- 著者
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酒井 伸一
- 出版者
- Japan Society of Material Cycles and Waste Management
- 雑誌
- 廃棄物学会誌 (ISSN:09170855)
- 巻号頁・発行日
- vol.8, no.4, pp.322-335, 1997-05-31
- 被引用文献数
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6
4
残留性, 生物蓄積性, 揮散移動性, 毒性を有する残留性有機汚染物質 (Persistent Organic Pollutants) に対して, グローバルアクションが求められつつある。POPsのうち, 非意図的副生成物の代表例であるダイオキシン類について, その発生源や環境動態などの問題の所在を要約しつつ, 1997年1月に公表されたごみ処理対策に係る新ガイドラインの論点について述べた。今回の新ガイドラインの特徴は, (1) ダイオキシン類発生抑制のためには高度技術適用とすべきであること, (2) 連続炉への転換やRDF化施設などシステム対応の重要性が示されたこと, (3) 高度廃ガス処理とともに残渣対策によりダイオキシン類の環境蓄積回避に向けた社会コントロールユニットとしての機能が期待されていること, にある。とくに, 3点目は排ガスのみでなく, 処理残渣に含有されるダイオキシン類を含めたダイオキシン類排出総量をごみ1tonあたり5μgTEQ以下とすることが将来的な目標とされた。この目標は, ごみとしてはすでに50μg TEQ/ごみton程度のダイオキシン投入負荷を有しており, これをごみ処理施設において分解低減化できるようなシステムに変革することを意味する。ダイオキシン類の環境移動と産業社会の相互関係を意識したコントロール戦略としては, 個々の発生源対策である発生抑制とともに, リサイクル循環系との協調コントロール, および環境サイクルコントロールが重要である。