著者
井上 裕香子 長谷川 寿一 齋藤 慈子 清成 透子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究
巻号頁・発行日
vol.88, no.6, pp.580-586, 2018
被引用文献数
2

<p>The Social Value Orientation (SVO) explains individual differences in cooperation attitudes. In this study, we examine whether the SVO affects the time taken, and amount of information gathered, when judging the trustworthiness of other people. Participants were able to choose a partner based on the past allocation patterns of candidates, mimicking how people are able to select with whom they cooperate in their social environments. We investigated the effect of the SVO on the method of gathering information on character and choosing a social exchange partner. The results revealed that participants with a prosocial (cooperative) orientation took less time to choose a partner, gathered less information, and tended to choose partners who behaved equally with everyone, compared to participants with an individualistic (selfish) orientation. Our findings suggest that people with a prosocial orientation prefer partners who treat everyone equally, regardless of the relationship, while people with an individualistic orientation deliberately seek out candidates who are likely to provide a relationship which is beneficial to themselves.</p>
著者
岡田 浩明 長谷川 浩 橋本 知義 関口 博之 浦嶋 泰文
出版者
日本線虫学会
雑誌
日本線虫学会誌 (ISSN:09196765)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.63-71, 2009
被引用文献数
3

有機栽培と慣行栽培との現実的な違いが土壌の生物性や理化学性に及ぼす影響を検討するためには、有機物施用のみの有機農家圃場(有機)と、化学肥料と化学農薬の使用に加え有機物施用も行う慣行農家圃場(慣行)との比較が不可欠である。2005年と2006年に東北地方のトマト農家温室で線虫群集構造を分析した。土壌の粒径組成、調査地点及び栽培季節の違いを考慮しても、栽培管理(有機と慣行との違い)は両年とも"捕食者+雑食者"群の密度およびStructure Indexに有意に影響を及ぼし、有機で値が高かった。2005年の栽培管理は線虫群集構造全体をも有意に説明し、分類群ごとでは、Dorylaimidaが有機の、DiplogasteridaeとAnguinidaeが慣行の指標となった。一方、2006年には群集全体への栽培管理の影響は有意ではなかった。しかしこの年も分類群ごとに見ると、DorylaimidaとDiplogasteridaeが各栽培管理様式の良い指標となった。個々の環境要因を説明変数として検討すると、土壌の粒径組成や細菌密度がこれらの線虫の密度に有意な影響を与えていたが、その解釈は十分にはできなかった。化学農薬の測定なども含めたさらなる調査が必要である。
著者
長谷川 紀子
出版者
北ヨーロッパ学会
雑誌
北ヨーロッパ研究
巻号頁・発行日
vol.12, pp.67-76, 2016

ノルウェー、ヌーラン県ハットフェルダル・コムーネ(kommune)に、少数先住民族サーメ児童・生徒のための基礎学校がある。1951年、国立の寄宿制サーメ学校として創立され、特に1980年以降、南サーメ言語・文化教育をノルウェーの普通教育に取り組んだ独自の教育を展開してきた。しかし、2000年以降、徐々に児童・生徒数が減少し、現在は通年の学校として機能していない。本稿の目的は、スウェーデンにあるサーメ学校と比較の観点から、学校の教育的特徴を分析し、児童・生徒数減少の要因と実情について明らかにすることである。学校は、現在、短期セミナーや遠隔教育を駆使して南サーメ言語・文化を伝承する役割を果たしている。しかし、通年で 通う児童・生徒を確保できないがために新たな課題に直面している。この学校は、今後どのような教育機関として位置づけられていくのだろうか。
著者
末石 智大 長谷川 圭介 奥村 光平 奥 寛雅 篠田 裕之 石川 正俊
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.173-183, 2014-06-30 (Released:2017-02-01)
被引用文献数
1

In this paper, we propose an image and tactile presentation system for quickly moving objects, high-speed dynamic information environment, and a calibration method between a camera and Airborne Ultrasound Tactile Display(AUTD), which can present tactile sensation noncontactly as focused ultrasound. We realize one example of high-speed dynamic information environment that even if an object is moving, we can use the object as a tool for human interfaces without delay by combining a high-speed gaze controller by rotational mirrors. An accuracy of position, however, is not sufficient against difference threshold between images and tactile sensation because of mainly error of position between AUTD and camera. We calibrate the AUTD-camera system by visualizing the invisible focal position using Frustrated Total Internal Reflection(FTIR). Experimental results show that estimation accuracy is better than the threshold.
著者
長谷川 大 白川 真一 佐久田 博司
雑誌
情報処理学会論文誌教育とコンピュータ(TCE) (ISSN:21884234)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.83-92, 2018-02-20

本論文では,Pedagogical Agent(PA)が説明を行う際に用いる導管メタファ・ジェスチャが,学習者における専門用語の記憶定着,抽象概念間の関係性の理解,学習体験,および,PAの知覚に与える影響を評価する.実験は,ジェスチャ要因(スピーチ・ジェスチャ・マッチ条件vs.スピーチ・ジェスチャ・ミスマッチ条件vs.ジェスチャなし条件)を操作する1要因3水準参加者間実験デザインとし,用語記入課題,図形選択課題,およびアンケートによって評価を行った.大学生140名によるオンライン実験の結果,スピーチ・ジェスチャ・マッチ条件で,スピーチ・ジェスチャ・ミスマッチ条件およびジェスチャなし条件と比較して,図形選択課題スコアに向上がみられた.またスピーチ・ジェスチャ・マッチ条件で,ジェスチャなし条件と比較して,参加者がより学習内容の理解に努めていたことが明らかになった.これらのことより,PAの導管メタファ・ジェスチャは学習者にとって内容理解の補助になることが示唆された.
著者
福井壽男 向井 正視 篠田 了 長谷川 二郎
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯材器 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.685-690, 1992
被引用文献数
8

12%金-パラジウム-銀-銅合金は, 金, パラジウムの量はそれぞれ12%と20%と一定している.しかし, 銀の含有量は45〜55%で銅の含有量は10〜20%とメーカーによって異なる.この合金の銀と銅の組成比と金の添加量の増加の影響を知ることは材質評価だけでなく, 合金開発の指針としても重要である.本研究は銀と銅の比率が異なる12%金-20%パラジウム-銀-銅合金のS-12(石福金属)とCastwell M.C(GC)と20%金-パラジウム-銀合金のAlba 20を用いて, 熱処理の影響と硬化機構との関係を調べた.その結果, 12%金-20%パラジウム-銀-銅合金では銀と銅の組成比の違うS-12とCastwell M.Cの熱処理と機械的性質の特性は類似している.12%金-20%パラジウム-銀-銅合金の硬化機構は時効硬化型と固溶体硬化型の2つである.一方20%金-パラジウム-銀-銅合金の硬化機構は時効硬化型のみであった.
著者
重田 崇至 梅田 正博 吉武 賢 高橋 英哲 澁谷 恭之 古森 孝英 井堂 信二郎 長谷川 巧実 李 進彰
出版者
Japanese Stomatological Society
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.1-7, 2012 (Released:2012-03-08)
参考文献数
33

It has been recommended recently that patients receiving anticoagulant therapy should undergo dental extraction without discontinuation of anticoagulant drugs in consideration of the risk of thromboembolism, but the frequency of hemorrhagic complications has not been well documented. A retrospective study of 282 patients who underwent dental extraction under continuous warfarin therapy was performed.Twenty-two of the 282 patients (8.9%) showed postoperative hemorrhages: 14 of 168 (8.3%) in those receiving administration of warfarin alone, and 11 of 114 (9.6%) in those receiving administration of both warfarin and antiplatelet drugs. Most of the hemorrhages occurred within 2 days after the extraction. The rate of postoperative hemorrhage was 5.7% in those with prothrombin time International Normalized Ratio (PT-INR) of 1.49 or lower, 12.5% in those with PT-INR of 1.5-1.99, 12.8% in those with PT-INR of 2.0-2.99, and 16.7% in those with PT-INR of 3.0 or higher, although there was no significant difference between PT-INR and frequency of postoperative hemorrhage. All patients showing postoperative hemorrhage were treated successfully by local procedures such as suturing or application of cellulose oxide gauze. These findings suggest that dental extraction can be safely done without discontinuation of warfarin therapy.
著者
秋山 豊和 寺西 裕一 岡村 真吾 坂根 栄作 長谷川 剛 馬場 健一 中野 博隆 下條 真司 長岡 亨
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.1249-1264, 2008-03-15

大阪大学では,高いセキュリティレベルと標準的なインタフェースを兼ね備えた認証技術として注目されている公開鍵基盤(PKI: Public Key Infrastructure)に基づく全学IT 認証基盤を導入した.本学で導入した全学IT 認証基盤システムでは,署名・暗号化,学内認証,グリッドシステム認証,という異なるポリシに対応する複数のCA を導入・共存させている.これら複数のCA 向けの証明書発行を自動化することにより,安全性と利便性を両立した証明書発行サービスを実現している.また,PKI に対応したシングルサインオン(SSO)機能を導入し,学内ユーザが各システム間で統一的なインタフェースにより認証を行えるようにした.アプリケーションWeb サーバに認証機能を組み込むエージェント型のSSO 機能の導入により,1 度アプリケーションをSSO 対応させてしまえば,アプリケーションを変更することなくシームレスにパスワード認証からPKI 認証へ移行・共存することが可能となった.さらに,ユーザID 体系として,公開用に変更を許容するユーザID と,システム間連携用に1 人に1 つ決まる不変のユーザID とを設け,それらの対応付けを内部的に行うことにより,安全性・柔軟性ある運用を可能とした.本稿では,本認証基盤の設計と実装について述べるとともに,システムの導入により得られた技術的ノウハウや今後の展開についても述べる.
著者
横山 俊一 長谷川 直子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

<b><u>1. </u></b><b><u>はじめに</u></b><br><br>娯楽指向の一般の人たちへ地理的視点を広めるには、世の中で広く受け入れられている地理コンテンツを活用するのが得策であると考える。そこで演者らは、一般普及に効果のある地理コンテンツの形式や現状について調査してきたが<sup>*</sup><sup>1</sup>、日常的に見られるテレビ番組や雑誌など一般社会での地理的コンテンツへのニーズは潜在的に存在していることが確認できた。そのようななか、比較的安価な値段でコンビニなどで販売されているペーパーバック書籍に注目した。本発表ではこれまでに確認できた地理的な内容を含んでいると考えられるペーパーバック書籍を中心に、その特徴について報告する。<br><b><u>2. </u></b><b><u>コンビニペーパーバックについて</u></b><b></b><br>コンビニペーパーバックは多くの種類が販売されているが、当初人気マンガの廉価版としてはじまった。1冊500円程度の値段で手軽に購入できることから売り上げも伸び、マンガ以外のアイドルなどの芸能関連、マニアックな歴史ものなど種類も増えていった。そのようなことか様々な出版社からペーパーバック書籍が販売されることとなり、地理的コンテンツを含んだペーパーバックも出版されるようになった。特にD社の地図帳シリーズは1シリーズで40万部を売り上げ学校教員も参考として購入している<sup>*2</sup>。地理的コンテンツを含んだペーパーバックを多数出版しているD社であるが、ここ数年は文庫や新書の販売にシフトしている。<br><b><u>3.</u><u> 方法</u></b> <br>これまにコンビニで販売されたペーパーバックの中から地理的コンテンツを含んだものがどれくらい出版されているのかを各出版社のwebサイト、出版年鑑などから調査しており、書籍のタイトルに「地図」「地名」「地理」というキーワードのあるもの、またそれに近い地理的な要素となる単語を含むもの(都市、都道府県、日本、世界、紀行、鉄道)を基準として実物の書籍の確認を行っている。それらの編著者、出版社、総ページ数、出版年、サイズ、価格等をデータベース化している。<br><b><u>4.</u><u> 結果</u> </b><br>タイトルは表1にあるように「地図」あるいは「地図帳」となっているものが圧倒的に多い。これは演者らがこれらの出版社の編集者に聞き取りを行ったときにも、「地理」というよりも「地図」といったほうが一般受けがいいと言われたことと矛盾しない。ペーパーバックの著者名は◯◯地理研究会や◯◯地理学会といったものもが多く一見アカデミックなものとなっているが、これらのほとんどは学術団体ではなくライター集団が名乗っている名前である。1冊のみ地理学者が監修した本がある。<br><b><u>5.</u></b><b><u> 考察</u></b><b> </b><b></b><br>D社の№16-23の地図帳シリーズは40万部を売り上げたということからも、地理の一般への普及手段としてペーパーバックは見逃せない。そしてこの地図帳シリーズの購入者として、学校教員も多いということからも地理教育の面からも重要である。地理学研究者の書籍の多くは専門分野のフィードバックであり、専門書やさらに平易に記した新書などが中心である。これは自らか学ぼうとする人や知的好奇心の強い一般の人には非常に有効である。しかし自ら学ぶ意欲の少ない人を対象とした場合、その取っ掛かりには限界がある。そこでコンビニを中心として販売されているペーパーバックをもちいることで地理の一般普及が進んでいくのではと考える。
著者
長谷川 幸祐 諸星 利男 福井 俊哉 河村 満 杉田 幸二郎
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.69-78, 1997-02-28 (Released:2010-11-19)
参考文献数
30

パーキンソン病の運動及び知的精神機能障害には数多くの修飾因子が関与している.今回, われわれはパーキンソン病の臨床症状に関わる諸因子; (1) パーキンソン病患者の生活機能予後の悪化に関与する因子, (2) 痴呆を伴うパーキンソン病患者にかかわる因子, (3) 死因について, 1992年~1996年の4年間にわたり追跡し, 検討を加えた.対象は昭和大学神経内科に受診中のパーキンソン病患者, 49例, 平均年齢67.9歳 (51~89歳) .男性16例, 女性33例 (男女比1: 2.1) である.方法は (1) 1992年時に初発症状, 罹病期間, Hoehn-Yahr重症度, 抗パーキンソン病薬の内容と用量, X線CT上の脳萎縮所見, MRIT2強調画像上の高信号病変 (大脳基底核は除く) , 及び知的精神機能を検討し, 1996年の生活機能を障害程度から5段階に区分し, 上記諸因子と生活機能予後の関連性について重回帰分析を用いて分析した. (2) 4年間の観察期間中に, 新たに痴呆が発症した群における上記諸因子の特徴, 死亡例の死因を検索した.4年間の追跡の結果, 加齢, 高い重症度, かな拾いテストの低得点が生活機能予後を悪化させる要因であった.受診時高齢者・高齢発症者に痴呆の発現率が高く, 運動機能の低下に伴い知的機能が平行して高率に低下した.死亡例は10例, 死因発症前のHoehn-Yahr重症度は, いずれもIII度以上で, IV度以上が50%を占めていた.直接死因は肺炎6例, くも膜下出血2例, 転倒による急性硬膜下血腫1例, 麻痺性イレウス1例であった.以上よりパーキンソン病の予後悪化には, 加齢や運動機能の低下の他に前頭葉機能の低下が関与すると結論づけられた.
著者
長谷川善左衛門弘 閲
出版者
磻渓社
巻号頁・発行日
vol.第2冊, 1844
著者
神作 愛 今井 崇雄 高橋 一郎 澤田 茂樹 山内 美智子 長谷川 英美 五十川 光俊 米重 成人
出版者
Japanese Society of Psychosomatic Dentistry
雑誌
日本歯科心身医学会雑誌 (ISSN:09136681)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.37-41, 1997-06-25 (Released:2011-09-20)
参考文献数
12

Antinociceptive effects of the traditional Chinese (Kampo) medicines, Hochu-ekki-to, Yoku-kan-san and Saiko-ka-ryukotsu-borei-to, were studied on acetic acid-induced writhing in mice. The number of writhings observed was counted in consecutive 5 min periods for 60 min after intraperitoneal injection of 0.6% acetic acid. Kampo medicines were administered for 14 consecutive days, prior to testing, in the drinking water. Oral administration of Hochu-ekki-to (60, 150 and 300 mg/kg/day) dose-dependently reduced the number of acetic acid-induced writhings. Yoku-kan-san (60, 150 and 300mg/kg/day) tended to inhibit the writhing response to acetic acid in a dose-related manner. Saiko-ka-ryukotsu-borei-to (60, 150 and 300 mg/kg/day) markedly reduced the number of acetic acid-induced writhings but its effects were not dose-dependent. These results suggest that these Kampo medicines may have antinociceptive properties.

1 0 0 0 OA [お伽噺]

著者
長谷川園吉 編
出版者
長谷川園吉
巻号頁・発行日
vol.桃太郎一代記, 1886
著者
井上 裕香子 長谷川 寿一 齋藤 慈子 清成 透子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究
巻号頁・発行日
2018
被引用文献数
2

<p>The Social Value Orientation (SVO) explains individual differences in cooperation attitudes. In this study, we examine whether the SVO affects the time taken, and amount of information gathered, when judging the trustworthiness of other people. Participants were able to choose a partner based on the past allocation patterns of candidates, mimicking how people are able to select with whom they cooperate in their social environments. We investigated the effect of the SVO on the method of gathering information on character and choosing a social exchange partner. The results revealed that participants with a prosocial (cooperative) orientation took less time to choose a partner, gathered less information, and tended to choose partners who behaved equally with everyone, compared to participants with an individualistic (selfish) orientation. Our findings suggest that people with a prosocial orientation prefer partners who treat everyone equally, regardless of the relationship, while people with an individualistic orientation deliberately seek out candidates who are likely to provide a relationship which is beneficial to themselves.</p>
著者
長谷川 秀樹
出版者
日本島嶼学会
雑誌
島嶼研究 (ISSN:18847013)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.1, pp.35-60, 2000 (Released:2010-04-30)
参考文献数
30

The “region”, sub-national entity in Europe, plays some more important roles in a place of Nation-States in a context of European integration. However, “island regions” around European Continent have a risk to be more marginalised by the economic integration advanced by the central regions. The island region in Europe has a special socio-economic backwardness caused by its remoteness from the Continent and this special character is called “insularity”.Political autonomy is, I think, one of the best choices that activate an island region without delete its insularity. Thus European insular regions have a special status that is different from the regions in the Continent, that rules their political autonomy. However, there are many cases that island regions have a heterogeneous historic-cultural fact and a strong identity that could appeal to nationalism or separatism from the mainland country. So that autonomous status of island region in Europe is not homogeneous.Corsica, Mediterranean island region that belongs to France, has not been autonomous for a long time because of its special socio-political situations, Corsican nationalism and “clan”, one of patriarchal formations typically observed in some Mediterranean insular regions.In 1982, by the decentralization policies of socialist President Mitterrand, France was reorganized into 22 more autonomous “regions” from the “prefecture” whose prefect has been nominated by the Ministry of Interior, French administrative. Corsica was ruled by an act as a region with a special status. The Regional Assembly of Corsica consisted of 61 representatives elected by the islanders was created in this year and could vote projects of program on mainly Corsican linguistic and cultural education of a supplemental course in a school, regional transportation and development of new energy. The regional administration of Corsica could exert these programs.However, instability in the Regional Assembly because of lack of a strong core party and frequent elections, shortage of competence or finance of the Region of Corsica caused their dysfunction and discredit from the islanders.And in 1991, Corsican act was revised and Corsica changed a Territorial Collectivity, original local entity, from a region, common local entity. Though this renewal act defined Corsica as a “people”, Constitutional Council judged that this definition would be against the French Constitution that rules French national unity and its equality, and deleted Article 1 that contains this definition.However, Corsica was authorized to be more autonomous with an original competence. In addition to education and broadcasting of regional language and culture, special taxation and some economic development program are ceded to Corsica. And Corsican regional organization also was changed. Regional Assembly was divided into Corsican Territorial Assembly and Corsican Executive Council. The president and 6 members of Executive Council exert Corsican regional administrative and vote projects of budget and cultural and economic programs, and these members are elected from the representatives in the Territorial Assembly by election. Executive Councilors are obliged to make some annual reports on the executive situation and their results in the Assembly and to be credited by it. Thus after 1991, Corsica establishes its collegiality and responsibility for the smooth practice of the larger competence.It is doubtful whether Corsica has a political autonomy by the status reform in 1991. Because there is not any articles on Corsican status in the French Constitution though those of TOMs' status, French Overseas Islands, are in it, and those of Sicilian and Sardinian status are in the Italian Constitution. And Corsican Territorial Assembly can vote only motions, some taxation and programs of local cultural and economic development, but not any