著者
上田 磨歩 鈴木 裕利 山下 隆義 板井 陽俊 石井 成郎
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2017-CE-139, no.17, pp.1-6, 2017-03-04

著者らは,これまでペア活動によるプログラミングの授業に関して様々な評価,分析,および,改善を行ってきた.本稿では,授業の改善によって確認された学習行動の変化に着目して評価した.具体的には,モデリング,および,プログラミング活動に関する分析の結果について報告する.
著者
鈴木 裕之
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.125, no.6, pp.37-62, 2016 (Released:2018-10-05)

本稿の目的は、内裏の夜間警備(夜行・宿直)の分析から、摂関期における左右近衛府の機能を検討することである。律令制以来、衛府は内裏警備を主たる職掌とした。夜間の警備も同じく規定されていた。延喜式段階でも、その職掌は継承された。本稿の問題意識は、このような内裏の夜間警備が摂関期(一一世紀)に機能していたか、あるいは貴族に認識されていたかという点にある。従来の研究で否定的に理解されてきた摂関期の左右近衛府の治安維持機能について、内裏夜行・宿直の観点から再検討した。 まず、延喜式の夜行・宿衛規定の分析を起点とした。夜行に関する諸規定から、六衛府すべてが内裏・大内裏の夜行に関与していることを指摘した。内裏夜行の検討が、摂関期の左右近衛府の性格を知るうえで有効であると判断した。また、宿衛は考第・昇進の条件として考えられていた。内裏夜行・宿衛の実態史料の分析から、その日常性が確認できた。 次に、一一世紀の左右近衛府の内裏夜行・宿直を考えるため、行事書・儀式書から次第を確認し、古記録から実態を検討した。その結果、摂関期における左右近衛府の内裏夜行・宿直の日常性が明らかとなり、貴族が治安維持組織たる左右近衛府を認識していたことを指摘した。 最後に、内裏夜行・宿直の有効性を補足する論点として、内裏火災における左右近衛府の活動に着目した。摂関期の内裏火災において、消火活動と予防組織としての左右近衛府の姿がみられた。消火・予防という活動の背景には、内裏夜行・宿直の有効性とそれに付随する貴族認識があると考えた。 従来の研究で否定的に理解されてきた左右近衛府の治安維持機能を、内裏の夜間警備を通じてみることで、肯定的に捉えようとしたのが本稿である。儀式関与・芸能・摂関家への奉仕など、様々な存在形態が認められる左右近衛府であるが、本来的な治安維持組織としての姿もその一つとして認めるべきであると結論づけた。
著者
櫻井 佳宏 鈴木 裕子 関場 大樹 廣瀬 悠基 南澤 忠儀 神先 秀人
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Ab0697, 2012

【はじめに、目的】 動作中のかけ声の効果として,単関節運動において,最大努力時の筋出力の増大や最大収縮速度の上昇に有効であることなどが知られている.しかし,最大努力下における閉鎖運動連鎖での多関節運動中のかけ声の効果について検証した報告はない.本研究の目的は,最大努力下の立ち上がり動作における,かけ声の効果を運動学的および筋電図学的側面から検討することである.なお,本研究では,かけ声を「力を入れる時に発する声」と定義した.【方法】 対象は整形及び神経疾患の既往歴がない健常男性10名(年齢21.9±1.4歳,身長171.4±6.2cm,体重64.4±6.6kg)である. かけ声の効果をみるため,動作の遂行が限界に近い高さの台からの立ち上がり動作を,かけ声有り(有声群)とかけ声なし(無声群)の2条件で行わせた.最初に,各対象者が,体幹の回旋を伴わない,座位からの直線的な立ち上がり動作が可能な最低限の高さを,1cm単位で調節して決定した.その際,足部を椅子から10cm離して肩幅まで開き,足関節を中間位にして胸の前で腕を組むように指示した.次に,有声群には最も立ち上がりやすい時期に,できるだけ大きな声で「よいしょ」というかけ声を発しながら立ち上がるように指示し,無声群には息を吐きながら立つように指示した.各条件での立ち上がり動作を各3回ずつ行わせ,動作中の運動学的データと筋活動を三次元動作解析装置および表面筋電図を用いて測定した.動作開始は,矢状面上で頭部のマーカーが前方へ移動し始めた点とし,動作終了は頭部マーカーが最高位に達した点とした.また,動作開始から殿部離床までを第1相とし,殿部離床から動作終了までを第2相として相分けした. 三次元測定では赤外線反射マーカーを頭頂と左右の肩峰,股関節,膝関節,外果,第5中足骨頭の計13箇所に貼付し,サンプリング周波数60Hzで記録した.矢状面における頭頂マーカーの位置座標から,動作全体における頭部の平均運動速度と前後移動幅を算出した. 筋活動は右側の腰部脊柱起立筋(Es),外側広筋(VL),前脛骨筋(TA)の3筋を被検筋とし,サンプリング周波数は1200Hzで取り込んだ.筋活動開始時期は,整流波形において安静時筋電位の最大値を持続して超えた最初の時点とした.筋活動量は,動作全体および各相の積分筋電値(IEMG)を算出した.また,50msec毎のRMSを最大随意性収縮時に対する比率(%MVC)として算出し,経時的な活動パターンを追うとともにその最大値を解析に用いた. 統計処理は,各動作3試行の平均値を用いて2条件で比較をし,対応のあるt検定及びWilcoxon符号付順位和検定を行った.有意水準は5%とした.【倫理的配慮、説明と同意】 被検者には本研究の目的を口頭および文章にて十分に説明し,書面による同意を得たのちに測定を行った.【結果】 運動開始から筋活動開始までの時間は両群に差は認められなかった.計測した1つの筋が活動を始めてから,他の2筋すべてが活動を始めるまでの時間において無声群では216±108msec,有声群では148±95msecと,有声群で有意に短縮した. %MVCの最大値は両群とも殿部離床直後に記録され,Esの無声群が123±80%,有声群が157±118%となり,有声群で有意な増加を示した.他の2筋に関しては両群間で有意な差は認められなかった. IEMGは動作全体をみると,VLでは有意な差は見られなかったが,EsおよびTAにおいて有声群に有意な減少を認めた.相毎のIEMGでは,第1相においてはいずれも有意な差はみられなかったが,第2相においては,3筋とも有声群が有意な減少を示した. 頭頂マーカーの移動速度は,無声群が0.63±0.14m/s,有声群が0.79±0.15m/sと,有声群で有意に増加し,前後移動幅は有声群で有意な減少を示した.【考察】 最大努力下の立ち上がり動作時にかけ声を発することで,3筋による同時期の活動を促すとともに,離殿時期にEsの筋活動を高め,立ち上がり動作時の体幹前屈角度の減少を起こした.こうした体幹前屈の少ない動作パターンに変化させたことで,離殿以降の3筋の筋活動量や頭部の前後移動幅の減少をもたらしたと推測された. 本研究結果から,かけ声は,筋の協調的な活動や一時的な筋力の発揮を助けるとともに,動作全体における筋活動量や重心移動を抑える効果を持つ可能性が示唆された.【理学療法学研究としての意義】 本研究により,動作中のかけ声の効果を,運動学的,筋電図学的に示すことができたと考える.また,本研究結果は,臨床において立ち上がり動作などを指導する際にも利用できると考える.
著者
鈴木 裕子
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.177-195,242-24, 1977-02-20 (Released:2017-10-05)

In March Cf 1868, the Meiji government's regulations against Christianity were made public. These new regulations in terms of content were inherited directly from the Bakufu. This decision was due to the complicated state of national affairs which included attacks on the government by the remnants of the Bakufu army and the ongoing clashes between foreigners and anti-foreigners. However, once these regulations were issued as law, the government had to preserve them, lest any change weaken its own authority and become a source of criticism against the government by those elements opposed to the new Meiji regime. The exiling of the thirty-four hundred Christians from Urakami Village in Nagasaki was the largest concession the Meiji government could make to foreign countries. This decision was implemented in December of 1869 despite delays resulting from the war. At first, the regulations concerning Christianity had no connection with the plan to make Shinto the established religion. However, this link was made during the government's efforts to retain the anti-Christian regulations. Accordingly, though the government promised generous treatment to foreigners after the Urakami villagers had been exiled, the government did not have any concrete plans to carry out its promise. Only in the fall of 1870 did Christianity become a subject of lively debate in the government, and that was simply because there was a fear of a problem possibly taking place in Kagoshima, the home of many important people in the government. The Ministry of Foreign Affairs, which had been receiving a constant stream of protests from foreign countries, understood that the problem of Christianity in Japan was an important one in foreign affairs. Yet, it had little power in the government and so did not participate in the making of government policy decisions concerning this issue. Nonetheless, the Foreign Ministry had continued to appeal to the government to keep the promises it had made to other countries. In the spring of 1871 the central government's suppression of the rebel forces ended in success. In July of the same year the "han" system was dissolved and replaced by the "ken" system of local government. As the government continued to centralize power and to institute organizational changes in the governmental system, it then began to show its willingness to change its policy by its handling of the Imari Incident in Saga and its release of those Urakami villagers who had given up their belief in Christianity. Also emerging at this time were demands for the end of any anti-Christian regulations by members of Japanese governmental missions in Europe and America. In February of 1872 when the government's concern over the discontented elements in Japan had come to an end, the enforcing of anti-Christian regulations also came to an end. In this way we can see that while the Meiji government's policy towards Christianity was a concern of Japanese foreign policy, essentially it was influenced more by domestic political factors and changes during this Period.
著者
鈴木 裕美
出版者
日経BP社
雑誌
日経エコロジー (ISSN:13449001)
巻号頁・発行日
no.128, pp.70-73, 2010-02

植物由来プラスチックの利用が急速に広がり始めた。ペットボトルや車、家電など、これまで不向きとされた製品に続々と採用されている。厳しい使用環境に耐え、かつ成型しやすい技術が開発され、普及が進む。 「国内最軽量で環境負荷が小さいペットボトル」をアピールし、2009年5月の発売から約半年で2億本を売り上げたミネラルウオーター「い・ろ・は・す」。
著者
鈴木 裕美
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.340, pp.46-52, 2004-05

BGMは、どんなジャンルの音楽をかけるかはもちろん、かけるタイミングや音量によっても、店の印象をがらりと変える。お客の滞店時間やスタッフの動きに影響を与え、結果として売り上げまでも左右する大事な要素だ。戦略的なBGM選びで居心地のいい店を目指そう。 「昨日のお昼を食べたお店では、どんな音楽が流れていた? 」。こう聞かれてすぐに答えられる人は、少ないだろう。
著者
武田 豊彦 鈴木 裕介 稲津 邦平 坂元 照男 前川 秀幸
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
薬学雑誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.109, no.6, pp.p395-401, 1989-06

Cephalothine sodium (CET-Na) in crystals can be obtained by freezing the aqueous solution and subsequent warming at a fixed temperature for facilitating crystallization prior to vacuum application for drying. The product has, however, been found to unavoidably contain traces of the amorphous CET-Na, which causes a rapid color development during storage. By using thermal analysis, differential scanning calorimetry (DSC), electric conductometry, and polarized light cryomicrographic techniques, the solubilities in water, freezing point, eutectic point, and melting behavior of CET-Na in aqueous solution were investigated. The investigation demonstrated that CET-Na in supersaturated aqueous solution is very stable, and that seeding with microcrystalline CET-Na to the supersaturated solution and subsequent cooling of the mixture till its freezing point gives neither any evidence for crystallization nor for growth of the seed crystals. The freeze-drying of CET-Na in the supersaturated solution after seeding has been demonstrated to give crystalline CET-Na contaning neither of amorphous nor of quasicrystalline form.
著者
柴田 昇 神田 和重 久田 俊記 磯部 克明 佐藤 学 清水 有威 清水 孝洋 杉本 貴宏 小林 智浩 犬塚 和子 金川 直晃 梶谷 泰之 小川 武志 中井 潤 岩佐 清明 小島 正嗣 鈴木 俊宏 鈴木 裕也 境 新太郎 藤村 朋史 宇都宮 裕子 橋本 寿文 御明 誠 小林 直樹 稲垣 泉貴 松本 勇輝 井上 諭 鈴木 良尚 何 東 本多 泰彦 武者 淳二 中川 道雄 本間 充祥 安彦 尚文 小柳 勝 吉原 正浩 井納 和美 野口 充宏 亀井 輝彦 加藤 洋介 財津 真吾 那須 弘明 有木 卓弥 Chibvongodze Hardwell 渡邉 光恭 丁 虹 大熊 直樹 山下 竜二 Liang Guirong Hemink Gertjan Moogat Farookh Trinh Cuong 東谷 政昭 Pham Tuan 金澤 一久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.15, pp.1-5, 2012-04-16

世界最小の19nmのデザインルールを用いて64Gb多値(2bit/cell)NANDフラッシュメモリを開発した。片側All-bit-Line S/A構成、1plane構成によりチップサイズは112.8mm^2。ビット線バイアスアクセラレーション及び"BC"State-First書込みアルゴリズムにより、書き込みパフォーマンスは15MB/sを実現。プログラムサスペンド機能とイレーズサスペンド機能により、リードレイテンシー時間は大幅に短縮。400Mb/s/pin 1.8Vの高速Toggle mode InterfaceをNANDフラッシュメモリとしては初めて搭載した。
著者
新屋 徳明 田中 翔太 山内 康太 後藤 圭 鈴木 裕也
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.524-531, 2023-08-15 (Released:2023-08-15)
参考文献数
20

今回,重症熱傷後に両下腿切断となり,不安・抑うつやPTSDの危険性が高まっている高齢患者を経験した.さらに,コロナ禍による面会制限によって,家族の不安感も増強していた.そのため,本事例と家族双方への精神的支援の目的として交換日記を開始した.その結果,本人の不安・抑うつの改善やPTSDの危険性は低下し,また家族の不安感の軽減にもつながっていた.その後は,リハビリに対して前向きに取り組むことが可能となり,良好な経過を辿り,最終的に自宅退院に至った.交換日記は,熱傷後の精神・心理的状態における精神的支援や,コロナ禍による面会制限がある中での情報共有の手段の一つとして有用な可能性が示唆された.
著者
田中 周平 垣田 正樹 雪岡 聖 鈴木 裕識 藤井 滋穂 高田 秀重
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.75, no.7, pp.III_35-III_40, 2019 (Released:2020-03-23)
参考文献数
10
被引用文献数
2 4

本研究では,下水処理場の処理工程におけるマイクロプラスチック(以下,MPs)の挙動と琵琶湖への負荷量を把握することを主目的として,2017年11月~2018年2月に4か所の流域下水処理場(分流式)の流入水,放流水,処理工程別において100μm以上のMPsを,流入水と放流水ではさらに10~100μmのMPsの分析を行った.その結果,下水,処理水,汚泥,スカムなどから合計30種類のMPsが検出され,流入水中のMPs濃度は158~5,000個/m3であった.放流水中のMPs濃度は0.3~2.2個/m3であり,放流先の琵琶湖水中のMPs濃度と同等であった.一方,10~100μmのMPsの除去率は76.3%であった.100μm未満のMPsの除去は急速砂ろ過を行っても不十分であると示唆された.4つの下水処理場からの合計負荷量は501,630個/日と推計され,晴天時の琵琶湖流入河川からの総負荷量とほぼ同じであることが示された.
著者
鈴木 裕也
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.595-599, 1996-10-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
21

神経性食欲不振症や神経性過食症の経過中にてんかん様の痙攣発作が観察されているが, その発生機序は不明のままであった。今回, 過食嘔吐後にてんかん大発作を来した神経性過食症(DSM-III-R)の1女性例を呈示した。発作時の血糖値は46mg/dlであった。過食後のIRI値が血糖値に比し高く, 嘔吐後に反応性低血糖が起こり, カテコールアミンやグルカゴンなどのインスリン拮抗ホルモンの反応はみられないことが原因と考えられた。低血糖発作のあと翌朝まで続く遷延性の頭痛が観察された。本例は神経性過食症にみられる痙攣と過食嘔吐後の反応性低血糖との因果関係を示した最初の報告例である。
著者
鈴木 裕太郎
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.33, no.12, pp.1191-1198, 1979-12-20 (Released:2011-12-02)
参考文献数
30

甲状腺機能低下症では呼吸困難, 動悸, 全身の浮腫, 腹水, 心陰影の拡大, 心電図の異常所見など心臓病を疑わせる症状や臨床所見を主徴として発症することがある. このような場合, 甲状腺機能低下症が根底にあることが解るまでに年月を要することが多い. ここに6症例を報告し考察を行つた. 心不全との鑑別は最も困難なものの一つであり重要である. 心陰影の拡大は多くの場合心嚢水腫によるものであるが, 心筋の異常による心拡大もあるようである. 心嚢液が高蛋白, リバルタ反応陽性であることは炎症または悪性腫瘍転移によるものと誤られやすいので注意を要する. 6例のうちの1例はSick Sinus Syndromeを主徴として発症したもので今までに報告例を見ない. このような心臓循環器系の症状を主徴とした甲状腺機能低下症の診断にはまずその存在を疑うことが重要である. 病気がカモフラージされているのでmasked hypothyroidismとも呼ばれるが, 臨床医にとつて日常の診療に際し注意すべきことと考える.
著者
鈴木 裕也
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.154-158, 2014-02-01 (Released:2017-08-01)

摂食障害は社会的要因に大きく関係した疾患であり,「社会文化結合症候群」というとらえ方がある.本症の患者数は統計的に把握しにくいが,EDNOSを含めると患者は増加の一途をたどっていると思われる.産業構造の変化による1980年代からの女性の社会参画増加による育児への影響や,競争社会によるストレスの多い排他的な,子どもたちにとって住みにくい社会へと変貌している状況から,今後も患者数は増加することが危倶される.「やせ礼讃社会」によるダイエットの流行と本症の増加にみられる関係は,裕福な経済状態という社会的環境変化を潜伏変数とした擬似相関であり,発症要因としての因果関係はないと考える.
著者
鈴木 裕之
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.198-201, 2017-12-15 (Released:2018-03-15)
参考文献数
10
被引用文献数
1