著者
鈴木 誠 宮崎 崇
出版者
The Japan Society of Calorimetry and Thermal Analysis
雑誌
熱測定 (ISSN:03862615)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.244-250, 2007-11-15 (Released:2009-09-07)
参考文献数
25

高分解マイクロ波誘電スペクトルを応用した水中の溶質の水和状態を解析する方法を開発した。φスキャン法は溶質周りの水の誘電特性の空間分布に関する情報を提供する。溶質として,アルカリハライド塩,荷電高分子,タンパク質分子等の水和状態を明らかにすることができる。水の構造を破壊する塩として知られるヨウ化アルカリ等はバルクの水より高い誘電緩和周波数の水(ハイパーモバイル水)を周りにもっている。荷電密度の高い高分子やアクチンフイラメントもハイパーモバイル水をもっている。この水は,アクトミオシンの運動機構に関わるなど,生理的な意味でも重要な役割を担っているかもしれない。
著者
鈴木 篤 山分 規義 大坂 友希 島田 博史 浅野 充寿 村井 典史 鈴木 秀俊 清水 雅人 藤井 洋之 西崎 光弘 鈴木 誠 櫻田 春水 平岡 昌和
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.SUPPL.4, pp.S4_176-S4_183, 2010 (Released:2012-08-21)
参考文献数
12

症例は34歳, 男性. 生来健康であり, 突然死の家族歴なし. 4~5年前より心電図異常を指摘され, 2008年2月, 健診にて心室性期外収縮(PVC)およびST-T異常を指摘された. 同年3月下旬職員旅行の2日目, 朝食中にCPA(心室細動: VF)が発症し, AEDにより除細動され, 後遺症は認められなかった. 近医入院中の心電図にてcoved型ST上昇(type 1)を指摘され, Brugada症候群と診断されICD植え込み術を施行された. 2008年5月, 当科紹介受診. OGTT負荷により, IRI, および血糖値の上昇に伴い, coved型ST上昇が顕性化した. 12誘導Holter心電図記録では, 各食後においてV2誘導にてcoved型ST上昇が認められ, その程度は, 朝食後に特に強く認められた. 一方, PVCは1日中記録され, QRS波形は左脚ブロック型を呈していた. そこで後日, 朝, および昼禁食で同様に12誘導Holter心電図記録を行ったところ, 日中のPVCは著明に減少し, 朝食後, および昼食後に一致する時間帯の記録ではcoved型ST上昇は消失していた. PVCがVFのトリガーとなっている可能性を考え, カテーテルアブレーション治療を施行しPVCは軽減した.本例においてはST上昇, および心室性不整脈発生の増悪に食事が強く関与していた. 以上, Brugada症候群における致死的不整脈の自然発生機序を考慮するうえで, 夜間就寝中の発症ばかりでなく, 食事の影響も注目すべきと考えられた.
著者
鈴木 誠 鈴木 博人 阿部 玄治 平山 和哉 長井 真弓 釼明 佳代子 小野部 純
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科
雑誌
東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科紀要 : リハビリテーション科学 = Rehabilitation science : memoirs of the Tohoku Bunka Gakuen University Faculty of Medical Science & Welfare, Department of Rehabilitation (ISSN:13497197)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.13-18, 2021-03-31

2017年,本学は地域連携事業の推進を目的に,宮城県東松島市と包括連携協定を結び双方の資源を活用した地域振興・教育・研究の各分野における実践的取り組みを開始した.そこで本論では,本学理学療法学専攻と中学校とで行ってきた中学生の体力向上と運動器障害予防の取り組みについて紹介をするとともに,今後の展開について方向性を明らかにすることを目的とする.主な取り組みは,1)運動能力テストの実施,2)講話・ストレッチ講習会の開催,3)体力向上・運動器障害予防に向けた啓蒙活動,4)保健体育授業・部活動の支援,であった.今回の取り組みのように,中学生に支援が行えたことは体力向上や運動器障害予防の観点からは大変有効であったと考えられる.また,取り組みに携わった学生の成長も大きな成果であったと言える.今後も中学校との協力体制を深めて行きながら,更なる充実した取り組みを企画し,発展させていきたいと考えている.
著者
福田 守 樋口 朝美 冨澤 義志 鈴木 博人 川上 真吾 鈴木 誠 藤澤 宏幸
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
雑誌
東北理学療法学 (ISSN:09152180)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.46-54, 2016-08-30 (Released:2016-09-07)
参考文献数
6
被引用文献数
2

【目的】端坐位での振り向き動作における眼球運動,頭頸部,胸腰椎および骨盤の回旋の運動協調性について,目標物までの距離,角度,方向による差異を明らかすることとした。【対象】健常若年者20名を対象とした。【方法】目標物はLED光とし正面を0°として同心円上に30°刻みに150°までの計5箇所に設置した。また,目標物の距離は1mおよび2mとし,動作の方向は左右とした。これらの条件を変えた際の振り向き動作を行い,3次元動作解析装置を用いて,頭頸部,胸腰椎,骨盤の回旋角度を算出した。【結果】全ての体節の回旋到達角度において,目標物までの角度の主効果が有意であった。目標物30°の場合は眼球運動と頭頸部回旋角度に相関を認め,60°~150°では頭頸部と胸腰椎に相関を認めた。また,どの体節も動作開始直後から動きがみられ,頭頸部,胸腰椎,骨盤の順で動きが大きくなっていた。【結語】目標物30°では眼球運動と頭頸部回旋が,目標物60°~150°では頭頸部と胸腰椎回旋が相補し合うことが明らかとなった。
著者
原田 勇希 鈴木 誠
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.41049, (Released:2017-08-31)
参考文献数
64
被引用文献数
3

本研究の目的は,中学校理科に苦手意識を持ち,動機づけ,とりわけ期待信念が低下しやすい個人特性を明らかにすることである.先行研究の知見を受け,理科学習でのつまずき経験と関連する個人差変数として心的イメージ処理特性に,つまずきが期待信念に与える影響を調整する変数として能力観に着目して理科4分野の期待信念に及ぼす影響を検討した.その結果,空間イメージ処理に苦手さのある生徒は理科に苦手意識を持ちやすいことが明らかとなり,特に物理分野でこの傾向が顕著であった.また物理と化学分野では能力観によってその影響は緩衝され,拡大的能力観を保有していれば,空間イメージ処理に苦手さがあっても統制感が比較的維持される傾向にあった.さらに生物分野の統制感には物体イメージ処理の影響が強く,分野によって要求されるイメージ処理の特徴が異なることが示唆された.
著者
鈴木 誠也 吉村 雅満
出版者
国立研究開発法人物質・材料研究機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究では、電子デハイス応用へ向けた界面へのゲルマネン合成を目指した。その結果、Si基板上に積層したグラフェン/Au/Ag/Geを加熱することで、グラフェンとAu-Ag-Geの混晶界面に数原子層のGe薄膜を析出させることに成功した。界面のGeはグラフェンがガスバリア層として機能するために、大気暴露しても酸化されないことを明らかにした。
著者
本間 秀文 鈴木 博人 鈴木 誠 村上 賢一 藤澤 宏幸
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.323-328, 2013 (Released:2013-07-16)
参考文献数
13
被引用文献数
6 1

〔目的〕前方歩行と後方歩行において,各歩行速度での8筋の筋活動パターンと筋活動量を比較検討した.〔対象〕健常成人12名とした.〔方法〕20 m/min,40 m/min,60 m/min,80 m/minの4つの速度条件で各歩行様式の表面筋電図を測定した.被験筋は大殿筋,中殿筋,大腿二頭筋,大腿直筋,内側広筋,腓腹筋外側頭,前脛骨筋,ヒラメ筋とした.〔結果〕すべての筋で,歩行速度が変化しても,前方歩行と後方歩行の筋活動パターンに類似性は見られなかった.筋活動量は多くの筋で後方歩行の方が前方歩行よりも大きくなった.また,歩行様式にかかわらず,歩行速度の増加に伴い筋活動量は増加した.〔結語〕後方歩行は前方歩行と同様に速度増加に伴い筋活動量が増加する一方で,1歩行周期における筋活動パターンが前方歩行と異なることが明らかとなった.
著者
浅沼 靖 宮本 武美 秋山 順 中川 宏 堀 覚 北岡 正見 大久保 薫 熊田 信夫 鈴木 誠 柄沢 敏夫 久郷 準 山本 久 川村 明義
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.232-244, 1959
被引用文献数
1 4

Among the cases of scrub typhus newly recognized in Japan after the World War II, those prevalent in the Izu Shichito Islands of Tokyo Prefecture, in Awa-gun, Chiba Prefecture, and in Mt. Fuji area, Shizuoka Prefecture, are called as the "Shichito type scrub typhus" or as the "scutellaris type scrub typhus, " and Trombicula scutellaris has been presumably incriminated as a potential vector of this type of scrub typhus. The study on scrub typhus in Chiba Prefecture was commenced in 1952, when the so called "twentydays fever, " an endemic disease in this Prefecture, was assumed to belong to a scrub typhus by Kasahara et al. (1952) and Kitaoka et al. (1952).
著者
原田 勇希 鈴木 誠
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.315-327, 2018-03-01 (Released:2018-03-16)
参考文献数
64
被引用文献数
3

本研究の目的は,中学校理科に苦手意識を持ち,動機づけ,とりわけ期待信念が低下しやすい個人特性を明らかにすることである.先行研究の知見を受け,理科学習でのつまずき経験と関連する個人差変数として心的イメージ処理特性に,つまずきが期待信念に与える影響を調整する変数として能力観に着目して理科4分野の期待信念に及ぼす影響を検討した.その結果,空間イメージ処理に苦手さのある生徒は理科に苦手意識を持ちやすいことが明らかとなり,特に物理分野でこの傾向が顕著であった.また物理と化学分野では能力観によってその影響は緩衝され,拡大的能力観を保有していれば,空間イメージ処理に苦手さがあっても統制感が比較的維持される傾向にあった.さらに生物分野の統制感には物体イメージ処理の影響が強く,分野によって要求されるイメージ処理の特徴が異なることが示唆された.
著者
鈴木 誠
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.13-18, 1992-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
3

長崎出島オランダ商館の庭園は実態記録の残るわが国初の西洋式庭園と考えられる。長崎出島オランダ商館の庭園は実態記録の残るわが国初の西洋式庭園と考えられる。この庭園の時代毎の形態について, 出島の図絵類70余点を基に調査研究した。その結果, 庭園の成立から終焉までは6つの時代に分けられた。その時代と特徴はそれぞれ,(1) 出島庭園成立初期 (17世紀中頃),(2) 西洋式整形庭園前期 (17世紀末~18世紀中頃),(3) 西洋式整形庭園後期 (18世紀中頃~19世紀初頭),(4) 整形式から自然風景式への移行期 (1829~1847年頃),(5) 自然風景式庭園期 (19世紀中頃),(6) 出島庭園終焉期 (1854~1858年) と呼ぶことができた。なおこの変遷は, 西洋造園史の潮流である, 整形式から自然風景式への流れとも時代的に少し遅れて対応していた。
著者
林 孝文 伊藤 寿介 中山 均 小林 富貴子 中村 太保 小宮 隆瑞 鈴木 誠 福島 祥紘 高木 律男 大橋 靖
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科放射線学会
雑誌
歯科放射線 (ISSN:03899705)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.74-80, 1993-06-30 (Released:2011-09-05)
参考文献数
20

Carcinomas arising in jaw cysts are a very rare lesion. There was only one case report which was thought to be of origin from an inscisive canal cyst.The authors present a case of squamous cell carcinoma probably arising from an incisive canal cyst.The patient was a 60-year-old female with complaints of swelling and tenderness of the hard palate. Overlying mucosa of the lesion was normal except for an opening of fistula.An occlusal X-ray film and bone images of X-ray computed tomography (X-CT) showed a radiolucent lesion on the midline of the palate with well-defined margin and they also revealed an irregular resorption of the alveolar process of the maxilla.Soft tissue images of post contrast X-CT showed a heterogenously enhanced area in the anterior part of the lesion extending to the left upper lip.Pathological examination revealed a squamous cell carcinoma and suggested that the tumor derived probably from an incisive canal cyst.
著者
荒木 健次 村山 敏夫 鈴木 誠
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.892, pp.117-130, 2005-01-31
被引用文献数
4

プリント配線基板の電源電圧や接地電圧の変動対策に追われる機器設計者が急増する中,電源系のシミュレーション技術が脚光を浴びている。デジタル・カメラやPDAなど数多くの機器の開発現場でこうしたシミュレーション技術の導入を始めているソニーが,静岡大学,静岡県立大学と共同で開発した3次元電磁界解析シミュレータ「BLESS」の詳細を明らかにする。
著者
木村 吉秀 山内 学 成田 真 大谷 宣人 鈴木 誠司 折戸 悦朗 溝上 雅史
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 = ACTA HEPATOLOGICA JAPONICA (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.26-32, 2005-01-25
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

症例は50歳の女性. 黄疸を伴う急性肝炎にて入院し, 臨床経過, 肝組織検査, 診断基準より慢性肝障害に合併したウコンによる薬物性肝障害と診断した. ウコンの服用中止後も肝障害が遷延したためプレドニゾロンを使用. プレドニゾロンは奏効し肝障害改善後退院となった. 外来にてプレドニゾロンを中止したが, 中止後50日目に再び肝障害を認めたため2回目の入院となった. 肝組織検査, 診断基準に基づき検討したところ, 2回目の肝障害は自己免疫性肝炎であった. 1回目の肝障害と2回目の肝障害を再検討したが, ウコンによる薬物性肝障害がtriggerとなって自己免疫性肝炎が誘導された可能性と, もともと自己免疫性肝炎が存在しウコン内服によりなんらかの影響を受けて急性増悪した可能性が考えられた.
著者
Liao Yen Chang 鈴木 誠也 吉村 雅満
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学学術講演会要旨集
巻号頁・発行日
vol.36, 2016

The influence of transfer process conditions on the morphology of graphene and its electrical characteristic were investigated in this work. The as-grown CVD graphene was transferred by using wet chemical graphene transfer process. The supporting layer and substrate are PMMA and silicon dioxide. Optical microscopy and Raman spectroscopy were used to characterize graphene quality. It was found that the concentration of supporting layer and substrate cleaning treatment such as UV ozone and oxygen gases plasma can enhance or degrade graphene quality.