著者
鈴木 紀毅
出版者
日本古生物学会
雑誌
化石 (ISSN:00229202)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.15-31, 2016-03-31 (Released:2019-04-03)

A radiolarian taxonomic database with synonymy relationship was created by PaleoTax for Windows that was developed by Hannes Löser. All the taxonomic names published by March, 2015, have been completely entered, reaching 2,780 genera and 15,040 species. In consideration of taxonomic unavailable names and junior synonyms, a total of 13,590 species are regarded as available names. These available names, however, also include the species impossible to be applied for actual specimens due to lack of illustrations and less-characteristic name-bearing type specimens. Excluded such problematic species, a total of 9,870 species are considered to be practically existing. A total of 2,780 genera were established so far, and 1,450 of 2,780 genera are practically usable. Although this database is unable to be in public due to authorships to the illustrations of the name- bearing specimens, it is useful to subjectively search variable information such as the most cited species names (e.g. Cyrtocapsella tetrapera), very rarely cited names (one or twice) (58%), the number of samples (not localities) in the selected geologic time intervals (e.g. 113 samples in Cambrian and Ordovician), the species diversity changes through the geologic time, and other scientific supports. Users to database, however, must aware of the interpretation and quality of the search results.
著者
椿本 弥生 高橋 薫 北村 智 大辻 雄介 鈴木 久 山内 祐平
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.255-267, 2013-11-20 (Released:2016-08-10)

日本語母語話者の高校生を対象に,日本語で産出した小論文をグループで協同推敲できるシステム「Re:(アール・イー)」を開発した.推敲の観点として内容・構成・言語使用の3つを設定した.グループの構成員が得意とする観点がそれぞれ異なる実験群と,得意とする観点が統一された統制群とで,システム使用前後の小論文の得点を比較した.その結果,全体的評定値については,実験群のシステム使用後で有意に得点が高かった.さらに分析的評定値では,論拠の質などの小論文の質に深く関わる評価項目について実験群のほうが統制群よりも有意に得点が高かった.プレとポストの得点差において,統制群よりも実験群のほうが,各グループで一定に近かった.このことから,提案するグループ編成方法がより多くの学習者に一定の学習効果を保証できる可能性が示唆された.
著者
野島 和也 鈴木 愛 川原 睦人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A2(応用力学) (ISSN:21854661)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_219-I_228, 2011 (Released:2012-04-06)
参考文献数
10

This paper presents a numerical study of the identification of parameters for the tidal fluctuation. Tides can be expressed in the sum of regular trigonometric function which is controlled by the movement of astronomical objects. This trigonometric function is called tidal constituents. In this research, the main four constituents (M2, S2, K1, O1) are treated. The parameters, which are identified, are the amplitude and the phase difference of the four constituents. The parameter identification is carried out based on the optimal control theory. In this research, the sensitivity coefficient method coupled with finite element method is applied. As numerical study, a parameter identification in Tokyo bay is carried out.
著者
鈴木 恒男
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.153-161, 1991
被引用文献数
10

色再現に於いては肌色の再現が一番重要であるとよく言われている。その為に, 肌色の特性及びその再現に関しては多くの研究がなされている。しかし, その肌色再現の人種間の比較に関しては研究が非常に少ない。本報告では, 日本人と欧米人の好ましい肌色を白人女性の写真を使って調査した。その結果, 日本人は欧米人よりも赤みの肌色を好む事が分かった。この事は従来白人及び日本人で独立に行なわれた研究とも対応するものである。
著者
鈴木 将史 Masashi SUZUKI
出版者
創価大学教育学部・教職大学院
雑誌
教育学論集 (ISSN:03855031)
巻号頁・発行日
no.73, pp.171-187, 2021-03-31

筆者は2018年4 月から3 年間の計画で、「江戸期の和算における教育課程の探究を通した算数・数学教育刷新の提案」とのテーマのもと科学研究費補助金を受けて研究を続けてきた。そもそもの発想は、「江戸時代には和算と呼ばれる数学が大変発達し、日本全国で算術教育を行う塾が盛んであったことはよく知られているが、そこではどのような教育課程に従って算術が指導されていたのであろうか?」という疑問であった。教育である以上、流派や地域によって異なるとはいえども何らかのカリキュラムがあり、ある種の指針に従って算術教育が行われていたに違いないであろうと考えたのである。その上で筆者は、日本の津々浦々、農村部に至るまで、多くの人々が楽しく数学を学んでいたという江戸時代の教育のあり方が、「数学離れ」を克服できない日本の数学教育において、新たな風を呼び起こすヒントになるのではないかとも考えた。 コロナ禍で移動が大幅に制限されたこともあり、全国の算術塾の調査が進んだとは言えなかったが、2019年に訪れた長野県で見聞した江戸時代の数学研究の様子や、それ以前に知った至誠賛化流と呼ばれる和算の流派の活動状況等から、江戸時代にはある種の「常識」として、数学が広く、しかも自発的・積極的に研鑽されていたことを知ることができた。 そのような研究の一環として、筆者は昨年発表した論考「和算流による算数・数学教育改革の試み」において、和算の醍醐味が算術塾における問題作りにあったこと、そして同様な作題活動を取り入れることが算数・数学教育を活性化させること、またそれが「創造的なアクティブラーニング活動」につながり、文部科学省の目指す「主体的・対話的で深い学び」にも通じることを主張した。ただ、そこで提案した作題は、あくまでも「学習を活性化させる方法・手段としての作題」であり、紹介した例も、既存の問題をつなぎ合わせる方法のみであった。 本稿ではその考えをさらに進め、もっとたくさんの「作題」を取り入れる方法について述べるとともに、和算のレベルを飛躍的に向上させた「遺題継承」と呼ばれる方式にならい、算数・数学をより「深い学び」へと導く方策について考察したい。
著者
鈴木 三男 小林 和貴 吉川 純子 佐々木 由香 能城 修一
出版者
日本植生史学会
雑誌
植生史研究 (ISSN:0915003X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.79-85, 2017 (Released:2021-03-17)

A cloth bag of the early modern Edo period (the latter half of the 18th century) was excavated from the road remains of the Minamimotomachi site, Shinjuku, Tokyo. This bag contained stems and leaves of plants. The material of the cloth bag was anatomically identified as fibers of the hemp (Cannabis sativa L.). From the plant morphological and anatomical studies, the contents of the bag were identified as stems and leaves of the tea plant (Camellia sinensis (L.) Kuntze). These results agree well with the description in the historical literature that, during the Edo period, commoners drank tea by boiling tea leaves in hemp bags in a pot.

3 0 0 0 標本調査法

著者
鈴木達三 高橋宏一著
出版者
朝倉書店
巻号頁・発行日
1998
著者
小池 拓矢 鈴木 祥平 高橋 環太郎 倉田 陽平
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

<b>1.</b><b> </b><b>はじめに<br></b> スマートフォンの普及にともない、携帯端末で利用する、実空間と連動したさまざまなサービスが登場している。観光分野においては、位置情報を活用したサービスが観光客の行動に影響を与えるだけでなく、観光振興のツールとしても活用されている。そのなかでも本研究では、世界規模で行われている位置情報を利用したゲーム(以下、位置ゲーム)に着目した。 世界規模で行われている位置ゲームの例として、現実空間で宝探しを行う「ジオキャッシング」がある。ある参加者が設置した宝箱を他の参加者がスマートフォンやGPS受信機を片手に探し回るものであり、2016年7月現在、世界には約290万個の宝箱が存在している。また、Niantic Labsが開発・運営する「Ingress」は全世界規模で行われる陣取りゲームであり、この位置ゲームを介して企業のプロモーションや自治体の観光振興が行われている例もある。そして2016年7月、位置ゲームにAR(Augmented Reality: 拡張現実)と人気キャラクター「ポケモン」の要素を加えたアプリゲームである「Pokemon GO」が全世界で順次配信された。このゲームの最大の特徴はスマートフォンのカメラ越しの風景に、ポケモンがあたかも現実空間に存在するかのように出現することである。配信直後からPokemon GOで遊んでいる写真などがSNSに数多くアップされ、メディアでは社会現象として連日このゲームの話題が取り扱われた。 倉田(2012)はジオキャッシングやスタンプラリーのようなフィールドゲームを観光地が実施する意義について、以下の5点を挙げている。 地域の有する観光資源を認知してもらう機会が増える観光資源に付加価値を与えることができる観光客の再訪が期待できる滞在時間の増加が期待できる旅行者が地元の人と言葉を交わすきっかけを生み出せるかもしれない つまり、本来は目を向けられることもないスポットに人々を誘引する可能性を位置ゲームは含んでいる。本研究の目的は、Twitterの位置情報付きツイートをもとに、Pokemon GOの観光利用の可能性について基礎的な知見を得ることである。 <br><br><b>2.</b><b> </b><b>研究方法</b> <br> Pok&eacute;mon GOの配信がアメリカなどで始まった2016年7月6日以降、Twitterの投稿内容に「Pokemon GO」の文字列が含まれる位置情報付きツイートを、TwitterAPIを用いて収集した。そして、ツイートが行われた位置やその内容について整理し、分析を行った。日本では7月22日に配信が始まっており、「ポケモンGO」の文字列を含むツイートについても分析の対象とした。 <b>&nbsp;<br><br></b><b>3.</b><b> </b><b>研究結果<br></b><b></b> 日本でPokemon GOの配信が開始された7月22日(金)から24日(日)までに日本国内で投稿された位置情報付きツイートのうち、上記の条件を満たすものの分布に関する図を作成した。これによると、Pokemon GOに関するツイートの投稿地点は全国に広がって分布していることがわかった。
著者
鈴木 桂水
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.408, pp.134-137, 2009-02

●取材協力カネヲト水産 TEL0982-45-2274宮崎県延岡市北浦町宮野浦401「ひむか本サバ」はキロ単位での販売。目方の目安は1本あたり500〜600g。関東圏へは、1850円/1kg(送料込み)で発送する。午前中に出荷すれば翌日着が可能。カネヲト水産では鮮魚の仲買も行うので、カンパチ、伊勢エビ、カワハギなど日向灘の海の幸をセットで注文することもできる。価格等は要相談。
著者
鈴木 亘
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.13, 2017 (Released:2019-01-02)

One of Jacques Rancière’s contributions to aesthetics is his re-reading of the history of aesthetics. Rancière refers to the regime that has identified art as “art” since the end of the 18th century as “the aesthetic regime of art.” Against the short divisions of art history by modernism or postmodernism, he seeks to describe the long term. For Rancière, ideas of “modernism” and “postmodernism” need critique because the two cannot treat general transformations in the aesthetic regime of art. We will explain how his thinking can renew the discourses of modernism and postmodernism. This essay first examines the pre-existing modernist and postmodernist thinking that Rancière criticizes. It then deals with his view of the history of art history by reading Le partage du sensible. This reading aims to emphasize the work’s originality with regard to modernist and postmodernist thinking. We finally investigate his analysis of political art in Malaise dans l’esthétique, whose arguments offer us a new point of view fot reconsidering contemporary political art. We conclude this essay by stating that Rancière recognizes the political effectiveness of the “mixtures” of the heterogeneous that fundamentally characterize the aesthetic regime.
著者
鈴木 陽一 竹島 久志
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.124, no.11, pp.715-718, 2004-11-01 (Released:2008-04-17)
参考文献数
6
被引用文献数
2 2
著者
鈴木 庸平
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2015年度日本地球化学会第62回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.186, 2015 (Released:2015-09-03)

大陸地殻に花崗岩は広く分布し、花崗岩の亀裂を流動する地下水は、冷却過程での熱水活動や海進・海退等の影響をうけて変遷する。最終氷期以降の氷河融解と隆起により、淡水と海水が深部まで浸透した北欧の花崗岩体では、還元的地下水中でウランが高濃度で検出され、その要因は明らかでない。日本最大級のウラン鉱床が東濃地域で約1000万年前に形成したが、花崗岩中で大規模にウランが移動した要因についても明らかではない。東濃地域は1800から1500万年前にかけて、水深が200メートルに至る海進を経験し、花崗岩の亀裂中で当時の海水から沈殿した炭酸カルシウムが充填鉱物として保存される。地下水中でのウラン濃度の変動を復元することを目的とし、瑞浪超深地層研究所の深度200 mの掘削孔から、炭酸塩脈が発達する花崗岩コア試料を採取し、微量な炭素酸素安定同位体測定とナノスケールでの鉱物解析を行った結果について発表する。
著者
西村 真吾 山内 克哉 蓮井 誠 山下 裕太郎 鈴木 隆範 川嶋 雄哉 久木 貴寛 伊本 健人 池島 直貴
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.I-59_2, 2019 (Released:2019-08-20)

【はじめに、目的】足部アーチにおける重要な機能として,接地時の衝撃緩和に働くトラス構造がある.中でも内側縦アーチの低下した障害を偏平足といい,足底筋膜炎やシンスプリントなどの原因になりうるとの報告もある.内側縦アーチの高さと筋力の関係は,アーチが高い程,足趾握力が強いとの報告があるが,影響を及ぼさないとの報告もあり,見解は一致していない.また,足関節周囲筋筋力との関係性を調査した研究もみられない.そこで本研究の目的は,アーチ高率と足部外返し,内返し筋力との関係性について調査し,偏平足に対する新たな治療の一助とすることとした.【方法】対象は,健常成人14名14足(男性7例,女性7例),除外基準は足部骨折や脊髄疾患のある者とした.年齢26.2±5.5歳,体重57.9±9.3kg.アーチ高率は,床面から舟状骨までの高さを実足長で除して100 を乗じた値を用い,計測肢位は立位荷重位で足隔は肩幅とした.筋力はBIODEX SYSTEM4で測定し,角速度60°/sと180°/sにおける足部外返し,内返し最大トルクを算出し体重で除したトルク体重比を算出.また,外返し最大トルクに対する内返し最大トルクの比(以下,IE比)は内返し最大トルクを外返し最大トルクで除して算出し,それぞれの値とアーチ高率との関係を検討.統計処理にはSPSS Version22を使用し,解析はPearsonの相関係数を用いた.【結果】平均値は,アーチ高率:17.2±2.9%,トルク体重比は外返し(60°/s):51.6±13.7Nm/kg,内返し(60°/s):37.5±8.2Nm/kg,IE比(60°/s):0.77±0.23,外返し(180°/s):30.8±5.8Nm/kg,内返し(180°/s):22.6±3.8Nm/kg,IE比(180°/s):0.76±0.18であった.アーチ高率と内返し(60°/s,180°/s), IE比(60°/s)には相関が認められなかった.アーチ高率と外返し (60°/s)(r=-0.66),外返し(180°/s) (r=-0.71)には有意な負の相関,アーチ高率とIE比(180°/s)(r=0.68)には有意な正の相関が認められた.【考察】アーチ高率と外返しトルク体重比(60°/s,180°/s)に負の相関がみられたことから,外返しの作用を有する長・短腓骨筋が内側縦アーチを引き下げている可能性が示唆された.加えて,アーチ高率と内返しトルク体重比(60°/s,180°/s)には相関が認められず, IE比(180°/s)に正の相関が認められたことから,内返しの作用を有する前・後脛骨筋筋力のみが内側縦アーチに影響を与えるのではなく,長・短腓骨筋に対する前・後脛骨筋筋力の比が内側縦アーチに影響を与える可能性が示唆された.後天性扁平足の主な原因は後脛骨筋機能不全とも言われているが外返し筋力とのバランスが重要かと思われる.【結論】60°/s,180°/sにおける外返しトルク体重比が大きいほど,また,180°/sにおけるIE比が少ないほど内側縦アーチが低くなる可能性が示唆された.低アーチを改善させるためには外返し筋力を抑制するような方法やIE比を大きくするような方法が有効かは縦断的な調査が必要かと考える.【倫理的配慮,説明と同意】本研究は当院倫理委員会の承認を得て行い,対象者には書面にて研究協力の同意を得た.
著者
高橋 原 鈴木 岩弓 木村 敏明 堀江 宗正 相澤 出 谷山 洋三 小川 有閑
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

東日本大震災の被災地において、大量死に直面し悲嘆を抱える人々は様々な形で死者の霊の表象と向き合っており、それが「心霊体験」として表現されたときに、宗教者は地域文化や各宗派の伝統を参照しながら臨機応変に対応していることが明らかになった。本研究ではその対応の特徴として、 (1)受容と傾聴、(2)儀礼の提供、(3) 倫理的教育、(4)自己解決(自然治癒)の了解、という諸点を指摘したが、これは、さまざまな支援者が存在する中で、宗教者が担い得る「心のケア」の特質を考える時に貴重な示唆を与えるものである。