著者
畑島 隆 谷本 茂明 金井 敦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J101-D, no.10, pp.1414-1426, 2018-10-01

インターネットが社会基盤として重要になるにつれ情報セキュリティ対策の重要性が増し,内容も複雑化・高度化している.しかし,これら対策が複雑化し過ぎた場合,却って利用者のセキュリティ意識を低下させる恐れがある.米国国立標準技術研究所(NIST)からもSecurity Fatigue(情報セキュリティ疲れ)が提唱され,情報セキュリティ対策の実施によって生じる疲れが述べられている.一般に,情報セキュリティ疲れは全てのICT利用者に発生し得るものであり,この疲れに陥ることでセキュリティ対策の効果が抑止されることが課題である.本論文では,情報セキュリティ疲労対策の核となる情報セキュリティ疲労度測定を質問紙調査により実施する手法を提案する.具体的には,一般的な燃え尽き症候群(バーンアウト)の測定手法を援用した質問紙作成と大学生に対する調査実施により,「回避願望」,「消耗感」,「当事者意識」の下位尺度による13項目の質問からなる情報セキュリティ疲労度調査法を具現化した.更に,評価として新たに作成した質問紙調査により消耗感について男女別の尺度得点の平均値に1%水準で有意な差が見られることを示した.
著者
岡村 聡 坂本 泉 金 容義 石塚 治 湯浅 真人 冨士原 敏也 藤岡 換太郎 倉本 能行 前田 仁一郎
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.7, 2007

孀婦岩構造線は,伊豆・小笠原弧を北部と南部に二分する大構造線であり,北北東―南南西方向の走向を示し,その東側斜面に沿って比高最大1500mの急崖が発達し,地殻の深部断面を観察することができる.<Br> 孀婦岩構造線の南東に位置する沢海山は,鮮新世の活動年代を示す火山フロント帯火山であり,島弧玄武岩の化学組成を示す.<Br> 孀婦岩構造線沿いに観察される地殻断面(孀婦地塊)は,後期中新世を示す塊状の溶岩・貫入岩とハイアロクラスタイト及び,それらを供給するフィーダーダイク・溶岩が観察される.孀婦地塊を基盤とする背弧側には中新世~鮮新世に活動した小海丘群が存在する.孀婦地塊と小海丘群の火成岩類は,いずれも背弧海盆玄武岩の特徴を示す点で共通するが,後者はIndian Ocean MORBタイプアセノスフェアの寄与が大きかったことを示唆する.
著者
金藤 敬一
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.856-859, 1994-12-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
9
被引用文献数
2 2

ポリアニリン薄膜は電解酸化と還元により伸縮する.両電極にポリアニリン薄膜を用いた短冊型アクチュエータを試作した.1M塩酸水溶液中で電極間に1.5Vの交流電圧をかけると,最小曲率半径が1cmの円弧になる屈伸運動を繰り返した.このアクチュエータの原理,特性および特徴について述べる.
著者
大和 祐子 玉岡 賀津雄 熊 可欣 金 志宣 YAMATO Yuko TAMAOKA Katsuo XIONG Kexin KIM Jeeseon
出版者
名古屋大学言語文化研究会
雑誌
ことばの科学 (ISSN:13456156)
巻号頁・発行日
no.31, pp.39-58, 2017-12

本研究では,韓国人日本語学習者31名を対象に,語彙テスト36問および漢字読み取り・書き取りテスト各24問(合計48問)の結果から,韓国人日本語学習者の語彙知識と漢字の読み書き能力との因果関係を検討した。日本語の語彙知識が漢字の読みと書きに同時に貢献する並列モデルと日本語の語彙知識がまず漢字読み取り能力に貢献し,読み取り能力を介して漢字書き取り能力に貢献するとする逐次モデルを想定して,それぞれのデータとモデルの適合度を構造方程式モデリングの手法で調べた。その結果,逐次モデルテストの結果を最もよく反映していることが分かった。韓国人日本語学習者は,日本語の基本的な語彙知識から漢字語の読み(音韻的表象群の形成)を習得し,その記憶の蓄積から,漢字語の書き取り能力(書字的表象群の形成)を向上させるという因果関係をみいだした。本稿は,科学研究費補助金・若手研究(B)「非漢字圏学習者の漢字語彙学習の成功に影響する要因の解明:効果的な学習支援のために」(課題番号:16K21145,研究代表者, 大和祐子),科学研究費補助金・挑戦的萌芽研究「動詞と共起する名詞群の検索エンジンの構築と読解および聴解に対する共起知識の貢献」(課題番号:16K13242,研究代表者, 玉岡賀津雄)および日本学術振興会特別研究員奨励費(熊可欣:15J03617)の助成を受けた研究成果の一部である。
著者
金沢 好宏
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.668, pp.140-143, 2006-12-25

前号までのあらすじ 葉山銀リースのウェブサイトがクラッキングされる。予告どおりだった。さらに、顧客情報が漏れたことをマスコミにばらすという脅迫状が封書で届く。差出人名には退社時に顧客情報を持ち出した熊谷のメールアカウントが使われていた。熊谷の同期である情報システム部の三津井課長は本人に会って事情をきくが、熊谷は潔白であることが判明する。
著者
戸張 和明 坂本 潔 岩路 善尚 金子 大吾 上松 初 大久保 智文
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. D, 産業応用部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. D, A publication of Industry Applications Society (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.130, no.5, pp.614-624, 2010-05-01
参考文献数
8
被引用文献数
2 1

We propose a new beatless control mechanism for permanent-magnet synchronous motor (PMSM) drives. In drive systems, the three-phase voltage source induces a ripple component whose frequency is six times that of the voltage source frequency in the DC voltage. Therefore, if the motor frequency becomes six times the voltage frequency, a beat phenomenon, which causes an increase in the motor current ripple is observed. We analyze the beat phenomenon which causes current ripples and propose a method based on periodic disturbance current regulation, i.e., beatless control. We carry out time-domain simulation and various experiments and demonstrate the effectiveness of the proposed controller.
著者
石井 将大 森 健人 松浦 知史 金 勇 北口 善明 友石 正彦
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-43, no.2, pp.1-8, 2018-09-20

本論文では,東工大 CERT におけるセキュリティインシデント対応のフローと,インシデントの重要度,対応に至るトリガー等の判断基準を示し,将来的なインシデント対応の自動化を見据えた,ログ ・ 検知イベント分析基盤の構築と運用方法について述べる.初めに,東工大 CERT が行ってきたインシデント対応のパターンを整理し,本学におけるインシデントの分類とそれらの性質を述べ,インシデント対応のフローやリスク判断について,JPCERT / CC や NIST 等が定める一般的な基準と比較した上で,インシデント対応の自動化に必要な点について明らかにする.更に,高度標的型攻撃対策としての本学における Lastline の運用方法と,SOC 業務の省力化やインシデント対応の自動化を視野に入れた,Splunk を利用したログ分析基盤環境の構築について述べる.最後に,これら自動化の柱をなす機械学習手法の適用について,一部試行的な取り組みを紹介し,考察を与える.
著者
金 正福 川村 秀憲 鈴木 恵二 Shofuku KIN Hidenori KAWAMURA Keiji SUZUKI
雑誌
SIG-DOCMAS = SIG-DOCMAS
巻号頁・発行日
no.B301, 2013-10-22

Multi-Agent Simulation (MAS) is efficient for analysis of various social mechanisms. Recently,there are many studies on massive agent model to explain more complex social phenomena. Then,we aim for implementation of large scale simulation model using Repast HPC toolkit, a platformfor massive agent model. In this article, we build ”Schelling Segregation Model” for spatial modelusing geospatial data provided OpenStreetMap, an open source project creating a free editablemap. In this model, agents are located continuous space , not grid in original. When an agentis ”unhappy” and migrate to new location, it costs agents some simulation time depending ondistance between old location and new one. This article reports simulation results using Japanesecities and verification result about execution time.
著者
島 義弘 福井 義一 金政 祐司 武儀山 珠実
出版者
日本感情心理学会
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.28-36, 2013-10-25 (Released:2014-02-21)
参考文献数
34

This article was retracted.
著者
矢満田 健 羽生田 正行 宮澤 正久 吉田 和夫 金子 和彦 天野 純
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.175-181, 1996-04-20 (Released:2011-08-10)
参考文献数
15

症例は51歳男性で1983年6月23日左肺癌にて左上葉切除術およびリンパ節郭清が施行された. 組織学的には高分化型腺癌でpT2NOMO, stageIの診断であった. その後肺再発にて, 初回手術の3年6ヵ月後に左下葉部分切除術を, その4年8ヵ月後に左のCompletion Pneumonectomyを, さらにその1年9ヵ月後に右肺上葉の部分切除術をと, 3回の肺再発にて初回手術を含め合計4回の肺切除を施行した. 本症例は組織学的所見を考慮し, すべて初回手術時の再発肺癌と診断したが, 再発に対する積極的な再手術により本例のように比較的良好な予後を呈する症例が存在するので, 呼吸機能の評価で可能であれば, 積極的な外科治療が必要と思われる.
著者
金平 博樹 伊藤 学 窪田 陽一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D2(土木史) (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.231-236, 1994

本研究では、明治から昭和初期 (第二次大戦以前) に埼玉県内に架設された橋梁を対象に調査を行った。県管理道路台帳、本邦道路橋輯覧や橋梁史年表 (藤井郁夫編) などから212橋のデータを収集した。この半数以上は一応現存している。また、県内戦前橋梁の現状を探るため、東北・高崎線沿線地域と荒川上流の秩父地方の現地調査を行った。これらの調査結果をもとに対象期間に架設された橋梁の特徴を述べ、考察するものである。