著者
清水 真理 佐藤 翔 逸村 裕
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会 第20回(2012年度)年次大会予稿集
巻号頁・発行日
2012-05-20

本研究では学協会著作権ポリシーデータベース(SCPJ)とCiNiiを用い,日本の学協会誌掲載論文の機関リポジトリ収録状況を分析した.分析の結果,2000~2009年の日本の学協会誌掲載論文の機関リポジトリ収録率は約0.9%にとどまっており,いずれの分野でも収録率は低かった.収録を許可するポリシーの雑誌は許可しない雑誌より収録率が高かったが,それでも収録率は1.3%程度にとどまっていた.We analyzed the rate of Japanese journal articles archived in institutional repositories based on the data of Society Copyright Policies in Japan (SCPJ) database and CiNii. As a result of analysis, only about 0.9% of Japanese journal articles published during 2000-2009 were archived in institutional repositories. The archive rate was low in all fields. While articles published in Green, Blue or Yellow journals were more archived than others, the archive rate of those was only about 1.3%.
著者
日詰 梨恵 逸村 裕
出版者
中部図書館情報学会
雑誌
中部図書館情報学会誌 (ISSN:21851743)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.19-35, 2010-03
被引用文献数
1

網羅的な論文DB であるCiNii を対象に人文学4 領域の収録状況を調査し、その結果、(1)研究者が業績として認識していると考えられる文献収録率が高い、(2)「学術雑誌」に比べ、「大学・研究所等紀要」の書誌データ収録率・本文提供状況が圧倒的に高い等を明らかにした。 収録率調査を踏まえて行ったインタビュー調査から人文学分野の学術情報電子化促進のためには、 (1)学会誌の売上のみを運営資金として頼らないビジネスモデルが必要、(2)著作権等、 学術情報流通に必要な基盤情報の整備が必要であることが明らかになった。
著者
岡部 晋典 佐藤 翔 逸村 裕
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
pp.1105120030-1105120030, (Released:2011-05-20)
参考文献数
43
被引用文献数
1 2

本稿ではオープンアクセス運動の契機となったBudapest Open Access Initiative(BOAI)について分析し,これがどのような意図のもとで公開されたか調査した.まず,BOAIを提唱し,オープンアクセス運動を支援している財団であるOpen Society Institute(OSI)と,その設立者であるGeorge Sorosについて紹介し,彼らの思想的根拠であるKarl R. Popperの提唱した「開かれた社会」概念について概観した.また,BOAI中にその思想が影響していることを明らかにした.次に,オープンアクセス運動に関連する文献群中でのPopperおよび「開かれた社会」への言及状況とBOAIの受容状況の定量的計測から,オープンアクセス関係者の間での「開かれた社会」関連思想の認知状況を検討した.その結果,OSIは「開かれた社会」という政治思想の実現を目的にオープンアクセス運動に関与しているにもかかわらず,他のオープンアクセス運動関係者はこの思想の存在には言及していないことがあきらかになった。
著者
佐藤 翔 逸村 裕 山村 高淑 岡本 健
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
第57回日本図書館情報学会研究大会発表 要綱
巻号頁・発行日
pp.49-52, 2009-10

本研究では機関リポジトリでよく利用されるコンテンツの特徴を明らかにすることを目的に、北海道大学の「メディアコンテンツとツーリズム研究」関連文献を中心に北海道大学、京都大学、筑波大学の高頻度利用文献のアクセスログを分析した。結果から、高頻度利用文献はサーチエンジンから恒常的にアクセスを集めるものとマスメディアに取り上げられ一時的に多くのアクセスを得るものに大別できた。また、それら以外にブログやweb掲示板が大きく影響する場合もあることを示した。
著者
溝上 智惠子 清水 一彦 歳森 敦 池内 淳 石井 啓豊 逸村 裕 植松 貞夫 宇陀 則彦 永田 治樹 長谷川 秀彦 石井 夏生利 呑海 沙織 孫 誌衒 松林 麻実子 原 淳之 井上 拓 佐藤 翔
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、大学教育の実質化を進展させるための学習支援サービスの1つとして、大学生の主体的学習を促進させる実空間「ラーニング・コモンズ」 (Learning Commons)に着目し、その現状と課題を明らかにした。1990 年代に、北米地域から導入・整備が始まったラーニング・コモンズは、現在各国の高等教育改革や大学図書館の状況を反映して、多様な形態で展開しつつあること、学習成果の視点からの評価はいずれの国でもまだ不十分な段階にあることが明らかになった。
著者
水嶋 英治 吉田 右子 白井 哲哉 宇陀 則彦 逸村 裕 大庭 一郎 坂口 哲男 原 淳之 平久江 祐司 松村 敦
出版者
筑波大学
雑誌
21世紀図書館情報専門職養成研究基盤アーカイブ構築:図書館情報専門職の再検討
巻号頁・発行日
pp.1-139, 2017-03-31

筑波大学図書館情報メディア系には、日本の図書館専門職養成の中核的機関の一つであった図書館情報大学(現筑波大学図書館情報メディア系/知識情報・図書館学類)およびその前身校の約一世紀にわたる図書館専門職養成の沿革にかかわる歴史的資料が残されている。本研究ではこれらの資料を対象に、図書館専門職にかかわる包括的なコレクションを整備し、利用のための仕組みを実装した「21世紀図書館情報学アーカイブズ」のプロトタイプモデルを構築した。さらにこのアーカイブを用いて、歴史資料コレクションのアーカイビングにかかわる技術的・社会的課題について総合的に検討するとともに、20世紀の日本の図書館界を俯瞰的に把握し館種を超えたマクロな視座から、図書館専門職の歴史的再検討を試みた。
著者
辻 慶太 滝沢 伸也 佐藤 翔 池内 有為 池内 淳 芳鐘 冬樹 逸村 裕
出版者
日本図書館研究会
雑誌
図書館界 (ISSN:00409669)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.253-267, 2013-11-01

本研究では(1)T大学図書館の貸出履歴約6年分を用いたアソシエーションルールの確信度・支持度,(2)図書のタイトル類似度,(2)NDC,(4)「BOOK」データベースの要旨の類似度,の各種組合せを学習用データとしたサポートベクターマシン(SVM)を用いて図書推薦の実験を行った。さらにSVMを用いず上記情報を単独で用いた場合やAmazonによる推薦も比較検証した。被験者は32名で,結果,「NDC+タイトル+貸出履歴」と「タイトル+貸出履歴」の組合せが有効であること,Amazonの推薦の方が評価が高いことを確認した。
著者
日詰 梨恵 逸村 裕 イツムラ ヒロシ
出版者
中部図書館情報学会
雑誌
中部図書館情報学会誌 (ISSN:21851743)
巻号頁・発行日
pp.19-36, 2010

網羅的な論文DB であるCiNii を対象に人文学4 領域の収録状況を調査し、その結果、(1)研究者が業績として認識していると考えられる文献収録率が高い、(2)「学術雑誌」に比べ、「大学・研究所等紀要」の書誌データ収録率・本文提供状況が圧倒的に高い等を明らかにした。 収録率調査を踏まえて行ったインタビュー調査から人文学分野の学術情報電子化促進のためには、 (1)学会誌の売上のみを運営資金として頼らないビジネスモデルが必要、(2)著作権等、 学術情報流通に必要な基盤情報の整備が必要であることが明らかになった。
著者
松野 渉 本田 咲美 池内 有為 佐藤 翔 逸村 裕 Matsuno Wataru Itsumura Hiroshi
出版者
日本図書館情報学会
巻号頁・発行日
2012

2012年日本図書館情報学会春季研究集会. 三重大学, 2012-05-12
著者
逸村 裕 小川 治之 緑川 信之 金子 昌嗣 斎藤 憲一郎
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
ドクメンテーション研究 (ISSN:00125180)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.273-279, 1983-06-01

理工学34分分野の雑誌を対象に,引用数,自誌引用率,被引用数,impact factor,decay index,immediacy indexの各引用尺度について調べ,分野ごとに平均を計算した。その結果,以下の点が明らかにされた。 (1)一般に,引用数の多い分野ほど,被引用数も多く,impactfactorの値も高い。応用・複合科学分分野は,被引用数,impact factorがともに低い。(2)decay indexの値は分野による差があまり大きくない。ただし,伝統的な分野よりも,最近発達してきた分野の方が,比較的値が大きい。(3)immediacy indexは,分野による差が大きい。応用・複合科学,および数学,力学などの伝統的な分野で値が低い。
著者
安蒜 孝政 市村 光広 佐藤 翔 寺井 仁 松村 敦 宇陀 則彦 逸村 裕
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
2010年日本図書館情報学会春季研究集会発表要綱
巻号頁・発行日
pp.87-90, 2010-05

本研究の目的は電子情報環境下で育った世代に見られる情報探索行動の特徴を明らかにすることである。そのため、学生と図書館員を対象に課題実験を行い視線データ、パソコン操作ログなどを収集して両者の情報探索行動を比較した。実験結果から、学生と図書館員を比較すると学生はWikipedia を起点としたWeb 閲覧をおこなうこと、書架に出た際には視線を向ける場所が定まっていないこと、図書の選定時には請求記号ではなくタイトルを見ていること等が示された。
著者
佐藤 翔 数間 裕紀 逸村 裕
出版者
日本図書館情報学会
巻号頁・発行日
2011

本研究では一般市民(非研究者)における論文のオープンアクセス(OA)化に対する需要について明らかにすることを目的に、日本の社会人800人を対象とするインターネット調査を行った。結果から、1) 市民のOA認知度は低く、OA論文利用経験も少ない、2) 回答者の過半数がOA論文は自身の役に立つと考えている、3) 専門的な情報を得るためにOA論文を用いたいと考えている、4) 最もOA化の需要が高い分野は心理学や医学だが、性別による有意差があり、男性は情報学や工学、女性は教育学や言語学にも需要があること等がわかった。
著者
種市 淳子 逸村 裕 TANEICHI Junko ITSUMURA Hiroshi
出版者
名古屋大学附属図書館研究開発室
雑誌
名古屋大学附属図書館研究年報 (ISSN:1348687X)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.57-68, 2007-03-31 (Released:2009-02-10)

Using an OPAC (Online Public Access Catalog) that provides search access points with a table of contents at a college library, we implemented analysis of OPAC access logs and a search experiment. We examined information seeking behaviors by taking advantage of OPAC. We conducted the analysis by paying particular attention to the effects on seeking behaviors of differences in experience in using search engines. As a result of our research, three things have become clear. 1) It is typical that the students combine one or two words to make a search term and they have a tendency to use free terms frequently. 2) In more than half of the search results, the search terms were found in the tables of contents. 3) Experiences of using search engines affected how to deal with the situation when a search receives no hits. The students are rarely conscious of the difference between searches by OPACs and search engines. These results indicate that a search system based on standard bibliographic information in traditional OPAC cannot respond to users’various information seeking behaviors.
著者
原田 隆史 高久 雅生 小野 永貴 杉岡 秀紀 真山 達志 逸村 裕 江草 由佳 岡部 晋典 小泉 公乃 山本 順一 安形 輝 桂 まに子 岸田 和明 佐藤 翔
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では,「資料」「来館者」「非来館者」「知の拠点」「図書館制度・経営」という5つの観点を研究する5 つのグループを設定して,日本の公共図書館全体を対象とする大規模な質的・量的調査を実施する。これによって日本の公共図書館に関して,それぞれの機能・サービスの基準とし,規模や地域経済など,図書館の状況に応じたベースラインを明らかにする。本研究により日本の公共図書館すべてに適用可能な評価パッケージを開発可能にすることが可能になると考えられる。
著者
池内 有為 逸村 裕
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.20-37, 2016-03-31

学術雑誌によるデータ共有ポリシーの分野別状況を明らかにするため,22分野各10誌の投稿規定を調査した。リポジトリにデータを公開して論文に識別子を記すポリシーと補足資料のポリシーを,それぞれの要求の強度に従って4段階に分類した。生物・医学の10分野はリポジトリによるデータ共有ポリシーの掲載率や強度が高い傾向にあり,共通のリポジトリを例示していたが,農学,薬理学・毒物学,精神医学・心理学の掲載誌はそれぞれ7,6,2誌であり領域内で差がみられた。地球科学,宇宙科学,社会科学はデータ共有が盛んであるが,リポジトリによるポリシーの掲載誌は7,6,4誌であった。また,工学など6分野は0〜2誌であった。全220誌の掲載率はリポジトリが59.5%,補足資料が89.5%であった。研究倫理やCOI(利益相反)に関する記述がある雑誌や商業出版社の雑誌は掲載率や強度が高い傾向にあることから,データ共有ポリシーは研究不正と関連があることが示唆された。
著者
岡部 晋典 佐藤 翔 逸村 裕
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.333-349, 2011-12
被引用文献数
2

本稿ではオープンアクセス運動の契機となったBudapest Open Access Initiative(BOAI)について分析し,これがどのような意図のもとで公開されたか調査した.まず,BOAIを提唱し,オープンアクセス運動を支援している財団であるOpen Society Institute(OSI)と,その設立者であるGeorge Sorosについて紹介し,彼らの思想的根拠であるKarl R. Popperの提唱した「開かれた社会」概念について概観した.また,BOAI中にその思想が影響していることを明らかにした.次に,オープンアクセス運動に関連する文献群中でのPopperおよび「開かれた社会」への言及状況とBOAIの受容状況の定量的計測から,オープンアクセス関係者の間での「開かれた社会」関連思想の認知状況を検討した.その結果,OSIは「開かれた社会」という政治思想の実現を目的にオープンアクセス運動に関与しているにもかかわらず,他のオープンアクセス運動関係者はこの思想の存在には言及していないことがあきらかになった.Open access movement is a hot issue in a recent Library and Information Science. This article analyzed 'the Budapest Open Access Initiative (BOAI),' which triggered the open access movement. First, this article introduced the foundation, 'the Open Society Institute (OSI),' which has proposed and supported BOAI, and its founder, George Soros. We also surveyed their philosophical basis, the concept of 'Open Society' -Karl R. Popper advocated. In addition, we revealed that BOAI was affected by the concept of 'Open Society'. Second, we revealed how people accepted the concept of 'Open Society' by quantitative analysis of literatures about open access. As a result, it was revealed that while OSI participated to the open access movements to achieve the concept of 'Open Society' people in open access movement have not referred to OSI's intention.
著者
吉川 次郎 佐藤 翔 高久 雅生 逸村 裕
出版者
情報メディア学会
雑誌
第14回情報メディア学会研究大会発表資料
巻号頁・発行日
pp.27-30, 2015

日本語版Wikipedia におけるDOI リンクが記述された経緯を明らかにするため、英語版Wikipedia の翻訳項目の特定およびそこに含まれるDOI リンクの分析を行った。その結果、DOI リンクが記述されている日本語版の約94%の項目が言語間リンクをもっていること、また、それらの項目間での共通のDOI リンクは、英語版の翻訳を通じて日本語版に記述されたものが大部分を占めることを示唆する結果が得られた。
著者
佐藤 翔 永井 裕子 古賀 崇 三隅 健一 逸村 裕
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.383-402, 2011-09-27 (Released:2011-12-13)
参考文献数
34
被引用文献数
2 2

本研究では機関リポジトリへの論文登録がその論文の被引用数と電子ジャーナルのアクセス数に与える影響を明らかにするために,『Zoological Science』掲載論文を2つの機関リポジトリに登録し,被引用数と電子ジャーナルアクセス数への影響を観察する実験を行った.実験は2008-2010年にかけ行い,実験前後の機関リポジトリ登録論文の電子ジャーナルアクセス数,被引用数の変化を,登録しなかった論文と比較した.また,機関リポジトリ登録論文の利用状況を分析するとともに,機関リポジトリ利用者と電子ジャーナル利用者をIPアドレスに基づき比較した.その結果,機関リポジトリへの登録により電子ジャーナルアクセス数が減ることはなく,新たな利用者を獲得できていた.しかし論文の被引用数を増やす効果はなかった.機関リポジトリ利用者の多くが動物学研究者ではなく,他分野の研究者や一般市民であったためと考えられる.
著者
松本 紳 逸村 裕 歳森 敦
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.91, pp.9-14, 2011-03

2007年度より改組され新たなスタートを切った筑波大学情報学群知識情報・図書館学類について記した。知識科学,情報経営・図書館,知識情報システムの三主専攻からなる学類の使命,教育理念,輩出すべき人材,そして1年次からのカリキュラム構成とその特色,就職先/進路について述べた。また学類と附属図書館とが協同で設置したラーニングコモンズとそこから派生した「図書館情報学若手の会(ALIS:Around Library and Information Science)の活動について記述した。学類は発足して 年目であり,今後,評価活動を通じてカリキュラムの見直し,改定すべき所を検証していくところである。