著者
酒井 昭嘉 若杉 友貴 浜田 聡 鈴木 敏行
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.354-359, 2016-05-25 (Released:2016-07-10)
参考文献数
3

臨床検査は診断効率をあげるうえで有用であり,医療を行っていくうえでは必要不可欠な存在である。しかし臨床検査室を取り巻く環境は厳しさを増しており,検査項目の包括化が進んでいる。このような状況の中,包括検査や同時併用による制限を考慮せず臨床検査が行われている。当院では電子カルテからの臨床検査オーダー時に同一日の複数回チェック,同時オーダー不可チェック,関連項目の上限チェックを行ってきた。今回,検査項目ごとの期間チェック機能を追加し,設定期間内であればワーニングを表示するシステムへ変更を行った。この機能の導入により過剰検査の抑制を行うことができた。
著者
眞榮城 和美 菅原 ますみ 酒井 厚 菅原 健介
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.182-188, 2007
被引用文献数
6

This study developed revised Japanese versions of the self perception profile for Children, for Adolescents and for College Students. The original versions have an idiosyncratic and time-consuming item format, which was revised by using only one statement for each item. Subjects were fifth to sixth grade students (Boys=129, Girls=152), tenth to twelfth grade students (Boys=112, Girls=100), and college students (Boys=96, Girls=153) in Japan. The reliability and validity measures showed that the revised versions were similar to the original versions. The present study provides some evidence for the use of these scales with Japanese students.
著者
酒井 孝真 長村 篤記 井田 明男 金田 重郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.64, pp.7-12, 2012-05-18

本稿では, SSM,システムシンキング,概念データモデリングなどの問題領域モデリングにおいて利用されるモデリング手法(概念活動モデル,因果ループ図,組織間連携モデル)をメタレベルで比較する.比較手法としてはUMLクラス図の他,英語の品詞を利用する.それにより,それぞれのモデリング手法が,問題領域を表現する概念(加算名詞,非可算名詞,動作動詞,状態動詞)のサブセットを利用して,対象のある側面のみを強調していることを示す.また,同様にして,手島による概念データモデリングの「静的モデル」が概念クラス図に一致しないことを示す.
著者
高月 紘 酒井 伸一 水谷 聡
出版者
Japan Society of Material Cycles and Waste Management
雑誌
廃棄物学会誌 (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5, pp.351-359, 1995-09-30
被引用文献数
5 9

災害に起因する廃棄物として, 解体廃棄物の発生原単位と, 一般廃棄物の組成の変化について検討した。原単位は重量と容量べースで求め, 鉄筋コンクリート, 木造家屋ともに, 重量ベースでは従来の報告値と近かったが, 容量ベースではかなり大きな値となった。これは, 災害復旧時には分別が不十分にならざるを得ず, 混合状態での積載になり荷台の空隙率が大きくなったためと推察される。一般廃棄物の組成調査では, 発泡プラスチック, PETボトル, 使い捨てカセットボンベなどの増加が見られ, 水道やガスのような生活基盤の欠如に起因する生活廃棄物の変化が顕著であった。またカセットボンベの約半数はガス抜きの穴が開けられておらず, 穴あけの徹底が求められるが, 排出量の顕著な増加を考えると, 事業者などによる別ルートの回収経路の確立も望まれる。
著者
道家 紀志 酒井 進 冨山 宏平
出版者
The Phytopathological Society of Japan
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.386-393, 1979
被引用文献数
6

ジャガイモ組織に過敏感反応を誘導する<i>Phytophthora infestans</i>の細胞壁成分(CW)とその誘導を抑制する水溶性グルカン(WSG)を各種宿主及び非宿主植物葉に,カーボランダムによる摩擦塗布処理をし,葉組織の過敏感反応性を調べた。ナス科のジャガイモ,トマト,ピーマン,ナス,トウガラシ,ダチュラ,ホーズキ,マメ科のダイズ,インゲン,エンドウ,ソラマメ,ササゲ,ユリ科のタマネギ,ネギ,テッポーユリの葉はCWに反応し,処理後24時間後には褐変え死細胞を生じた。ナス科のタバコ,アカザ科の4種,キク科の3種,十字花科の4種,イネ科の4種,バラ科の3種の各植物葉はいずれも,処理後72時間以内にも肉眼的観察可能な細胞の反応は示さなかった。 トウガラシ,ホーズキ,ダイズ,ササゲ及びシロザの葉はCWと同様に,WSGとも反応し褐変え死細胞を生じた。それらの処理により過敏感反応を起し得る葉は,処理後,5時間以内に異常な電解質の漏出を起した。これらの結果は,特定な科に属する植物が,<i>P. infestans</i>のCW及びWSGに対して,宿主・非宿主とにかかわりなく過敏感反応を起す性質を持つことを示唆した。
著者
道家 紀志 酒井 進 冨山 宏平
出版者
日本植物病理學會
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.386-393, 1979
被引用文献数
6

ジャガイモ組織に過敏感反応を誘導する<i>Phytophthora infestans</i>の細胞壁成分(CW)とその誘導を抑制する水溶性グルカン(WSG)を各種宿主及び非宿主植物葉に,カーボランダムによる摩擦塗布処理をし,葉組織の過敏感反応性を調べた。ナス科のジャガイモ,トマト,ピーマン,ナス,トウガラシ,ダチュラ,ホーズキ,マメ科のダイズ,インゲン,エンドウ,ソラマメ,ササゲ,ユリ科のタマネギ,ネギ,テッポーユリの葉はCWに反応し,処理後24時間後には褐変え死細胞を生じた。ナス科のタバコ,アカザ科の4種,キク科の3種,十字花科の4種,イネ科の4種,バラ科の3種の各植物葉はいずれも,処理後72時間以内にも肉眼的観察可能な細胞の反応は示さなかった。 トウガラシ,ホーズキ,ダイズ,ササゲ及びシロザの葉はCWと同様に,WSGとも反応し褐変え死細胞を生じた。それらの処理により過敏感反応を起し得る葉は,処理後,5時間以内に異常な電解質の漏出を起した。これらの結果は,特定な科に属する植物が,<i>P. infestans</i>のCW及びWSGに対して,宿主・非宿主とにかかわりなく過敏感反応を起す性質を持つことを示唆した。
著者
酒井 厚 中山 紫帆 深澤 祐介 熊谷 好恵 菅原 ますみ
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.505-517, 2016
被引用文献数
4

本研究は, 学校が家庭や地域との連携の核を担うアンカーポイント役割(小泉, 2002)の観点から, 小学校教員が子どもに他者と関わる機会を提供するためにその役割を担うことをアンカーポイント活動と定義し, 測定尺度の開発に基づく構造の確認と関連要因について検討することを目的とした。236名の小学校教員に対して, アンカーポイント活動への積極性, 保護者や地域に抱く信頼感, 勤務校が出身地かどうかなどの項目を含む自記入式の質問紙調査を実施した。教員のアンカーポイント活動への積極性尺度を作成し探索的および確認的因子分析を行ったところ, 「子どもの仲間づくり活動」, 「子どもと地域をつなげる活動」, 「子どもの暮らし・安全を支える活動」の3因子が抽出された。つぎに, 階層的重回帰分析を用いて, アンカーポイント活動への積極性の因子ごとに関連要因を検討した。その結果, 教員が保護者や地域住民に抱く信頼感の高さが, 各活動への積極性の高さを有意に予測しており, 両者間の関連性は, 教員の年齢や教員の勤務地が出身地かどうかによって調整されていた。例えば, 勤務地が出身地の場合に, 教員が地域に抱く信頼感の高さがアンカーポイント活動への積極性の高さをより予測しており, これらの結果から教員のアンカーポイント活動への積極性が高められる状況について議論された。
著者
酒井 哲也
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.147-158, 2006-02-15

本稿では,「正解レベル」を扱うことのできるもの,かつ比較的最近提案されたものを中心に,情報検索システムの評価指標について簡単に解説する.一口に情報検索といっても,なるべくたくさんの「正解」が欲しい場合もあれば「正解」が1件見つかれば充分な場合もあり,適切な評価を行うには利用シーンに適した信頼性の高い指標を用いるべきである.また,古典的な情報検索の枠組みでは手に負えない質問応答,特許検索およびXML検索という新しいタイプの検索タスクの評価の難しさについて紹介し,これらのタスクにおける検索評価指標の適用可能性についても触れる.
著者
中田 敏夫 酒井 恵美子
出版者
愛知教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、従来「気づかない方言」などとして関心が示されてきた「学校方言」について、学校建築用語に絞り、文献資料と方言資料から総合的に検討することで、個々の学校方言並びに標準語の成立と展開を分析し、その一般的な傾向を導き出すことを目的とした。「屋運」という愛知県一宮市に分布する語形を主な事例として、発生から周辺への広がりの実態とその背景である教育関係資料を渉猟し,縦軸と横軸をつなぎ合わせ、立体的に実証した。その結果、従来日本語資料として看過されてきた教育史資料及び各種法令を現代語研究を進める上で必須の資料群として位置づけ、十分な事例研究数とは言えないが、研究課題については達成できたと考える。
著者
諏訪部 直子 酒井 由紀子
出版者
特定非営利活動法人 日本医学図書館協会
雑誌
医学図書館 (ISSN:04452429)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.112-120, 2008-06-20 (Released:2011-09-21)
参考文献数
13

The qualification system for the library profession in Japan, regulated in the library law, mainly stipulates the requirements for becoming public librarians and does not endorse expertise in any other types of libraries. Under such circumstances, the Japan Medical Association, the JMLA, has provided training courses, research grants, scholarships, and awards to develop professional health sciences librarians. The JMLA launched its health sciences librarians credentialing program called the JMLA Health Sciences Information Professionals, JHIP, in 2004. The JHIP program was designed by modeling on its counterpart in the United States, the Academy of Health Science Information Professionals, AHIP, which was started in 1989 by the Medical Library Association, MLA. In this paper, authors described distinctive aspects of the JHIP by comparing it with the AHIP and reviewing three surveys on the AHIP conducted by the MLA and some researchers to debate some issues that a professional credentialing program may have, with the hope of seeking the appropriate direction JHIP program should take. The findings from the comparison and the review of the surveys are: the strength of AHIP is based on distinctive professional competence; related marketing/promotion activities; and continuous effort on evaluation and adjustment of the program as a part of MLA's integrated professional development program.
著者
南 康夫 與儀 剛史 酒井 啓司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.345, pp.1-4, 2005-10-13

光ビート分光Brillouin散乱法を用いて熱フォノン共鳴を観察することで固体(溶融石英)及び気体(窒素ガス)の音速を測定した.従来の光ビート分光Brillouin散乱法を用いて超音波吸収係数の小さいサンプルの1〜100MHz域でのBrillouin散乱スペクトルを測定すると, スペクトルの半値半幅は吸収係数により算出される値に比して大きなものとなる.これは光とフォノンの相互作用時間がフォノンの減衰時間に比べて短いことが原因である.そこで熱フォノンを共鳴させ, 共鳴による鋭いスペクトルを測定することで, 周波数分解能が飛躍的に向上した.溶融石英については音速の測定精度が3桁程度向上し, 0.0014%の精度で測定できた.
著者
末宗 洋 小田 晃造 佐伯 清太郎 酒井 浄
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.172-177, 1988-01-25

This paper describes the conversions of (-)-limonene to four nepetalactones (1,2,ent-3 and 4) in a stereocontrolled manner. The cis-3,4-disubstituted cyclopentanone (5) obtained from (-)-limonene via Rh(I)-catalyzed cyclization of the 4-pentenal, could be converted to the bicyclo[3.3.0]octenone (6). After the stereoselective conversion of 6 into the diastereomeric isomers of the ketones (8 and 16), a sequence of reactions involving the silyl enol ethers (18 and 19), ozonolysis, and subsequent lactonization afforded the target molecules.
著者
末宗 洋 丸岡 博 佐伯 清太郎 酒井 浄
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.4629-4634, 1986-11-25

This paper describes a conversion of (-)-limonen-10-ol to the key intermediate (1) for 11-deoxyprostaglandin. The 3,4-cis-disubstituted cyclopentanone (2), which was easily obtained from (-)-limonen-10-ol in a stereocontrolled fashion by means of Rh(I)-catalyzed cyclization via the 4-pentenal derivative, could be directly converted to the bicyclo[3.3.0]octenone (3) by treatment with KHSO_4 in boiling benzene. Compound 3 with a double bond at the favorable position was converted to 1 by way of fission of the double bond and subsequent modification of substituents on the five-membered ring.
著者
末宗 洋 原部 哲治 謝 卓峰 酒井 浄
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.36, no.11, pp.4337-4344, 1988-11-25

Asymmetric hydrolysis of 2,2-bis(acetoxymethyl)cyclopentanone (5) using biocatalysis and its application to a formal synthesis of (-)-melyngolide are described. For the asymmetric induction at the quanternary carbon of 5,cholinesterase from electric eel was found to be effective to afford the (+)-monoacetate (6) (90%ee). Compound (+)-6 was easily converted to the synthetic intermediate (28) for (-)-malyngolide.
著者
末宗 洋 原部 哲治 酒井 浄
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.36, no.9, pp.3632-3637, 1988-09-25

Two trihydroxy unsaturated C-18 fatty acids [(9S, 12S, 13S)-trihydroxyoctadeca-10E, 15Z-dienoic acid (methyl ester) and (9S, 12S, 13S)-trihydroxy-10E-octadecenoic acid (methyl ester)] isolated from rice plants as agents with activity against blast disease were synthesized from (+)-dimethyl tartrate.
著者
末宗 洋 上野 貢嗣 川原 哲也 小田 晃造 舟越 和久 酒井 浄
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.27, pp.108-114, 1985

In the synthesis of natural products consisting of the basic structure of cyclopentane ring, variously functionalized cyclopentanones are required as starting materials. Previously, we succeeded in a simple, highly stereospecific synthesis of the cis-3,4-disubstituted cyclopentanones by the mild reaction with RhCl(PPh_3)_3. By the application of this newer cyclization reaction, we have succeeded in the synthesis of cis,cis-dihydronepetalactone, prostanoic acid, 8-isoprostanoic acid, (+)-brefeldin A and carbacyclin in the optically active form from limonene or Corey lactone. These compounds were synthesized via the following key steps. 1) 3-(3-Oxobutyl)cyclopentanone was easily converted to the deconjugated bicyclic enone (3→4). 2) The regioselective alkylation of limonene was performed by using s-BuLi-TMEDA (1→8). 3) The cis-3,4-disubstituted cyclopentanone from limonen-10-ol could be converted to the trans-3,4-disubstituted cyclo-pentanone by the epimerization (15→16, 22→23).
著者
末宗 洋 川原 哲也 酒井 浄
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.550-557, 1986-02-25

Prostanoic acid (18) and 8-isoprostanoic acid (1) constitute the basic structures of primary prostaglandins and 8-isoprostaglandins. The conversion of commercially available (+)- and (-)-limonene to these compounds was accomplilshed by a sequence of reactions involving the Rh(I)-catalyzed cyclization of 3,4-disubstituted 4-pentenals, which were easily prepared from (+)- or (-)-limonene, to cis-3,4-disubstituted cyclopentanones and the appropriate modification of substituents on the five-membered ring.
著者
竹内 典之 酒井 徹朗 楊 潤田
出版者
京都大学農学部附属演習林
雑誌
京都大学農学部演習林報告 (ISSN:0368511X)
巻号頁・発行日
no.63, pp.p218-225, 1991-12

中国東北部興安嶺地域および東北平原における凍土の分布と道路, 橋梁, 建築物等の災害の概況について報告する。1. 興安嶺地域および東北平原は, シベリアに中心を持つ周極の永久凍土帯と季節凍土帯との移行帯に位置する。一般に, 永久凍土帯と季節凍土帯との移行帯においては, 土の凍結深度や凍土の融解深度が大きい。2. 興安嶺地域およびその周辺部は, 冬季には厳寒なシベリア気団の影響を強く受けるため気温が極めて低く, 他の同緯度地域に比べると凍結指数は1, 000 - 1, 500℃・Dayも大きい。また, 夏季には, この地域は比較的低緯度地域に位置するうえに, この地域に向かって太平洋高気圧から吹き込む温暖多湿な季節風の影響により比較的気温が上昇する。そのため, この地域においては, 凍結指数, 融解指数ともに極めて大きく, 永久凍土地域にあっては活動層厚が, また, 季節凍土地域にあっては最大凍結深度が極めて大きいのが特徴である。3. 興安嶺地域および東北平原は, 凍土の分布状況から (1) 連続永久凍土区, (2) 不連続永久凍土区, (3) 点在永久凍土区, (4) 季節凍土区に分けられ, この地域の地理, 気象条件から点在永久凍土の分布面積が極めて広いのがこの地域の特徴の一つである。4. 興安嶺地域および東北平原においては, 永久凍土地域にあっては活動層が, また, 季節凍土地域にあっては最大凍結深度が極めて大きいことから, 土の凍結 - (凍上) - 凍土の融解の過程で発生するさまざまな現象によって引き起こされる道路, 橋梁, 建築物等の災害も多岐にわたり, 被害の程度も極めて大きい。5. 興安嶺地域および東北平原における道路, 橋梁, 建築物等の災害は, (1) 土の凍結 - (凍上) - 凍土の融解の過程で発生するさまざまな現象によるもの, (2) 永久凍土地域に特有な地表水, 地下水の凍結による巨大氷塊 (涎流氷, 氷椎, 氷丘等) の生成と融解によるもの, (3) 地被条件等の人的あるいは自然的な撹乱による土の凍結深度あるいは凍土の融解深度の増大によるもの, (4) その他とに大別できるようである。