑原 正雄
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.412-419, 2000
参考文献数
16
被引用文献数
2

Chlamydia pneumoniae感染の急性気管支炎や気管支喘息の発症, 増悪における関与を検討した.対象は1週間以上咳, 痰が持続した当科外来患者131例(急性気管支炎患者(AB)60例, 気管支喘息患者(BA)71例)とコントロールとしての健常人(NP)20例とした.血清を用いてChlamydia抗体価をELISA法にて測定し, 喀痰細菌検査を行った.抗体保有例はAB88.4%, BA73.3%, NP60%でABが有意に高率であった.IgA抗体価はABが, NPおよびBAと比較して有意に高値であった.急性感染例はAB20%, BA15.5%, NP10%で有意差は認めなかったC.pneumoniae急性感染症例のうち急性気管支炎例では58%, 気管支喘息例では36%がS.pneumoniaeとの混合感染であった.以上より, C.pneumoniaeは急性気管支炎の発症に関与している可能性が示唆された.また急性気管支炎と気管支喘息のC.pneumoniae急性感染症例のなかで高率に細菌(特にS.pneumoniae)との混合感染を認め, 症状の増悪に関与していると考えられた.
著者
藤井隆史 綾野克紀
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次大会2018(神戸)
巻号頁・発行日
2018-06-20

本研究では,細骨材の全量に高炉スラグ細骨材を用いたコンクリートの圧縮強度,静弾性係数,引張強度,曲げ強度,乾燥収縮,クリープおよびアルカリシリカ反応抑制効果について,砂岩砕砂を用いたものと比較検討した。高炉スラグ細骨材を用いたコンクリートの静弾性係数は,同じ圧縮強度の砂岩砕砂を用いたものに比べて大きくなるが,引張強度および曲げ強度は,砂岩砕砂を用いたものと同程度である。一方,高炉スラグ細骨材を用いたコンクリートの乾燥収縮およびクリープは,砂岩砕砂を用いたものに比べて小さくなる。また,細骨材に高炉スラグ細骨材を用いれば,粗骨材のアルカリシリカ反応による膨張が抑制される。
著者
大石 幸紀 藤井 隆史 綾野 克紀
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.288-294, 2018-03-30 (Released:2018-03-30)
参考文献数
4

本研究は、コンクリートの養生中の温度履歴がコンクリートの乾燥収縮ひずみおよび細孔構造に与える影響について検討を行ったものである。高温で養生されたコンクリートでは、直径6nm以下の微細な細孔の容積は減少し、直径50nmから100nmの細孔容積が増加する。直径6nm以下の細孔容積と乾燥収縮ひずみとの間には相関関係がみられることから、高い温度で長く養生されたコンクリートは細孔構造が粗になることで、乾燥に伴う水分損失量は多くなるが乾燥収縮ひずみは小さくなる。
著者
西川 正一郎 平 勝秀 松田 洋平 藤井 隆文 朽木 友佳子 西廼 健 南口 真 下代 真也 今村 裕之 池内 裕貴子 新立 勇一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに,目的】急性期の臨床現場におけるリスク管理は,卒後教育の中でも知識や経験と現場判断が問われるスキルである。我々は,第50回日本理学療法学術大会において,臨床現場における現場対応の教育について「当院理学療法訓練室における急変時対応のシミュレーション訓練の試行」を発表した。今回,続報として新たなシミュレーション教育の結果を得たので,考察を加えて報告する。【方法】当院理学療法課スタッフ57名に対して,昨年同様の緊急時対応に関するアンケート調査とシミュレーション練習(シナリオを3パターン用意し,患者役,セラピスト役に振り分け急変対応手順を行う)に加え,新たなシミュレーション練習を追加した。昨年は,急変対応を行う前提の状況下で訓練を行ったが,今回はスタッフへ事前連絡を行わず当課会議中に1人のスタッフが急変する設定(以下,突発的な状況下)で行った。評価は周辺スタッフに応援を呼ぶまでの時間,Drハート(救急対応応援要請の全館放送の隠語)要請までの時間,搬送用意までの時間を計測した。【結果】アンケート結果に昨年と大きな変化は見られず,シミュレーション練習や急変対応に関する知識向上の勉強会などを行っても,臨床現場では常に急変時に対する不安は強い結果であった。突発的な状況下におけるシミュレーション練習では,異常に気付くまでに22秒であったが,その後は応援要請まで1分20秒,搬送用意まで3分を要した。昨年と同様のシミュレーション練習では応援要請は3パターンとも2秒以内に行い,応援に駆け付けたスタッフがバイタルやストレッチャーの用意など的確に行うことが出来ていた。練習風景は動画にて撮影し,後日参加スタッフにフィートバックと対応行動に関する意見交換と室内における物品や施設設備のレイアウトを再考した。【結論】当院では昨年よりシミュレーション練習を行い,臨床の場における急変場面が実施から1年で3度遭遇したが,当該スタッフは異常に気付いた時点で周りに応援を呼ぶ行動が行え,スタッフ全体も協力する体制や配慮が行える環境であった。シミュレーション練習ではアクシデントに遭遇しなかったスタッフもいたが,教育心理においてはモデリングが有効であり類似した事象に対する,模倣,同一視,内在化,環境学習などが習得となる。今回の突発的な状況下の練習結果は,昨年行われた練習を観察学習した者と直接経験した者の両者とも,経験における選択的強化による学習成果が得られていると考えられる。平成27年10月より施行されている医療事故調査制度では,診療の記録や実施内容の調査報告が必要であり,急変時のバイタルや意識レベルなど医学的状況の把握の正確性が求められる。我々理学療法士のリスク管理に対する知識と経験は社会的責任であり,今回の研究,研修内容は今後の理学療法教育に必要な知識であると考えられる。
著者
福居 篤子 藤井 隆太 砂田 久一
雑誌
薬剤学 = Journal of Pharmaceutical Science and Technology, Japan (ISSN:03727629)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.62-70, 2000-03-20
参考文献数
19
被引用文献数
8
著者
綾野 克紀 藤井 隆史
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.588-593, 2017-08-15 (Released:2017-08-20)
参考文献数
6

Many concrete deck slabs of bridges have been deteriorated by heavy traffic, and freezing and thawing action. The water through the broken waterproof layer promotes the deterioration of concrete much more. Concrete used in replacements should have high resistance against freezing and thawing attack and fatigue in water. In this study, it is shown that the resistance to freeze and thaw attack can be improved by granulated blast furnace slag sand even without AE agent. The resistance to freeze and thaw attack of non-AE concrete with granulated blast furnace slag is almost same as that of AE concrete with the ordinary crushed sand. The fatigue of concrete suffered from freeze and thaw attack depends on the type of binder. When the crushed sand is used, the fatigue of concrete with high early strength Portland cement suffered from freeze and thaw attack is lower than that with ordinary Portland cement. When blast furnace slag sand is used, the tendency is almost same as when crushed sand is used. However, when blast furnace slag sand is used, the fatigue of concrete suffered from freeze and thaw attack can be improved with water curing period. It is also shown in this paper that blast furnace slag sand reacts with water and improve the durability of concrete.
著者
斎藤 豊 松田 尚久 中島 健 坂本 琢 山田 真善 斎藤 彰一 池松 弘朗 和田 祥城 岡 志郎 河野 弘志 佐野 寧 田中 信治 藤井 隆広 工藤 進英 浦岡 俊夫 小林 望 中村 尚志 堀田 欣一 堀松 高博 坂本 直人 傅 光義 鶴田 修 樫田 博史 竹内 洋司 町田 浩久 日下 利広 吉田 直久 平田 一郎 寺井 毅 山野 泰穂 金子 和弘 山口 裕一郎 玉井 尚人 中野(丸山) 尚子 林 奈那 岩館 峰雄 石川 秀樹 吉田 茂昭 The Japan NBI Expert Team (JNET)
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.2314-2322, 2016 (Released:2016-11-20)
参考文献数
14

現時点で日本から提唱されている大腸NBI拡大分類(佐野分類,広島分類,昭和分類,慈恵分類)の臨床研究の結果から,大腸病変における質的・量的診断に対して,NBI拡大観察の有用性が数多く報告されている.また欧米と日本の共同グループから非拡大でも使用可能な分類としてNICE分類が提唱された.学会・研究会で討論を重ねるに従い,ⅰ)同一類似所見に対して複数の定義呼称が存在する,ⅱ)拡大内視鏡分類におけるSurface patternの必要性の有無,ⅲ)隆起型,表面型病変におけるNBI所見の相違などの問題点が議論されるようになった.2011年,この問題を解決するべく,大腸拡大NBI統一分類作成を目的とするThe Japan NBI Expert Team(JNET)が吉田茂昭先生の声かけのもと結成され,国立がん研究センターのがん研究開発費の班会議で検討が行われた.まずワーキンググループが結成され,JNET分類の元となるスケールが形成され,会議で了承を得た.このJNETスケールを元にWeb-baseでVessel pattern, Surface patternの診断精度を検討し,単変量・多変量解析の結果を基に議論を重ねたのち,2014年6月大腸拡大NBI統一分類がmodified Delphi methodによるコンセンサスを得て提唱されるに至った.JNET大腸拡大NBI分類はVessel pattern, Surface patternのカテゴリーからなるType 1,2A,2B,3の4分類に分類される.Type 1は過形成性ポリープ,Type 2Aは腺腫~低異型度癌(Tis),Type 2Bは高異型度癌(Tis/T1a),Type 3は高異型度癌(T1b~)の病理所見に相関する.所見の目合わせに関して現在班会議,日本消化器内視鏡学会附置研究会において議論を重ねている段階である.
著者
山内守 野口光明 藤井隆史 綾野克紀
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次大会2017(仙台)
巻号頁・発行日
2017-06-13

本研究では,高炉スラグ細骨材を用いたコンクリートの凍結融解抵抗性に,蒸気養生,高炉スラグ微粉末および増粘剤が与える影響を検討した。細骨材に高炉スラグ細骨材を用いれば,AE剤を用いることなく高い凍結融解抵抗性が得られるが,製造方法によって高炉スラグ細骨材の効果が異なる。本論文では,普通ポルトランドセメントのみを用いた場合には,蒸気養生によって凍結融解抵抗性が低下し,結合材の一部に高炉スラグ微粉末を用いれば,反対に,蒸気養生によって凍結融解抵抗性が向上することを示した。また,増粘剤を用いることで,短い水中養生期間で高い凍結融解抵抗性が得られることを示した。
著者
大村 浩一郎 山本 奈つき 寺尾 知可史 中嶋 蘭 井村 嘉孝 吉藤 元 湯川 尚一郎 橋本 求 藤井 隆夫 松田 文彦 三森 経世
出版者
The Japan Society for Clinical Immunology
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.310a-310a, 2012

Myelin basic protein(MBP)は神経ミエリン鞘を形成する主要なタンパクであるが,関節リウマチ(RA)において,myelin basic proteinに対する自己抗体が高率に認められることを我々は以前報告した(PLoS One 2011; 6: e20457).ヒト脳由来抽出タンパクを抗原として用いた場合,抗MBP抗体はRAの約65%に認められ,特異度は膠原病患者を対照として83%であり,またその対応抗原は主にMBPタンパク自身ではなく,シトルリン化MBPに対する抗体であることも明らかにした.一方,MBPは神経系に発現するclassic MBPと神経系のみならず血球系にも発現するGolli-MBPのアイソフォームがあり,それぞれにまたいくつかのアイソフォームが存在する.RAで認められる抗MBP抗体の対応抗原がclassic MBPなのかGolli-MBPなのかは不明であったことから,classic MBPおよびGolli-MBPのrecombinantタンパクを作成しin vitroでシトルリン化し,ELISAで抗MBP抗体を検出したところ,その感度,特異度に差は認められなかった.現在Golli-MBPのアミノ酸配列(304アミノ酸)を15種類の25アミノ酸ペプチドでカバーし,それぞれのペプチドをシトルリン化して抗原とし,12人の抗MBP抗体陽性RA患者血清を用いてELISAにてエピトープマッピングを行っている.<br>
著者
藤井隆著
出版者
和泉書院
巻号頁・発行日
1991