著者
伊藤 栄作 大平 寛典 斉藤 庸博 柳 舜仁 筒井 信浩 吉田 昌 柳澤 暁 山内 栄五郎 鈴木 裕
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.49, no.9, pp.850-856, 2016-09-01 (Released:2016-09-22)
参考文献数
19
被引用文献数
1 3

症例は53歳の女性で,胃癌に対して腹腔鏡補助下胃全摘術を施行した.再建は機能的端々吻合によるRoux-en Y再建を行った.術後,食道空腸吻合部の屈曲による通過障害を発症し,内視鏡的な処置を繰り返し行ったが改善を認めず,術後1年の時点で磁石圧迫吻合術(山内法)を施行した.術後経過は良好で食事摂取可能となった.自験例での通過障害の原因としては,吻合部が縦隔内へ引き込まれたこと,盲端のステープルが挙上空腸へ癒着したこと,術後に食道が短縮したことなどが考えられた.山内法は磁石を用い管腔臓器を吸着し,挟まれた組織の壊死をじゃっ起し瘻孔を形成する治療法である.自験例は食道空腸吻合部が縦隔内に近い位置に存在するため再吻合術は困難が予想された.屈曲部に対する吻合を行う場合は吻合すべき腸管同士は近接しており,山内法による空腸-空腸吻合術は良い適応と考えられた.
著者
鈴木 裕美
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.350, pp.56-61, 2005-01

あなたは自店の「本当の実力」を知っているだろうか? 自身では気付かない客離れの兆候や、意外な長所を探るべく、時には勝手に、あるいは依頼を受けて、覆面調査員がチェック。彼らの評価から、噂や口コミに惑わされない、店の真の姿が浮かび上がる。徳島産の「阿波尾鶏」や鹿児島産の「さつま知覧どり」など、地鶏を中心に提供する鶏料理専門店。
著者
安池 慎治 鈴木 裕一
出版者
公益社団法人 日本地下水学会
雑誌
日本地下水学会会誌 (ISSN:00290602)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.163-171, 1986 (Released:2012-12-11)
参考文献数
12
被引用文献数
2

The Kanto Loam is a deposit of the volcanic ash, and is widely distributed in the Kanto district. The purpose of this paper is to clarify the effects of tube-like macropores on hydraulic conductivities and on its anisotropy of the Kanto Loam. The permeability tester developed for this study was used to measure the anisotropy of conductivities. By using this device, it is possible to obtain the conductivities of two directions (vertical and horizontal) in one sample, simultaneously. Undisturbed soil samples for this measurements were taken at the outcrop in Kawasaki city in every 1 meters height. As a result, the following conclusions are obtaind.1. The hydralic conductivities of the layer with many tube-like macropores is much larger than that of layer with few macropores. The magnitude of the difference is 10 times in horizontal direction and 100 times in vertical.2. The anisotropy of the hydraulic conductivity is also much influenced by the effects of tube-like macropores. Without tube-like macropores, the ratios of Kv (vertical hydraulic conductivity) to Kh (horizontal one) range from 1.0 to 1.5, while with macropores, the ratios of Kv to Kh range from 3.0 to 20.
著者
鈴木 裕美
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.398, pp.68-72, 2008-05

4月1日の19時過ぎ。「高松が自慢できるとっておきの店」という評判を聞き、居酒屋「贔屓屋 かくれんぼ」へ向かおうとした記者を、1人の常連客が引き止めた。「この時間じゃあ入れるかどうか。もう少し遅くなってからでないと、店の外までお客が並んでるんじゃないかなあ」─。 平日の夜、116席の広さの飲み屋で、しかも車でないと行きにくいロードサイドの店である。
著者
関根 康正 野村 雅一 松本 博之 小田 亮 松田 素二 小馬 徹 野村 雅一 小田 亮 松田 素二 小馬 徹 KLEINSCHMIDT Harald 松本 博之 棚橋 訓 鈴木 裕之 GILL Thomas P. 加藤 政洋 島村 一平 玉置 育子 近森 高明
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

ストリートの人類学は、流動性を加速させるネオリベラリズムとトランスナショナリズムが進行する再帰的近代化の現代社会に資する人類学の対象と方法を探求したものである。現代の「管理社会」下ではホーム・イデオロギーを逸脱したストリート現象の場所は二重の隠蔽の下にあるので、画定しにくいがゆえにまずは正確な対象画定が重要になる。系譜学的にそれを掘り起こしたうえで、そのストリート現象についてシステム全体を勘案した体系的なエスノグラフィを書くことを試みた。この<周辺>を<境界>に読み替えるというネオリベラリズムを適切に脱却する人類学的な新地平を開拓した。
著者
和崎 春日 上田 冨士子 坂井 信三 田中 重好 松田 素二 阿久津 昌三 三島 禎子 鈴木 裕之 若林 チヒロ 佐々木 重洋 田渕 六郎 松本 尚之 望月 克哉
出版者
中部大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

「グローバル化時代における中下層アフリカ人の地球的移動と協力ネットワーク」現代社会において、グローバライゼーションを生きるのは、北側社会や特別なアフリカ人富裕層だけではなく、「普通の」アフリカ人たちが、親族ネットワーク等を駆使して、地球を広く縦横に生き抜いている姿が、本共同研究から析出された。その事実を基礎にした外交上の政策立案が必用になってくることを、本共同研究は明らかにした。
著者
木田 千晶 鈴木 裕子
出版者
日本子育て学会
雑誌
子育て研究 (ISSN:21890870)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.15-28, 2020 (Released:2020-10-20)
参考文献数
27
被引用文献数
1

本研究では、「ママ友」との関係が構築されるプロセスを通して、子育てをする母親らの「ママ友」という存在の捉え方を明らかにすることを目的とした。それによって、変わりゆく社会の中で母親たちが求める子育て支援のあり方を検討するための基礎資料を得る。対象者は、第1子を幼稚園に通わせた専業主婦である母親7名である。妊娠の判明から就学直後までの他の母親との関係を半構造化面接によって調査し、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。 その結果、4つのカテゴリー【存在を認識】【関係の質の判断】【自分の中での位置づけ】【関係の進展】及びそれに含まれる11のサブカテゴリー、32の概念が作成された。母親たちが「ママ友」という存在を捉えるとき、【存在を認識】することによって「ママ友」を意識し始め、多様な【関係の質の判断】をしながら、【自分の中での位置づけ】を行い、その後、【関係の進展】を経験することが認められた。母親らにとっての「ママ友」は、繰り返される関係構築のプロセスにおいて、その存在の捉え方が変化し続けることが示された。「ママ友」は、母親自身の子育て状況や周囲の環境の変化によって、ポジティブな存在にもネガティブな存在にもなり得る、決して安定した存在でないことが示唆された。
著者
鈴木 裕介
出版者
日本交通学会
雑誌
交通学研究 (ISSN:03873137)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.115-122, 2021 (Released:2022-04-08)
参考文献数
11

わが国では2017年5月に自転車活用推進法が施行され、国や地方自治体によって、交通体系の1つとして自転車の活用が推進されている。しかし、自転車の活用が進む中で、自転車事故は無視すべきではない問題である。確かに近年の自転車事故は、交通事故全般の発生件数と同様に減少傾向にあるが、自転車事故の社会的費用は2018年で3,444億円と推定され、自転車事故の発生をいかに抑制していくかという課題とともに、自転車事故の被害をいかに減らしていくかという施策も議論しなくてはならない。そこで本稿は、自転車事故の対策として、海外でも導入事例があり、国内でも導入が検討されている自転車用のヘルメットの着用施策に焦点をあて議論を進める。具体的には18歳以下及び75歳以上の自転車運転者に対し、頭部を保護するヘルメットの着用義務化を行った場合の効果を分析する。そしてヘルメット着用に関する施策のあり方について議論する。
著者
杉江 夏呼 西谷 章 古谷 誠章 矢崎 裕信 鈴木 裕美 藤村 太史郎 永井 香織
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.20, no.46, pp.1105-1110, 2014-10-20 (Released:2014-10-20)
参考文献数
9

The summary describes a rehabilitation work for practical use on the building 2 (formerly library) in Waseda University. The examination identified the importance of the building 2 for the university, the process of construction, the preceding rehabilitation work, etc. The rehabilitation of shikkui ceilings and the seismic reinforcement were conducted, preserving its cultural value. “T. T-WALL”, the wall for reinforcement, looking like the bookstack, was developed this time, reflecting an ideology by Tachu Naito, who designed the building 2 structurally. It may be one of the first attempts for rehabilitation work to inherit an ideology of a structural designer.

2 0 0 0 悪性黒色腫

著者
松島 誠 黒水 丈次 岡本 康介 長谷川 信吾 下島 裕寛 河野 洋一 香取 玲美 杉田 博俊 小菅 経子 鈴木 裕 鈴木 和徳 池上 雅博 栗原 聰元 大田 貢由
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.374-377, 2016-03-25

疫学 悪性黒色腫(malignant melanoma)は,神経堤起源細胞でメラニン産生細胞であるメラノサイト(melanocyte)に由来する悪性腫瘍である.そのほとんどは皮膚に発生するが,その他メラノサイトが存在する口腔,鼻腔,食道,胃や大腸・肛門などの消化管の粘膜や目の脈絡膜,脳軟膜,脊髄膜にも発生する.本邦における悪性黒色腫の罹病率は1.12人/10万人とされており,欧米での発生頻度は本邦に比べて高く,さらに増加する傾向にあるとされている. 原発部位別頻度をみると,消化管原発悪性黒色腫は,全悪性黒色腫の0.1〜2.5%と極めて少ない.本邦における消化管原発の悪性黒色腫は,1999年の嶋田ら1)による集計では,直腸肛門部300例,食道143例,小腸9例,結腸5例,胃2例で,海外の報告でも結腸原発悪性黒色腫は,全悪性黒色腫の0.4〜5.6%と極めて少ない.また,大腸悪性黒色腫の中では,歯状線を中心とした直腸肛門部に発生するものが最も多く(直腸肛門部は基底層にメラニン色素細胞を含む重層扁平上皮を持ち,悪性黒色腫の発生母地になると考えられている),結腸原発悪性黒色腫の約75%を占めると言われている.直腸肛門部原発悪性黒色腫は全肛門部悪性腫瘍の0.25〜3.9%である.直腸肛門部の悪性黒色腫は早期にリンパ行性,血行性転移を来しやすく,診断時既に70%の症例で転移を認めると言われている2).
著者
杉江 夏呼 中谷 扶美子 宮本 育美 平井 浩之 鈴木 裕美
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.27, no.66, pp.1027-1032, 2021-06-20 (Released:2021-06-20)
参考文献数
19

The study describes an architectural survey of The Fujita Museum warehouses. The two buildings were built in 1911 immediately after reinforced concrete construction was introduced in Japan. And after 107 years the buildings were demolished in 2018. The warehouse 1 had a superior in fireproof performance because it was made of double outer wall and with an incline roof that were made from reinforced concrete. It also have a steel roof truss that was a produced domestically by The Imperial Steel Works, Japan.
著者
鈴木 裕美
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.386, pp.22-24, 2007-07

自家製の果実酒をお客に提供していたペンションが税務署から酒税法違反を指摘され、没収・廃棄処分を通告されたニュースが波紋を呼んでいる。酒税法が現状に即していないとして、改正を求める動きも強まりそうだ。「自家製果実酒を没収する」突然、税務署がやってきた 4月17日、北海道・ニセコのペンション「ふきのとう」を2人の男性税務署員が訪れた。
著者
澤田 雅彦 丸山 太郎 北澤 吉明 前田 憲男 岩崎 良二 鈴木 裕也
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.431-437, 1996-06-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
14
被引用文献数
1

症例は18歳男性, 元々肥満ぎみだった, 1993年春より口渇出現し清涼飲料水を1日に3L以上摂取していた. 10月初めより呼吸困難出現さらに不穏状態となり14日緊急入院BMIは44.8kg/m2と著しい肥満. 血糖1040mg/dl, ケトン体も著しい高値で, 著明な代謝性アシドーシスを呈していた. ICA, IAA, 抗GAD65抗体はいずれも陰性でHLAタイプはIDDM疾患抵抗性であった. インスリン投与や補液施行するも呼吸状態悪化し死亡した. 剖検所見では両側肺動脈本幹より広範な肺動脈血栓症を認め, これが直接死因と考えられた. 膵は全体にランゲルハンス島数の減少と膵島の萎縮を認めたが膵島炎は認めなかった. アルデヒドーフクシン染色では膵島B細胞の著明な脱落を認めた. 腎には軽度の糖尿病性腎症を認めた. いわゆる “ペットボトル症候群” の膵病理所見に関する報告はなく, 貴重な症例と思われた.
著者
鈴木 裕子 堀江 良一
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.822-826, 2007-09-01

サマリー 慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia,CLL)は,低悪性度成熟B細胞腫瘍の一つである.CLLは,欧米では65歳以上の白血病の40%を占め,1年に10万人当たり3人の発症がみられるが,わが国では20~30分の1以下と稀である.CLL細胞の形態は,通常のリンパ球とは見分けがつかない.定義上は,大きさが赤血球の2倍以下の成熟した小型リンパ球で,細胞質に乏しく,核クロマチンが凝集し,核小体は見られない.CLLの約10%に経過の早いリンパ腫へと変化するものがあり,報告者の名前にちなんでリヒター症候群(Richter's syndrome,RS)と呼ばれる.一般に,びまん性大細胞型B細胞リンパ腫へと変化することが多いが,ホジキンリンパ腫(Hodgkin's lymphoma,HL)へと変化するものもある.RSの場合,それぞれの組織型に応じた治療が選択されるが,治療への反応が悪く通常1年以内に死亡する例が多い.化学療法での治療強度を上げても,寛解率の上昇にはつながらないとされる.治療後に部分寛解以上になったときに,造血幹細胞移植を行うことが最も長期生存が望めると報告されているが,わが国でのまとまった報告はない.

2 0 0 0 OA 軽度認知障害

著者
鈴木 裕
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.385-389, 2012-12-01 (Released:2013-11-07)
参考文献数
12

軽度認知障害 (mild cognitive impairment: MCI)は,Petersen により提唱された疾患である. 1. 認知機能は正常とはいえないが,認知症の診断基準も満たさない.2. 本人または情報提供者から認知機能低下の訴えがある.3. 複雑な日常生活動作の障害は最低限にとどまり,基本的な日常生活機能は正常である,という状態である.罹患率は 65 歳以上の 10-20%で,Alzheimer´s disease (AD) の約 1.5-2 倍である.MCI は記憶障害の有無で amnestic MCI (健忘性 MCI) と non-amnestic MCI (非健忘性 MCI) に分類される.さらに認知機能障害が単一か複数かで single domain か multiple domain に分類される.脳血管障害,認知機能に影響を及ぼす神経系の疾患,精神疾患,全身的な内科疾患,薬物中毒などが原因疾患となる.MCI 全体では約 70%が認知症に進行する.特に健忘性 MCI の多くは進行し,無治療であれば 4 年後には 50%,最終的には 90%以上が AD に進展する.診断の確実度として,アミロイド b (Ab) 蓄積 (アミロイド PET 陽性または脳脊髄液の Ab 42 の低下) と神経細胞障害 (脳脊髄液 tau /リン酸化 tau 増加または FDG-PET で側頭・頭頂葉の糖代謝の低下または MRI による側頭・頭頂葉の萎縮) が示されている.これらのバイオマーカ ーは AD への進展因子でもある.健忘性 MCI の段階ですでに Ab が脳内に蓄積していると考えられている.Abを標的とした薬剤が開発中であるが,順調とはいえない.現時点では MCI から AD への進行を予防する根治的治療法はない.適度な運動とビタミンを多く含むバランスのとれた食事の摂取が,ある程度効果があるといわれている.