著者
金子 真
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では次の3点を主張した:i)日本語のタチ・ラは英語の複数形と異なり、累加複数 (ex.「学生タチ」=students)だけでなく、結合複数 (ex.「学生タチ」=学生とその他)、similative plural (ex.「今日ラ」=今日ナンカ)、coordinated whole (ex.「トムとジェリータチ」:タチは2匹が事態の中で対称的位置にあることを表す)など多様な用法を持つ。ii)タチ・ラは単複の区別の中和を表し得る。iii)タチ・ラの定性、特定性は、基本用法である結合複数用法において、「主名詞の外延はその他の成員より際立ち度が高い」という語用論的制約が課されることから生じる。
著者
金子 真
出版者
日本フランス語学会
雑誌
フランス語学研究 (ISSN:02868601)
巻号頁・発行日
no.37, pp.48-53, 2003-06-01
著者
古澤 仁美 宮西 裕美 金子 真司 日野 輝明
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.318-325, 2003-11-16
被引用文献数
20

ニホンジカによって林床のミヤコザサが強度の探食を受けている大台ヶ原の針広混交林において,シカ排除区とササ刈り区を設けてリターおよび土壌の移動量を測定した。移動した樹木葉と樹木枝は非ササ刈り区ではササ刈り区と比べて小さく,ミヤコザサにはこれらの移動を抑止する効果が認められた。ミヤコザサの地上部現存量とリターおよび土壌の移動量とは指数関数的な負の相関が認められた。シカ排除処理後3年間経過した区ではミヤコザサの地上部現存量は回復し,リターおよび土壌の移動量は他の広葉樹林で報告されている値と同程度であった。それに対してシカを排除しない対照区ではリターおよび土壌の移動量は他の広葉樹林の約1.2〜4.3倍であった。現在の大台ヶ原ではニホンジカによるミヤコザサの採食の影響でリターおよび土壌の移動量が増加していると示唆された。
著者
東森 充 内海 圭祐 大本 康隆 金子 真
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.74, no.743, pp.1825-1833, 2008-07-25

This paper discusses a dynamic manipulation of an object on a plate attached at the tip of manipulator, where the basic concept is inspired by a handling mechanism of pizza master. Both the position and the orientation of object are dynamically controlled by the plate. The main driving force for manipulating the object is produced by the combination of inertial and frictional forces generated by one rotational and one translational motion of the plate. We first discuss how to make motions of object for three degrees of freedom on the plate. We then show that it is guaranteed to achieve an arbitrary set of desired position and orientation of object by the proposed manipulation scheme. Finally, we show a couple of experiments for confirming the basic idea by using a high-speed manipulator with an assistance of vision.
著者
藤井 良知 阿部 敏明 田島 剛 寺嶋 周 目黒 英典 森 淳夫 佐藤 肇 新納 憲司 砂川 慶介 横田 隆夫 秋田 博伸 岩田 敏 佐藤 吉壮 豊永 義清 石原 俊秀 佐野 友昭 中村 弘典 岩井 直一 中村 はるひ 宮津 光伸 渡辺 祐美 久野 邦義 神谷 齊 北村 賢司 庵原 俊昭 桜井 實 東 英一 伊藤 正寛 三河 春樹 久保田 優 百井 亨 細井 進 中戸 秀和 西村 忠史 杉田 久美子 青木 繁幸 高木 道生 小林 陽之助 東野 博彦 木野 稔 小林 裕 春田 恒和 黒木 茂一 大倉 完悦 岡田 隆滋 古川 正強 黒田 泰弘 武田 英二 伊藤 道徳 松田 博 石川 純一 貴田 嘉一 村瀬 光春 倉繁 隆信 森田 秀雄 森澤 豊 浜田 文彦 辻 芳郎 横尾 哲也 林 克敏 冨増 邦夫 木戸 利彦 上原 豊 森 淳子 森 剛一 内田 哲也 大塚 祐一 本廣 孝 半田 祥一 山田 秀二 沖 眞一郎 吉永 陽一郎 荒巻 雅史 織田 慶子 阪田 保隆 加藤 裕久 山下 文雄 今井 昌一 鈴木 和重 岡林 小由理 金子 真也 市川 光太郎 曽田 浩子 清水 透子 長田 陽一 木葉 万里江 石橋 紳作 高橋 耕一 杉山 安見児 三宅 巧 荒木 久昭 垣迫 三夫 前野 泰樹 下飛田 毅 高岸 智也 松隈 義則 平田 知滋 田中 信夫 永山 清高 安岡 盟 林 真夫 天本 正乃 津村 直幹 小野 栄一郎 神薗 慎太郎 中嶋 英輔 永光 信一郎 野正 貴予 松尾 勇作 樋口 恵美 長井 健祐 末吉 圭子 橋本 信男 弓削 健 久保田 薫 川上 晃 渡辺 順子 藤澤 卓爾 西山 亨 岩永 理香子 牛島 高介 山川 良一 山村 純一 富永 薫 臺 俊一 安藤 寛 久田 直樹 藤本 保 元山 浩貴 丸岡 隆之 伊達 是志 杉村 徹 西依 淳 朝木野 由紀 山田 克彦 是松 聖悟 早川 広史 佐々木 宏和 木村 光一 山田 孝
雑誌
The Japanese journal of antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.921-941, 1995-07-01
被引用文献数
19
著者
樋田 大二郎 岩木 秀夫 耳塚 寛明 苅谷 剛彦 金子 真理子 大多和 直樹
出版者
聖心女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

われわれが1979年以来行ってきたデータの再分析、および日本、シンガポールの再調査を行っている。シンガポールは、非常に学歴が重視される国であり、研究者の間ではメリトクラシー(能力と努力の結果が支配する)の国であると考えられている。こうした背景には、シンガポールの国際社会やアジアにおける軍事的、経済的位置づけやさらには多民族の融合というこの国独自の事情がある。しかし、それだけでなく、人々を学習に駆り立て、学習の結果を人材の社会的配分の基準にすることを正当化するような考え方や仕組みが存在する。一昨年度以来のわれわれの調査では、シンガポールは、教育政策においてアファーマティブ・アクション(マイノリティへの優遇:大学入学枠の確保、点数の加算など)や救済重視的な社会的敗者対策はとらずに、競争参加への機会均等をすべての国民に対して保証する/競争の結果に基づいて地位配分を行う/競争の結果に基づいて地位配分が行われるプロセスと基準を明確化し納得させる/競争の内容(学習の内容と方法)を明示化し納得させる/競争の内容(学習の内容と方法)を「学問中心」ではなく、生徒の興味、企業からの要請や国際社会からの要請に応じたものにしている/競争の内容(学習の内容と方法)が卒業後の生活と結びついていることを生徒に認知させ、納得させる/競争の結果に基づいて手厚いエリート教育と手厚い大衆教育を行う/敗者復活の機会を用意する、などの教育政策を採っている。しかし、こうしたシステムのあり方に加えて、授業面で、私たちの知見では、シンガポールは、授業内容が卒業後の進路とレリバンスが高く、それを可能にするために、コース設置、教員採用、カリキュラム、教科書などが、現場裁量に任せられる部分が大きく、ガンバが進路先とコミニュケーションを親密にとっている。
著者
後藤 義明 金子 真司 池田 武文 深山 貴文 玉井 幸治 小南 裕志 古澤 仁美
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.327-336, 2004-11-16
参考文献数
36

人工的に調整した海水をクヌギ林に散布して,空中消火による海水の散布が森林に及ぼす影響を調査した。海水散布後の樹冠通過雨の導電率(EC)およびNa^+,Cl^-濃度は急激に上昇したが,降雨とともに低下し,2カ月後には平常の状態に回復した。土壌抽出水のECは海水散布の1週間後にピークに達し,その後は徐々に低下していった。土壌抽出水のECが最も高かった1週間後であっても土壌に残留する塩分は植物に障害を与えることはないであろうと判断された。海水散布の2日後には葉に褐変が現れ,11日後にはほとんどの葉に壊死が生じた。木部圧ポテンシャルの測定から,この褐変は葉が水ストレス状態になったことによる萎凋ではなく,海水による葉への直接的な影響によるものと考えられた。海水散布後の5カ月間は落葉量が増加したが,それ以降は海水散布の影響は現れなかった。胸高直径および樹高成長,堅果生産量にも海水散布の影響は現れなかった。今回の実験により,海水16mm(16Lm^<-2>,散布時間約10分)程度の散布量であれば,クヌギの生育に大きな影響を及ぼすことはないと判断された。