著者
只石 朋仁 鈴木 英樹
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.351-359, 2019 (Released:2019-10-20)
参考文献数
46

【目的】高齢在宅パーキンソン病(以下,PD)患者45 名を対象に,生活空間の評価と関連する因子を検証した。【方法】評価項目はLSA,MDS-UPDRS part Ⅲ,転倒予防自己効力感尺度(以下,FPSE),10 m 歩行テスト,Timed up & go test とした。MDS-UPDRS part Ⅲの下位項目を振戦,固縮,無動,軸症状にそれぞれ割りあてた。LSA と各項目の関連性をスピアマンの相関係数で検討し,LSA を従属変数とする階層的重回帰分析を行った。【結果】LSA に関連したのはFPSE(β = 0.39, p < 0.01)と軸症状(β = –0.54, p < 0.01)であり,自由度調整済み決定係数は0.66 であった。【結論】軽症から中等症のPD 患者において生活空間の狭小化にはFPSE と軸症状が関係していた。PD 患者の活動支援には軸症状に対する理学療法と,運動能力に見合った自己効力感を保つための心理的支援が必要と考える。
著者
山寺 博史 中村 秀一 鈴木 英朗 遠藤 俊吉
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学雑誌 (ISSN:00480444)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.53-56, 1997-02-15 (Released:2009-07-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

We experienced a 49 years old female SAD patient who showed a good response the next day after alprazolam 1.2 mg administration. The back ground EEG of the patient showed a abnormal EEG with slow waves. The personality was colored with histerical features. The nadir of body core temperature from rectum slightly delayed in remission phase compared with depressive phase. The patient became hypomania and calmed down gradually. Alprazolam tratment is seemed to be available for SAD patients. (J Nippon Med Sch 1997; 64: 53-56)
著者
中田 智子 高田 勝美 小森 万希子 鈴木 英弘 菅原 基晃
出版者
特定非営利活動法人 日本バイオレオロジー学会
雑誌
日本バイオレオロジー学会誌 (ISSN:09134778)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.27-33, 1997-09-30 (Released:2012-09-24)
参考文献数
35

Using the rabbit ear chamber (REC) method, the author compared the effect of hypocapnia and that of normocapnia on cutaneous microcirculation of rabbits. Eight rabbits, weighting 3-4kg, were used for this study, which were anesthetized with pentobarbital and pancuronium. To maintain PaO2 at 100-150mmHg and PaCO2 at 20-25mmHg (HYPOCAPNIC GROUP), they were mechanically ventilated with air-O2 and regulated. After observing the circulation of arteriole during hypocapnia for 15-20 minutes, to induce normocapnia, 100% CO2 was added to the inspired gas stepwise until PaCO2 reached 35-45mmHg (NORMOCAPNIC GROUP). And the circulationof arteriole was observed during normocapnia for 15-20 minutes.No significant changes were observed in the blood pressure, heart rate and pulse pressure. However, significant change was observed in pH. During hypocapnia, the diameter, blood-flow velocity and blood-flow rate of the arterioles were markedly reduced (p<0.05).This study using REC has shown that hypocapnia causes cutaneous microcirculatory changes and increase systemic vascular resistance.
著者
鈴木 英子 吾妻 知美 丸山 昭子 齋藤 深雪 高山 裕子
出版者
一般社団法人 日本看護管理学会
雑誌
日本看護管理学会誌 (ISSN:13470140)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.36-46, 2014-07-15 (Released:2018-08-10)
参考文献数
28

本研究では,新卒看護師が先輩看護師に対し,職務上アサーティブネスになれない状況と理由を明らかにした.102名の新卒看護師にアサーティブネスの定義を説明した上で「過去1年間に職場でアサーティブにしたかったけれども出来なかった状況」と「理由」を尋ねる自記式質問紙調査を実施した.分析はKrippendorffの内容分析を参考にした.有効回答数は73名で,平均年齢は23.7±4.9歳であった.アサーティブになれない状況は,1.業務分担の依頼を断れない,2.統一されていない指導に対する困惑が言えない,3.仕事に関する叱責や注意に対して反論できない,4.先輩の気になる言動について発言できない,5.自分や新卒看護師に対する言動に反論できない,6.仕事に対する不安が言えない,7.先輩のミスによる濡れ衣に反論できない,8.私的な依頼が断れない,9.その他,に分類された.理由は,1.人間関係を重視した,2.指導を受ける身であるため,3.面倒を避けたいと感じた,4.先輩に育ててもらっているという思い,5.自分が出来ないことを知られたくない,6.仕事を教えてもらえなくなる恐怖,7.やるべき仕事をしないと思われたくない,8.慣れない環境で疲れ切っていた,9.自分に責任が有る,10. 恐怖心を感じた,であった.新卒看護師は,先輩看護師に職務上多種多様な状況で言いたいことを言えないでいた.
著者
山口 大輔 上野 貴大 荒井 駿 佐野 井雪 山本 陽平 佐々木 和人 鈴木 英二
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1511, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】徒手筋力計(以下:HHD)は筋力の定量的な評価を可能とし,簡便性,コスト面においても有用と考えられている。HHDを用いた下肢筋力測定法の信頼性・再現性については数多く検討されてきているが,未だに統一された見解に至っていない。現段階ではHHDを用いた測定法はDanielsらの徒手筋力検査法(以下:MMT)に準じて行うことが望ましいとされている。しかし,実症例に対してMMTの方法は測定肢位がとれない等の理由から正確な筋力評価が行えていない場合も少なくない。我々はHHDを用いた測定法で測定肢位に苦慮する股関節伸展,外転,膝関節屈曲において実症例に対する測定し易い別法を考案し,MMTの方法による測定値との間に正の相関があることを報告した(股関節伸展:r=0.57,股関節外転:r=0.68,膝関節屈曲:r=0.58)。そこで,今回は本法における検者内及び検者間の信頼性について検討したので報告する。【方法】測定機器にはHHD(モービィMT-100,酒井医療社製)を用い,測定単位は重量キログラム(kgf)とした。検者内の検討では1名の検者(臨床経験3年目の男性理学療法士)が30名の健常成人(男性24名,女性6名,平均年齢23.5±3.7歳)を対象に同日内での3回反復測定による信頼性を検討した。また,検者間の検討では3名の検者(臨床経験1年目の男性2名,女性1名の理学療法士)が健常成人5名(男性3名,女性2名,平均年齢24.4±2.6歳)の左右10肢を対象に測定し,3回の最大値を代表値として検討した。被験者の疲労が反映されないよう3日間に分けて測定し,測定順が同一にならないよう配慮した。また,検者には研究の目的,意義は教示せず,的確に実施できるよう測定方法と注意点のみ説明した。HHDを用いた別法は実症例で測定し易い肢位を考慮し,股関節伸展は足底と床面が離れた端座位を測定肢位とし,大腿遠位部後面と座面との間でHHDを圧迫する方法とした。股関節外転は背臥位で両側下腿遠位部にベルトを装着し,検者が対側下肢を固定した上で,被験肢の股関節外転を行わせるベルト固定法とした。膝関節屈曲は足底と床面が離れた端座位にて下腿遠位部にベルトを装着し,検者の抵抗に対し膝関節を屈曲する徒手抵抗法とした。検者内及び検者間での測定方法は統一とし,各測定時間は最大努力での約5秒間,各測定間には約30秒の休息時間を設け,計3回ずつ測定した。統計学的分析には級内相関係数(Intraclass correlation coefficients:以下ICC)を用い,検者内信頼性係数はICC(1,3),検者間信頼性係数はICC(2,3)を用いて算出した。また,統計処理にはIBM SPSS Statistics 21を用い,有意水準は1%とした。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は所属機関の倫理委員会で承認を受け,全対象者に十分な研究内容を説明し,同意を得た上で実施した。【結果】検者内信頼性は股関節伸展ICC(1,3)=0.97,股関節外転ICC(1,3)=0.98,膝関節屈曲ICC(1,3)=0.98であった。検者間信頼性は股関節伸展ICC(2,3)=0.81,股関節外転ICC(2,3)=0.88,膝関節屈曲ICC(2,3)=0.81であった。【考察】ICCの評価基準として桑原ら(1993)は0.8~は良好,0.9~は優秀とし,Landisら(1977)は0.81以上をalmost perfectと述べている。本研究の結果では検者内及び検者間信頼性共に全項目で高い信頼性が得られた。股関節伸展のMMTに準じた測定方法は腹臥位をとることが必要条件となる。しかし,実症例では腹臥位がとれない対象も少なくない。平野ら(2004)は背臥位で股関節伸展の測定方法における信頼性を報告しているが,検者が2名必要であり,測定の簡便性に対しては不利となる為,今回は測定肢位を座位とした。測定結果には体重や重力の要因が加味されるため,被験者間での比較は困難であるが,臨床において個々の対象者における経時的な筋力評価には有用な方法と考える。股関節外転は測定肢位を背臥位,測定方法をベルト固定法にし,測定バイアスを最小限に留めたことで,比較的高い信頼性が得られたと考える。膝関節屈曲は臨床でより簡便性を重視した徒手抵抗法にて測定した。Reeseら(2001)はHHDを使用した測定方法の制約として,検者が十分な抵抗力を与えることができない事を挙げ,検者の抵抗力が測定結果に影響を及ぼす可能性があると報告している。しかし,本研究の結果では検者内及び検者間において高い信頼性を認め,徒手抵抗による膝関節屈曲測定法の有用性が示唆された。本研究の限界は,対象が健常成人である為,実症例で同様の結果が示せるか現段階では不明であるが,本研究結果での高い信頼性は本法の有用性を支持するものとなった。【理学療法学研究としての意義】実症例を想定した本法の検者内及び検者間信頼性の検討において有用な結果を示せたことは,今後の理学療法分野における筋力測定法の一助になると考えられる。
著者
鈴木 英二 中挾 知延子 近藤 邦雄 佐藤 尚 島田 静雄
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.61-62, 1996-03-06
被引用文献数
2

本研究の目的は、漢字1字単位の電子化漢字シソーラスを構築し、それを日本語文章の語句解析へ利用することである。従来の日本語電子化シソーラスは、名詞を中心に単語別に分類したものが多い。人間の大人の平均的な語彙数は約4万語であり、大量の新語が毎年生ずることを合わせて考えてみると、そのシソーラスのサイズは莫大なものとなる。そこで、我々は日本語の単語を構成する文字、特に漢字に注目した。漢字は表意文字であり、1字のみで最小の単語の役目を持っている。通常、文章で使われる漢字の総数はJIS第1水準で約3000字であり、これは英米語の基本単語数とほぼ一致する。同時に漢字は、日本語文章において仮名と組み合わせることによって、名詞・用言などの自立語を構成できる柔軟性がある。さらに、漢字には訓読みが与えられており、和語として日本語の語彙を広範に表現できる。その漢字の造語能力の高さが、大量の新語が生ずる原因ともなっているが、新しい漢字の発生とその利用の固定は滅多に起きず、安定した語の集合を保っている。この理由は、漢字の使い方に名詞・動詞・形容詞・副詞など、品詞別の用途に規則があるからである。漢字の有するこれらの特長を利用できれば、日本語文章の解析に役立つと我々は考えた。また、外国人への日本語教育、とりわけ漢字を教育する時の利用も考慮している。漢字1文字に複数の読み方が与えられており、それが外国人が漢字を学習するに当たって困難さを増している。読み方が解らないために、辞書を引くこともままならないという事態が発生する。そのため、漢字仮名混じり文から読みだけでも解れば、有用なものとなると我々は考えた。以下、第2章で今回構築した漢字シソーラスの概要を示し、第3章でそれを日本語文章の語句解析へ利用したものの一例を述べる。最後にまとめを第4章として示す。
著者
鈴木 英治
出版者
日本熱帯生態学会
雑誌
Tropics (ISSN:0917415X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.5-16, 1999 (Released:2009-02-28)
参考文献数
14
被引用文献数
2 1

カリマンタンとジャワ島に作った50 個(合計17.8 ha) の調査区の植生データから,樹木の多様性について議論した。熱帯低地林で最も多様性が高く,山地林や二次林で多様性が減少した。西カリマンタンのほうが束力リマンタンよりも多様性の高い調査区があった。同じ植生地域ですぐ近くに作った1 ha の調査地問でも共通種は5ー7 割しかなく,別の州の調査地問でも数%は共通種が出現するが,その理由を種数面積曲線から推測した。 生態的な機能面での多様性を,風散布果実と材の比重から考えた。フタバガキ科は尊片が発達する風散布と,発達しない重力散布の果実を作るが,それぞれ著しい大きさの違いがあった。また,日本のカエデ属と比較してSJz orea の羽根は変異の幅が広かった。材も特にShorea では種による比重の差が著しく,このような生態的性質が異なる種を多数もつことがアジア熱帯林においてShorea 属の優占の一因と考えられた。他の種も材の比重において温帯林より変異の幅が広かった。このように,熱帯林では分類学的に多様であるだけでなく,生態的機能も面でもさまざまな種が存在するように思われた。
著者
宮澤 宏文 白根 実央 佐藤 広祝 佐々木 和人 鈴木 英二
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.19-22, 2012 (Released:2012-03-23)
参考文献数
6

高齢者は疾患にかかわらずバランス能力の低下をきたしていることが多い。当院ではスリングを用いて,運動戦略のうち,股関節戦略,足関節戦略を模したエクササイズを実施している。この股関節運動戦略エクササイズと足関節運動戦略エクササイズについて,各エクササイズ前後にfunctional reach test(以下FRT)とTimed Up and Go test(以下TUG)を実施した。また合わせて重心動揺計を利用して安定性限界の測定も行った。股関節運動戦略エクササイズではFRTの向上が認められ,静的バランスの向上が示唆された。足関節運動戦略エクササイズではFRT,TUGの両方で向上が認められ,静的バランスだけでなく動的バランスの向上が示唆されたが,安定性限界の測定については,有意な変化を認めなかった。
著者
鈴木 英之 柴田 創 藤岡 弘幸 平林 紳一郎 石井 希実子 菊池 紘樹
出版者
The Japan Society of Naval Architects and Ocean Engineers
雑誌
日本船舶海洋工学会論文集 (ISSN:18803717)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.81-90, 2013
被引用文献数
3

Rotor-floater-mooring coupled response analysis is essentially important for design of Rotor Nacelle Assembly (RNA) and floating support structure of Floating Offshore Wind Turbine (FOWT). The authors have developed an analysis code UTWind for the analysis of the coupled response. Blades and floater are modeled as frame structure with beam elements. Lumped mass model is use for mooring. Aerodynamic load on blade is calculated by Blade Element Momentum Theory (BEM), and hydrodynamic load is calculated by Hooft's method, and Morison equation was modified to be applicable to cylindrical element with cross section with two axes of line symmetry. The equations of motion of rotor, floater and mooring are solved in time domain by weak coupling algorithm.The numerical results by the code were compared with experimental results in wave and wind-wave coexisting condition with/without blade pitch control and showed good agreement. Response by negative damping was reproduced by the code and showed good agreement with experiments.
著者
大野 大地 鈴木 英樹 水谷 良二
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【はじめに,目的】厚生労働省による高齢者介護実態調査では,介護施設において入所し生活されている高齢者の中で,膝関節に拘縮をかかえ,さらにズボンの脱着動作に介助を要している者が過半数いることがわかっている。寝たきりの高齢者に対するリハビリテーションでは,主疾患に加え,加齢や寝たきりによる合併症状(視覚障害や難聴,認知症,覚醒レベルの低下など)がみられ,意思表示を含めた本人の主観的な疼痛や疲労感などを客観的な指標で把握することが困難とされている。寝たきりの高齢者にとって,急激な体動や疼痛によって起こる心肺反応は,急性心筋梗塞や脳梗塞の再発リスクになることがわかっている。しかし,日常的な介護に伴う心肺反応を客観的に測定した研究は少ない。そこで今回は,膝関節の伸展制限を有する寝たきり高齢者の下衣脱着動作介助に着目し,介助時の心肺反応の変化をみるとともに,関節可動域の変化が,それらの反応にどのような影響を及ぼすのかを明らかにしたいと考えた。【方法】介護老人保健施設入所利用者の中で,65歳以上で且つ障害老人の日常生活自立度判定基準がB及びCランクに該当する者の中から,医師の指示のもとバイタルサインが安定しており膝関節に10度以上の伸展制限を有している者を対象とした。無作為に抽出した6名で研究を開始した。研究は,Single Subject design - ABA法を用い,非介入4週間,介入6週間,非介入4週間の全14週間を期間とした。計測項目は,膝関節の他動伸展可動域,下衣脱着動作介助に伴う対象者の血圧,脈拍,SPO<sub>2</sub>,呼吸数,マスク圧,介助にかかる所要時間,体動回数とし,介入の前後で比較した。体動センサーは,腹部に装着した。介助実施者は,施設内にて選定された対象者を日頃から担当していて,且つ介護経験5年以上の者とした。介入は,平均週2回の個別リハビリテーションの他に,膝関節の他動的な関節可動域運動(全可動域5回)とハムストリングスのストレッチ(60秒間)を1日2回(午前・午後)実施し,毎介入後は獲得された最終可動域で保持できるようポジショニングを1時間行った。以上の条件にて週5日間,計6週間実施した。【結果】介入前と比較し介入後は,「膝関節の他動伸展可動域」が拡大した。また,介入後は,下衣脱着動作介助時の「血圧(SBP,DBP,PP),脈拍,SPO<sub>2</sub>」が減少した。介助時の「呼吸数,マスク最大陰圧」においては増加した。「介助にかかる所要時間(脱ぎ,履き),体動回数」は減少した。【考察】下衣脱着動作介助時の「血圧(SBP,DBP,PP),脈拍,SPO<sub>2</sub>」が介入前と比較し,介入後に減少したことについて,膝関節の他動運動介入が要因として考えられるが,このことについて石田らは寝たきり高齢者に対する他動運動は循環機能を高め,精神的にも落ち着かせると考察している。また,「介助時の呼吸数,マスク最大陰圧」が介入後に増加したことについて,介入による循環機能の向上が要因として考えられるが,このことについて堀田らは活動する筋の酸素要求に応じて呼吸を調節する機能が運動開始直後にもあり,運動開始直後の呼吸数を高めることで酸素摂取量増加に影響すると考察している。そして,「介助にかかる所要時間(脱ぎ,履き),体動回数」が減少したのは,関節可動域が拡大したことがよりスムーズな脱着動作につながったと考えられ,これについて井手ら,小林らは,他動的に着衣させる場合においても関節可動域が重要であると報告している。【理学療法学研究としての意義】これまで,日常的な介護に伴う心肺反応を客観的に測定した研究は少ない。今回,膝関節の他動伸展制限を有する高齢者に対し,膝関節の他動伸展運動を行うことで,下衣脱着動作介助に伴う高齢者の血圧や脈拍,SPO<sub>2</sub>の変化を低下させる可能性があることが示唆された。また,関節可動域制限が軽減されることは,介助をする側にとっても介助をより安全でスムーズに進める上で重要な要因であると考える。
著者
荻野 雅史 江連 和己 渡辺 彰 佐々木 和人 鈴木 英二
出版者
社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
埼玉理学療法 (ISSN:09199241)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.20-24, 1995 (Released:2003-08-05)
参考文献数
7
被引用文献数
1

三郷市健康フェアーに参加した一般県民74名(男性31名,女性43名)を対象に,ウエストヒップ比と肥満指標(Body Mass Index,体脂肪率,皮脂厚)及びWBIの関連性について調査検討した。その結果,ウエストヒップ比と肥満指標・WBIとの間には相関関係が認められた。このことから,ウエストヒップ比は,肥満の評価には有用であり,また,筋力低下による下肢痛などの障害発生の一指標になる可能性があると考えられた。
著者
鈴木 英怜那 須永 剛司
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

本稿では、観光学や観光人類学において重要なテーマとされる「真正性」(本物らしさ:authenticity)をもとに、食品系観光みやげのパッケージに頻出するデザイン的要素を分析した。観光土産の真正性を担保する要素として「非近代性」「ものがたり性」「贈答性」があることを明らかにし、観光土産において頻繁に用いられる視覚的要素との関連性を論じた。観光土産のパッケージについて観光学的視点を用いて検討することで、新たな観点からのパッケージデザインの考察を試みる。
著者
佐藤 裕久 菊池 亘 鈴木 英
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.63, no.616, pp.2618-2623, 1997-12-25
被引用文献数
7 3

An unsteady-wave-sensing-system (UWSS) is developed for evaluating the wave propagation characteristics of polymethyl methacrylate (PMMA) for loading-reloading-unloading waves using plate-impact experiments and three PVDF gauges. By applying the UWSS, stress, particle-velocity, strain and two kinds of phase velocities at one location in the PMMA are determined as functions of time. The phase velocities U^σ associated with the stress profiles are generally different from the other phase velocities U^υ associated with the particle-velocity profiles. From loading to reloading are transitions very near from the Hugoniot in the stress-strain plane, but from reloading to unloading are transitions upward off the Hugoniot. In the region of our experimental stress, PMMA does not behave as liquid and the Hugoniot of PMMA is not effective for the loading-history-characteristics.